真剣でクリスの兄に恋しなさい! 作:トラックオジサン
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川神学園のテスト期間が近づいてきた。
お祭り騒ぎが好きな川神学園の生徒達も一週間前になると一部を除き勉強に明け暮れている。
この期間になると必然と部活動が禁止となる。
その為なのか、だらけ部も活動はせずに皆テスト勉強をしている。
ノアは時折クリスに勉強を教えながら…彦一、清楚と共に勉強を教え合いながら…弁慶から来るメールを楽しみにしながらテストまでの間を過ごしていた。
テスト本番になると短縮で午前中のみで終わるが皆が浮かれて遊ぶ訳でもなく次のテストに備え勉強に励む。
これを繰り返す事数日
ついにテスト本番が終了となり学園生が歓喜に湧く。
結果次第では夏休み返上で補修となってしまう生徒もいる。
テスト終了後早速ではあるがノアはだらけ部の部室で静かに本を読んでいた。
すっかりこの空間で本を読む事が気に入ってしまったようだ。
しばらく本を読んでいると弁慶が室内へと入ってくる。
「ういーっす」
「やあ、お疲れ様弁慶」
「ノアだけ?」
「見ての通り俺だけだよ」
「むっふふ、じゃあ来るまでの間はイチャつけるわけだ」
弁慶はノアの足の間に座り体をノアの方へ預けると自前で持ってきている川神水を一気に煽る。
「ぷはぁー!テスト明けの川神水はうまいなぁ!」
「味が変わる訳じゃないでしょ?」
「分かってないなぁ…テストが終わった開放感からの旨さがあるんだよねー」
「そういうものなのかい?」
「そういうものなのさ」
ノアが本を読みながら弁慶の頭を撫でる。
だらけ部では見慣れた光景である。
「この感じも久々だなぁ」
「一週間だけじゃないかい?」
「その一週間が長く感じたんだよね」
「そんなに俺に会いたかったのかい?」
「いや、会ってたじゃん。こうやってくっついてる事がだよ」
「確かにそれは久しぶりだね」
弁慶は常日頃めんどくさがり屋ではあるが甘えたがりでもある。
ノアという恋人が出来るまでは義経に依存甘えがあったが今はノアに依存し甘えている。
「まーた難しい本読んでるね」
「そうかい?普通の物語の本だよ」
「ドイツ語で書いてあるから難しいように見えるんだよ」
「内容自体は難しくないからドイツ語を覚えてしまえば直ぐに読めてしまうさ」
「あー、そういえばドイツ語とか覚えた方がいいのかな?」
「ん?なんでだい?」
「だってノアの両親はドイツの人でしょ?」
「気にしなくていいさ。父さんも母さんも日本語を喋れるから気にしないさ」
「でも喋れた方が楽でしょ?」
「それはそうかもしれないが…」
「ま、暇な時があったらゆっくりと覚えてみるさ」
「何なら教えてあげようか?」
「そうだね、その時はノアに先生をお願いしようかな」
弁慶とノアの会話も久しぶりでお互いに楽しく時間を過ごせている。
「ドイツ語で思い出した…父さんに会う時は覚悟しといて欲しい」
「何で?」
「こんなのでも一応ドイツ軍の所属だからね。前に九鬼が俺を試したように父さんも弁慶を試すかもしれないからさ」
「ならノアの両親に認められるようにならなくちゃね」
「母さんも父さんも喜んでくれるとは思うし、そうならないとは思うけど念の為にね」
弁慶が体勢を変え正面から抱きついてくる。
正直この体勢は色々と問題がある。
「はぁー…落ち着くなぁ…」
「弁慶…この体勢は…」
「んー?落ち着くでしょ?」
「落ち着くのは弁慶だけであって俺は落ち着かないのだけど?」
「えー?なんでさー?」
明らかに判りきって聞いてるな…
顔は肩に乗っているから表情が判らないがきっと顔はニヤニヤとしているに違いない。
「愛しい女性が抱きついている…弁慶の柔らかい所があたっている…上げだしたらキリがないんだけどね」
「いやー照れるねぇ」
「まったく照れてるように聞こえないよ?」
「いやいや、すごく照れてるよ」
「どうだか…一応言っておくと…これも何回も言ってるけど俺も男なんだよ?」
「勿論知ってるさ、それがどうしたの?」
「…男として反応してしまうんだけど?」
「逆に反応されなかったら女として自信を無くしてしまうよ」
「それはないね、弁慶はとても魅力的な女性だよ」
