横島!トリガー・オン!!   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

すみません。
随分と時間が空いてしまいました。
28話は元々の全く違う話を書いてたんですがを全部消して、書き直しましてようやく。
では続きを


その28、そんな事もあるだろう。

 

「これはこれは、お好み焼きの上に焼きそばと目玉焼きとは結構な物を。かげうら先輩、呼んでもらってありがとう」

空閑遊真は、影浦隊隊長のアタッカーの影浦雅人や来馬隊の村上鋼らとボーダー本部で個人戦を行った後、影浦の実家であるお好み焼き屋に誘われ、夕飯を共にしていた。

この頃の遊真は、ライバルと認め合っている彼らと交流を深め、夕飯をこうして共にすることが増えていた。

今日のメンバーは影浦と同じ世代(18歳)の友人関係である村上鋼と荒船隊隊長の荒船哲次、さらに影浦隊のガンナー北添尋(18歳)、スナイパー絵馬ユズル(14歳)と言うメンバーだ。因みにオペレーターの仁礼光(17歳)は今日は来ていない。

 

「今日もおごってやる。但し空閑、横島の事を教えろ」

影浦はぶっきらぼうな言い方で遊真に横島の事を聞く。

 

「かげうら先輩が他の隊の事を聞くなんて珍しいですな」

 

「次の試合に当たんだよ。お前ら(玉狛第2三雲隊)に負けた試合の後によ、たまたま横島の試合を見たが、あいつは他の連中とは全くものが違う」

そう言った影浦は楽し気に笑っている様にも見える。

 

「ゾエさんも驚いちゃったよ。あの回避は何?本当にトラッパーなの?横島くんは?」

北添尋もどうやら、遊真に横島の事を聞く気満々だ。

影浦隊としても次の試合相手である横島の情報が欲しいのだろう。

影浦自身は好敵手となり得るだろう横島の事を知りたいという個人的な興味によるものだ。

 

「うーん。横島先輩には掃除やご飯で世話になってるし、同じ釜の飯を食う仲だし」

遊真はお好み焼きの上の半熟目玉焼きと格闘しながら、とぼけた風な感じで渋る。

 

「いいから教えろ。飯おごってやるって言ってんだ。ってかもう喰ってんだろ」

「空閑、横島はそもそも正式には早沼支部だ。それ程義理立てする必要もないだろう」

影浦は駆け引きもあったもんじゃない言い草をこうも堂々と言う。

この場に参加していた荒船も横島の話に興味があるのか影浦のフォローをする。

 

「横島先輩は正直分からない」

遊真はさっきとは打って変わって至極真面目な顔で答える。

 

「この期に及んで吹いてんじゃねーぞ空閑」

 

「嘘は言ってないよ。だって、横島先輩とは練習試合どころか訓練も一緒にしたことがないし、もっというと横島先輩が訓練してる所も見たことがない」

遊真の話は事実だ。

三雲隊の誰もが横島と練習試合どころか、横島の練習風景も見た事が無かった。

 

「はぁ?なんだそりゃ?」

 

「カゲさん、雨取さんも同じこと言ってたから、本当の事だよ」

ここで絵馬ユズルが話に入って来る。

ユズルはボーダー本部主催のスナイパー訓練で千佳と一緒に訓練や練習することが多い。

ユズルは何時も千佳が訓練する時間に合わせていた。

要するに、千佳に気があるのだ。

 

「何度か横島先輩に頼んだんだけど、迅さんに毎度止められるし、小南先輩も横島先輩と練習試合をやりたがってたけど、やらせてくれないみたい」

 

「……横島はトラッパーだから普通は個人対戦はしないだろうが、練習する姿を見た事が無いのはおかしな話だ」

村上鋼は真剣な面持ちでそう言う。

 

「うんうん、でもなんかわかる気はするな。横島くんと変に一緒に訓練をすると調子を崩しそうだしね」

北添尋は頷きながら迅に訓練を止められる理由を私見で答える。

 

「確かに横島の戦い方は常軌を逸している。いやボーダーの常識が通用しないというのが正解か」

今迄黙って、この話の行く末を聞いていた荒船がここで頷きながら会話に入って来る。

 

