横島!トリガー・オン!!   作:ローファイト

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その21、くんずほぐれつできると思ったのに!

 

「ボーダーのみなさんこんばんは! 海老名隊オペレーター武富桜子です!お待たせしました!B級ランク戦ラウンド7!中位夜の部を開催いたします!」

桜子のこの一声でランク戦夜の部の開幕が宣言される。

 

「本日の解説にお越しくださったのは、A級冬島隊のナンバーワンスナイパー当真先輩です!よろしくお願いします!」

 

「よろしく、本当は冬島さんが来る予定だったんだが、本部開発部の大事な要件があって来れなくなって俺が代わりに来たってわけだ。冬島さんには横島の戦闘をちゃんと見て知らせろって言われてな、ランク戦のログがあるってのに」

ボーダーナンバーワンスナイパーのリーゼントが特徴の当真勇(18歳高校3年生)は、どうやら隊長の冬島の代りにここに来たようだ。

冬島隊はスナイパーの当真とトラッパーの冬島の戦闘員二人の隊だ。

トラッパーは普通前に出て戦う事はしないため、戦闘をこなすのは実質当真1人のかなり偏った編成の、ボーダーの中でもかなり特殊な隊だ。

だが、それでもA級2位に君臨するだけの実力を持つトップクラスの隊である。

A級2位という地位に隊を押し上げたのは当真や冬島が其々その道のトップ実力者というのもあるが、そんな年上の凄腕連中を有無も言わさず従わせるオペレーターの真木理佐(17歳)の存在が大きかった。

 

「冬島さんは横島隊長の試合には必ず解説に呼んでくれと私に言ってましたし、本日来る事ができなかった冬島さんの残念そうな顔が思い浮かべますね」

冬島は桜子に横島の試合には解説として呼ぶように頼んでいたようだ。

 

「そして、もうひと方はA級三輪隊の槍使い、米屋先輩にお越しいただきました!よろしくお願いします!」

桜子はもう一人の解説者を紹介する。

 

「よろしく。俺は別に暇だったし、横島先輩の試合も見てみたかったってのはある」

ボーダーきっての槍使いアタッカーの米屋陽介(17歳高校2年生)は軽い口調で挨拶をする。

米屋は横島とは女性のスリーサイズが分かるサイドエフェクトの件で知り合い、横島がボーダーに訪れると何故か出水と一緒に横島の前に必ず現れ、熱心に声を掛けていた。

勿論女性のスリーサイズの件についてだ。

 

「はい、皆さんお忙しそうな中、米屋先輩は暇そうだったので、声を掛けさせてもらいました!」

桜子ははっきりこう言った。

 

「ちょ、武富ちゃん、それひどくない?」

 

 

 

「本日のB級ランク戦中位は、B級9位那須隊、10位香取隊、11位横島隊、13位柿崎隊と4隊による対戦です。やはり注目は破竹の勢いのトラッパー1人部隊である横島隊でしょうか!?当真先輩、同じトラッパーとタッグを組み、トラッパーの相棒として経験が豊富ですよね。どう見ますか?」

 

「本来トラッパーは戦闘員だがサポート役だ。トラッパーは1人でランク戦するもんじゃねーな。だがその前提を覆して勝ち進んでるのが横島だ。冬島さんも言ってただろうがあいつは従来のトラッパーとは全く違うからな。俺のは参考にならねーよ」

当真の狙撃を最大限に生かすためのフォローを行うのが冬島のトラッパーとしての役割なため、当真は1人トラッパーである横島と冬島が比較対象にはならないと言ったのだ。

 

「そうなんですね。確かに冬島さんもそう仰ってました!」

 

「ははっ、俺も出水と前の横島隊の対戦を見ていたが、あれはヤバかったな。トリオン爆弾を降らすとか、考え方がぶっ飛んでる」

米屋は楽し気に笑いながらそう横島の対戦を評する。

 

