いやぁやっぱりダクソは楽しいなぁ!(現実逃避)
気づけばもう六時になっていた。薪の王とはあれからずっと話していた。あの後は薪の王の宝具についても少し聞いた。正直驚いた。まさか宝具が三つもあるとは思わなかった。薪の王にはずっと驚かされっぱなしだ。
桜ちゃんが降りて来たので朝食を作ろうと思って移動する。すると俺の座っていたイスに桜ちゃんが座り薪の王に話しかける。
「ねえバーサーカー。」
「どうしたのだ?桜嬢。」
「バーサーカーの本当の名前ってなんて言うの?」
「私の、本当の名前?それ、は、」
その時の薪の王の言葉はまるで思い出したくない事を聞かれた様に見えた。いや、今の俺なら分かる。ほんの少しだけだが体の中にある薪の王ソウルから感じる拒絶の感情。俺は桜ちゃんを止めるべきかどうかを迷っている間にも二人の会話は続く。
「すまないが、それはどういう意味だろうか。私の名前はバーサーカー以外ないのだが。」
薪の王はどうにか平静を取り戻して桜ちゃんに問いかけている。
「えっとね、私も雁夜おじさんとバーサーカーの役に立ちたくて家にある本を見て勉強してたんだけど、サーヴァントってクラス?て言うのと真名?て言うのがあるんだよね?それでバーサーカーの本当の名前を知りたいなって思ったんだけど。」
やってしまった。きっと俺が読んでいた聖杯戦争に関する本を見てしまったんだろう。今すぐ桜ちゃんを止めないと不味いと桜ちゃんを止めようとしたが、
「そう、か。そうなのか。それならば大丈夫だ。雁夜、桜嬢に私の真名を教えても良いだろうか?」
薪の王はいつの間にか普段と同じ雰囲気に戻っていた。
「ああ、良いと思うが、お前は大丈夫なのか?」
「私は大丈夫だ。では桜嬢にも私の真名を告げるとしようか。私の名前は薪の王と言うのだ。」
「薪の王?って言うの?本当に?」
「そうだとも。どうやら桜嬢には私の名前がお気に召さなかった様だ。」
「えっと、そうじゃなくってちょっと胸の辺りがモヤモヤするの。なんて言えばいいのかなぁ。」
どうやら桜ちゃんも薪の王のソウルを感じ取っているらしい。子ども特有の感受性の高さが理由だろうか?
「ふむ。であればこちらの名はどうだろうか?シン、と言うのだが。」
「シン?うん!そっちの方が良いと思う!それじゃあ次からシンって呼ぶね!」
「フフッ、そうか。であれば雁夜も私の事はシンと呼んでくれ。」
「分かった。じゃあ改めてよろしくな、シン。」
その名前はどう言う理由で付けられた名前なのか俺はまだ分からない。
俺は朝食を持って二人の所に向かい、三人で話し合いながら朝食を食べる。桜ちゃんは食べ終わると魔術の練習するため部屋に戻っていった。
「雁夜、出来れば今日の夜にキャスターを叩きたいが、構わないか?」
「ああ、俺もそのつもりだ。それといざとなったら宝具を使っても大丈夫だからな。」
「了解した。であれば私は少し休んでおく。万全の状態を維持した方が良いだろう。」
「分かった。じゃあゆっくり休んでくれ。俺も桜ちゃんと一緒に身に纏うソウルの練習をしておく。」
「では何かあったら連絡してくれ。」
そう言って薪の王は姿を消した。心配だが今の俺は薪の王に何も出来ない。いや、何をすれば良いのか分からない。俺には薪の王がどうしてシンと名乗ったのかも分からない。暗い気分のまま魔術の練習を始めた俺はなんとも言えない不安感を拭えなかった。
「・・・はあ、まさかここで過去に追われるとは思わなかったな。桜嬢に悪気は無いのだろうが、私のソウルを渡したのは不味かったか?」
その鎧姿の男は先程の答えが正しかったかどうかを考えていた。
「いや、やはり語るべきでは無いだろう。私の過去など。聞けば分かると思うが私が感じるこの恐怖は、思い出したくないから感じるのだろう。好奇心は猫をも殺す。・・・死ぬだけならば良いがその後に何が起きるか分からない、と言うのはなんともな。」