「そりゃそうだろ。ランク戦で人質を取るとか普通考えねーだろ!ありゃ、頭のネジが何本かぶっ飛んでやがるぜ」

影浦は何故か嬉しそうにこんな事を言う。

横島の常識が通じない戦い方が気に入り、戦いたくてうずうずしているようだ。

 

「横島先輩は俺がボーダーに入る前にスカウトされて玉狛支部で生活してたって聞いてたし、戦い慣れてるからスカウトされる前はどっかの戦士だったんじゃないかな」

 

「確かに戦い慣れてるっぽいけど、それは無いんじゃない?だって横島くん、ゾエさんやカゲと、ここにいるみんなと同じで18歳組だし、自衛隊は中卒後に専門の学校に入れるけど、自衛隊はあんな戦い方はしないんじゃないかな」

北添尋の意見はもっともだ。

だが、遊真の予想は日本の常識ではあり得ない話だが、戦場を幼い時から渡り歩いて来たネイバーの遊真にとって、横島の戦い方は明らかに実践慣れをしてる風に見えたのだ。

 

「そう言えば荒船君は戦ったことあるよね。横島くんと」

北添は以前横島とランク戦を行った事がある荒船に話を振る

 

「ああ、まったくいいところなしだった。攻撃すらせずにベイルアウトだ」

荒船は話を振られ、あっさり負けた事を淡々と語る。

 

「あのグラスホッパー迫撃砲には驚いたよね。あれを初見でかわすのはちょっと厳しいね」

北添は頷きながらあの試合光景を思い出し、しみじみと言う。

 

「本質はそこじゃない。奴は初めから戦場をコントロールしてやがった。俺は奴を接近戦で倒すために迫ったが、奴の姿を捉えたと思った瞬間にトラップの餌食だ」

荒船は横島のあのド派手な新戦術よりも、横島の試合運びにやられたと語る。

 

「くくくくっ、お前が簡単にやられたのか?そりゃ、ますます試合が楽しみだ」

その荒船の話にやはり影浦は嬉しそうだ。

 

 

 

 

 

一方、玉狛支部では……

林藤ゆりと迅、レイジとクローニンが作戦室のオペレーター席に集まり話し合いを行っていた。

 

「ゆりさん。横島のオペレーター出来ます?」

オペレーター席で複数の画像を同時に見ながら情報を精査しているゆりに、迅は軽い感じで聞く。

 

「迅君、本職の私に出来ないとでも?といいたいところだけど、……凄いわね彼。迅君よく今迄横島君のオペレーター務めていたわね」

ゆりは横島の今迄の試合データーとオペレート記録を見て、こんな感想を漏らす。

 

「いや~、別に大したことやってないですよ。横島の邪魔をしない様にとは意識してましたが、彼奴が欲しそうな情報を提示する程度で、後は彼奴自身がなんとかしちゃうんで」

 

「迅君と横島君の思考が似通ってるってことかしら?それだけじゃないでしょ?いずれにしろ、これではボーダーの今のオペレーターの子では横島君のオペレートは厳しいわね。それにしても昔のおじさん(林藤支部長)の戦い方にちょっと似てるわ。もちろん戦闘方法は全く似てないけど、相手をからめとるような試合運びとか……」

 

「確かにそうですね。歴戦の兵士のように戦い慣れてる」

レイジもゆりの意見に同意だった。

林藤も前ボーダーではトリオン戦闘体を纏い戦っていたのだ。

 

「迅君、この前の試合中のここなのだけど、一瞬横島君の戦闘体に対しトリオン体維持不可のアラームが出ているわ。うーん、これは予期せぬトリオン異常を示すエラーのようだけど、これは?」

ゆりは前の香取隊、柿崎隊、那須隊との試合中、那須隊のスナイパー日浦茜から狙撃を受け、回避した際のログを見て、迅に聞く。

 

「ああ、これですね。最初に説明しましたけど、横島はトリオン、彼奴の世界では霊気、霊力とかいう名称ですが、自由自在に操れるんですよ。ボーダー製の一般的なトリガーでは彼奴がトリオンを出力を上げてコントロールしようとすると、彼奴の能力についていけなくて戦闘体が崩壊しベイルアウトしちゃうんで、今の彼奴は能力をセーブして戦ってるんです」

