五帝?ああ、ルフィを入れた四皇の呼び方ですね……え?違う?? 作:九十九夜
「ビス!さっきのもっかいやって!ビューンってやつ!!」
「私も私も!」
「順番にしてあげるから並んで並んで。」
「私はアッチでお城作りたいからあのホーミーズをどかしてほしいの。」
「はいはい。」
可愛い妹(正確には叔母)たちの頼みだと張り切ってチャクラ糸を生成する。
それを体の各部に吸着させて……一気に振り回した。
「そおらぁっ」
「きゃー!あははは!」
「すごーい!ジェットコースターみたい!乗ったことないけど!!」
そうして笑いあっている最中空中でチャクラ糸が切れる。
その吊り上げられた身体か一瞬止まったかのような錯覚とともにすぐに下へと落ち始めた。
「風遁・気流乱舞!!」
「わああ!今度は気球よ~。本体、無いけど!!」
一歩間違えば命の危機だったにも関わらずされた側は逆に面白いと大好評の様だ。
ほっと胸を撫でおろしたのは術者であるビスキュイだけである。
この子供たち中々肝が据わっている、流石ビッグマムの血筋だとでもいうところだろうか。
「もーいっかい~。」
「ダメよ!次はホーミーズどかしてもらうんだから!!」
そんな子供たちの様子を案内役であるペロスペローについてきていた来賓たちが微笑まし気に見る中で一人だけ、質問を投げかける者がいた。
「ペロスペロー殿。あちらにいらっしゃるのはもしや……。」
男の声に何処か嘲るような声色を辛うじて隠すかのように先導しているペロスペローがわざとらしく言う。
「ええ、ええ。御覧の通り私たちの自慢の甥にして貴方の娘の子ですよ。松雪殿からお聞きで無いので?ペロリン!」
「……。」
男の瞳がまるで肉食獣が獲物を見定めるように子供たち……ビスキュイを注視していた。
***
眠気が覚めずにいる中でクンっと鼻を動かす。
万国では滅多に嗅ぐことのない、
同時に嗅ぎ慣れた血と硝煙の匂いが鼻を突いた。
「おお!ついに我らの苦労が実を結ぶとは……!!」
「外に追い出した出来損ないの子だと聞いてどうしたものかと思っていたがこれならっ」
「しかしなあ、純血でないとなると……。」
「ふんっ、そんなもの構うものかっどうせいずれかの胎でも娶せれば解決じゃろうて。」
随分と身勝手な喧騒が辺りを占める。
聞いたことのない声、聞いたことのない声、聞いたことのない声、聞いたことのない声。
理解したくない話。不愉快な喧騒。
徐々に晴れていく視界には、やはり欲に眩んだ大人の姿が目に入った。
しかし、一様に喜んでいる彼らには怪我一つ見当たらず、また、何かを庇っているような所作の者もいない。
なら、この濃い血の匂いはいったい何なのか。
無作為に下げた視界に、その答えはすぐ見つかった。
ビスキュイの足元に広がっている和風の魔法陣の様な何か。
その周囲にはそれこそ表現としてどうかとは思うが
手は一様に救いを求めるかのようにビスキュイの方に向けて伸ばされている。
状況が理解できない。
だが、取り敢えず逃げなくては、とビスキュイの中の経験か、あるいは本能が告げていた。
―――窓はない。光はあるものの残念ながらそれは真上から下がっている行燈の様な灯火のそれである。
……どころかこの異様なまでの臭気の籠り方からして地下の可能性もある。
次の手を考えていると、つい最近どこかで見たことのある誰かが貼り付けたような笑顔で言う。
「初めまして、私は君の祖父に当たる者だよ……まあ、そんなことはどうでもいいか。」
祖父と聞いて少し思い出す。
確か、チョクチョク茶会に呼ばれていた母の兄……松雪さんが言っていた。
『いいかいビスキュイ。君は……あーその。万国にいるから問題ないかとは、思うんだが……エイジョウには気を付けなさい。』
『エイジョウって詠錠?松雪さんの家?』
『そうだね。私のというよりわたしと君のお母さんのいた一族に、だよ。君はその不思議な力……チャクラが使える男児だからきっと連中、喉から手が出るほど欲しがるだろうから、ね。』
『ふうん?』
『ま、一応ビッグマムと子供たち一同には言っておくから大丈夫だとは思うが……。』
ガツンと、何かが頭部を直撃する。
気を失わせる気なのか、何なのか。次いでもう一撃お見舞いされる。
「あ……。」
瞬間、激痛とともに目が、視界が見えなくなった。
「多少手荒いかもしれないが、何、後で治してあげよう。これからよろしくね。19代目環愚郎。末永くこの詠錠家の繁栄が在らんことを……。」
「ち、が……。」
―――僕は、環愚郎。なんて、奴、じゃ……。
こうして、シャーロット・ビスキュイ改め、19代目
一応捕捉すると和風の魔法陣()は口寄せの術です。