横島!トリガー・オン!!   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


前回のアンケート結果です。
【次のランク戦の対戦相手で横島くんの事を気になりだしそうな女子は?(玲ちゃん以外)】
一位、香取葉子
二位、熊谷友子
三位、日浦茜
四位、照屋文香
という結果に……。
香取ちゃんが二位(17%)に圧倒的な差をつけて一位(37%)。
二位から四位は超僅差。
最下位は宇井ちゃんでした。

香取ちゃんは本編でもしっかりバックボーンも書かれてかなり人気そうですね。

では続きを。


その20、対横島作戦会議後編

 

那須隊のミーティングはまだ続いていた。

「そういえば玲、横島や迅さんやレイジさん達にテロ事件のお礼に玉狛支部に昨日出かけていたわね。横島について他になにか情報はないの?」

友子は玲にこんな質問をする。

実は、前回のランク戦の翌日に、星輪女学院のテロに巻き込まれた玲と柿崎隊の照屋文香と嵐山隊の木虎藍とで玉狛支部へ改めてお礼を言いに行っていたのだ。

初めて玉狛支部を訪れる玲達は、ボーダーの基地とは思えない玉狛支部の家庭的で緩い感じの雰囲気に初めは驚く。

そんな中、玲は横島が何だかんだと玉狛支部の面々に慕われている姿に、何故だか自分の事のように嬉しい気分になっていた。

藍は慕っている烏丸京介に会える嬉しさを隠しながら玉狛支部に訪れていたが、京介が横島と仲がいい姿につい横島に嫉妬してしまう。

だが、藍は修の練習の相手をするのと引き換えにとはいえ、京介からいつでも玉狛支部に来ていいというお墨付きを貰い、横島への嫉妬心など吹っ飛び、心の中はゆるゆるだったのは仕方がない事だろう。

文香は次の対戦に向けて、対戦相手の横島の情報を少しでもと、色々と栞や桐絵に質問していたが、横島は桐絵だけでなく、三雲隊の面々とも練習をしたことがない事が判明、それどころか、普段訓練をしている風でもないということで、情報らしい情報は手に入れる事は出来なかったようだ。

 

「え?あっ、ごめんなさい。お礼の事で頭がいっぱいで、その事を意識していなかったわ」

玲は玉狛支部へ横島に会いに行ってお礼を言う事で頭がいっぱいで、当日は横島が次の対戦相手だという事も全く意識していなかったようだ。

 

「熊谷先輩、私、横島先輩って、セクハラで有名だから、千佳ちゃん…三雲隊の雨取さんに大丈夫なのか聞いてみたんですけど、雨…千佳ちゃんが言うには、面白くて、いい人だって言ってました」

茜は千佳とは、一つ年下で同じスナイパー仲間ということもあり本部での教練で同席することも多く、仲も良かった。

 

「はぁ?なによそれ……横島め、私にはセクハラまがいな事をするくせに……まあ、いいわ。茜、雨取さんは横島の戦闘スタイルとかどんな練習しているとか何か聞いてない?」

友子は千佳の横島評に納得がいかないが、話を進めるため、茜に横島について有益な情報がないか聞く。

 

「うーん。そう言えば、一緒に練習した事が無いそうです。空閑くんが何時もやりたがってるそうなんだけど、迅さんにやめておいた方がいいと断られるそうです」

 

「なにそれ?迅さんか……あの人も何考えてるかわかったもんじゃないわ。」

友子は迅のニヤケ顔を思い起こし、ウンザリした口調でそう言う。

 

「それだけ、情報規制をしっかりしているという事じゃないでしょうか。新たな戦法や戦術が漏れないようにと」

小夜子はその話を聞いてそう判断する。

 

「そういえば、先日玉狛支部にお礼に行った際、桐絵ちゃんも横島さんと練習をしたことがないって言ってたわ。練習している姿もあまり見たことがないって」

玲は先日の玉狛支部訪問時の事を思い浮かべながら話す。

 

「はぁ?なに横島の奴、練習しないであんなことが出来るの?彼奴は一体なんなの?」

友子は多少イラつきながらそう言い放つ。

 

「横島さんは防衛任務も迅さんとしか行かないようだったし、あっ、でもたまに木崎さんと迅さんと何かコソコソやってると桐絵ちゃんが言っていたわ」

玲は更に追加で桐絵達との会話を思い出しながら横島の事を話す。

 

