横島!トリガー・オン!!   作:ローファイト

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感想、誤字脱字報告ありがとうございます。
続きです。


その14、お嬢様学校に行こう!後

(横島、ようやく準備が整った。そっちはどんな感じだ?)

(迅、放送室は抑えた。大講義室は何時でも制圧できるぞ)

(そんじゃ、仕上げと行きますか)

迅と横島は文珠による念話を通じて、体育館と大講義室に囚われている全校生徒教職員の解放作戦を開始する。

 

迅は、横島が人質となっていた小南達の救出とテロリストの指令室となっていた放送室の制圧を行っている際中、玉狛支部から木崎レイジと宇佐美栞を呼びつけ、ボーダー本部から派遣されたスナイパー4人に、ランク戦では見かける事が無いスナイパー用のサブトリガー『キャプチャー』を設定する。

『キャプチャー』とは文字通り、捕縛用のサブトリガーだ。

スナイパーの弾丸が対象者に命中すると、トリオンがキューブ状に展開し、対象者をキューブに閉じ込めるという代物だ。

要するにシールドを固定モード等で全身を囲むように使用する設定を、捕縛用に応用したものだった。

ランク戦では使用されない理由として、消費トリオンが高いのと、捕縛するぐらいなら撃破した方がいいからだ。

そんな理由で使用する機会などまずないことから、使った事がない隊員が殆どだった。

レイジと栞の救援とサブトリガーの再設定等の準備も相まって、そこそこの時間を擁していたのだ。

 

 

そして、作戦が実行される。

体育館外周や校舎屋上及び敷地内に巡回又は監視役のテロリスト達をスナイパーの『キャプチャー』狙撃により、次々と捕縛無効化。

体育館内で女子生徒達を人質に取り監視していたテロリスト6人を、迅とレイジで体育館を急襲し無効化したのだった。

あっさりとテロリスト達を制圧出来たのは、横島の文珠でブーストした霊能力で探知し続けていたお陰で、テロリストの正確な数と位置情報がリアルタイムで判明していたためであった。

 

横島は横島で大講義室では、文珠を使いテロリストを人質ごと眠らせ無効化、あっさりと制圧完了する。

テロリストをロープで拘束・捕縛したのちに、文珠『眠』を解除した。

次々と目を覚ます囚われていた女子学生たちに横島は爽やかな笑顔で……

「お嬢様方、もう大丈夫だ。悪者はボーダーナンバー1隊員のこの横島が倒した。さあ、皆でお茶でもしよう」

カッコつけながら、女子学生たちにナンパまがいのアピールをしたのだ。

 

したのだが……。

「きゃーーー!!へ……変態よ!!」

「は、裸の男!?きゃーーーー!!変質者よ!!誰かーーー!?」

「いやーーーっ!!裸の男よ――――!!?」

目を覚ました女子生徒達は横島を見て、皆金切り声を上げる。

 

「アレ?ちょ、ちょっと待って!?物を投げないで!ごばっ!?ばふーーーっ!?や、やめれーー!?げふっ!?なぜじゃーーーーーーー!?」

横島は何故か、物を投げられたり、箒で殴られたりとボコボコにされる。

 

それは当然の結果だろう。

何せ横島は今もパンツ一丁なのだから。

お嬢さま女学院のしかも皆が集まってる場で、目の前に急にパンツ一丁の男が、訳が分からない事を言いながら突然現れればこうもなるだろう。

 

 

 

 

 

横島がボコボコにされてる頃、音楽準備室で身を潜めていた桐絵達は……。

「そう言えば桐絵ちゃん。横島さんとは仲が良さそうだけど、ボーダーに入る前から知り合いなの?」

玲は前々から桐絵に聞きたくて仕方がなかった事を聞く。

 

「別に仲がいいわけじゃないわ。8カ月前、横島は元々うち(玉狛支部)のエンジニア(クローニン)とオペレーター(林藤ゆり)がスカウトしてきた奴よ。ボーダーの事も何にも知らなかったみたいだから、うち(玉狛支部)でしばらく様子を見るって感じで面倒みていたんだけど、ほんとスケベな奴で最初は困ったわよ。まあ、彼奴意外と掃除とか雑用とか得意だし器用な奴だったわ。まあ、なんだかんだと男連中とは気が合ってたし、特に迅とはね。しばらくして迅とうちのボスが説得してボーダーに入る事になったんだけど、彼奴入隊して直ぐにナンパしまくって、迅とつるんでセクハラするもんだから、早沼支部送りにされたのよ。だからボーダー本部での実績はほぼゼロだったってわけ」

