扉が豪快に、いや壁ごと吹き飛び、ヒーロー達が入ってくる。木の枝のような物が伸びて、トガ達の体を縛る。黒霧が脳無を出そうとした。だが、ちっこい爺さんが黒霧を気絶させた。出口も入り口も無くなり、逃げ場なし。
イフは静かに俺の体内へと入り、姿を見られる前に入ってくれたおかげで、壁の破片が直撃することはなかった。
「イリス!!」
「はぁ…仕方ねぇなぁ…」
俺がそう言うと、外から爆発音が鳴り響く。これは脳無の養殖場の爆破音だ。そして、緑谷の友達がつけた発信器付きの脳無がいる場所。
「ミッドナイト?ミッドナイト!?ミッドナイトからの通信切れました…!!?」
「なっ?!」
「他のヒーローからの通信も途絶えただと!?」
コイツらは馬鹿か。ヴィランのアジトだぞ。何もないわけないだろう。
「弔!お前らは先に行ってろ!!マスキュラー!!やれ!サポートは任せろ!!」
「おぉ…!No.1と殺し合いだああ!!」
マスキュラーが赤黒いオーラを纏い始めた。遊びではなく、本気の目をつけて縛っていた枝を無理矢理千切り、オールマイトに拳を振るう。オールマイトと真向の殴り合いが始まる。打つかり合う衝撃でバーが崩れようとしていた。
「脳無!!」
俺が改造した脳無の1号機を出す。正直、時間稼ぎにしかならないが、弔達を逃がすには十分だろう。
1号機を今までと同じと考えていたヒーロー達は力任せに力を振るう。だが、この脳無は他の脳無も決定的に違うところがあった。
『ヒーロー…倒す!!』
発声器官を作るのは非常に難しかったが成功し、しかも
「今ここでお前に名をつけよう。お前はギドラだ!ギドラよ、この場にいるヒーローを他の脳無と共に殺せ!!」
『ギドラ…私の名前…!!』
ギドラが木の枝を握り潰そうと触る。すると、ギドラが触れたところからい炎が枝を伝ってヒーロー達のところまで走る。
「シンリカム「余所見するんじゃねぇぞ!!」んぐっ!!」
オールマイトを殴り飛ばし、マスキュラーが拳を突き上げて勝利ポーズを取る。
「サポートしなくてもよかったな…」
「感謝してるぜ、この個性!!」
「ふっ…ならマスキュラー、オールマイトを殴り飛ばせたんだ。逃げるぞ」
「おう…って、アイツはどうするんだ?」
「ギドラは…」
『ヒーロー…ココデ根絶ヤシニスル…!!』
残る気満々のようだ。俺は黒霧のワープ個性を使って弔達と合流した。合流した先は街のはずだったのだが、更地と化していた。
「おぉ…!イリス遅いぜ!ヒーローに捕まっちまったかと思ったぞ!!捕まってなくてよかったぜ!!」
「そうですよ!イフお姉ちゃんが捕まったら嫌です!!」
「つってもな…部下を守るのも一応上司の役目だからな…」
『イリス、来たみたいだね』
ガスマスクのような物をつけた先生が立っていた。
『イリス、イフ、弔、早く逃げなさい。もうすぐヒーローが来る』
すると、先生が手のひらを月に向けた。何をしているのかと聞く前にオールマイトが飛んできて、先生がそれを風圧で防いだ。
「全てを返してもらうぞ!!オール・フォー・ワン!!」
『また僕を殺しに来たのかいオールマイト!!?』
「先生…!!」
『イリス、ワープゲートで逃げるんだ。行き先は何処でもいい。さぁ、早く!!』
俺はワープゲートを開いた。行き先は昔、俺とイフが見つけた小屋の場所だ。
「させん!!」
『それはこちらのセリフだよオールマイト』
開いたゲートに俺達は入ろうとした。だが、爆豪と常闇が反乱を始めた。
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〜ギドラ〜
さっき、枝が燃えたのは私が枝の中に電気を流したからだ。
『ヒーローを倒して、褒めてもらうんだから…!!』
周りの家々から電気を吸収し、一気に放つ。ピカッと光り、周りの電柱や警官やヒーローが持っている電子機器を全てショートさせる。
『誰もここから通さない!!』
そうは言ったが、先程オールマイトには逃げられてしまった。お父さんに謝りに行かないと。
「脳無が自我を持っているなんて…」
「コイツを早々に仕留めて、オールマイトのところへ行くぞ!!」
『誰も行かせない!!』
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〜イリス〜