「やはり、意図的に情報規制をかけてると思った方がいいですね。やはり迅さんはオペレーターとしても侮れないですね」

小夜子は同じオペレーターとして、仲間内にも徹底して情報を漏らさない態度に感嘆する。

迅が修達と横島を訓練させないのは、実際には情報規制ではなく、修達がまだ横島と訓練するには実力不足だという認識と、修達に変な癖が付いたら困るという理由だった。

桐絵に関してはただ単に横島がやりたがらないだけの話だ。

 

「ちょっとまって、トラッパーなのに防衛任務に向かってるってどういう事?立入禁止区域だからって、街中では落とし穴トラップは設置出来ないでしょうし、流石に家とかも巻き沿いになるようなトリオン爆弾なんて設置できないでしょ?」

友子は玲の話に少々驚く。

確かに街中では落とし穴トラップは設置出来ない。

落とし穴トラップを構成しているトラッパーのホールは飽くまでもトリオン体で出来た構造物に穴やトンネルを作るもので、通常の物質で構成されている三門市の街では穴を開ける事が出来ないのだ。

それだけでなく、トラッパーの主な攻撃方法であるトリオン爆弾などは、街に残る家を破壊してしまうため、トラッパーはあまり街の防衛任務には向いていない。

 

「迅さんのフォローを行っているのではないかしら、冬島さんも出られてる事があるから……。でも横島さん……きっと、落とし穴や先日のグラスホッパーの砲撃以外にも何か手を持ってると思うわ。接近戦で対処できるようなものを……」

 

「玲、どういう事?」

 

「星輪女学院で横島さんに助けられた際の事なの……規制があって詳しくは言えないけど、横島さんはどんな状況でもトラップを仕掛けられると思うわ」

玲は星輪女学院で横島に助けられた際の事を思い浮かべこう話す。

ボーダー本部から政治的要因が大きいためという理由で、助けられた際の状況を詳しく話す事を規制されていた。

特に横島がトリガー無しで助けに来た事は話せないのだ。

 

この玲の話に反応したのは友子ではなく、小夜子だった。

「……私の私見でいいですか?ガロプラの人型ネイバーと、先輩方と横島先輩が対峙した際に、横島先輩は那須先輩のバイパーの性能を熟知して、しかもあの状況で事前準備なんて出来ないのに、咄嗟にあんな作戦までたててました。後で独自に何度もあの戦闘状況をシミュレートをやってみましたが、あんなにも正確に敵に対処できるなんて、今の私にはあの指示は出来ないです。それに横島先輩は那須先輩だけでなくて、もしかしたらボーダー隊員全員の能力を把握しているのかもしれません。今迄のランク戦の試合運びにしろ横島先輩は普通じゃありませんよ、かなり研究されているのではないでしょうか?」

小夜子はあのガロプラのウェン・ソーとの戦いで、緊急とはいえ横島とリンクしオペレートを行っていたため、横島の戦闘状況を確認ですることが出来ていたのだ。

あの戦闘データを後日改めて検証すると、横島の状況判断の速さやトラップの設置タイミングの絶妙さなど次々と明らかになり、横島の凄みを感じざるをえなかったのだ。

 

「……確かにあいつ、即興であんな作戦を立ててたわ」

 

「それと先輩方、ガロプラの女ネイバーを捉えた横島先輩の動きが見えてましたか?」

小夜子は、あの戦いの最中で横島がガロプラのウェン・ソーを二度も一瞬で迫って手を握っていた状況の事を聞く。

 

「……全くわからなかったわ。トラッパーのワープじゃないの?」

友子は横島が何時迫ったのか全く見えていなかった。

前触れもなく、突然目の前に現れたように見えたのだ。

友子も玲も、横島がトラッパーのワープを発動させたと思っていた。

 

「横島先輩はトラッパーのワープを使ってません」

 

「どういうこと、小夜ちゃん?」

その言葉に玲は驚き、聞き返す。

 

「あの戦闘を何度も確認しましたが、横島先輩は走って女ネイバーの前まで行ってます」

 

「え?」

「なにそれ?」

玲も友子もその小夜子の言葉に驚く。

 

「トリオン体の行動ログのデータ解析から横島先輩は普通のスピードで走って、女ネイバーの手を握ってます。ここからは推測ですが、横島先輩は那須先輩や熊谷先輩だけでなく、女ネイバーの意識の外から迫ったと思われます。要するにタイミングです。皆さんが全く意識を向けていない方向から、さらに横島先輩に意識が向いていないタイミングで行動を起こしたとしか言いようがありません」

