真剣でクリスの兄に恋しなさい!   作:トラックオジサン

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19話

代行業の手伝いをしてから数日後の土曜日

この一週間、学生…特に男がソワソワしているように思えた。

当日になり理由は判ったよ。

 

「水上体育祭がキターーーー!!!」

 

どうやら男子生徒は皆このイベントを待ち望んでいたようだ。

 

「皆活気があるな。そんなにこのイベントが楽しみだったのか」

「お前は判ってないな!水着だぞ?可愛子ちゃん達の水着だぞ!?」

「百代は相変わらずだな」

「それにしてもノアは結構…いやかなり筋肉質だな。服の上からだと細見にしか見えなかったが」

「俺は本来軍人だぞ?鍛えていない訳ないだろう?」

「なるほど、確かにそれもそうか」

 

と言いつつ何故か燕の胸に手を伸ばし触ろうとする百代だが燕をヒラリと躱す。

 

「こらこら、ノアくんと話しつつ胸を触ろうとしないの」

「燕はスキがあるようでないんだよなぁ…清楚ちゃんは触らせてくれるぞ?」

 

今度は清楚くんの胸へと手を伸ばし触ろうとすると今度は成功し百代の手が清楚くんの胸に触れる。

 

「ふゃっ!?」

 

百代に胸を触られた清楚くんは急な出来事に対応できていないのか素っ頓狂な声をあげた。

 

「本当に欲望に忠実だこと…」

 

「圧巻だ!松永燕、葉桜清楚、3年にまさかの大型補強で美少女だらけだ!」

「武神たる川神百代もまた美少女ではないのかね?」

「川神さんも確かに恐ろしいまでにキレイではあるがリーサルウエポンというのが…」

「チミぃ、聞こえてるぞ?川神流流砂流し」

「ぐあぁぁ!砂に吸い込まれるぅぅぅっ!」

 

一般の生徒が百代の技で足元から砂に埋め込まれていく。

 

「おい…一般人に技は…」

「手加減してるから大丈夫だ」

「そういう問題なのか?」

「まぁ彼の言ってる事は尤もだがな」

「あん?私がリーサルウエポンということか?」

「それもそうだが…美少女だらけと言う所にも同意している」

「へぇ?ノアもそういうのに興味があるとはな」

「百代は俺をなんだと思ってるんだ?俺も一応は男なのだよ」

「なるほど!ちなみに私はどうだ?」

「リーサルウエポンと言ったが?」

「そっちじゃない!こんなに超絶美少女の水着姿だぞ!」

「ああ、そっちか。黙っていれば美少女ではあるしスタイルも良くいいんじゃないか?」

「そ、そうか!さすがノアだな!よく分かってるじゃないか!」

 

素直に百代を褒めると照れくさそうにしている。

普段からそういうふうにしていればリーサルウエポンと言われないだろうに…

 

彦一は清楚くんに手を振られそれに振り返している。

なんとも絵になる二人だこと。

 

「しかし彦一はいつもの服装なんだな?」

「うむ、水難事故が起こらないよう水子の霊を鎮めなければならないからな」

「はははっ!馬鹿だなぁ!霊なんてあるわけないだろう!」

「百代はそういうの苦手なのかい?」

「はっ?私は武神だぞ!?何言ってんだ?」

「武神よ、肩に水子の霊が」

「うわぁぁぁっ!聞こえない!聞こえない!」

 

耳を塞ぎながら百代は彦一からの物凄い勢いで離れていった。

 

「百代にも苦手な物はあったのだな」

「武神は昔から霊的な物が苦手なようだ」

「これから絡まれたらそのようにして撃退させてもらうとするか」

 

しかし本当に活気がある学園だな。

キョロキョロと周りを見渡すと2年生のクラスが目についた。

あれはFクラスだろう。

小島先生が鞭を振るい生徒がそれを受けている。

あの先生は真面目だからきっと何かしら意味があるのだろう。

そんな小島先生に宇佐見先生が近づいていく。

ふむ、どうやら口説いているようだな。

あれは失敗したんだろうな。

明らかに小島先生の顔が険しくなり宇佐見先生に何かを伝えて去っていった。

宇佐見先生は顔を抑え下を向いている。

 

大和くんは何故かクリスに蹴られているな…

何があったか知らないがあまり人を蹴るのはよろしくないな。

注意しておこう。

 

「これから2Sの義経ちゃん達の所に行くんだけど、ノアくんも一緒に行かない?」

「俺もかい?」

「だってノアくん弁慶ちゃんと仲いいでしょ?」

「確かにそうだな…ではご一緒させてもらおうかな」

 

彦一、清楚くんと共に2Sへと向かう事になった。

 