爆豪達が抵抗し始めた。だが、俺は爆豪達の個性はコピーしてある。
「弔!ソイツはもういいから、早く逃げるぞ!!」
「ッ!!?………仕方ねぇ」
俺が言うと、弔達全員ゲートの先へと潜っていった。全員が潜ったあと、俺も潜ってゲートを閉じた。
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〜オール・フォー・ワン〜
イリス達が逃げたのを見ながら、オールマイトの攻撃を防ぐ。
『衰えたねぇ、オールマイト』
「はぁ…はぁ…貴様もな!!」
オールマイトが言っているのは確かだ。だが、オールマイトは見てわかるほどに弱くなっていた。
『もう残り火もないんだろう?その聖火は』
「…はぁ…はぁ…」
『君を見ていると誰かを思い出すよ。誰だったかなぁ…』
オールマイトと関わりがあり、僕と戦った人物。
『……………あぁ、そうだ。志村奈々だ』
「ッ!!」
オールマイトが振るう力が増す。どうやら、逆鱗に触れてしまったようだ。
「貴様が!!その名を口にするな!!!」
顔が殴られて血が飛び出る。それを好機として、オールマイトを風圧で吹き飛ばす。
だが、志村奈々の知り合いに助けられる。
『邪魔は良してくれよ…』
まぁ、いいかな。ん?お、オールマイトの後ろに逃げ遅れている人がいるじゃないか。
僕は着地したオールマイトに風圧を飛ばす。オールマイトはそれを避けようとした。
『避けてもいいのかな?』
「ッ?!」
後ろに人がいるとようやく気づいたようで、オールマイトは風圧を受ける。土煙で見えないけど、僕にはわかる。
『さぁ…オールマイト、晒せ!その醜い姿を!!』
トゥルーホーム、オールマイトの本当の姿だ。オールマイトが面白いの物を見せてくれたんだ。こちらも面白い物を出そう。
『………オールマイト、死柄木弔はね、志村奈々の孫なんだよ?』
「は…?」
『この際だ、イリスやイフについても教えてあげようかな?イリスは君の弟子、緑谷出久くんの従兄弟、イフはエンデヴァー、彼の従兄弟の娘だよ』
これは僕が調べてわかったことだ。イリスは《緑谷裕翔》、イフは《轟玲奈》と言う名前だったらしい。
今のエンデヴァーと同じように子供には自分を超えてほしかったようだが、イリスとイフは無個性という診断結果になり、家庭内暴力が発生。そのおかげで二人はヒーローではなくヴィランを行く道を辿ることになった。
荼毘については彼から口止めされていた。イリス達はもう自分の名前すら思い出せないだろうから、僕がここで言ってあげないとね。
「うそだ…そんな……」
『本当の事だよ。オールマイト、彼らはそもそもいた事自体知らないだろうけどね』
ふふふ…イリスやイフは素晴らしい存在となったよ。産んだ親には感謝しないとねぇ
『おしまいにしようオールマイト』
オールマイトに止めを刺そうとした。だが、周りにヒーローが集まってきていた。
「どういうことだ!!従姪がヴィランだと?!!」
『気になるならば、調べてみるといいさ』
「ッ!!エンデヴァー…!!」
さぁ、第二ラウンドだ。オールマイト。
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〜イリス〜
ギドラの回収には成功した。ギドラが、娘がエンデヴァー達に倒されてなくてよかった。
『パパ…ママ…ごめんなさい……ヒーローを止めれなかった…』
「いいや、お前は良くやったよ」
『うん。一回失敗しちゃっただけだもん。まだ何回でも再挑戦出来る。だから、ギドラ帰ろう!私達の家に!!』
『…!はい!!』
イフはギドラを優しく抱きしめた。ギドラがちゃんとした俺とイフの娘だ。これからずっと。
『そういえば、名前で思い出しちゃったけど、私達の前の名前ってなんだっけ?』
「さぁ…?裕翔と玲奈…それしか覚えてないなぁ…」
『忘れたってことはどうでもいいってことだよね!』
俺達にとって、自分達の昔の名前なんてどうでもいい。今の名前で十分だ。俺はイリス、そしてコイツはイフで俺の妻。この娘はギドラ、俺達の娘。それだけ分かればいい。
そろそろ終わらせないとな〜
この物語の…終が近づいている…なら、主人公達が行く世界を決めよう
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