誤字脱字報告ありがとうございます。
寝落ちで更新わすれてました。
切りのいい時間で更新設定しておきます。
横島はランク戦最中にあろうことか、香取隊隊長の香取葉子を人質に取る。
撃破殲滅目的のランク戦では葉子自身はポイント1でしかないため人質の価値としては非常に低い、そこで葉子のスリーサイズ暴露とか葉子に対しセクハラ行為の実行といったもので乙女心や羞恥心といった精神的な物を質札にしたのだ。
横島のそれに対して香取隊に出した要求は、直ぐにでも追って来るだろう柿崎隊と戦って勝利する事だ。
横島の乙女心や羞恥心を質札にした人質行為には、会場の皆も同じくド汚いと思うのは当然のことではある。
まあ、男性隊員の7割ほどは葉子のスリーサイズ暴露に興味深々なのだが……
ランク戦のポイント制度は置いといて、この横島の人質作戦は戦術的にはかなり有効な手段だった。
横島は先ほどまで、香取隊3人、柿崎隊3人、那須隊の3人の合計9人に狙われていた。
要するに味方無しの1対9の戦力であった。
それを、葉子を人質に香取隊の二人を引き入れる事により、1対9が3対6となり大幅に戦力比を盛り返す事ができるのだ。
香取隊はこの横島の要求に対し、トリオン体通信で緊急打ち合わせをしていた。
「葉子が人質に。……効率を考えれば葉子を切り捨てるべきね」
香取隊オペレーターで葉子の幼馴染の染井華は横島に葉子が人質に取られた状況に、冷静な判断を下す。
「でも華ちゃん。それだとヨーコちゃんの秘密が……」
「トリオン体を見栄張って胸を大きくした葉子が悪いわ」
アタッカーの三浦雄太は葉子に惚れているだけあって、葉子の秘密の暴露は避けたかったのだが、華は淡々とした口調でこう言い切る。
「横島先輩がヨーコちゃんに如何わしいこと本気でするかもしれないし、秘密とかスリーサイズが暴露されちゃったりしたらさ、流石に可哀そうだよ。それにそんな事になったらいつも以上に落ち込むと思うよ。その方が今後の隊の活動に支障がでるんじゃない?」
「それに華さん、葉子を切り捨てたとして、俺達2人で横島先輩と戦うのはきつい。いや、その後の無傷の柿崎隊と那須隊とはまともに戦う事も困難だ。今は横島先輩に従うふりをして柿崎隊と対峙し、隙を見て葉子を奪還した方がまだ勝率は高いんじゃないか?」
アタッカーの雄太は華に葉子の心情的な要素を語り説得を試み、ガンナーの若村麓郎はエースの葉子無しではこの戦いで勝利することは困難な事、さらに横島に従うふりして柿崎隊と戦って、隙を見て葉子を奪還した方がまだ勝率は高いと説いたのだ。
「私の方が冷静さにかけていたようです。すみません。先輩方が仰る通りです。葉子が落ち込むと長いし次のランク戦にまで引っ張って出られないかもしれない。若村先輩が言う様に、横島隊長に従うふりをして葉子を奪還した方が、まだ生き残れる可能性が高い。それに横島隊長に従って、もし柿崎隊の誰かを落としたとしても、ポイントはこちら(香取隊)に入るのだし、その方がいいですね。三浦先輩、若村先輩、葉子をお願いします」
どうやら華は、表面上は冷静の様であったが、何だかんだと親友の葉子が人質に取られ心中穏やかではなかったようだ。
「うん、わかった」
「世話の掛る隊長だ。了解だ」
雄太と麓郎は快諾する。
一方、横島は迅と通信で……
「横島、香取ちゃんを人質って面白いが、香取隊を取り込んだとしてもランク戦ではポイントは入らないぞ」
「迅!そんな事よりも!何で俺だけ皆に追い回されてるんだ!?しかもあの狂暴ねーちゃん(葉子)に俺なんかしたか?前になんかしたかもしれないけど!しかも、玲ちゃんのバイパーと玲ちゃんとこの狙撃が怖いんだけど!玲ちゃん達が何処に居るかわかんないし!」
「言った通りだろ?前回あれだけ派手な砲撃をやって、しかも手の内がバレてりゃ。当然真っ先に狙われるだろうな。那須隊の位置がわからない?霊視を意識して使わなくても無意識である程度わかるんだろ?」
迅はランク戦で横島に霊能力を使う事を禁止していた。
無意識で感知してしまうものは致し方が無いが、霊視を意識して使う事を禁止させていた。
星輪女学院で横島の霊視を実際に体験しているだけに、途轍もない能力だという事を理解しているからだ。
無意識の霊視だが、近距離と言っても30m~50m範囲はある。
それだけでもとんでもない能力だ。
これこそサイドエフェクトと言ってもいいだろう。
「だから、近くに居ないんだって!」
「那須隊は徹底しているな、中長距離からお前を狙うつもりか。それで香取ちゃん人質に香取隊を従わせて、これからどうするつもりだ?」
「まあ、見てろって!くふふふふっ!」
横島のそこ意地悪い笑いが通信越しの迅にも届いていた。
柿崎隊は香取隊を追尾し、横島の居場所を凡そ見当をつけていた。
「公園の中か……道を挟んだ住宅から様子見をするぞ」
隊長の柿崎国治は横島のトラップを警戒し、かなり慎重になっていた。
