真剣でクリスの兄に恋しなさい!   作:トラックオジサン

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結局ヒロインが決まるとオリジナルルートでやるより原作改変という安易な方法になってしまう僕を許してほしいです…


10話

「ここがクリス達の秘密基地という所か」

「そうです!」

 

大和くんに情報を頼んでから2日後、ファミリー全員が集まる金曜集会に来て欲しいと連絡が入った。

さすがに仲のいいグループの集まりに行くのはどうかと思ったのだが大和くんが言うには何も問題はないという話だ。

 

俺が彼等の集まりに顔を出すと言うのを聞きつけたクリスが自らここまで案内してくれた。

 

いかにも廃墟なビルだが崩れないのだろうか?

そういう意味で心配になるが大丈夫だろうか?

 

「ノア先輩待ってましたよ!」

「わざわざ出迎えてくれなくても良かったんだが、ありがとう」

「む?大和はいつの間にノア兄様と仲良くなったんだ?」

「この前昼休みに呼ばれただろ?その時にな」

 

話の内容に触れてこないのは言いくるめられたのかな?

我が妹ながら今後が若干心配だ。

 

「ノア兄様!中に参りましょう!」

 

クリスが腕をグイッと引っ張り中へと誘導してくる。

中に入り階段を登り部屋の前に到着するとそのまま中へと通された。

 

部屋に入った瞬間に横から殺気が飛んでくる。

何かが自分の顔目掛けて飛んでくるのを手の平でパシッと受け止める。

 

「よく来たな!」

「百代か…手荒い歓迎だな?」

「お前ならあの程度訳ないだろ?」

 

飛んできたのは殺気だけで拳にそこまでの威力は感じなかったので軽いスキンシップのつもりなんだろう。

 

「すっげぇ!モモ先輩のパンチを止めやがったぜ!」

「へっ!どうせ手加減されたパンチなんだろ?俺様でも余裕だぜ」

「ほぉ?ちなみに先程の拳をガクトに向けると…」

 

一瞬でガクトと呼ばれる人物の横に移動しさきほどと同程度の威力であろう拳を振るい彼のお腹にヒットさせた。

 

「ぐはっ…!いてぇよ…モモ先輩…」

「お前が舐めた態度とるからだろ?あいつは不意打ちで止めたんだ。判るだろ?」

 

何も殴ることはないんじゃないか?

と思うがこれが彼等なりの遊びなのかもしれないので止めるに止められない。

 

「ノア先輩。適当に座ってください」

「兄様!自分の隣に座ってください!」

 

腕を引かれたままクリスが座るとその横に強制的に座ることになった。

クリスは組んだ腕を離さないまま頭を擦り付けてくる。

 

「さすがに恥ずかしいんだが?」

「この前皆の前で頭を撫でたお返しです」

 

ならばそういう事にしておこう。

 

「う、羨ましいぜ…クリスが腕に引っ付いてるなんて…」

 

涙を流しながらガクトと呼ばれた彼がこちらを恨めしそうに見てくる。

 

「その発言危ないんじゃない?クリスのお兄さんだよ?」

「あ、いや!今のはですね!」

 

どういうことだろうと思ったけど自分の父親がこの子達にどういう対応を取ったのか手に取るように悟った。

 

「俺と父さんは違うからね。行き過ぎていなければ特に何かしようと思わないよ。多分…銃を突き付けられたかな?私の父さんが申し訳無いことをしたね」

「い、いや!分かってくれればいいんだよ!」

「調子に乗るんじゃないわよ!ガクトの癖に!」

「なんだとー!やるのかワン子!」

 

仲睦まじい光景だ。

 

「二人共じゃれてないで…ノア先輩が困ってるだろ?」

 

大和の一声に二人が止まりこちらを向いてくる。

 

「それでノア先輩。皆を集めた理由は?」

「うん、その前に自己紹介でもしないかい?私はまだ皆の名前など知らないからね」

 

クリスや猟犬部隊の情報による彼等の事を知っているが実際に直接会って話すのは初めてだ。

百代と訓練した時に見た人はいるが…

 

「俺とクリスと姉さんの自己紹介はいらないよね?」

「いや、キチンと紹介して貰えるとありがたいから二人はお願いできるかな?」

「ノア兄様!自分は?」

「クリスは俺の可愛い妹さ」

 

そう言って空いた手で頭を撫でると目を瞑りくすぐったそうな顔をし頭を腕に預けてくる。

 

「本当にご兄弟なのですね」

「おう!二人共パツキンで兄ちゃんはイケメンだし!この兄妹やべぇぜ!」

 

一人しか喋っていないのに二人分の声が聞こえる…

幻聴か?