横島はボーダーの一般的なトリガーによる戦闘体では、霊能力をフルに発揮できない状態だった。

ボーダー製のトリガーは、自力でトリオンをコントロールできる人間用に出来ていない。

そもそもトリオンを自力で自由にコントロールできる人間がいるなどとは想定外であったのだ。

横島は現在のトリガーでは文珠やハンズオブグローリー(霊波刀)だけでなく、満足に霊力による攻撃が再現できないのだ。

 

「……と言う事は、横島君はトリオン体の時よりも生身の方が強いという事かしら?」

 

「はっきり言ってそうです。横島は俺と二人で防衛任務に行ってる時は、トリオン体無しでネイバーと戦ってます。星輪女学院の時の話は後でしますが、特に彼奴の文珠という霊能力はサイドエフェクトの様な能力を無数に発揮できると考えて貰っていいです」

 

「……規格外過ぎるわ。横島くんが居た平行世界の人間は彼の様な霊能力者は一般的ではないのでしょ?」

ゆりは一応、横島と出会った当初、ある程度横島の世界の話も聞いてはいたのだが、横島の実際の戦闘データや迅の話を聞き、平行世界の人間が全て横島の様な凄まじい能力をもった人間だったのならと想像が追い付かず、改めて聞いたのだ。

 

「そうですね。横島の話では霊能力者というカテゴリーの人間、特にゴーストスイーパーと呼ばれる国家資格を持った幽霊や妖怪、悪魔と行った化け物と戦うハンターは、極一部の人間だけだと。しかも霊気、トリオンをある程度保有し扱う能力は生まれつき(先天的)に決まっていて、ほぼ霊能力を持った家系で決まるらしいです。横島は後で能力を発揮しだした結構稀なケースらしいですよ」

 

「…………悪魔や妖怪、幽霊と戦うゴーストスイーパーか……まるでアニメやマンガの世界ね」

ゆりは改めて、この話を聞きこう思うのだった。

 

「それを言ったら、ボーダーだって数年前までは考えられないですよ。戦隊ヒーロー扱いもいいところでしょ?」

迅は半笑いで返す。

確かにネイバーにしろボーダーにしろ、怪獣と正義のヒーローを題材とした特写もののようだ。

 

「それもそうね」

ゆりは笑顔を見せる。

 

「話は戻しますが……横島のオペレーターの件、どうですかゆりさん。俺のサイドエフェクトでは俺は今度の遠征にはいかない方がいいんですよ」

迅は改めてゆりに横島のオペレーターを務める事を頼む。

 

「もちろん私は何とかして見せるわ。でも私以外にも横島君を理解して、フォローできる子は必要よ」

ゆりは承諾するが、自分以外にも横島のオペレーターが務まる人材が必要だと言う。

 

「宇佐美はどうですか?」

迅は元々いざという時には栞に頼むつもりでもあった。

 

「もちろん栞ちゃんには協力してもらうわ。それ以外の子にもね。それはそうと玉狛第二の子達には横島君の事を告げなくてもいいの?」

 

「遊真は横島のランク戦での戦いっぷりからネイバーのどこかの国の人間だと思ってたようで、直接本人に聞いてましたよ。横島が速攻で否定してましたが、まあ、遊真のサイドエフェクトで横島が嘘をついていないとわかって引き下がりましたがね。まさか平行世界の人間だとは思わないだろうし、それに小南達も含めてランク戦が終わった後に伝えるつもりにしてます。ボスもその方がいいだろうと」

迅の話しぶりから遊真は横島の戦いぶりが他のボーダーの戦い方と随分異なり、どちらかと言うと自分達ネイバー側の戦い方に似た雰囲気を感じていたようだ。

一応、横島が嘘を言ってはいない事は理解したが、横島が何者なのかは気にはなっているようだ。

 

「横島くん本人はどう言ってるの?」

ゆりは横島本人が皆に平行世界の人間であると話す事に躊躇や葛藤のような物は無いか聞いた。

 

「あんまり気にしてないですね。ああ云う奴なんで。今日のこの話し合いも俺に任せてくれました。むしろ小南やメガネ君、遊真たちの反応が気になるかな。そう大した事にはならないだろうと思いますが、驚く姿はちょっと楽しみですね」

迅はむしろ、横島が平行世界の人間だと知った小南や修達がどういった反応を示すか楽しみにしているようだ。

 

