聖杯戦争と薪の王   作:楽しく遊びたい一般不死人

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今回でやっと顔合わせが出来る。これを書きたかった!という事で薪の王が喜ぶのをお楽しみ下さい。


第六話 開戦と衝撃

その日いつもの魔術訓練が終わり。桜ちゃんが寝た後に薪の王がいない事に気づいた俺は玄関から聞こえる音の正体が分かった。

 

「行くのか?バーサーカー。」

 

「ああ、そうだ。どうやら複数のサーヴァントが一度に集まるようだ。この機会を逃す訳にはいかん。それに、上手く行けば会いたい者に会えるかもしれん。」

 

そう答えた薪の王は家で着ている服ではなく、召喚した時に着ていた鎧姿に僅かな火の粉を纏っていた。どうやら薪の王が言っている事は本当のようだ。暫く考えていた俺は薪の王から意外な誘いを受けた。

 

「雁夜、貴公も来るか?サーヴァント同士の戦いを見るチャンスでもあるぞ。この機会にサーヴァントを知っておくのも悪くないだろう。」

 

「そう、だな。俺は隠れて行けば良いか?バーサーカー。」

 

「そうだな。念の為私の近くで隠れていてくれ。その方が都合が良い。」

 

俺は薪の王と一緒にサーヴァントが集まるというコンテナターミナルに向かった。

 

 

 

 

 

 

そこではセイバーとランサーの一騎打ちにライダーが割り込んだあげく、自分の真名を堂々と宣言するというマスターの心労を極限まで増やす行いをしていた。ライダーのマスターに同情しているとライダーが聖杯を譲るつもりはないかとか、臆病者がどうとか言っていると薪の王が動いた。

 

「私はいくら侮蔑されようが構わないが私のマスターが侮蔑を受けるのは許容できんな。・・・なるほど、ここにいる英霊は皆、素晴らしい者達のようだな。さてライダーが真名を名乗ったのだ私も名乗るとしよう。

我がクラスはバーサーカー、真名を薪の王と言う。世界の終わりと共に消えた者だ。」

 

その発言を誰もが黙って聞いていた。否、聞く事しか出来なかった。突然コンテナの上に現れライダーが名乗ったから名乗るという意味不明な行動をした薪の王に呆気に取られた訳ではない。理由は薪の王が放っている威圧感だ。この場にいる英霊達、真名を堂々と宣言したライダーですら一瞬だが気圧されたのだ。

 

最初に余裕を取り戻したライダーは自分のマスターに問い掛けていた。

 

「坊主、ありゃ何だ。」

 

「分からない。何でこんな強力なサーヴァントが世に知られてないんだよ。こんなのおかしいだろ!」

 

その発言に薪の王が反応するとは誰も思わなかっただろう。

 

「やはり、そうか。まあ仕方ないだろう。・・・いや、むしろ知らない方が良いのだろうか?」

 

余りにも場違いな発言している薪の王に言葉をぶつけたのはライダーのマスターではなく、予想外の人物であった。

 

「ハハハハハハハハッ!」

 

その笑い声はどこまでも愉快でたまらない様子だった。声のした方を向けば眩い輝きを放つ鎧を纏ったサーヴァントが街頭の上に立ち楽しそうに薪の王に問いを投げた。

 

「貴様が!貴様があの薪の王だというのか!フハハハハハッ!このような事が起きるとはな!貴様がいなければそこの王を名乗る不埒者共に我の裁定を下すつもりだったが、気が変わった。此度の聖杯戦争、暇潰しのつもりであったが、どうしてなかなか楽しめそうではないか。」

 

そのサーヴァントの一つ一つの発言はまるで自分こそが全てといった雰囲気を余りあるほどに感じさせた。だが、当の薪の王はそのサーヴァントの姿を見てから固まっていた。ふいに動いたと思った時にはコンテナから降り、近づいていた。

 

「ああ、貴公か。その黄金の如き輝きを持つソウルの持ち主は、なるほど出会えたか。人を導きし王よ。すまないが、貴公の真名を呼んでも良いだろうか?」

 

「ほう。よもやこの我を知っているとはな。その目は伝承の通りという事か。良いだろう。貴様には我の名を呼ぶ事を許す。」

 

そのやりとりにこの場にいる誰もが驚いた。何故真名が分かるのか?何故あのサーヴァントは薪の王を知っているのか。この二騎のサーヴァント以外は情報を集めるだけで精一杯だった。

 

「では、人を導きし王。英雄王ギルガメッシュ。私は貴公に感謝と敬意を捧げよう。よくぞ人を導いてくれた。貴公の偉業のお陰で私は今この時まで喜びに満ちていた。」

 

その発言を聞いた英雄王ギルガメッシュは笑みをより一層深めた。まるで聞きたかった言葉を聞けた子供のように。

 

