聖杯戦争と薪の王   作:楽しく遊びたい一般不死人

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気付いたらオバロじゃなくてfateを書いていました。勢いで書いてしまいましたが後悔はしてません! 反省はしてます。


第一話 呼び声と応じる者

その日、間桐家は第四次聖杯戦争に向けてサーヴァントを呼び出そうとしていた。間桐雁夜は間桐桜を救う為自分の身を犠牲にしても戦うつもりだった。

その気持ちに反応したのか召喚陣から火が出る。間桐臓硯は初めて見る光景に驚き期待していた。自分の望みが叶う程の英霊が遂に召喚されるかもしれないという期待があった。

 

臓硯の横で英霊召喚をしていた間桐雁夜はその幻想的な光景に見惚れていた。青く輝く魔法陣に炎の赤い輝きが混ざりとても美しい光景を作り出していた。もし聖杯戦争中でなければもっとゆっくりと見ていたかったが義理の姪である間桐桜を救う為、参加した聖杯戦争で勝ち残るには強いサーヴァントを呼び出すしかなかった。

兄より魔術が優れているとはいえ他のマスター達は自分を軽々と超える者達ばかりだ。だからこそ他の陣営より強いサーヴァントを呼び出し自分の差をサーヴァントで埋めるしかない。そう考えていた雁夜からすれば今の状況はとてもありがたいと感じていた。何故なら隣にいる臓硯が驚いているのだからきっと強いサーヴァントが来ると思っていた。

その時雁夜は今から呼び出される英霊に感謝を送っていた。自分の様な者の願いを聞き入れ、呼び声に応じてくれたのだから。最大の敬意と感謝を送ろうと決めていた。

 

陣の中から人影が現れる。その男を見た時、雁夜はどうしようも無く興奮していた。その英霊は炎の中からゆっくりと姿を表す。焼け爛れた鎧に骸骨を思わせる兜、そして兜には王冠をイメージさせる珍しい装飾が見て取れた。

雁夜は隣にいる臓硯に目を向け、動揺していた。余程の事が起きなければ滅多に変えない顔を醜く歪めていたからだ。恐らくそれは、恐怖だろうか?咄嗟に雁夜は男に向き直る。臓硯があんなに怯える英霊だ。もし何か無礼な事をすれば殺されるかもしれない。膝を折り声を掛けようとした雁夜に深みのある落ち着いた声が届いた。

 

「貴様は生かしておけんな。私の前から失せろ。」

 

 

 

 

間桐臓硯は自分が感じている感情を理解出来ていなかった。最初は期待して見ていた召喚陣から人影が見えた時、恐怖した。紛れもなくそれは恐怖だった。だが臓硯は何故自分が恐怖を感じているのか理解出来ずに困惑していた。しかし、それが命取りだった。臓硯が困惑している間にそのサーヴァントは既に臓硯を焼いていた。

一瞬の激痛から始まり次第に自分が焼かれている事に気付くと既に手遅れだった。臓硯は叫び声を上げる。目の前にいるサーヴァントに反撃をしようとするが体は言う事を聞かず、悶え続ける。

その日間桐臓硯の長きに渡る妄執があっけなく終わりを迎えた。

 

 

 

 

 

 

雁夜は何が起きているのか分からなかった。それは呼び出した英霊に臣下の礼を取ろうとした時だった。隣にいた臓硯が叫び声を上げ、苦しんでいた。しかし、雁夜が疑問に感じた事は他にあった。その時確かに臓硯を包んでいる炎が自分も焼いていたのだ。だが、雁夜にはこの炎はどこまでも暖かく包み込み自分の体を癒やしている様に感じた。

臓硯が燃え尽き灰になった頃には体は軽くなり調子がとても良くなっていた。喜びに打ち震えていた雁夜は自分が呼び出したサーヴァントに感謝を告げようとし、顔を上げると目の前に手甲が伸ばされていた。

 

「体は大丈夫か、貴公。突然体を曲げたからな、怪我があるのかと思い火を出したが、何か異常があれば教えて欲しい。」

 

雁夜は再度混乱した。目の前にいる恐らく王と思われる様な英霊が自分を気遣っていたのだ。それどころか臓硯すらも瞬時に焼き殺したのだ。自分が諦めていた事をやってくれた上に体まで治してくれた自分にとって最高の英雄に雁夜は感謝と厚かましいと思いながらも一つの願いを伝えた。

 

「いや、大丈夫だ。むしろ凄く調子が良くなった。俺みたいな奴を治してくれてありがとう。ただ、厚かましいのは分かってるんだがもう一つ願いがあるんだ。聞いてくれるか?」

 

最悪俺は断られても良いと思っていた。この英雄がいれば聖杯戦争で勝てると思っていたからだ。聖杯があれば桜ちゃんを助けられる。でも桜ちゃんには一刻も早く苦しみから解放されて欲しい、そう考えて目の前にいる英雄にダメ元で頼んでいたが、俺の願いはあっさりと叶えられた。

 