 

「それ、小夜の考え過ぎじゃないの?そんな事現実にできる?たまたまじゃない?あいつ、女ネイバーにナンパしていただけよ」

友子は横島のセクハラ未遂を数度受けているだけに、横島のあのニヤケ顔から、そんな高度な事を行っているようにはとても見えなかった。

 

「そうとしか思えません。横島先輩はトラッパーの新戦術や戦法に注目されがちですが、トリガーの能力よりも戦術や戦術眼が恐ろしく切れます。あの後、横島先輩の全試合のログを何度も何度も解析しましたが……やはり、そうとしか思えません」

小夜子は静かにそう断言する。

小夜子は、引きこもりで男性が苦手なのもあり、男性全員が苦手であり女性から嫌われ者の横島自身に対して、特別苦手意識を持っていなかったのだ。

そんな事も有り、ガロプラのウェン・ソーとの戦いの横島をほぼ正確に知っているだけに、横島に対しての評価はかなり高かった。

 

「小夜ちゃん……」

年上の男性が極端に苦手な小夜子が、対戦相手とはいえ年上の横島について調べ、口調はいつも通り物静かだが熱心に語る様子に、玲は少々驚いていた。

 

「そうだとしても、横島の普段のセクハラは、それを隠すためのカモフラージュ?うーん。どうも納得いかないわね」

友子は小夜子の私見は確かに筋が通っているように思えるが、横島にマイナスイメージしかない友子にとって、受け入れがたい事実の様だ。

 

「迅さんと同じ人種という事じゃないですか。迅さんと横島さんってかなり仲がいいみたいだし」

ここで茜がこんな意見を出す。

そう、迅はボーダーきっての凄腕戦闘員ではあるが、セクハラ常習犯でも有名であった。

 

「そう言われると釈然とはしないけど、納得はいくわ。横島の方が酷いけどね。戦闘中にナンパするような奴よ。流石に迅さんはそこまでは……、やりそうね。類は友を呼ぶとはよくいったものね」

友子はどうやら、茜の意見に一応納得がいったようだ。

 

「ふふっ、小夜先輩が他の隊の男の人をここまで調べるなんて珍しいですね」

茜は微笑みながら小夜子にこんな事を言う。

 

「オペレーターの仕事を何と思ってるの?他のチームのメンバーの動向を調べるのもオペレーターの仕事」

小夜子は多少意地悪っぽく、年下の茜に切り返す。

 

「だって~、小夜先輩って男の人が苦手じゃないですか、ボーダー本部にも男の人を避けながら入るのに、横島先輩をこんなに調べるなんて、小夜先輩もしかして横島先輩の事ちょっと気になるのかなって?」

茜は含み笑いをしながら更に言う。

 

「そ、そういうんじゃないから。何でもかんでもそっちに持って行かないでくれる、これだからリア充女子中学生は……」

小夜子はアバターを怒りの表情に変え、茜に少々早口で文句を言う。

 

「小夜ちゃん、横島さんに一緒に会ってみる?横島さんはやさしいし、他の男の人と比べ話しやすいわ」

玲は小夜子が男性の、しかも年上の男性が極端に苦手なのは前から気にしていた。

玲自身もあまり得意な方ではないが、横島だったら何故か普通に話せている。

ボーダーは何だかんだと男女比率は男の方が圧倒的に高い、今後の事を考えれば慣れておかないと色々と問題が後々出て来るだろうと、こんな提案を微笑みながらする。

 

「玲、それはいきなり刺激が強すぎるんじゃないか?それだったら年下の三雲くんの方がいいだろう。彼、真面目そうだし、作戦を立てるのもうまいだろう。話が合うんじゃないか?」

友子も小夜子の男性が苦手な所を気にしていたのだが、流石に玲の意見は厳しいと見て、修の名前を出す。

確かに、ボーダー内で『痴漢・変態・セクハラの横島』の二つ名で通っている横島を引きこもりで男性苦手症の小夜子に引き合わすのは、刺激があまりにも強すぎるだろう。

 

「そ、そういうのはいいので……私の事よりも次の対戦の話です」

小夜子は先輩達には文句は言い出せず、元の話に戻そうとする。

 

