「イリス〜!!」
突然イフが背中に飛びついてきた。
「個性の融合開発は順調?」
「順調、順調。まさか《筋肉増量》がここまで汎用性のある物だと思わなかったよ」
今のところ作れた個性は全て俺と脳無に入っている。
「トガちゃん達大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。一応あの二人には護身用の脳無を一匹ずつ持たせている」
「ふ〜ん…………あ、そうそう!治崎って、個性を破壊させる薬を作ってるんだって!」
「え、そうなの?」
俺は実験をすぐに止めて、リビングの扉を豪快に開ける。
「お前ら!カチコミだぁ!!」
リビングでは弔と荼毘、あとスピナーがゲームに集中しており、マグ姉とマスキュラーは何かの話をしていた。
「………お前ら!!カチコミ「「「聞こえてるから黙れ!!」」」…」
もう一度言うと、弔達から批判を買った。
「どうかしたのかよ」
優しく声をかけてくれたマスキュラーとマグ姉、俺はソファーに座って話す。
「なんか、治崎が個性を破壊する薬を作ってるらしい」
バキッ
そう言うと、ゲーム組のほうから有り得ない音が聞こえた。見ればコントローラーが見るも無惨な姿になっていた。マグ姉も驚いた顔をしていた。
「おいイリス、今なんて言った?」
「イフ曰く、個性を破壊する薬を作ってるらしい」
「うん、これがその動画」
そう言って、イフがパソコンを開いてUSBメモリのファイルを開く。中に入っていたのは映像だった。
再生してみると、変身型の個性の人に薬を打つ動画。なのだが、薬を打った途端にその変身型の個性が強制解除される。何度も変身しようとしたが無理だったようだ。
「それで、これがそのサンプルだよ。まだ未完成だけどって言ってた」
針が着いた小さな弾。どうやらこれに入っているらしい。
「これ、増やせたらヒーロー根絶やしに出来るのでは?」
「いやいや!流石にイリスや博士でも増やすことは……」
「俺はできない。だけど、博士なら可能かもな」
「「「…………」」」
沈黙の空間が広がる。正直、治崎の計画には反対でも賛成でもなかった。だが、この薬が世界を変えることはそう難しくないだろう。俺達と治崎の目的は一緒だ。今のこの世界を変えること。
「………変な要求されたら困るし、出来上がったらサンプル強奪するか」
「弔に賛成だ。リーダー、流石に正面は無理だと思うぜ」
「まぁ、それは俺も思っているがその…トガ達に通信機なんて渡してないからさ、出来上がったかどうかがわかんねぇ…」
「「このポンコツリーダー」」
「うるせぇ!」
ちなみに、コイツらは後にコントローラーが壊れたことにショックを受けて、コンプレックスに修理を頼んだが、まず原型を留めてないので無理らしく絶望していた。
「お願いしますイリス様ぁ…!」
「何卒、何卒…コントローラーの修理を……」
「………いや無理だろ」
俺は無慈悲にも壊れたコントローラーを捨て、新しいコントローラーを渡した。すると神を崇めるかのように仰いでくる。
「あ、そうだ。弔達に言っておくけど、連合の予算的にもそのコントローラー壊したら次ないからね」
「これ連合の金なの?」
「うん。だから、次壊したら資金集めしてもらうからね」
「「「ヒィッ!!」」」
弔達を脅した後、イフはいつもの優しい表情に戻った。
「あ、そうそう。雄英ってそろそろアレらしいよ。仮免?を取るために忙しいんだって」
「なら…潜入捜査だな。だが、トガはいないから……トゥワイスの個性で増やして、潜入捜査させよう。イリス、やってくれ」
「へいへい………って、なんでお前が仕切ってんだよ弔!」
そう言いながら俺は仮免について調べる。
「なんで今しないんだ?」
「今、夜、仮免大会がいつかは知らない」
「お前ならトゥワイスの倍の時間は出来るだろう」
「え、今すぐさせるわけ…?」
頷く弔。俺はトガを増やし、任務の内容を教える。するとトガが色々注文してきた。まず、血を入れる要求、そして侵入するために学校の情報など。
全て調べるのに数日はかかるので、調べ終わったらもう一度増やすことにした。ちなみに、増やしたトガは調べ終わった当日に崩れてしまった。
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