「ほお。薪の王、貴様は今この我の偉業と言ったな?ふふっ、ハハハハハッ!これほど気分が良いのはいつぶりか!薪の王!これは我からの誘いだ。今から我と共に来い。」

 

「それは嬉しい誘いだ。だが、私にはマスターがいる。今回は縁がなかったようだ。心苦しいが断らせてもらう。その代わり、今ここで私と剣を交えないか?」

 

英雄王は笑みを浮かべたまま手を上げていた。その後ろには無数の武器が現れ、今か今かと待っているようだった。対する薪の王はいつのまにか手に持っていた螺旋状の剣を構えて待っていた。

 

先に動いたのは英雄王だった。手を振り降ろすと同時に一斉に放たれ、薪の王に向かった。薪の王は剣を横え、飛んで来る無数の武器を弾き続ける。弾かれた武器は周りに飛び、辺り一面にぶつかって土煙を出していた。一分程すると英雄王の攻撃が止み街頭の上で土煙の中を見ていた。少し待つと剣を振るい土煙を払った薪の王が傷一つ無い姿で話しかけていた。

 

「これほど良い武器を無造作に放つのは想定外だったな。もう少し武具は大切に扱った方が良いと思うが、どうだ?この機に使い方を変えるつもりはないか?」

 

「それは出来ぬ話だな、薪の王よ。これが王たる我の戦い方だ。生憎今貴様に放ったのは我の宝物の中でも価値の低い物だ。使い方を変える必要が無い。」

 

「ふむ。そうか。だが久しぶりに心躍る戦いだった。ありがとう英雄王。もし叶うのならばもう少し剣を交えたいが良いか?」

 

「フハハハハッ!我を誰だと思っている!貴様の誘いを受けてやろう。

さあ、武器を構えろ!我はまだ満足しておらんぞ!」

 

しかし次の瞬間に英雄王の顔が歪んだ。

 

「時臣、貴様如きがこの我の邪魔をするか。・・・薪の王!此度は邪魔が入った。次こそは我を満足させてくれるな?語り合いでも戦でもどれでも良い。」

 

「そうか!であればまず語り合いから始めるとしようではないか。私も貴公と話もせずに別れるのは望んでいない。ではまた会おう。」

 

その言葉を聞き英雄王は消えていき少しの静寂が訪れる。沈黙を破ったのは予想通りライダーだった。

 

「薪の王よ!お主は余に聖杯を譲るつもりはないか?さすれば余と共に受肉し共に世界を駆け回ろうぞ!」

 

「これはまた嬉しい誘いだな。だが征服王よ。私と貴公では求めるものが違うだろう?次の機会に話し会おう。そうすれば自ずと決まるだろう。」

 

「そうか。ならば次会える時を心待ちにしておくとしよう!そうと決まれば、そら、帰るぞ坊主。」

 

ライダーはそのまま空を駆けて行き見えなくなった。薪の王は残りの二騎に話しを振り始めていた。

 

「貴公らはどうするのだ?騎士同士の一騎打ちだったのだろう。もし、再開するのであれば見ていても構わないだろうか?」

 

その発言に答えたのはランサーだった。優しい笑みを浮かべながら笑っていた。

 

「残念ながら俺も帰還命令だ。薪の王、セイバー、また会おう!次は全力で戦えることを願っている。」

 

そう言ってランサーは消え、残ったのはセイバーとそのマスターらしき白髪の女性だけだった。

 

しばしの沈黙があり先に話したのはやはり薪の王だった。

 

「セイバー、質問なのだが何故マスターではないものを連れて来ている?何か特別な理由があるのだろうか?できれば教えてほしい。」

 

その発言に二人は驚いた顔になり、セイバーが口を開いた。

 

「まず、何故マスターではないと分かったのだ?先程アーチャーが言っていたが、貴方の目に関係するのか?」

 

「そうだ。私の目は特別でな。様々な事が見えるのだが、使い勝手が悪くて仕方がない。見る見ないの切り替えが出来ないのだ。」

 

「なるほど、理解した。話してもらったのにすまないが連れて来ている理由は話せない。申し訳ない。」

 

セイバーは本当に礼儀正しいと思っていると薪の王が「そろそろ帰るとしよう。」と連絡した来たので俺は帰る準備を進める事にした。

 

「セイバー。その騎士道は素晴らしいが相手を選んだ方が良いと思うぞ?ランサーのような者であれば良いが他の者に向けるのであれば相手を見極めた方が良い。それではさらばだ。また会おう。」

 

火の粉を出しながらセイバーの前から消え、俺の前に出て来た薪の王と一緒に家に帰った。




一さん 滅亡迅雷ネットさん 誤字報告ありがとうございます。
やらかしました。

聖杯問答について セイバーへの薪の王の反応

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