「それはまた今度考えるとして、横島については迅さんクラスの使い手だと認識した方がいいという事か……」

友子もこの話題を今広げるつもりはなく、作戦会議を進めていく。

 

 

 

 

次の対戦相手が皆横島対策を練っている際中に当の本人はというと玉狛支部のリビングでマンガを読みながらゆるりと過ごしていた。

長期出張に出ていた玉狛支部のメンバー二人から帰って来ると連絡があった。

この二人はボーダー隊員の適正者をスカウトするため全国を巡っていたのだ。

修や遊真、千佳、ヒュースはまだ顔を会わせた事が無い人物である。

迅は本部に出かけたままで、京介は次のバイトへと出かけ不在だが、その他のメンバーは林藤支部長も含めリビングに集まり帰りを待っていた。

レイジは何故か、先ほどからうろうろと廊下とリビングを行ったり来たりと落ち着きがない様子だ。

落ち着いた筋肉の二つ名で呼ばれるこの男にしては珍しい状況だ。

 

 

しばらくして……。

 

「戻りました」

「ただいま」

中年の白人男性と、20代前半の落ち着いた雰囲気の美女が玉狛支部の玄関から上がり、皆が集まってるリビングに挨拶をしながら入って来る。

 

「おかえりなさーい」

「おかえり~~」

「おかえりなさい!」

栞と桐絵は嬉しそうに二人を迎え、レイジは落ち着きが無く美女の方へ進み挨拶を返す。

そんなアットホームな風景だったのだが……。

 

「ゆりさっはーーーーーーんっっ!横島寂しかった―――――っ!早速ただいまのキッスをっ!!」

横島が栞やレイジ達よりも先に美女の元へ駆け寄り、空中へとダイブし頭から突っ込みながら美女へキスをしようとする。

 

「あら、横島くん元気だった?」

その美女、林藤支部長の姪である林藤ゆり(24歳玉狛支部オペレーター)は、横島のダイブを軽い感じでひらりと避けながら、挨拶を返す。

勿論横島のキスは空振り、頭からリビングの床へと突っ込み玉砕する。

この横島への対応、手慣れたものだ。

実は、この林藤ゆりと中年の白人男性ミカエル・クローニン(32歳エンジニア)のボーダー隊員スカウトの旅の際、この世界に飛ばされた横島と出会い、ボーダーというよりも玉狛支部にスカウトし、送り込んだ張本人たちだった。

 

「ゆりさん、生まれる前から好きでした!!」

床に玉砕した横島はめげずにガバっと起き上がり、ゆりに迫ろうとする。

 

が……

「横島……どうやら、話し合いが必要なようだな」

木崎レイジは何時にない強張った表情で、後ろから横島の首に腕を回し、がっしりと締めつけながら、リビングの外に引きずって出て行く。

 

「な、なにをする~~この筋肉だるま!せっかくのゆりさんとの再会に熱い抱擁シーンをって、やめっ、ギャーーーーース!!筋肉が、ガッチガチの筋肉が!!いいいやーーーーーーっ!!男の筋肉は嫌やーーーーーつ!!」

リビングの外からは横島の悲鳴がしばらく続いたとか……。

そう木崎レイジ21歳は林藤ゆりに惚れていた。

しかも出会った当初の6年前から……。落ち着いた筋肉はゆりの前では、飼いならされた犬のような感じに。

 

そんな横島達を余所に、ゆりとクローニンと初顔合わせの修、遊真、千佳、ヒュースはそれぞれ挨拶を交わし、簡単な帰還祝いが催され、近状について皆意見交換をする。

クローニンは実はネイバーであり、ここではカナダ人設定となっていた。

そして、アフトクラトルのヒュースはクローニンの甥っ子という設定で、ヒュース・クローニンを名乗る事となっていた。

 

リビングでは2人の土産話や、次のランク戦について盛り上がる中、横島はというと、レイジによる筋肉説教がリビングの外で延々と続いていたのであった。

 





話を盛ろうとすると変な方向になっちゃって、ようやく修正出来て出せました。
次は確実にランク戦ですw

はぁ、やっとランク戦書けます。

次のランク戦の対戦相手で横島くんの事を気になりだしそうな女子は?(玲ちゃん以外)

  • 熊谷友子
  • 日浦茜
  • 志岐小夜子
  • 照屋文香
  • 宇井真登華
  • 香取葉子
  • 染井華
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