【完結】もしもウマ娘がブラコンお姉ちゃんだったら最高だよね杯 作:藤原ロングウェイ
やっぱりジェンティルドンナとはキャラが全く違うけど、ジェンティルドンナ(姉)という別世界のお話なので許して!
カーテンからの木漏れ日と小鳥の鳴き声で目を覚ます。
「朝か……」
昨日はトレーナーの親睦会に参加しなきゃいけなかったから大変だった。
酒をしこたま飲んで悪酔いした
ヒトミミにできるわけねぇだろあんなの……俺にできることと言ったらマイ鉄球を幾つか取り出してお手玉するくらいだわ。
やったらやったで【世界一かっこいい細身のゴリラ】とか言われるし。イミフ。
でも収穫はあったな。まさか桐生院トレーナーがあそこまで出来る人だとは思わなかった。
知識もそうだが、よもや俺が腕相撲で人間の女性相手に全力を出す日が来ようとは。
腕力ではギリギリ勝てたが、向こうが得意と言っていたパルクールだったら勝てたかどうかわからんな。
チルねぇのトレーナーとして無様な姿は許されない。しっかり鍛え直さないと。
さて、そろそろ起きるかーと思いつつ、ベッドの中で左横を向く。
「……」
チルねぇがいた。
「……」
目を瞑る。
……ふぅ。一応未成年なので、昨日はお酒は飲んでないはずなんだけどな。
シスコンを拗らせると姉の幻覚が見えるようになるらしい。
全く、困ったもんだ。(困ってない)
……目を開ける。
「…………」
「…………」
チルねぇがいる。
普通にベッドの中に入って横になってる。
そして俺とめっちゃ目が合ってる。
「……おはよう」
「!?」
幻覚に話しかけられた、だと……?
もしや幻術? 無限月読にかかってる俺?
「やはり……うちはマダラか……!?」
「あら、幻術にかかっているの? 確か第三者からの介入が必要だったわね」
「うそ! おはようチルねぇ! 今日もかわいいね!」
チルねぇがそう言って左腕を持ち上げた瞬間に俺の中で警報が鳴り響き、即座に返事をする。
するとチルねぇは持ち上げた腕を下ろした。セーフ!
「おはよう。目は醒めたかしら?」
「バッチリです!」
ほんとにバッチリ目が醒めましたよ。(衝撃の展開で)
「あのまま寝顔を見ているのも悪くはないけれど、今日は買い物に出かける予定でしょう? 早く起きて準備をなさい」
「はーい」
掛け時計に目をやると現在6時ちょい。
新しい鉄球を見に行くはずだけど、あそこの店11時開店じゃなかった?
……まぁいいか。
ベッドから上半身を起こし、両手を高く上げうーんと背伸びをする。
ふとチルねぇを見る。
「ブッッッ!?」
「……ちょっと。朝から汚い真似はおよしなさい。興が削がれるわ」
俺の吹き出しに不愉快そうな顔をするチルねぇだが、そんな話をしている場合じゃない!
すぐに顔を背けて目を瞑る。
「お姉さま、その格好はなんなのでしょうか?」
「格好?
「だけれどって……いや、そうかもしれないけど、もうちょっとこう、ジャージとか女子学生っぽいものを選ぶとか……」
チルねぇの格好。
真っ赤なネグリジェ。しかもスケスケ。
ヤバすぎでしょ。俺を(色んな意味で)殺す気か?
「この私にナイトウェアでジャージを着ろと? 冗談にしても面白くないわね」
「とにかく! そんな姿、他人に見られないようにしてよ? もし見られたら俺が『処理』しなくちゃいけなくなっちゃうから」
放送禁止用語のピー音連発する自体になっちゃうからね!
「見られて恥ずかしいような鍛え方はしていないけれど」
「そういうことではなく!」
「それに……あなた以外に見せる気はないから問題ないわ」
チルねぇの言葉に俺の顔が真っ赤になるのがわかる。
あばばばばばば。
「こっちを向きなさい」
「遠慮させていただきます」
「……ふんっ」
「グエッ」
両手で無理やり顔を向けさせられる。
絶対に目は開けないぞ!
「……フフッ。思い通りにならないところもかわいいわ。ちゅ」
「!?!?」
おでこに柔らかい感触が……!?
デ、デコチュー!?
「さて、そろそろ着替えるわ。目を開けたかったらいつでも開けてよろしくてよ?」
「…………着替え終わるまで絶対に目を開けないのでお気遣いなく」
「あらそう」
そして目の間でシュルシュルと衣擦れの音がしだす。
ダメだ、目をつむっている分、音がめっちゃ耳に入る。
違うことを考えるんだ……!