「……た、隊長、香取さんが木に吊るされてます」
「俺も確認した。どういう状況だ?何やら香取隊の連中と話しているようだぞ」
照屋文香は葉子が木に吊るされてる状況に驚き、隣の国治に報告し、国治もそれを確認しこの状況に疑問を持つ。
「人質じゃないですか?映画とかよくあるじゃないですか?」
隊の最年少巴虎太郎はこの状況を見て、素直にそう答える。
「ランク戦で人質?ありえねーな。何の意味がある?」
国治は虎太郎の答えを否定する。
ボーダーのランク戦の常識では人質など全く意味をなさないからだ。
「横島先輩なら何をするのか予想が尽きません。何らかの策かも知れません」
文香は星輪女学院の一件から横島をかなり警戒していた。
「香取隊とこうやって対峙しているからには、落とし穴トラップは無いという事か。香取隊と対峙している最中に横やりを入れるチャンスだが……、いいや、那須隊が大人し過ぎるのも気になる。ここは那須隊を警戒しつつ、少し様子を見る方がいいだろう。状況によってはここから掃射しつつ迫る」
「「了解」」
柿崎隊は横島たちが居る公園の道を挟んだ前の住宅の塀から公園の中の状況を確認し、ここで少々様子を見る事に決める。
一方那須隊では……
「公園で香取隊を確認!……香取隊長が木に吊るされてます」
「茜、香取がなんでそんな状態に?」
「わかりません」
「茜ちゃん、きっと横島さんね。横島さんは見える?」
「大きな木の陰に人影が見えます。たぶん横島先輩かと、どうやら香取隊の他の二人と対峙している様相です」
那須隊は友子と玲が他の隊と距離を取り、家の敷地に潜み、オペレーターを通じてマンションの狙撃ポイントで状況を確認している茜と通信をしていた。
「横島隊長が香取隊長を人質に取ったのではないでしょうか?」
そこでオペレーターの小夜子がこの状況にこう判断する。
「人質?意味があるの?」
「わからないわ。でも横島さんには何か考えがあるはずよ」
「横島はそもそもどうやって香取を拘束した?」
「横島さんなら出来るわ。私達が分からない方法で」
友子の疑問はもっともだが、玲は横島に何かの狙いがきっとあると確信しているようだ。
「茜ちゃん、横島さんを狙撃は可能?」
「いえ、木が邪魔で……香取隊長は狙撃可能です」
「横島隊長のこの位置、後ろにはマンションがあり上は大きな木の枝葉が覆いかぶさってます。右手には公園のトイレと狙撃が困難な位置取りをしています。狙うなら近中距離のこの位置です」
小夜子はそう言って今の位置の横島を狙う事が出来る位置をマッピングしマップデータを皆に送信する。
「茜ちゃん、マッピングデーターの位置に柿崎隊はいないかしら?」
「えーっと…………いました!虎太郎君が公園の道を挟んだ住宅の敷地です。周囲を警戒しているみたいです」
「玲、どうする?香取だけでも取っておくか?」
友子は今だったら障害も無く狙えそうな葉子を先に撃破した方がいいと進言する。
「………私達も距離を詰めるわ。それまでに柿崎隊が戦闘に入り、香取さんがフリーであれば狙撃お願い」
「了解」
玲は少し考えてからそう結論をだす。
横島が狙撃を考慮してこの位置に居るのなら、わざわざ葉子を人質にしておいて、狙える位置に放置しているのかが疑問であった。
何らかの対策をしているのではないかと、今の状態だと先ほどの狙撃同様に対処されてしまう可能性が高いと判断し、柿崎隊と乱戦もようとなれば、横島が多少なりとも葉子から
意識が外れ、狙撃の対処が出来ないのではないかと考えていたのだ。
玲と友子も中距離射撃ポイントへ移動開始する。
横島が柿崎隊と香取隊と乱戦になるまでに、出来るだけ近づきたかった。
そして……。
横島は柿崎隊が潜んでいる住宅地に向かってグラスホッパーをそのまま使ってトリオン爆弾を投げ込んだのだ。
目的は柿崎隊をあぶり出す事。
柿崎隊も横島がトリオン爆弾をグラスホッパーで投げ込んでくる姿を確認していたため、潜んでいた住宅から後方へ素早く脱出。
だが、そこを狙いすましたように香取隊の三浦雄太と若村麓郎が攻撃を仕掛けて来たのだ。
「な、香取隊が俺達を!?……くっ、相手は二人だ。迎撃するぞ」
「「了解」」
先ほどまで横島隊と対峙していたはずの香取隊に完全に不意を突かれ、被弾してしまうが何とか隊列を組み直し、迎撃態勢を整える柿崎隊。
正面での射撃戦となり、不利に陥るのは香取隊の二人だった。
柿崎隊の弾幕の圧に負け、道路を下がっていく香取隊。
だが……射撃戦で前に出る柿崎隊だったが、十字路に差し掛かったところで、先行して前に出るアタッカー巴虎太郎が何かに躓いた。
何とかその場に踏みとどまったが、一瞬意識が足元に。
道路すれすれに接地したスパイダーのロープに引っかかったのだ。
「え?」
踏みとどまった虎太郎は何故かそのまま上へと飛ばされる。
そう、横島のグラスホッパーだ。