「皆、こんにちわ」

「清楚さん!来てくれたんですね」

「うん!皆を激励に来たんだけど…」

「どうやら2Sはあまりやる気になっていないようだな」

「よ!ノアも来たんだ?源氏組はやる気あるよー」

「やあ弁慶。やる気とは珍しいな?明日は雪でも降るのか?」

「主がやる気だからねぇ、与一にも手を抜いたらインディアンスデスロックって言ってるからね」

「もう少し与一くんに優しくしてやれないのかい?」

「与一がちゃんとやれば何もしないさ。ところでノア、何もないのかい?」

「ん?何もないとは?」

「ほーら!私の今の格好見てなんかないの?」

「ああ、似合っているよ弁慶」

「いやー、そうじゃなくてさ…こう欲情しない?」

「そうだな…スタイルも良く男ウケする大きさもある。俺はいいと思うぞ」

「若干のセクハラ?それにちょっと判りづらいけど…まぁ良しとしますか!」

 

そう言って弁慶は俺の腕を掴み体を寄せてきた。

何となくクリスもこうしてきたなと思い頭を撫でてしまった。

 

「♪〜」

 

ご機嫌そうで何よりだが…腕が弁慶の胸に包まれてしまい流石に緊張してしまう。

クリスと一緒と言ったが訂正だな。

弁慶はしっかりと女性だったな。

 

「お、おお!フリードリヒ先輩が弁慶の頭を撫でた!?」

 

そんなにビックリすることか?

 

「弁慶?人目もあるからそろそろ離れてくれないか?」

「えー?嬉しくないの?」

「皆が俺をどう見てるのか判らないが俺も男なのだよ」

「恥ずかしがってんの?レアなノア見ちゃったよ」

 

弁慶が腕を離し離れてくれたが少し名残惜しく思ってしまう。

 

「ふふっ、やっぱり一緒に来てよかったね」

「恥ずかしがるノアを見たのは初めてだな。非常に貴重な瞬間だ」

「こんな時でも彦一もブレないね…」

「でも残念だなぁ…義経ちゃん達はやる気あるけど他の人が…」

 

源氏組以外の2Sのクラスメイト達はそれぞれが自由に過ごしている。

まぁ、不参加にせず来ているだけマシのようだが…

 

「ふむ…せっかく葉桜君がやる気になっているのにこれではな…少し発破をかけるとしよう」

「何をする気だ?」

「見ていたまえ」

 

そう言うと彦一は2Sの前で言靈を乗せた言葉を発した。

彦一の言葉を聞き2Sの面々は先程までとは違いやる気に満ち溢れてきている。

 

「こんなところか」

「彦一の言霊は便利だな。軍の号令を掛ける時には効果的だろうな。どうだ?卒業したらドイツに来ないか?」

「友人に評価してもらえるのはありがたいが実家を継ぐ予定なのでな。すまない」

「ダメ元で聞いただけさ」

 

いざこれから競技が始まると言う前に九鬼従者部隊の二人が解説として呼ばれていた。

序列42位の桐山鯉とクラウディオ卿の二人だ。

警備や水難事故に備え九鬼と川神院が協力しているみたいだな。

まだ川神学院には九鬼関係者が多数在籍しているからだし、川神院に至っては学長が関係者だしな。

これだけ万全にそなえていれば万が一は起こらないだろうな。

 

そうこうしているうちに水上体育祭が始まった。

しかし海を使ってのイベントとは…これも日本では普通なのか?

いや、今までを忘れた訳ではあるまい…これも川神学園独特なのだろうな。

1年生女子による自由形から競技が始まっていった。

ちなみにクラス優勝の景品以外でも各競技上位に入ると個人的にも景品が出るようだ。

 

「彦一、あそこに特別席とあるがあれはなんだ?」

「景品を無償で提供してくれているスポンサーの席だ」

「何故そんなことを?」

「間近で川神学園の水上体育祭を見れるかららしいぞ」

「それが景品の多い理由か…」

 

九鬼や川神院が関わっているから盗撮は無理だろうしそれなら直接見ようってことかな。

同じ男として少し恥ずかしく思うな…

 

競技は徐々に進んでいき2年の自由形になったのだが…

彦一の言霊を聞いていた2Sのやる気が凄い。

こういう体を動かした競技はFクラスが有利のように思えたが…さすがはSクラスと言った所か

Fクラスはかなり苦戦しているようだな。

1年と3年はSクラスがかなり優勢に進めている。

俺も負けじと自分の出る競技は全て1位を取らせてもらっている。

午前中の競技が全て終了しお昼の休憩となった。

昼食を食べようとしているのだが…

 

「何故こんなに人が集まっているんだ?」

「いいじゃん別に、気にせずご飯食べようよ」

 

俺の隣にはなぜか弁慶が陣取り逆の隣には…

 

「ご迷惑でしたか?ノア兄様…」

「いや、クリスは家族なのだから気にすることはないよ」

 

クリスが陣取っている。

クリスは妹であり家族だから判る。

水上体育祭の前に俺の作った弁当が食べたいと言っていたので問題ない。

 