「修や千佳たちが横島が平行世界の人間だと知っても何も変わらない。むしろ霊能者というところで引っかかりそうだな」

ようやくここでレイジが言葉を挟む。

 

「レイジ君の言う通りかも、霊能者って胡散臭いものね」

ゆりは皆の驚く姿を想像し、微笑みながらレイジの意見に同意する。

 

「そ、そうですね」

同意し微笑むゆりを見て、思わず頬を赤らめるレイジ。

 

「横島君には霊能力とやらに耐えられる専用のトリガーが必要だろう。霊能力者の能力を知るために早速彼に協力してもらうとするか……」

トリガー技術者のクローニンはどこか楽し気だ。

横島の霊能力に興味深々なようだ。

 

「頼みますクローニンさん」

迅は軽くクローニンに頭を下げる。

 

 

主な話し合いを終え、一息ついてからゆりがこんな事を言い出す。

「そうそう、横島君には前々から聞きたかったのだけど、なかなか聞けないというか、聞く勇気がでなかったというか……」

ゆりは横島に聞きたかった事があるようだが、どうやら横島本人にはかなり聞きづらい内容の様だ。

 

「何ですか?」

 

「横島君って、実際に平行世界で幽霊や妖怪を相手にしていた霊能者なんでしょ?幽霊とか見えるって事よね……だから、こっちの世界でも幽霊とか居たり見えたりするのかなって……いたら、いたで怖いでしょ?でも気になって……迅君は横島君に何か聞いてない?」

ゆりは恐る恐ると言う感じに迅に聞く。

 

「ゆ、ゆりさん、大丈夫です。霊なんて…た、大した事はないです」

レイジはこう言っているが、顔色が悪い。

どうやらレイジも幽霊が苦手なようだ。

 

「ははははっ、なんだ。そんなことですか」

迅は少々大げさに笑い、一笑する。

 

「そ、そうよね。いないわよね」

ゆりは迅のその様子にホッとする。

 

「あははははっ、俺も聞いたことがないんですが、横島の奴たまに誰もいない方向に話しかけてたりしてたのを見た事がありますよ。今日帰ってきたら聞いてみますか?」

迅はニヤニヤしながら、こんな事を言い出した。

実際、迅はそんな様子の横島を見た事は無いが、わざとこんな言い回しをする。

どうやら、迅は面白がっているようだ。

 

「………」

「えっ?……そ、それって…やっぱりいいわ。横島君には聞かないで、知らない方が幸せって言葉もあるでしょ」

迅のその話にレイジは青ざめ、ゆりは少々怯えながら迅に横島に聞かない様にと釘を刺した。

 

 

 

 

その頃、注目の的の横島というと……

「しくしくしく、たまたま道に落ちてたのを拾っただけなんや~」

「女性ものパンツが道端にそうそう落ちているわけがない。何処で盗んできたんだ。いいから言いなさい」

「風で飛ばされて道に落ちてたのを、なんだろうなと拾っただけなんや~~本当なんや~~」

「だったら何故君は、嬉しそうにパンツを両手で掲げて叫んでいたんだ!」

バイトからの帰り道に警察官3人に囲まれ職務質問をされていた。

しかも若い女性もののパンツを盗んだと冤罪をかけられそうになっていたのだ。

まあ、たまたまパンツ拾ったにしろ、嬉しそうにパンツを両手で掲げて「若いねーちゃんのパンツと見た!こ、これはヒップ86!さらにウエストは58でバスト88のボッ・キュ・ボン!だぞ!!ラッキーーー!!」などと公衆の面前で雄たけびを上げれば、こうもなるだろう。

相変わらず横島は何処に居ても横島の様だ。

 

一緒にいた京介が警察官に状況説明と説得をし、捕まる事は無かったが、玉狛支部に戻るのに随分と遅くなったとか……。

 




次回からは書いてて楽しいランク戦!
実況を誰にしようか、解説を誰にしようかと結構楽しく書いてます。

影浦隊、王子隊、東隊とのランク戦!
男ばかりのランク戦!!
男には容赦がない横島君が見れるかも!!
いやいやいや、やっぱり横島流で!!
原作の技(卑怯技)を入れて見たいですね!!
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