真剣でクリスの兄に恋しなさい!   作:トラックオジサン

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今日は普通のペースなのに昨日はなんだったんだ…
誰かわかる人いますか?
どっかで紹介されたとか?


12話

東西交流戦から翌日

川神学園ではその話題で持ち切りになるかと思っていたが今朝のニュースで発表された事に話題を持っていかれてしまった。

 

武士道プラン…過去の英雄を現代に蘇らせたねぇ…

クローンという形で現代に蘇ったわけだが…

改めて九鬼の技術の高さにはビックリさせられるな。

それだけならまだしも川神学園に入学してくるとはね…

本当に飽きと言う物を感じさない学園だよ。

 

教室に入ると話題のクローンの話でもちきりかと思われたがそんな事は無かった。

いつもと変わらず朝から勉強に励んでいる。

 

いつもより騒がしいかと思ったけどいつも通りだな。

ある意味安心できる風景ではあるな。

 

「彦一はクローンに興味あるのかい?」

「無いと言えば嘘になるな。無闇に詮索はしないがじっくりと観察はさせてもらうだろう」

「ある意味君も平常通りで安心したよ」

 

全校集会が始まるといつも以上に騒がしいな。

皆の話題はクローンで持ち切りだな。

 

「皆、静かに!」

 

学長が壇上に上がり声を上げると騒がしかったのが一気に静まり返った。

学園長の話を要約すると…

 

クローンを含めた転入生が総勢6名

クローン以外は九鬼の関係者

と言う事で早速クローン組からの紹介らしい。

 

「まずは3年に一人、Sクラスに入るぞぃ」

「ほお、私のクラスに来るのか…彦一的には近くで観察できて良かったんじゃないか?」

「そうだな。どのような人物かはすぐに判るだろう」

 

学長に紹介されて壇上に上がったのは何とも可愛らしい女性だった。

 

「葉桜清楚です」

 

その瞬間、怒号のように男子生徒達が盛り上がった。

いつもは大人しく勉強をしているクラスメイト達でさえ物凄い盛り上がりを見せている。

確かに美人だ。

髪に刺している花が彼女の美しさを際立てているように感じてしまう。

文学少女という感じがする

 

「彦一、葉桜清楚という英雄は日本に存在しているのかい?」

「いや、私も聞いたことがないな」

 

本人曰く大人になるまで教えてもらう事が出来ないそうだ。

本人は清少納言あたりではないかと予想しているみたいだが…

清少納言にしては強そうに見えるのは気のせいなのだろうか?

 

しかし…全校生徒の前で彼氏と3サイズを聞いた彼の勇気は凄いな。

とてもじゃないが俺には真似できないだろうな。

 

「続いて2年生じゃな、2年はSクラスに3人じゃ」

 

随分と偏るんだな。

それぞれの学年に一人ずつでは駄目だったのか?

 

「まずは源義経、武蔵坊弁慶、両方女性じゃ」

 

それを聞いた男子生徒は落胆の色を隠せないようだ。

確か弁慶というのは書物を見る限りではガタイがいい男だったからな…先程の葉桜清楚と比べてしまうとガタイの良い女性を想像したのだろう

 

学長に促されて二人の女性が壇上に上がる

 

一人は東西交流戦で見た乱入してきた女性でもう一人が壇上に上がる。

 

「こんにちは。一応、弁慶らしいです。よろしく」

 

挨拶が終わると先程と同じ様に怒号が響き渡る。

 

「結婚してくれーーーー!」

「死に様を知った時から愛してます!!」

 

凄いセリフが飛び込んできたな…

というかさっき葉桜清楚に3サイズを聞いた生徒じゃないか?

勇気あるなぁ…

しかし予想と違い美しい女性が出て来たのはビックリだな。

 

そして3人目

先程の二人とは違ったタイプの可愛さがある女性が源義経というらしい。

先日の東西交流戦で見かけた姿をまんまだった。

発言を聞いていれば何となく癒やされそうな感じはするが…一歩間違えるとポンコツになるんじゃないか?

マイクの電源入りっぱなしだぞ?

適度なガス抜きの仕方を知らないタイプかな?

 

しかし男達の盛り上がりが異常だな…

いや、俺が冷静過ぎるのか?

 

「女子諸君、次は武士道プラン、唯一の男子じゃぞ」

 

その言葉を聞いた男達は落胆したのが判る。

あからさまにがっかりし過ぎではないか?

女もいれば男もいるだろうに…

むしろ何で全員男にしなかったんだろう?

 

「那須与一!でませい!」

 

学園長が出てくるように促す。

しかし…

皆が男の登場を待っていたが一向に出てくる気配がない。

皆がザワザワと騒ぎ始める。

 

んー…屋上に気配が一つ…サボりか?