「これはクリスの分の弁当だよ」

「わー!ありがとうございます!ノア兄様!」

「ねぇノアー?私の分は?」

「何故弁慶の分を俺が用意していると思ったんだい?」

「いつもつまみ作ってくれるじゃ~ん」

「あれはつまみであって弁当ではないからな?」

「やっぱ無いよね、残念だなぁ」

「…今度一回だけ作ってくるからそれで我慢してくれ

「えっ?まじで?」

「とりあえず一回だけだぞ?」

「さすがノアだね!抱いていいよ!想像の中で!」

「とりあえず今日は自分の持ってきた弁当を食べてくれ」

「おかず交換しない?」

「少しだけなら構わないぞ」

「あ、弁慶ずるいぞ!ノア兄様私も!」

「クリスは一緒の弁当だから交換しても同じだぞ?」

 

弁慶にクリスが両隣に…そして…

 

「おーノアの弁当美味そうだな!ちょっと食べさせてくれ!」

「なんとまぁ男子力高い男の子だこと…よく考えればノア君は年上なんだよね。納豆食べる?」

「フリードリヒは器用で候(格好いいだけじゃなくて料理も出来るなんて…負けそう…)」

「ふふっ、ノア君は人気者だね」

「ノアの周りには人が集まるのだな。興味深い事だ」

「与一!フリードリヒ先輩の弁当は凄いな!義経は驚いたぞ」

「一々こっちに言わなくても見りゃ判るだろ!」

 

クリス、百代、燕、矢場、清楚、彦一、義経、与一

総勢8人…自分を合わせて9人か…

大分大所帯になってしまったな。

飯を食べるだけだから何も問題はないのだが…

これだけ目を集めてしまう面子だ。

飯を食べながらもこちらを注視しているのがよく分かる。

一部の男子学生は血の涙を流しながらこちらを見ている。

 

「ん〜!ノアの作るちくわ料理は美味いなぁ!川神水によく合うよ」

「別に川神水に合わせて味付けした訳ではないんだがな」

「しかし意外だな。もっとノアならもっと洋風な弁当かと思ったが」

「そうか?日本にいるのだから日本風に弁当を作るのは普通だと思うが、百代も意外だぞ?自分で作ったんだろ?そのおにぎり」

「ふっふっふっ!美少女の特性おにぎりだ!やらんぞ?」

「おかずは?」

「おにぎりがあれば十分だろ!その卵焼き寄こせ!」

「何と交換するんだ?おにぎりか?」

「私の食べる物が無くなるだろ!」

「まぁまぁモモちゃん、私の卵焼きあげるからね」

「清楚ちゃんは優しいなぁ…どっかの優男に見えて優しくない男とは違うなぁ」

「さすがに俺も食べる物が少なくなるのは厳しいのでな。午後も競技があるのだろう?」

「あれだけ男の1位を独占してまだやる気なのか?」

「頭を使う競技は他のクラスメイトに任せるさ」

「それでも出てる競技は全部1位…さすがノア兄様です!」

「味付けは問題ないかい?」

「はい!すごく美味しいです!」

「何だかんだ妹には甘いよね」

「そんなことない。厳しくするとこは厳しくしているさ」

「ノア兄さん、川神水のつまみが欲しいです」

「今日は我慢してくれ」

「お前らこんだけ人がいるのによくイチャイチャ出来るな?」

 

別にイチャイチャなどしていないが…

隣りにいる弁慶の距離感は確かに気になるところではあるが今更だしな。

たまにはこういう和気藹々とした食事も悪くないか…

 

 

 

 

 

「なんだあの空間は!?チキショー!やっぱ男は顔なのかよぉ…」

「ガクトがあそこにいたら大変な事になってるでしょ!」

「やっぱ無理っぽいなぁ…」

「何が無理なんだよ!大和」

「いや、弁慶の事いいなぁって思って色々とやってみようと思ったんだけどノア先輩に毎々先を越されちゃってさ」

「へぇ〜…まぁ大和と弁慶は何か合いそうだもんね」

「やめとけやめとけ!クリスの兄ちゃんには勝てねぇよ」

「けど弁慶って年上はタイプじゃないらしいんだよね」

「それって俺様にもワンチャンあるってことか!?」

「いや、それはないでしょ」

「なんだよモロ。俺様に彼女が出来るかもしれないのが羨ましいのか?」

「天地がひっくり返っても弁慶とガクトはないでしょ!」

「実際大和から見たクリスの兄ちゃんと弁慶はどうなんだよ?」

「んー…くっついたら最強のカップルじゃない?ちょっと興味あるんだよね…けどやっぱ悔しいかな」

「まぁまぁ、大和は俺様達と一緒で彼女出来ないからな!抜け駆けなしだぜ!」

「いや、ガクトとは違うから!俺の方が先に彼女出来るから!」

「ガクトと大和じゃ勝負にならないような…」

「人生何があるか分かんねぇだろ!」

「まずガクトは鼻息あらくなるのを治そうよ」

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