「ぶっせつまーかーはんにゃーはーらーみーたーしんぎょーかんじーざいぼーさー」
「……休日の朝から般若心経を聞かされる身になっていただけるかしら?」
むっ、お姉さまには不評のようだ。
もっとオシャレなやつにするか。
「……黄昏よりも昏きもの、血の流れより紅きもの、時の流れに埋れし偉大な汝の名において──」
チルねぇの着替えが終わってすぐに俺も着替え、朝食の準備をする。
「あら、美味しそうね」
「こちら【女王のエッグベネディクト】でございます」
俺が作った料理をチルねぇがフォークで一口食べる。
「……エッグ、ソース、ベーコン、マフィン。それらが一体となって口に広がるわ。それと……」
「隠し味にカラスミを使用し、味に深みを出しております」
そんな会話をしながら朝食を済ます。
「美味しかったわ。ごちそうさま」
「お喜びいただけて恐悦至極」
「さすが少年ジャンプの愛読者なだけあるわね」
バレテーラ。(知らない人は食戟のソーマを読んでみよう!)
「さて、お店が開くまで時間もあることですし、軽く食後の運動でもしましょうか」
「トレセンジャージに着替えてたからそうだろうなとは思ったよ。何しようか」
「そうね……軽くジョギングでもしましょうか。ついてこれるかしら?」
そう言って挑戦的な視線を向けるチルねぇ。
その視線を真っ向から受け止め、ニヤリと笑い返す。
「誰にものを言っているかわかっていないようですね姉様」
「フフッ、ならしっかりついてきてごらんなさい」
準備を終え、ドアを開けて外にいく直前。
手を繋ごうとしたチルねぇが俺の右手を自分の鼻に近づけスンスンと匂いをかぐ。
何だ……?
「……アスカ。手が臭うから洗ってきなさい」
「へっ? 朝食作る前にちゃんと洗ったし、皿洗いの後にも洗ったよ?」
「……今すぐ手を洗いなさい。いいわね?」
「イエス、マム!」
チルねぇの覇王色の覇気で威圧される俺。
手か。関連事項だと昨日の桐生院トレーナーとの腕相撲くらいだが……
まぁチルねぇの機嫌がもっと悪くなる前に丁寧に洗うか。
しっかり手を洗い、チルねぇチェックもOKが出たので外に出る。
指を絡ませる、いわゆる恋人繋ぎで歩いているがチルねぇの機嫌はかなり良いみたいだ。
なぜなら繋いだ指がちょっと痛いから。
普段は完璧なパワーコントロールが出来ているので手を繋いでも痛むことはないからね。
「良い朝ね。新しい鉄球もこれに見合うほどの出来だと嬉しいのだけれど」
「まぁあそこの鉄球職人さんの腕は確かだしね。良い仕事をしてくれるでしょう」
そんな会話をしながら歩いていると、背後からドサッという音がしたので振り向く。
そこには……
「ああああアスカトレーナー、と……ジェンティルさん。朝から何を……」
コンビニ袋を地面に落とし、顔を真っ赤にしたヴィルシーナがそこにいた。
俺とチルねぇの繋がれた手をじっと見ている。
「おはようヴィルシーナ。これからトレ──」
「私達、これからデートなの。失礼するわ」
「…………デート? ……デート!? デート!! ふ、不純異性交遊だわ!」
デート三段活用かな?
風紀に厳しいみたいだし、もしかしてヴィルシーナは風紀委員だったのかもしれない。
それなら朝から姉弟で風紀を乱して申し訳ない。
「あら、デートの定義は異性と外へ出かけること。何もおかしいことはないでしょう?」
「そ、そうかもしれないですけど! でも!」
「それに……」
チルねぇが俺の腕と自分の腕を絡める。
「私達は不純ではなく、純愛なの。ごめんあそばせ」
そう言ってチルねぇが俺を引っ張っていく。
「……覚えておきなさいジェンティルドンナぁぁぁ!!」
朝のトレセン学園にヴィルシーナの叫びが響くのだった。
もし気に入った話があったら高評価、感想、ここすき等いただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
ジェンティルドンナは『キレイ』『美人』と言われすぎているせいで『かわいい』と言われると嬉しい概念。あると思います。
あとヴィルシーナさん、曇らせてごめんね……どうしても顔を真っ赤にさせて叫ばせたくなっちゃうんだ。藤原の悪い癖。
これで本当にハフバ更新終了です。
ありがとうございました。
次の復活は未定です。姉の日か、アニバか、ハフバか……わからん!
その時がきたらよろしくお願いします。
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