むかしむかし、いやむかしむかしよりももっともっと、むかしのおはなし。
せかいには今にはないふしぎな'ちから'が溢れていました
'ちから'をもつみんなはそれを使い、沢山のことをしました
お花をそだてたり木をおおきくしたり、おいしいごはんを作ったり
'ちから'をやさしいことに使い、みんなをニコニコえがおでくらしていました
その'ちから'をみんなは'まほう'と呼びました
そんなへいわなせかい、マジカルランドではいちねんに一度のおまつりがありました
みんなはお姫さまをひと目みようと、おしろを見ていました
せかいでいちばんのうつくしいお姫さまがおしろから手をふると、まほうのひかりが空にあふれ、おおきくてきれいなにじがかかりました
みんなはおおよろこび うつくしいお姫さまをたたえます。
ありがとう ありがとうお姫さま うつくしいお姫さまありがとう
しかし、そのときかみなりの音がなりました
そしてはれやかな空はくらいくもにおおわれます
かみなりはマジカルランドになんども落ち、ひとびとに呪いをかけます
マジカルランドでこんなことをするのは沼のまじょくらいです
お姫さまはみんなが傷ついたことを悲しみ、沼のまじょにききます
「みんな やさしいひとばかりよ こんなことはやめて」
沼のまじょはわらいます
「おお お姫さま なにもしらぬ お姫さま」
けたけたとわらう沼のまじょ
「おそろしい わたしは おそろしいよ なにもしらぬまま きえてしまうほうが しあわせさ」
沼のまじょははわらう
わらう
わらう
お姫さまをわらう
お姫さまはおこります
お姫さまは沼のまじょをついほうしようとします
お姫さまのひとびとに手をむけました。まほうの光がきらめくと、ひとびとののろいがとけました
お姫さまはそらに手をむけました。空ははれ、にじがまたかかりました
お姫さまは沼のまじょにてをむけました。魔女はどこかへときえてしまいました
まほうを わるいことに つかってはいけないよ
お姫さまが おこって しあわせな マジカルランドから おいだされちゃう からね
わるいまじょ みたいにね
むかしむかし、いやむかしむかしよりももっともっと、むかしのおはなし。
-やさしいお姫さまとわるい沼のまじょ-より抜粋
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魔法歴20XX年!!魔法少女の聖地とも言えるマジカルランド!
平和で退屈極まりないこの世界は、ある1人の愚か者が放った大破壊魔法の影響により、星の3分の1ほどが焦土となった!!森は焼け!海は逆巻き!大地は裂けた!魔法の力の源たるマナは枯れかけている!
火山灰のように舞い上がった粉塵は、大地を覆い尽くし!あらゆる作物は枯れ果てた!もはやこの星は人が住む環境ではない!
あらゆる動物は死に絶え、もはや人々も息絶えたのか・・・?
いや違う!魔法の力でしぶとく生き残っていた少数の魔法少女は!数少ない物資を巡って争いを続けていた!
ほら今も!荒れ果てた道を1人の少女が魔導バイクに乗って、ほうほうのていで逃げる男を追い回している!
まるで獲物を嬲るかの様に!付かず離れず追い回す!男が力尽きるまで!
残虐!非道!だがこれは決して珍しい光景ではない!
この世紀末において!魔法の力を持つ者は絶対なのだ!
力を持つものは持たざる者から奪って良い!嬲ってよい!殺してもよい!
それがこのマジカルランドの唯一の法!
なにがあろうと弱い者が悪い。弱者は強いものに喰われるのが当然なのだ!
「アハハハハハ!!ほらほらぁ!!頑張らないと死んじゃうよぉぉぉ!」
「ひいぃぃい、お助け、お助け下さい!!」
ついに力尽き倒れ込んだ男。
小便すらたらしながら命乞いをする。土下座をし、少女の靴すら舐めた。
少女は男の大事そうに抱え得ていた荷物カバンを、指先から放った魔法の刃で切り裂く。
「ぷっ!何これ!絵本?!こんなものはね!この時代じゃ便所紙にしかならないんだよ!」
男の思い出の品なのだろう。大事そうに本を抱き抱える男はやけくそ気味に激昂する。
「あ、あなたはマジカルランドの魔法少女なんでしょう!?こんなこと許されるはずがない!」
「はァァア!!?何言ってんのこのメルヘン野郎!わたしはなんでも許されるんだよ!!見てみろよ!ほら!」
少女の両手から力を誇示するように炎が吹き出す。まるで生き物の様にのたうつ様は明らかに自然現象ではない。
男は本を腹に抱えたまま、頭を抱え屈み込む。
「このわたしに生意気言った罰だ!表面だけこんがり焼いてやるよ!ほら燃えちまいな!'火蜥蜴の舌'!」
男の命乞いを無視して、少女は生き物のようにのたうつ火をけしかける。
「あははは、踊れ踊れ!!愉快に踊れば消してやるかもしれないぞ!」
身体に絡みつく火を手で振り払い、なんとか消そうとあがく男を嘲笑うかのように、男は黒く炭化していく。
少女は男が立てなくなり、呼吸しかできなくなるまで嬲る。
「ほら一丁あがり。肺は焼いてないからなかなか死なないんだよ。せいぜいゆっくり楽しんでね」
少女は男の荷物を漁り、水と食料や貴金属を抜き取って魔導バイクで走り去った。
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この物語はもう終わってしまった魔法の世界の物語。そして主人公は・・・
「あ、あああ貴方わたしを騙したのね!なにが魔法の国よ!なにが魔法少女の聖地よ!ぜんっぜんイメージと違うじゃない!!」
「おっかしいなぁ!!おっかしいよね!そっちの世界に行く前はこんなんじゃなかった筈なんだけど!!もしかして時間軸がずれちゃったのかも!」
異世界・・・地球から旅行気分でやってきたどこにでもいる普通の魔法少女!そしてそのおとものマスコット!
「お腹すいた・・・貴方を焼いて食べるわ」
「やめて!!」
この終わってしまった世界で、地球への帰還方法を探せ!
なんてもん書いてやがるんだ過去の私・・・人生で嫌なことがあったときに続きを書くよ。いや多分書かない。