大変お待たせしてしまい申し訳ありません。
お待ち下さっていた方には本当に頭が上がりません。
家に帰り、寝静まった間桐雁夜の部屋に音も無く現れるモノがいた。その男は間桐雁夜のサーヴァントにして友人である薪の王であった。
薪の王は間桐雁夜に近づくと胸の辺りに手を翳し、聞き取れない声量で何かを呟く。それを何度か繰り返した後、薪の王は部屋に現れた時と同じ様に音も無く消えていった。
一人残された間桐雁夜はそっと、口を動かした。
「やっぱり、お前だったのか。」
ここ最近は夢をよく見ていた。
夢の中の俺の目の前には死んだ時臣がいて、それに気づいた葵さんを自分の手で絞め殺すというなんとも俺らしいと思う夢だった。
その夢を初めて見たのは聖杯戦争に参加して少したったくらいだった。
夢を見た日は自分でも分かるくらいには顔色も悪かったし、薪の王だけじゃなく、桜ちゃんにも心配をかけてしまった。
しかし、そんな夢もある日突然変わった。
その日も悪夢を見てた。でも、突然、幸せな世界が広がった。
そこには葵さんと時臣が笑って凛ちゃんと一緒にこっちに向かって来ていた。
俺は桜ちゃんと手を繋いで三人をとても広い公園で待っていて、そこからは五人で楽しくレジャーをした。
あの時臣と一緒になって笑っていたのは今考えても信じられない。
でも、それを実現したいと思った。
だって、俺にはとても羨ましく、眩しく見えたから。
こんな事はおかしいと分かってる。だって俺には桜ちゃんと葵さんが居れば良いと思っていたから。時臣だって恨んでいたのだから、チャンスがあれば殺そうと思っていた程だ。
こんな夢を見せたのは、アイツしかいない。
神様みたいな力を使って俺を救ってくれた。薪の王
なあ、お前はいつも俺を助けてくれる。救ってくれる。でも、お前はどうなんだ?
お前は誰かに助けてもらったのか?救ってもらった事はあるのか?
きっとお前はいつもみたいに笑いながら言うだろうな。あるって。もう救われた、助けられてきたって。
ふざけるな。
アレで救われた?助けられてきた?俺が見てきたお前の旅路には、救いなんてなかった。助けてもらってもなかった。お前がやってきた事の方が何倍も凄かった。
俺なんかじゃお前を救うことは出来ない。でも、手助けくらいは出来る筈だ。だから、頼ってくれよ。これでもお前のマスターなんだよ。
目が覚める。いつもと同じ目覚め、いつもと同じ風景。きっといつものように薪の王は一階で待ってる筈だ。
「おはよう。雁夜。良く眠れたか?」
「ああ、お陰様でな。」
俺がそう言うと薪の王は溜め息を吐いた。それは、隠していた事が子供にバレた親のようだと思った。
「いつから気づいていたのだ?」
「それは答える意味が無いんじゃないか?俺の考えている事が分かるお前には。」
「それも気づいていたのか。やれやれ、どうやら私には人を騙す才能は無いらしい。」
「そもそも、隠すつもりがあったのか?」
「そこは貴公の想像に任せよう。」
そこからは薪の王と雑談をしつつこれからの事を考えた。
あの夢で見た平和な毎日を目指しても良いかもしれない。それか、薪の王に着いて行って旅をするのも悪く無いなと俺は思っていた。
久しぶりの投稿なのに薄味で申し訳ありません。
この話の詳しい説明等は別の話でする予定です。