「だが、今回の横島は初めから不利だ。4部隊との対戦という事はその分居場所がバレやすい。冬島さんも言っていたが、前に迫撃砲を見せただろ?時間を与えないために真っ先に狙われるだろう。しかも、那須隊以外はスナイパー無しの、近接から中距離がメインの隊だ。出だしから展開は早まるぜ。まあ、マップ次第だが、今の所編成有利なのは那須隊か?アタッカーの熊谷はいるが、どちらかというと中距離エースの那須のガードという立場だ。スナイパーの日浦が睨みを効かせしっかり役割を果たせば、全体を把握し戦場をコントロールすることも出来る。ふっ、まあ、もっとも横島が前みたいにとんでもない事を仕出かすかもしれないが、流石にそこまでは予想できねーな」

当真はスナイパー目線で語る事が多いが、その他の事も的を射た感覚を持っていた。

 

「この頃ちょっと調子悪そうだが、香取ちゃんが場を掻きまわせば、面白くなりそうだ。横島先輩、速攻狙われるだろうし、横島先輩が泣き叫びながら追いかけまわされる姿なんて、拝めるかもな」

やはり米屋は楽し気だ。

 

「今回マップ選択権があったのは柿崎隊ですが、ここで、ようやくマップが選ばれました。市街地Aです。意外とオーソドックスに来ましたね」

市街地Aは一般的な住宅街が広がるマップだ。所々マンションなどはあるが、視界が開けており、お互いの位置を把握しやすいマップでもあるため、純粋な力戦になりやすい。

 

「やはり横島を意識してるな。視界が開け、お互いを見つけやすいマップだ。しかも4部隊での対戦だ。接近戦主体の隊が多いし、横島がトラップをまき散らす前にどこかの隊が捉える事ができるだろう。だが、横島をもっと意識するなら荒野マップを選ぶのもありだ。あれなら隠れる場所は所々ある岩場と地面のデコボコとした高低差だけと、ほぼ障害物は無い上に見晴らしも最高ときたものだ。トラッパーが圧倒的に不利なマップだ。うまく岩場を取れればスナイパー有利ではあるが、居場所はバレるし、ほぼ正面からの撃ち合いになる。よっぽどでないと選ばれないマップだ。真正面からの戦闘が好きな太刀川さんとか出水とかが好きなマップだが、A級1位の太刀川隊はマップ選択権がほぼ無いからな」

当真は柿崎隊が横島対策として選んだマップだと推測する。

 

「当真さん、俺も荒野マップ好きっすよ、正面からやれていいじゃないっすか。だけどうちの隊長(三輪)は埃っぽいだとか言って絶対選択しねーっすけど」

バトルマニアの米屋は当真が言う荒野マップが好きなようだ。

 

「なるほど、オーソドックスに見えて、横島隊を意識したマップ選択の様です!」

 

 

 

対戦前の那須隊の作戦室では……

「マップは市街地Aね。玲や小夜が予想した通りね」

友子が選択されたマップを見てこういう。

 

「作戦通り先ずはクマちゃんと私が合流し、茜ちゃんはスナイプポイントからバッグワームを起動した隊の捜索、小夜ちゃんは相手の動きの予想お願いね。相手の位置が把握できるまで私とクマちゃんは動かない。横島さんがどこかの隊に見つかり戦闘を開始した場合は、私とクマちゃんで横やりを入れるわ。それではいきましょう」

那須隊は柿崎隊がこのマップを選択することを予想し、作戦を立てていたようだ。

 

「「了解」」

「了解よ」

玲の掛け声に隊員達は答える。

 

 

 

同じく、対戦前の柿崎隊の作戦室では……

「先ずは相手に位置を悟られないように合流し、那須隊のスナイパーに気を付けつつ、他の隊を捜索、横島と出会ったら、罠に気をつけつつ戦闘開始だ。やる事は何時もと同じで問題ない。ただ、優先順位は横島隊だ。行くぞ」