 

いつまでも現れない那須与一をフォローするように源義経が話し始めた。

うん。何というか色々と苦労してる感じだな。

わざわざ源義経が謝る事はないと思うんだが…

その後ろでは…

 

「はー…おいし…」

 

武蔵坊弁慶が何かを飲んでいた。

 

「こ、これは川神水であって酒ではない」

 

なるほど、ならば問題ないのか?

 

「…って、川神水なら飲んでいいわけじゃないぞ!」

 

クリスのツッコミの声が届いた。

さすが妹…そこんとこは厳しいのだな。

 

一応川神水はノンアルコールで場の雰囲気で酔えるという何とも不思議な水だ。

飲んでみたがアルコールのようでアルコールではないが確かに酔える水だった。

 

「皆さん、すいません。私はとある病気でして、こうして時々飲まないと体が震えるのです」

 

それって…

 

「なんだそうなのか、なら仕方がないな」

 

何を納得したんだ妹よ?

それは世間的にはアルコール中毒…いや川神水ならノンアルコール中毒か?

 

一応学長が許可しているみたいだが…

しかし一部の生徒からは不満が上がる。

 

「それに関しては弁慶は学年の成績が4位以下なら即退学で構わんと念書を貰っておる。じゃからテストで4位以下ならサヨナラじゃ」

 

凄い自信だな。

上位3人に入るのは至難の技だ。

一応俺も学年で10位以内には入るが…日本語をキチンと読めれば5位以内もイケるだろうが上位3人に入るには相当頭に自信がないと無理だろう。

 

しかし同じクラスの人間達はプライドを刺激されたのかやる気に満ちてるのが判るな。

…マルギッテ、いきなり戦闘挑んだりしないよな?

一応注意しておくか…

 

「残りは武士道プランの関係者じゃな、共に1年生で二人共1Sじゃ」

 

学長が宣言すると同じ顔の同じ執事服を着た人達が入ってきた。

どう考えても九鬼関係者だな。

 

専用のBGMを流し現れた従者たちが対面で肩を組み頭を下げる。

その上をゆっくりと歩く一人の女の子。

 

「我、顕現である!」

 

どう考えても同じ学園に通う年齢ではないよな?

いや、見た目に反しているのか?

 

「我の名前は九鬼紋白。紋様と呼ぶがいい!」

 

九鬼家の末っ子か…

説明を聞けば飛び級で入ったとか

まぁ、女王蜂、マルギッテ、俺っていう年上もいるから下がいてもおかしくはないか…

いや、大分考え方がおかしいぞ!

川神に染まってきてしまったな…

 

そしてもう一人の転入生は…

 

「新しく1Sに入ることになりました。ヒューム・ヘルシングです。皆さんよろしく」

 

何やってんだヒューム卿…

いや、聞けば護衛という立場らしいからいいのか?

あ、消えた…

百代の後ろを取ったか。

ボソボソと何かを話して…今度はこっちか

 

「お久しぶりですねヒューム卿」

「ほお、お前はあの赤子と違ってちゃんと追えたのか」

「ヒューム卿。赤子赤子って誰の事か分からないので名前で呼んでもらえますか?」

「俺から見れば学園の生徒なんぞ皆赤子よ」

「世界の九鬼の従者が人を差別してるってその内言われますよ?」

「言いたい奴には言わせておけばいい」

「そうですか…なら俺からは何も言う事はありません」

 

そう言うと素早く紋白の後ろに戻ったヒューム卿

それ言う為だけに移動したの?

 

「ノア!お前ヒュームさんと知り合いなのか?」

「まあ、少しだけな?」

 

最近は比較的視線も落ち着いてきたのだが暫くの間はまた視線に晒されそうだ。

 

その後武士道プラン関係にあたり九鬼従者が校内をうろつく事があると説明される。

メイドと執事がいればしばらくは大丈夫そうかな…

 

 

朝礼が終わり教室に向かうとさっそく葉桜清楚の自己紹介が始まった。

普段勉強にしか興味なさそうな…男達は彼女の登場に色めき立つ。

 

「京極彦一だ。君の生い立ちは朝礼で聞いた。正体が誰であろうと君は君、私達は気にしない。自意識過剰にならぬ事だ」

「…はいっ!」

「おー…彦一みたいな色男が言うと絵になるねぇ」

「茶化さないでくれ」

「少し珍しかったからな。私はノア・フリードリヒです。年上ですが学年は同じなので気軽に接してくださいね、葉桜清楚くん」

「こちらこそ!」

 

しかし彦一と葉桜くんは並ぶと絵になるな。

和のカップルっぽいな。

 

「葉桜くんも和服なら彦一とお似合いだね。まさしく文学カップルって感じがするよ」

「えっ?」

「あまりからかう物ではないぞ」

「珍しいとついつい茶化してしまうのさ」

 