横島が元々玉狛支部に居たという事実を知ってる本部の隊員はほぼ皆無だった。

ボーダーに入って早々、C級隊員のまま早沼支部に島流しにされたからだ。

今考えると、横島が早沼支部に送られたのもボーダー本部上層部が玉狛支部にこれ以上戦力を増強させないための処置だったのかもしれない。

 

「え?桐絵ちゃんは横島さんと一緒に生活していたの?」

玲は横島がボーダーに入隊した経緯よりも、こちらの方が気になるようだ。

 

「何か勘違いしてない玲?しばらく玉狛支部に彼奴が住んでたから、毎日顔を合わせてただけよ。今のあいつは早沼支部から玉狛支部に通ってるけど」

桐絵の言う通り、横島は早沼支部所属ではあるが、ランク戦では玉狛支部に出向という形をとっている。

 

「あの小南先輩、ボーダーの事も良く知らなかった横島先輩がなぜトラッパーを?」

文香の疑問はもっともだ。

トラッパーなどという特殊なポジションには余程の理由がない限り着かないだろう。

 

「それね。迅が決めたのよ。私も最初其れ聞いた時はびっくりしたわ」

 

「玉狛支部にはトラッパーの方はいらっしゃらないのに……」

文香がこう思うのも無理もない。

ボーダー隊員は、誰かに師事する事が多い。

玉狛第2三雲隊の修は烏丸京介、遊真は桐絵、千佳は木崎レイジが其々師匠としてついている。

特にトラッパーであれば、本部のA級2位冬島隊の冬島慎次に師事するのが妥当だろうが、玉狛支部に本職のトラッパーはいない。

 

「小南先輩は、横島さんがトリガー無しでこんな事が出来る人だと分かっていたのですか?」

藍も続いて桐絵に横島の事を質問する。

 

「いいえ、知らなかったわ。助けに来てくれたのが横島だったってのは最初は流石に驚いたわよ。普段の彼奴からしたら想像できないしね。でも、うちのスカウトが太鼓判押してわざわざうち(玉狛支部)に送り込んできた奴よ。トリオン量が凄いか、何か特殊な能力を持ってるだろうとは思ってはいたわ」

 

「そうなんですね」

 

「その……横島さんのサイドエフェクト……あの噂……本当なんですか?」

文香は急にもじもじしながら、言い難そうに質問する。

横島のサイドエフェクトとは勿論、触れた相手のスリーサイズが分かるという嘘の話だが、ボーダーの中で真実として広まっていた。

 

「本当よ……あいつに触れない方がいいわよ!私の秘密をばらして!!ちょっとトリオン体ぐらい盛ってもいいじゃない!!学校に行く時だってちょっとパットで盛っても良いじゃない!!」

桐絵は横島に乙女の秘密をばらされた事を思い出し、怒り心頭でこんな事を言って盛大に自爆する。

桐絵は過去にバストが大きくなるという触れ込みの偽物のサプリメントを多量に購入した事もあるぐらい、バストが小さい事をかなり気にしている様だ。

 

「………小南先輩?今もそうなんですね」

「………桐絵ちゃん」

「……こ、小南先輩?」

藍はちらっと小南の胸を見て、玲は既にその事を知っていて盛大に自爆する桐絵に残念な子を見るような目で、文香は自分の質問のせいで桐絵が自爆した事に慌てていた。

 

「でも、横島さんはそんなサイドエフェクトは無いと、敵ネイバーを油断させるための嘘だったみたいよ」

玲はスリーサイズがわかるサイドエフェクトなんてものは無い事を横島本人から聞いていた。

 

「え?嘘だったの!?あいつーーーーーーー!!ん?でも何で私のバストサイズを正確に知ってるのよ?」

 

「……横島さんこうも言っていたわ。サイドエフェクトが無くても、見たらわかると……」

 

「……あの那須先輩、それは、サイドエフェクト云々よりもその……特殊能力だと思いますが……という事は見ただけで……私も……」

文香は恥ずかしそうに体をもじもじとさせる。

文香はこの4人の中では一番バストが大きい。

藍と桐絵はどっこいどっこいに見えるが、パットが入ってる分、実際には桐絵の方が小さい。

 