「「「了解」」」

柿崎隊も作戦の概要を確認し、号令をかけ、隊員もそれに答える。

 

 

 

そして、香取隊の作戦室では……。

「横島、ブッ倒す。真っ先にぶった切ってやるわ」

隊長の香取葉子は何時ものクールな感じは無く、少し興奮気味だ。

 

「ヨーコちゃん。ちょっとは落ち着いて」

「葉子、横島先輩を見つけても一人で突っ込むなよ」

三浦雄太と若村麓郎はそんな葉子を諫めようとする。

 

「そうはいかないわ!彼奴は見つけ次第ブッ倒す!あんた達こそ、横島を見つけたらすぐに知らせなさいよ!」

葉子の鋭い目は半分据わっていた。

やはり、よっぽど横島のサイドエフェクトでトリオン体に胸を盛っていた事を暴露されたくないのだろう。

 

「葉子はそれでいいわ。先輩方、作戦通り他の隊の動向を探りつつ葉子のフォローお願いします。では開始です」

オペレーターの染井華は静かな口調で対戦が始まる事を告げる。

 

「横島、覚悟しなさい」

「うん」

「了解だ」

それぞれ相づちを打ち、転送される。

 

 

 

一方、作戦室の横島はというと……

「あーーっ、やっぱ玲ちゃんと照屋ちゃんは爆破なんて出来ないって!」

「まだ言ってるのか?何度も言ってるだろ?戦闘体を傷つけたって本人はピンピンしてるって、それにお前、女子とくんずほぐれつしたいって言ってただろ?」

「これって銃撃や切り合いじゃねーか!なにがくんずほぐれつだ!あっ、今B級11位だよな。たしか10位取れれば、良いんじゃなかったっけ?あとちょっとじゃねーか。今回休んでもいいだろ?」

横島はまだ試合に出たくないとぐずって、迅と言い合いをしていた。

 

「7位をとらないと確実じゃない。はぁ、まあここで4点以上取れれば、次の試合でも何とかなるが……6点取れれば確実だな」

「4点とれればいいんだな。……ふはははははっ!男共は容赦なく爆破じゃーーー!」

「那須ちゃんと照屋ちゃんはいいとして、他の女子もちゃんと倒せよ」

「お前は鬼畜か!!中学生の女の子もいるんだろ!!しかもみんな年下の女の子じゃねーーか!!お前どSなの!?」

「これは対戦、練習試合のような物だ。いい加減に頭切り替えろって」

「いやじゃーーーー!これ以上女の子から好感度がさがったらどうすんじゃーーー!!」

「お前は元々好感度最底辺だから下がっても同じだ。気にするな。そんなに爆破が嫌だったら、爆破以外の方法で倒せよ、なんなら弧月使ってみるか?」

「あほかーーー!!いっしょやないか!!女の子ぶった切るとか!!どんだけ鬼畜なんや。ボーダーってところは!!」

「だから、そういうルールだから仕方がないだろ!?いい加減に慣れろよ。彼女らだってそれは承知の上だって。それにお前と戦って今倒されたとしても、いつかお前の様な敵に会った時にその経験は必ず生きるはずだ。お前が本気で戦わないせいで、彼女らが窮地に陥ったらどうする?」

「う……そ、それは……」

横島はそう言われてしまっては流石に返す言葉も無かった。

このランク戦はお互いの戦闘技術向上の場でもある。

 

「そろそろ開始だ。行ってこい」

迅がそう言って横島を送り出し、横島は対戦マップへと転送される。

 





次、試合開始ですw

次のランク戦の対戦相手で横島くんの事を気になりだしそうな女子は?(玲ちゃん以外)

  • 熊谷友子
  • 日浦茜
  • 志岐小夜子
  • 照屋文香
  • 宇井真登華
  • 香取葉子
  • 染井華
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