宵闇解放シンフォギア   作:火野ミライ

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宵闇絶唱シンフォギア、前回の出来事!
一つ、目を覚ましたの灼熱の海が広がる惑星「地球」
二つ、メイの姉「リア」がとっさに結界を張ったことによって一命をとりとめたルーミア
そして三つ、今回のミスと勝手な行動により身の資格を剥奪、処遇が決まるまでルーミアのサポートをする事になった


3話:力と問題と食事の恐怖

手のひらと手のひらを合わせ、瞳を閉じる。ゆっくりと息を吐きながら、意識を自身の内側に流れる力へ集中。妖力を感じ取ったら今度はゆっくりと手のひらへと運ぶイメージを浮かべながら、外気へと放出。手のひらの間で球体上に固める。

 

出来上がるのは黄色く発光する[弾幕]、テニスポールぐらいのそれを不可視の結界の壁へとぶつける。ぶつかった弾幕はピンボールの如く反転し床や天井をバウンドしながらこちらに迫りくる。決して遅くないそれをギリギリまで引きつけて、回避。

 

「っく!」

 

少し肩に掠ったのを感じながらも床に手をおき身体を支え転倒を防ぐ。一息つく暇もなく戻ってきた弾幕をまたギリギリまで引きつけて回避、今度は太ももに痛みが走る。

 

今、僕がやっているのは弾幕の生成と[グレイズ]の練習。弾幕は東方projectでの弱攻撃もしくは通常攻撃って思ってくれたらいい。グレイズは当たり判定ギリギリで弾幕を回避するゲーム内のテクニック。

 

マグマやら隕石やら爆発やらで視界は真っ赤なうえ、結界内の小さな部屋で過ごしていては精神が壊れそうだったから出来ること、すなわち能力でどんなことが出来るかの検証をし始めたのがきっかけ。よくあるネット小説の如く無双するには到底も及ばないほど悲しい結果になったけど。

 

まず、そもそもルーミアと言う妖怪の身体をうまく扱えない。前世の身長と違うのもあるけど、身体のスペックが違いすぎた。ちょっと軽く走っただけで前世の最高記録を軽く超えるのは余裕。本気で走ったらすぐに壁にぶつかった。(部屋の端から走ったのに…)

 

つぎにオーズ変身、ベルトの初期登録を済ませて[タトバコンボ]へ(ちなみに音声は本編と同じ高さ)。最初に気が付いたのはテレビの様な姿でなく、S.I.C.シリーズと呼ばれるアレンジされたフィギュアの様な見た目でもなく、ルーミアのカラーと衣装をオーズ風にしたもの所謂[ライダー少女]になっていた(イメージはプ●キュアが近い)

 

メイに聞いてみたところ、ルーミアの頭についている封印の札の影響とのこと。これを外せばよく見習た普通のオーズなれるようだ。代わりにルーミア()の力やオーズの暴走(セイフティ機能の発動)が起きるかもとも言ってたけどね。

 

セイフティ機能OFFのオーズって別の意味で怖くね? ちなみに原作通り札は自力で取れなかった。

ゲームと言う名の収納はとりあえずルーミアの[闇を操る程度の能力]の一部として使っている。(使い方間違っている気はするが使えるので問題視して無い)

 

出し入れは作り出した闇の中に投げ入れたり、自分の影を広げて落とし入れたり、四次元ポケットの如くポケットの影に突っ込んだりそんな感じ。オーズのベルトやメダルもこの中にしまっているので盗まれる心配は無し。

 

そもそもオーズの力は最初に使った人しか使えないんだけどね。

 

「よっと!」

 

手のひらに集めた魔力をレーザーとして放ち、まっすぐに飛んでくる弾幕を相殺。小さな爆発が起き、熱波が髪を揺らす。特訓の結果、妖力・魔力・霊力・気が使えることが分かった。

 

まず[妖力]だが、これは妖怪が持つ独自のエネルギー。ルーミアは[人食い妖怪]なので持って当たり前。次に[魔力]、こっちは魔法を使う時に使う。原作ルーミアが魔法で自身の周囲に闇を展開してるので持ってても可笑しくはない。

 

問題なのは残り二つ。[霊力]は人間とか霊が使う力(たぶん)。この力を使える理由はおそらく前世が人間でその記憶とかを持っているから(フワフワ推測)。[気]は草木や動物、さらには星が持つ命のエネルギー。ぶっちゃけ、ドラゴ●ボールで主流の力。東方的には[紅美鈴(ほんめいりん)]が持つ能力。

 

まぁ、全部超常的な力でまとめたらそれまでなんだけど、使う身で言うと全部違うから区別してないと暴発しそうなんだよね。

 

「…………………………………」

 

ここまで問題点とかを上げてきたけど一番の問題点がある。その話をする前に生物の3大欲求は知ってる?[睡眠欲・食欲・性欲]の3つだね。そのうちの一つ、食欲が問題点として多くなってくる。

 

先の話のように僕ことルーミアは人食い妖怪。その主食は肉、さらに詳しく言うなら[人肉]だ。

もちろん前世では口にした事も無いし、興味すらない。そんな元人間に人を食えと言われて素直に食べれるだろうか?

 

その時の環境・状態もあると思うけど、少なくとも無理な人。でもルーミアとしては食べなきゃ栄養失調症どころか餓死する。

 

倫理観とかを無視しても人が人を食らうことはよくないとされている。科学・医学的に説明できるらしいけど詳しく知らないから説明を省くが、身体に異常をもたらすらしい。どっかで聞いた話だから間違っているかもだけど。

 

そんな風に人を食べることを躊躇しながらも最近は食べているというか、それしか出してくれない。

話が飛んだ?まともに食べるものすらない環境で食事をとるために、メイが食事を用意してくれるんだけど、それが人間の死体な訳よ。

 

今も目の前で転がっている死体、20代後半ぐらいの女性が裸体で転がっている。心は食べることを否定しても、一度口にしてしまったソレを目にし本能が腕を伸ばす。腕をネジ千切り口をめいっぱい広げかぶりつく。

 

初めて食べた時は小さい子供がピーマンをがんと口にしない事にしびれを切らした親が無理やり口に詰め入れ、はき出さないように手のひらで口を閉じる光景まんま。ピーマンが人肉で子供が僕で親がメイだけど。その後、気分が悪くなって嘔吐したのが懐かしく感じる程には慣れてしまった。

 

「_____ふ~」

 

一人をあっという間に平らげた僕は満足そうに息を吹く。そしてすぐにそれに気が付いて罪悪とか嫌悪感に襲われ、逃げるように運動(とっくん)に没入する。やがて人を食べることに今感じてる感情がなくなる恐怖に目をそらして。

 

今日も隕石は嵐のように降り続け、赤い津波があちこちで起きる日常の中で………




今回はがっつり?とした説明会。詰め込みすぎてわかりづらくなってないか心配です。

主人公の設定集的なものについて

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