文香が言うのも無理もない。噂のサイドエフェクトよりも横島の素の能力の方が最早上位互換と言ってもいいだろう。

触れるまでも無く見ればバストやスリーサイズが分かるとか、男なら誰でも羨ましがる能力だ。

もし、異世界転生特典の内、この見ただけでスリーサイズが分かるスキルが選択肢にあれば、聖剣や勇者スキルよりもまず間違いなくこのスキルを選ぶだろう。

実際にはこの能力は、横島の煩悩能力と高い霊能力による霊視がミックスされ、本人が意識せずにそのような事が分かってしまうようなのだ。

 

「はっ!まさか、その特殊能力があるから、スカウトされたの?横島は!女ネイバーを精神的に追い込むための秘密兵器!」

桐絵の頭の中はどうなっているのだろうか?ポジティブもいい所だ。

 

 

 

そうこうしてる内に音楽準備室に声がかかる。

「みんな、終わったからもう大丈夫」

横島だ。

無事に終わった事を告げに来たのだ。

 

玲は嬉しそうに音楽準備室の扉を開けるが……。

 

「あ、あは、あはははははっ」

そこには顔や体中を腫らし傷だらけのボロボロの横島が立っていた。

大丈夫だと言ってる本人がもう大丈夫な状態では無かった。

勿論、女学生達に痴漢や変態と勘違いされ、こうなったのだ。

 

「うわっ!?あんた何それ?ボロボロじゃない。早く病院行きなさいよね」

「横島さん、大丈夫ですか?……私達や皆を助けるためにこんな目に……」

桐絵は横島の状態に驚き、玲は心配そうにこう言うのだが……。

横島は皆を助けるためにこうなったのではない。

自らの不注意のせいで助け出したはずの女子学生にやられたのだ。

最後の最後に締まらないのも、横島のギャグ体質のなせる業なのかもしれない。

 

「あは、あはははは、だ、大丈夫、大丈夫……」

この男、この程度の事では死にはしない。

下手をすると3分程で傷が治っているだろう。

 

「ところで、あんた何でまだパンツ一丁なのよ」

桐絵は皆も思っててもなかなか言い出せない事を堂々と突っ込む。

最初の頃は横島の半裸に少々顔を赤らめていたが、もはや、慣れてしまったようだ。

 

「小南よ、これは玉狛支部で開発された潜入用特殊パンツ型トリガーだ。このパンツトリガー一丁になる事で、男の目には俺の姿が見えなくなる。女性だけにしか認識できなくなるのだ!潜入を成し遂げたのはこのパンツあってこそだと言っても過言ではなーーーい!!」

何故かこんな事を力説する横島。

もちろんでっち上げの嘘である。

 

「そうなの!?横島ごめん。そうだと知らずに怒鳴って悪かったわね。それにしても流石はうちのエンジニアね!」

案の定、鵜呑み系ヒロイン小南桐絵、あっさり横島の嘘を信じ切ってしまう。

 

「………小南先輩、何故それを信じられるんですか?」

藍は呆れ気味に言う。

 

「え?嘘なの?」

桐絵は玲や文香の方を振り向くと、玲は苦笑いを、文香は目を逸らす。

 

「だ、騙したわねーーーー!!横島!!」

桐絵は騙された事に気が付き、後ろから横島の首を腕で締め上げる。

 

「桐絵ちゃん……横島さん怪我をしてるから、そのぐらいに」

玲は慌てて桐絵を止めようとし、文香はこの状況にオロオロするばかり。

 

「……私の勘違いかもしれないわ。さっきもきっと偶然たまたまうまく行っただけなのかも……」

藍はこの様子を見て呆れ気味に一人ごちる。

さっきまで横島を警戒していた自分は何だったのだろうと、そんな事を考えていた自分が馬鹿らしくなっていた。

 

こうして、星輪女学院のテロ占拠事件は、横島や迅の活躍で犠牲者を誰一人出さず、さらには国や自衛隊や警察の介入無しに終息したのだった。

 




ランク戦前に藍と文香との絡みと、一応小南と横島の関係性を何となくお伝え出来たかなと……。

これでランク戦に戻れます。
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