疑問に思うこともあるがまずは自己紹介を勧めてもらおう。

 

「まずは俺からでいいかな。直江大和。一応ファミリーでは軍師って呼ばれてます。好きなのは「京!」じゃなくてヤドカリです」

 

大和くんは分かっていたがヤドカリ好きとは少し変わっている?嫌、人の趣味にとやかく言う事はないか…

 

「次は私ね!川神一子!好きな言葉は勇往邁進で将来の夢は川神院の師範代になってお姉様を支える事です!」

「ほお?百代、君には妹がいたんだね」

「そうだ!カワユイ妹だろう!」

「百代に似ず可愛らしい子じゃないか」

「おい表出ろ!喧嘩売ってんだろ!」

「それは勘弁だな、次お願いしようかな」

 

「次は僕かな師岡卓也です。好きなのはアニメ鑑賞とゲームです」

「後は女裝だろ」

「変な事言わないでよガクト!」

「そうなのか…君はそういう趣味だったのか…」

「信じないでください!嘘ですから!」

「ははっ、分かっているよ」

 

「つ、つ、つつつつつぎぎ、ぎぎ、ぎは!」

「マユマユ〜顔が怖くなってるぞ?クリの兄貴何だから緊張する事ないだろ」

「私が何かしてしまったかな?」

「まゆっちは恥ずかしがり屋なんですよ!ノア兄様」

 

なるほど…物凄く顔が怖い事になっているが大丈夫なのか?

 

「まずは落ち着いて、私の顔を見てご覧」

「は、は、はいぃ!」

「私は怖いかい?」

「いい、いえ!」

「うん。ではゆっくり目を閉じて…深呼吸してみようか」

「目を閉じて…深呼吸…」

「ゆっくり大きく吸って…ゆっくり息を吐いて…」

 

「な、なんかエロいな?」

「しーっ!ガクト黙ってないと」

 

「うん、次はゆっくり目を開けて周りを見てご覧、何が見える?」

「はい…皆さんが居ます」

「そうだね。ここに君の敵はいない。私は部外者だがクリスの兄だ。判るね?」

「は、はい!」

「よし!名前は?」

「ま、黛由紀江です」

「何が得意なんだい?」

「一応母から教わりました家事全般と剣術になります」

「さ、自己紹介出来たね」

 

「さすがノア兄様です!まゆっちが初対面で自己紹介出来てます!」

「クリ兄は中々やるな…何かエロかったがな!良い物見れたぞ!」

「百代は欲望に忠実だね。リラックスさせただけなんだがね」

「あ、あの!ありがとうございました!」

「何も気にすることはないよ。ただ自己紹介しただけさ。これからも緊張したらやってみるといいよ」

「おーやるじゃねぇかクリ吉の兄貴はYO!オラは松風ってんだ!九十九神やってるから夜露死苦!」

「こら松風!恩人に対して何て無礼な事を」

 

ストラップが喋った?

いや、黛くんが腹話術で別声を出したのか…

 

百夜に目を向けるとこちらを向きながら一回頷く。

大和くんに目を向けても同じように一回頷かれた。

 

「なるほど、松風だね?よろしく頼むよ。日本の神については知らない事しかないから時間がある時に教えてくれ」

「おう!任しとけ!オイラにかかれば他の奴の紹介なんてホイホイって感じだぜ!まゆっちガンガンいけよ!」

「はい!松風、頑張ります」

 

緊張しなればけ大人しそうだと思ったが印象が変わったな…

 

「次は俺様だな!島津岳人!パワー系のイケメンとは俺様の事よ!軍人の可愛いねーちゃん紹介して…ぐはっ!」

「お前は余計な事言い過ぎなんだよ」

 

百代に殴られるのが彼の趣味なのか?

 

「次は私だな!超絶美少女!川神百代だ!趣味は可愛子ちゃんと弄ること!」

「クリス?百代に何かされそうになったら言うんだよ?」

「はい!」

「いや、クリ吉に手を出すならノアに手を出すんだが…いや待てよ…クリ吉に手を出せばノアが戦ってくれるのか?」

 

その物騒な考えは成立しないぞ百代

 

「次は京だな」

「えー…椎名京です…直江大和の婚約者です」

「ほお?大和くんは既に婚約していたのか…私より進んでいるのだね」

「信じないでくださいね?京、お友達で!」

 

ふむ、大和くんは中々複雑な事をしているんだな。

 

「最後は俺だな!風のような男と言えば俺!風間翔一だ!趣味は旅だな!以上!俺達が風間ファミリーだ!」

 

「ありがとう。最後は私だね。ノア・フリードリヒだ。ドイツ軍所属で階級は大尉だ。マルギッテが隊長を務める猟犬部隊や他の部隊を取り仕切る総隊長というのをやっている。今の所属は3Sで趣味はのんびりすることだね」

「ねークリ?ソウタイチョーってなーに?」

「うむ!マルさんより偉い人だ」

「クリス…」

「ま、間違っていましたか?」

「間違ってないが…川神くん?君達Fクラスが猟犬部隊だとしよう、クラスで一番偉いのは?」

「委員長?」

「その委員長がマルギッテだとしたらその上は?」

「梅先生?」

「そういうことだよ」

「へークリのお兄ちゃんって凄いのね」

「ふっふーん!ノア兄様は凄いんだぞ!」

「何でクリが偉そうなのよ!」

「私の兄様だからだぞ!犬!」

 

犬?犬って?