虎太郎は上に飛ばされる途中で、直ぐに別のグラスホッパーが中空斜めに現れて跳ね飛ばされ、住宅敷地内の庭の地面に叩きつけられようとし、何故か地面に吸い込まれる。
横島の落とし穴トラップに嵌ったのだ。
そして、落とし穴の中で無慈悲にトリオン爆弾が爆発し、ベイルアウトがコールされる。
「横島か!?」
その様子に柿崎国治は大きく後ろにジャンプし後退するが、その途中で背にグラスホッパーが現れ、斜め上の住宅の敷地の上空に飛ばされ、直ぐグラスホッパーが上空下向きに現れ、跳ね飛ばされ地面に叩きつけられようとする。
そこで国治が見たものは住宅敷地内でそこ意地悪そうな笑みを浮かべる横島だった。
「二人目、いらっしゃい~!」
「くそっ!!」
国治は体をくねらせ逃れようとするが、地面に設置していた落とし穴トラップに吸い込まれるように落ちて行く。
虎太郎同様に、落とし穴トラップ内でトリオン爆弾の餌食になりベイルアウト。
横島はグラスホッパーを使って強制的に落とし穴に落としたのだ。
横島の人質作戦は飽くまでも時間稼ぎだった。
トラップを効率よく設置にするにはどうしても時間が必要だ。
特に、落とし穴トラップは三工程必要なため、逃走中や正面からの戦闘中には設置出来ない。
横島は香取隊の二人を人質で焚きつけて、柿崎隊と対峙している最中に、走り回って落とし穴トラップを設置したのだ。
しかも、香取隊には下がるルートを予め指示し、香取隊が下がるルートの途中に、バレない位置に落とし穴トラップを設置し、待ち構えていた。
「隊長っ!」
2人があっさり撃破される様子を見ていた文香は更に後退し、形勢不利と見て逃げの一手を取る。
横島は文香を追わずに、公園方面へ後退する香取隊の二人を追った。
その頃、香取隊の雄太と麓郎は柿崎隊の攻撃が収まったと見るや、公園へと全力疾走で向かっていた。
オペレーターの華が、横島が柿崎隊と交戦開始したと判断し、今なら葉子を奪還できると判断したのだ。
だが、二人が公園に着いた直後に、葉子はどこからか狙撃され撃破によるベイルアウトがコールされる。
そう、これは那須隊スナイパー日浦茜の狙撃だ。
「くっ、那須隊か!」
「……ヨーコちゃん」
麓郎は呻き、雄太は葉子の秘密がバレずに済んだことにホッとした表情をしていた。
だが、尚も茜の狙撃の弾丸が残った香取隊の二人にも降り注ぐ。
どうやら那須隊は乱戦に間に合わず、既に柿崎隊の二人が撃破されたと知って、ターゲットの優先順位を香取隊へとシフトしたようだ。
狙撃を回避するため公園のトイレの影に隠れる雄太と麓郎に、今度はバイパーが四方から軌道を変えながら襲いかかる。
2人はシールドを張り、何とか一射目は耐えたが、ここから脱するにも茜のスナイパーの狙撃、留まるも玲のバイパーが襲ってくる状況だ。
絶体絶命のピンチだろう。
だが、そこにバッグワームを着用した横島がカサカサとゴキブリのように這って現れ、玲のバイパーが襲い来る中、グラスホッパーで雄太と麓郎を上空へと打ち上げ、バイパーから逃したのだ。
「横島先輩?逃がしてくれたのか?」
「え?助かった?」
麓郎と雄太はそんな言葉を漏らすのだが……。
しかし、横島がグラスホッパーで飛ばしたのは雄太と麓郎だけじゃなかった。
トリオン爆弾も一緒に飛ばしていたのだ!!
「え?」
「へ?」
高く上空に飛ばされた麓郎と雄太は盛大に爆発したのだった!
地上の横島は……
「へっ!きたねえ花火だ。……あれ?なんで俺はこんな事を?」
何故か前ソリコミの釣り目のとある野菜星王子風にそんな事を言っていたが、本人はどうしてそんな事を口走ったのかは分からないようだ。
きっとなんらかのギャグ補正なのだろう。
いよいよこのラウンドも終わりが見えてきました。
「きなねえ花火」はやりたかっただけwww
だって、せっかくだし、横島くんだし!
と言い訳をw
次のランク戦の対戦相手で横島くんの事を気になりだしそうな女子は?(玲ちゃん以外)
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熊谷友子
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日浦茜
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志岐小夜子
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照屋文香
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宇井真登華
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香取葉子
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染井華