「勿論だ。貴公は私のマスターだろう?そのマスターからの頼みを断りはせんよ。それと、私に対して必要以上に敬意を持つのは辞めてほしい。私は敬意を持たれる様な存在では無いからな。」

 

「ありがとう、臓硯を倒してくれた上に俺の願いまで叶えてくれるなんて、やっぱり聖杯に選ばれる英霊は違うな。」

 

「・・・それよりマスター、名乗りがまだだったな。サーヴァント、バーサーカー呼び声に応じ参上した。

真名を薪の王と言う。最早この名を知る者はいないだろうが、よろしく頼む。」

 

「俺は間桐雁夜、今回の聖杯戦争のマスターだ。こちらこそよろしく頼む、えっとバーサーカーって呼べば良いのか?」

 

「そうだな、この時代に私の真名を知っている者はいないと思われるが用心してクラスで呼んでくれると助かる。」

 

その話を聞いた俺は少し悲しさを感じた。バーサーカーの真名を誰も知らないというのは俺だったら悲しいと思う。だがバーサーカーの声からは何も感じなかったように思える。まるで忘れられて当然と思っている様に感じた。

桜ちゃんの元に行く間に薪の王に俺の願いと事情を話した。

 

「俺にやった様に桜ちゃんを助けて欲しいんだ。日に日に感情を失っていくのはもう見てられないんだ。」

 

「まず桜嬢の様子を見なければ分からないが私に出来る最善を尽くす事は約束しよう。」

 

桜ちゃんが寝ている部屋に入ると薪の王が急に止まったのを不思議に思っているとゆっくりと近づき桜ちゃんの前で屈んで手を握りながら呟いた。

 

「よく耐えたな、桜嬢。あと少しだけ待っていて欲しい。出来るのなら無能な私を許して欲しい。」

 

何を言ってるのか俺には分からなかった。無能?薪の王が?俺のたった一人のサーヴァントが?俺の体を治し、臓硯を倒してその上、今桜ちゃんを助けようとしてくれているこの英雄が?俺が声を上げようとした時に薪の王が声を掛けて来た。

 

「すまないが雁夜、一階にソファーがあったろう。あそこに桜嬢を運ぼう。ここでは些か狭い。」

 

「ああ、分かった。俺が桜ちゃんを運ぶよ。バーサーカーは準備に集中してくれ。」

 

「助かる。それと大丈夫か、雁夜。貴公から怒りを感じたが、何か、あったのか?」

 

俺は何でも無いと言って桜ちゃんを一階のソファーに運んで起きない様にゆっくりと寝かせた。それを確認した薪の王の手から暖かな火が燃え始めた。俺が緊張してるのを紛らすためなのか薪の王が説明を始めた。

 

「私の火は少々特殊でな、最初の火を継いだ結果様々な力を引き継いだのだ。その中には神やそれに連なる者達もいる。故に先程焼いた臓硯の様に悪しきモノを焼き、殺す事が出来る。だからそう緊張するな雁夜。私は桜嬢に危害を加えるつもりはない。」

 

薪の王が説明をしてくれている間に桜ちゃんは火に包まれるが寝顔は安らかになっていく。少し待つと火は桜ちゃんに吸い込まれる様に消えていく。

 

「なあ、バーサーカー。今桜ちゃんに火が吸い込まれた様にみえたんだがどうなってるんだ?」

 

「それは私の火を桜嬢に少し分けたのだ。こうすれば二度と桜嬢は虫に寄生されない。更に言うなら悪しきモノ達の苗床にもならん。雁夜、貴公にも火は分けているが気付かなかったか?」

 

その発言に驚いていると薪の王が静かに笑っていた。俺は只々圧倒されていた。目の前にいるこの英雄は他のどんな英雄にも負けない強さと心を持っていると確信を持っていた。

安心したら眩暈がした。恐らく色んな事が起こり過ぎて疲れたのだろう。薪の王が俺を見ながら話掛けて来た。

 

「雁夜、貴公も休むと良い。流石に疲れたろう。後は私がやっておくから安心して桜嬢と寝たまえ。」

 

俺は久しぶりにゆっくりと桜ちゃんの手を握りながら眠った。

 

「桜ちゃん、遅くなったけどもう大丈夫だからね。」

 

 

 

「ふっ、どうやら私のマスターはかなり優しい者の様だ。眠る前に桜嬢の心配とはな、私のマスター運は良いようだ。さて、マスターと桜嬢の為にも残りの虫を始末しなければな。見るがいい臓硯よ、これが貴様を焼き殺す原初の火だ。」

 

その日間桐家は恐らくもっとも良い聖杯戦争のスタートを切った。




読んで頂きありがとうございます!こちらの灰の方は無印からIIIまで火を継ぎまくって(消したり亡者の王にもなったりした)全盛期のグウィンより強い状態で呼ばれてます。これから規格外の力を振るう予定なのでそういうのもありだぜッ!という方以外はブラウザバック推奨です。
後、更新頻度は遅いので気長にお待ち下さい。

聖杯問答について セイバーへの薪の王の反応

  • 激怒
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