「雁夜!襲撃は中止だ。セイバーの元へ行くぞ!」
扉を勢いよく開けた薪の王が急かす様に言葉を捲し立てた。
「ちょ、ちょっと待て、一体何があったんだ?どうして急にセイバーの所に行く事になったんだ?」
魔術の練習も区切りがつき、薪の王から貰った本を読んで復習していた俺はどういう状況か理解が追いつかなかった。
「キャスターがセイバーに悪質な襲撃を仕掛けた。襲撃だけならばまだ良かったが奴は、子供達を連れている。子供達のソウルは既に穢れていた。恐らく、子供達はもう手遅れだろう。だがセイバーを救援する必要がある。」
「分かった。じゃあ俺はどうすれば良い?」
「キャスター以外にも一人、不穏な者がいる。この前セイバーの隣にいた白髪の令嬢を狙っているらしい。そちらに加勢をしてほしい。」
「状況は分かった。そっちは任せてくれ。」
セイバーは左手を負傷していながら海魔を次々と仕留めていた。だがセイバーの顔色はとても暗い。それもそうだろう。彼女が切り裂いている海魔は元々聖杯戦争に関係のない子供達だからだ。救える筈が救えなかった。
マスターとの関係も悪く、現状ではアイリしかまともな関係を築けていないセイバーは減ることの無い海魔を聖剣で切り続ける。そこにランサーが加勢に入り、セイバーと共に戦う。キャスターは怒りを露わにするがキャスターの不運はまだ終わらない。
「な!この炎はまさか!」
突如として炎が海魔たちの包囲網に穴を空ける。セイバーとランサーはその炎に見覚えがあった。コンテナターミナルで現れた一際変わったサーヴァント。薪の王の炎が見えた。
「セイバー、ランサー。加勢するぞ。これ以上キャスターの所業は見過ごしてはならない。」
現れた薪の王は静かな怒りを纏いながら螺旋状の剣を振るい海魔を焼き払う。
「おお!薪の王!まさかお前と肩を並べられるとはな!」
ランサーは喜びを示す。
「ありがとうございます。貴方が味方とは心強い限りです。」
セイバーは感謝を表す。
「私が魔物の数を減らす。貴公らはキャスターを頼む。」
「了解した。」
「ああ!任せろ!」
了承の言葉を聞き薪の王は走り出す。海魔の群れの中心部に向かい手を夜空に向かって掲げる。
「来れ、嵐の落雷!」
薪の王に落雷が落ちた。しかし、薪の王には少しの痛みも無い。薪の王に落ちた雷は薪の王を中心に円形に広がる。その威力は絶大であり、周りにいた海魔は雷に触れた途端に悶え、塵となった。
その光景はまるで戦神の様だった。
薪の王は即座に行動を再開し、武器である螺旋の剣を変形させる。
大剣から杖に切り替え、魔術を放つ。その名はファランの矢雨。本来は扱いが難しく、あまり使われない魔術である。
ただし薪の王の放つファランの矢雨は眼前に群がる海魔を一体の例外なく貫き殲滅する。
薪の王に何か動きがあれば海魔が減っていく。先程セイバーが無限のように感じていた海魔の群れは圧倒的な力を前に成す術なく消えていく。
ランサーと共にキャスターを追い詰めたセイバーはあと少しの所で逃げられてしまう。そこに追いついた薪の王にセイバーは謝罪をする。
「すまない!薪の王、貴方に協力してもらいながらキャスターを取り逃がしてしまった。」
「セイバー、貴公が謝ることでは無い。単純に奴が一枚上手だったと言う事だろう。」
「凄まじい戦いだったな、薪の王。お前との戦いが待ち遠しい。」
「それは私も同じだな。ランサー、貴公との戦いは楽しみだ。だが、私はそろそろマスターを迎えに行かねばならないのでな。先に行くぞ。」
そう言うと薪の王は二人の前から姿を消した。
更新が遅くなるなぁ。
「早く書けないのは何故だろう?」
「才能が無いからだな。」
と言う会話を頭の中でしながら書きました。毎日更新出来る人は一体どこの星の人なのでしょう。あいつら人間じゃねぇ!
聖杯問答について セイバーへの薪の王の反応
-
激怒
-
優しく諭す