 

「クリス?犬って言うのは川神くんの事かい?」

「ノア兄様?」

「俺は悲しいよ…クリスが人の事を犬呼ばわりするなんて…」

「あわわわわ!違うんです!これはそういう意味じゃなくて!」

「えっとノア先輩?これは呼び名みたいな物で軍で言うとコードネーム?のような感じで…」

「つまりクリスは犬と呼んでいるのは侮辱している訳ではないと?」

「そうです!」

 

なら良かった…クリスが変な方向に進んでないか心配になってしまったな。

 

「クリのお兄さんって常識的だよね…」

「あー言われてみれば確かにな!」

「皆失礼だぞ!私だって常識的だ!」

「ウンソウダネー」

 

クリスはここで楽しくやれてるみたいだな。

父さんに甘やかされ続けるよりは良い環境だろ。

 

「ノア先輩?そろそろなんで集めたのか知りたいんですけど」

 

「あぁ、そうだったな」

 

大和くんから催促が来たのでクリスを腕から引き剥がしその場に立ち上がり頭を下げた。

 

「なっ!?」

「おいおいクリ兄は何で頭を下げてるんだ?」

「俺にはさーっぱり判んねぇ」

「ノア兄様!一体どうしたというのですか!?」

「君達が旅行中にマルギッテから襲撃を受け父から銃を突きつけられたろう?その行為を謝らせてくれ。すまなかった」

「いや、その事に関しては片付いたといいますか…」

「クリスさんのお兄さん!あ、頭を上げてください」

「イケメン野郎が俺に頭を下げてやがるぜ!いいきぶ…ぐぼはぁ!」

「はーい!ガクト君は黙ってような!クリ兄…いや、ノアどうしたんだ?その話は終わってるはずだぞ?」

 

勿論その場で手打ちになったとは聞いている。

 

「これは私なりのケジメなんだよ。猟犬部隊を取り仕切る者としてあってはならない事だ」

「クリの親父さんの命令なら逆らえないだろ?私達は気にしてないから頭をあげろ」

「そうっすよ!ノア先輩!俺達は気にしちゃいないぜ!」

「許してほしかったら部隊の可愛いねーちゃ…ぶはぁ!」

「川神流!鉄山靠!」

「ガクトはぶれないねぇ…空気読まないと」

 

「判った。申し訳ないという気持ちを物で表すのはよろしくないが…せめての詫びの品を受け取ってほしい」

 

ここに来る際に大きなボストンバッグを持ってきており中から物を出す。

 

「まずは川神…名前で呼ばせてもらおう。いつまでも他人行儀なのもよろしくないしな。カズ子くんからだ。体を鍛えるのが好きなようだが体もしっかり休めるといいと言う事でドイツで作られた最新の安眠枕だ」

「え?いいんですか!?」

「もし合わなければ言ってくれ。別の物に交換しよう」

 

「次に京くんだが…恋愛関係の本を10冊ほど用意させてもらったよ。ドイツ語は読めないかもしれないから私が日本語翻訳させてもらったけどね」

「素晴らしい本なんだな!」

 

「ガクトくんにはドイツの最新プロテインだ味も数種類あるから使ってみてほしい」

「へぇー…イチゴ、バナナ、ドリアン…ってくっさぁ!」

 

「モロくんには部隊の精鋭に選んでもらったPCの最新パーツをいくつか用意させて貰った」

「えっ?うわ!?こんなの付けたらバケモノスペックになっちゃうよ!」

 

「翔一くんにはこれだ…とある部族の祀っている銅像だ」

「なーんかかっこいいなぁ…何処の部族なんすか?」

 

「由紀江くんは料理得意だろう?京くんと多少被っているがドイツ、ヨーロッパなどの料理本だ。幅を広げるにはいいだろ?」

「わー!ありがとうございます!」

「良かったなまゆっち!これで洋風な友達ゲットだZE!」

 

「大和くんには…ヤドカリの家に使えるんじゃないかと思えるものを持ってきた。気に入らなかったりしたら交換するから言ってくれ」

「ヤドンとカリンに新しい家が!?」

 

うむ、全員に渡し終えたな。

これでこの話はおしまいに…

 

「ちょっと待て!私にはないのか!?」

「百代が嬉しがるものが思いつかなかったんだ。すまないな」

「なんてことだー…なんてことだー!」

 

そんなに残念か?

orzな格好になるまで…

 

「それは冗談で今度また訓練を行えるように許可を得てきたのでそれで勘弁して欲しいな」

「まじか!?」

「学園長と父さんの許可を得たからな。訓練だから実践じゃないぞ?」

「それでも構わない!」

 

うん。皆喜んでくれたようで何よりだ。

 

「の、ノア兄様?自分にはないのですか?」

「皆に迷惑かけたのは自分の家の者だぞ?」

「そうですよね…」

「ま、言われると思ったから…小さいがクリスの大好きなメーカーの新作クマだ」

「くぅぅぅっ!ノア兄様!大好きです!」

 

本当は甘やかすのはよろしくないが…仲間外れというのも良く無いだろからな。

 

「この話はこれで終わりにして…大和くん?例の情報の報告をお願いできるかな?」

 

「あ、そうでしたね。色々なツテを頼って情報を得たのですが…」




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