ちょっと黒いこの世界で。   作:ばリオンズ

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第3話

今日もまた、依頼のメールが届いた。

 

が、今回はキャンセルすることとなった。

対象がアンノーンであったからである。

 

遺跡の発掘の邪魔になるから、という理由で捕獲もしくは駆除の依頼が来たのだが、アンノーンという種は生態系から外れた極めて奇妙な種でありながら、貴重な歴史を保管してくれる、いわば古代の生き証人なのだ。

 

そして彼らは、大量発生しないという珍しい種類である。文字の数だけしか彼らは存在していないのである。が、何かしらの理由で遺跡から抜け出して集まることがあるため、その地域周辺ではアンノーンを捕獲して元の遺跡に戻してほしい、という依頼が出てくる。でもしばらくすると大概住処に帰ってくるのでその依頼はキャンセルする。

 

アンノーンの元となる文字は、その文字から出現するアンノーンがその場に住み続けることにより、巣としての役割を果たす。そのため、アンノーン自身が巣を守り続けるために結果として古代の文章が保存される、という仕組みになっている。長年の経年劣化すらもアンノーンによるサイコパワーにより保全されるため、古代の希少な文献を得るためには彼らの協力が必要不可欠なのである。

 

彼らを遺跡から追い出してしまうとあっという間に文字が風化してしまうという話を聞くこともあるため、共存していくことが大事なのである。

 

むしろ、それをわかっていない発掘チームというのはずぶの素人か、もしくはただの盗掘である。流石にこれは困るので自分のスマホロトムに発信元を逆探知させようとしたところ、ファイヤウォールに弾き返された。

 

コクダンは顔を顰め、エンジュシティのジムリーダーのマツバに依頼をすることになるような事態に陥ったことに不快な顔を隠しもせずに顕にした。そんな鬼の形相を見て上司と同僚が皆怯えていたことに、本人は気付いていなかった。

 

これがただの素人であると言い切れるならば、彼はそんなに焦ることはなかった。しかし、彼には前世で見てきた、悪の組織の知識がある。ギンガ団やフレア団、マグマ団にアクア団による古代の文明、遺跡に眠るポケモンを悪用する組織がいるからこそ、彼はマツバの千里眼に頼ることとなったのだ。

 

実際に調べてもらったところ、ロケット団の残党による盗掘の手伝いをさせようとしていることが判明したのだ。よくもまぁ、図々しくも公的機関に犯罪の片棒を担がせようとしやがったな、と怒るがマツバの千里眼では、残党の本拠地までは読み取ることができなかったらしい。

 

とりあえずジュンサーさんに今回の一件の情報を渡しておいたが、なんとも憤りが収まらない話であった。

 

 後日、アルフの遺跡にて不審者の集団が、大量発生したドーブルとアンノーンに叩きのめされた挙げ句に、巡回に来ていたジュンサーさんに捕まった。

 全員、ロケット団の残党だった。アンノーンはレベルが低いとはいえ、元々の数が多く、めざめるパワーという一つの技しか使えない代わりに、タイプは全てランダムであるため、集団戦になったが最後囲まれて滅多打ちにされることが当たり前である。しかし幹部格に該当する存在とメールしてきた相手が未だに捕まっておらず、コクダンの顔はしばらく渋い顔のままであったらしい。

幹部格がいないこともあり得るのだが、公的機関を手球に取ろうと目論見、実行に至っている時点でただの下っ端の犯行ではない。おそらくメールを送った人物と幹部は同一存在であろう。

 

ちなみにドーブルの大量発生はトレーナー人気がとても高いことにより、ラジオで情報が流れるたびに人が集まってくるが、人が集まらないと捕獲依頼がやってくる。貴重な遺跡や民家などに落書きをされると困るので、捕まえておいてほしい、とのことである。消せばいいと思われるが、異様にデザインが秀逸なため、消すのが惜しくなってしまうということらしい。また、遺跡に関してはアンノーンの上に絵を書いたりしたため、彼らの間で全面戦争じみたものが起こり、遺跡を壊してしまうことにつながるため、捕獲する必要がある。




主人公はマツバさんの友達ではないよ。
あくまで公的機関からの依頼として頼んでるだけだよ。

これから書いてほしい話を募集します。

  • カミツルギ捕獲作戦
  • コクダンの日常
  • Harvesterの他メンバーの話
  • コクダンvsタクト
  • コクダンの設定
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