「二人は仲がいいんだね」

 

「私が入学して何かと面倒を見てくれているんだよ」

「うむ、葉桜くんも何かあれば頼ってくれて構わない」

「微力ながら手伝わせて貰おう」

「ありがとう!二人共!」

「まずは休み時間に気をつけるといい。武神が来るぞ」

「どういうこと?」 

「次の休み時間になれば判るさ」

 

案の定というべきか、休み時間になると百代が教室にやってきた。

 

「美少女が美少女を見に来たぞ!」

「百代は自分の欲望に忠実だね」

「別にいいだろー!清楚ちゃん!川神百代だ!よろしく!」

「はじめまして。葉桜清楚です。よろしくね…えっと、モモちゃん」

「くぅぅっ、まじ清楚ちゃんキュート!まじ源氏ぃ!」

「相変わらず俗物的だな武神よ」

「京極もノアも邪魔するなよー」

「ふぇ?」

「百代は女の子であろうとセクハラしてくるから気をつけるんだよ?」

「ふぇぇぇぇっ!?」

「どうだい清楚ちゃん?この後私と一緒にお茶でも」

「授業を受けろよ…無視していいよ」

「なんだー?嫉妬か?」

「悪の道に引きずり込まれそうになってる人を助けただけさ、彦一任せた」

「任されよう。武神よ。前髪のクロス解けていないか?」

「うわー!えげつない言霊やめろよー!」

 

彦一の言葉を聞いて百代はクラスから出て行った。

 

「あの前髪がクロスしてるのが弱点なのか?」

「武神のアイデンティティらしい」

「へぇ…今度からかってみようかな」

 

「二人共…その…よかったの?」

「ま、あれぐらいじゃへこたれ無いさ。きっとまた来るよ」

「でも、せっかくだからお友達になりたいな」

「何かされそうになったら私かノアを頼るといい」

「うん!二人共、ありがとう!」

 

笑顔が眩しいな。

あの時感じた強そうな気配が今はまったく感じられない。

気の所為だったのか?

 

昼休みになり彦一は葉桜くんを食堂に案内している。

俺はというと2Sの教室に向かっている。

2Sの前に着くと人だかりが凄いな。

扉の前にはマルギッテがおり、他の生徒の侵入を阻んでいる。

 

「何で扉の前に立ってるんだ?」

「ノア様!他のクラスの生徒達が集まりすぎて平穏が保たれないので私が警備に立っております」

「ふーん…まぁ俺がどうこう言えるわけじゃないけど、それなら俺も後回しにしようか?」

「いえ、ノア様ならお通しさせていただきます」

「いや、そこはクラスを守れよ…どっちかっていうとお前に聞きたい事があってその返答次第じゃ中に入らせてもらう」

「なんでしょうか?」

 

その問答えようとすると後ろからクリス達がやってきた。

 

「ノア兄様も義経達に挨拶しにきたのですか?」

「そんなとこかな?クリス達もか?」

「はい!同じ学び舎に通う身として一度挨拶をと思ったのですが…入れないのですか?」

「どうやらマルギッテがけ…「クリスお嬢様!どうぞお入りください!ご学友も特別に中に入る事を許可しましょう!クリスお嬢様に感謝するのですね!」」

「ありがとうマルさん!」

 

本当にクリス絡みになるとマルギッテは甘すぎるな…

 

「くぅぅっ!私は…!」

「もう今さらだろ…悔やむぐらいなら最初から通すなよ…んで俺の本題だが…いいか?」

「なんでしょうか?」

 

立ち直り早いな…

 

「まさかと思うがクローン達の誰かに勝負挑んだりしてないよな?」

 

その瞬間マルギッテが硬直し汗がダラダラと垂れてきた。

やりやがったな…

 

「確かに学生生活を楽しめと言ったのは俺だ。だが強い奴を見ると勝負を挑むのはちょっと違うよな?」

「その…武人の血が騒ぎまして…」

「ここだからそれもありだとは思うが…少しは自重しろよ?お前の印象がクリスの印象に繋がって悪く言われたらどうするんだ?」

「その者を排除します!」

「論外だ…そういう訳でクリスを悪く見られたくなかったら少しは落ち着けよ?」

「はっ!」

「じゃあ俺も中に用事が出来たから通してくれるか?」

「はっ!どうぞ!」

 

教室に入ろうと扉に手をかけ開けようとする前にもう一つ確認することがあったのを思い出した。

 

「ちなみにどっちに勝負を吹っかけてどうなったんだ?」

「武蔵坊弁慶に勝負を挑みまして…負けました」

「ふーん…そっか…」

 

勝敗を聞いてニヤッと笑ってしまった自分もまだまだだなと感じてしまった。




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