「改めて真面目に言われると照れくさいね」
「という訳で我慢ができなくなるかもしれないけどいいのかい?」
「むしろノアとなら望んでいるよ?」
弁慶が少し体を離し正面からノアを見据える。
無言のまま互いを見詰め合いながら顔が近づいていく。
「ノア…」
「弁慶…」
あと少しで唇が触れ合いそうになった時に突如扉が叩かれる。
「オジサンが入りますよー、大丈夫だよね?入っていいよね?」
宇佐美巨人が何度も何かを確認しながら部屋に入ろうとする。
「ここまでのようだね」
「だね」
残念そうな顔をしながら弁慶は元の体勢に戻り川神水を口に含んだ。
「やっぱいたか。なんとなーくだけどオジサン邪魔しちゃったかな?」
「そんなことはないですよ。宇佐美先生はだらけ部の顧問ですから」
「うん。フリードリヒはそう言ってるけど弁慶は物凄ぇ不満そうだぜ?」
「いや、そんなことないさ。ただ小島先生にどうやって伝えようかと考えてるだけだよ」
「何がだよって聞きたいけど俺が悪かったよ、出直そうか?」
「今更出直されてもねぇ…」
「助けてくれフリードリヒ…」
顔に手を当て下を向きながら横に首を振る宇佐美先生
本当に先生なのかと思うほど弱々しく見えてしまう。
「それぐらいにしておきなさい弁慶、宇佐美先生も邪魔したくてした訳じゃないさ」
「そりゃそーだ、お前らがイチャついてる最中に来るほどオジサンは空気読めなくないからな」
「ノアに免じて許してやろう」
「はいはい、ありがたき幸せですよっと」
「それで宇佐美先生はどちらかに用事があるのでは?」
「っとそうだっな。学園長がお前等の事見かけたら連れてきてくれって言われててよ」
学園長が俺と弁慶を呼んでいる?
「ノア?何かしでかしたの?」
「まったく身に覚えがないな…弁慶は?」
「私もまったくだよ。先生は何か聞いてないの?」
「いんや、俺も何も聞かされちゃいないんだわ」
一体何の用だろうか…
「思い当たる節もないし本人に聞いた方がはやいだろうね」
「行くの?」
「早めに聞いたほうが気にしなくても済むだろう?」
「それもそうだね。ちょっくら行ってくるよ」
「ああ、行って来い。オジサンはここで少し寝させてもらうからよ」
教室を後にし、弁慶と学長室へと訪れる。
扉をノックし学長室へとはいっていく。
「急に呼び出してすまんのぉ」
「いえ、特に問題ありません」
「それで?学長はなんの用事なの?」
「そう身構えんで構わんよ、鍋島から伝言を預かっておってのぉ」
鍋島さんからの伝言?
あの人とは河原の決闘以来特に接触はない。
何かあったのだろうか?
「二人にした約束を果たしたいとの事じゃよ」
「果たしたい約束?」
「あれじゃないか?九州に来いよって言われなかった?」
「そういえば言われてたね」
「うむ、それで鍋島から九州行きのチケットが送られてきておるぞ」
「勝負の最中だったからまったく気にしてなかったけど…」
「律儀な人だね」
「そういう男じゃからな。夏休みであればいつでも使えるようじゃからのんびりと行って来るが良い」
「ノア!」
「うん、これはありがたく使わせてもらおう。学長、わざわざありがとうございます」
「なぁに、ただの伝言じゃよ。時にノア·フリードリヒよ、お主自分の気で暴走しておったそうじゃな?」
「はい…皆に迷惑をかけてしまいました」
「弁慶の気も大きかったがお主も相当なもんじゃのぉ、しかし制御できなければ意味がない」
「はい」
「今度百代と組手をする時にでもワシと精神修行してみるかね?暴走されても何とかなるじゃろうし」
「それは…いや、是非宜しくお願いします」
「そん時は私も一緒に行くよ。ノアを止めるのは私の役目だからね」
「頼もしい限りじゃのぉ、話は以上じゃ」
「判りました。失礼しました」
廊下に出ると弁慶が手を上げているので手を合わせハイタッチする。
廊下にパチンと音が響いた。
「やったね。これで夏休みに二人で旅行出来るね」
「ああ、しかし九鬼の人間をどう説得するか問題だな…」
「そこは任せといていいよ」
「本当かい?助かるよ」
正直ヒューム卿を説得するのが一番困難だろうからな…
弁慶の申し出はありがたい。
「私も子供じゃないんだし、それぐらい自由にさせてもらわないとね
「それだけ大切にしてもらってると言う事ではないのかい?」
「英雄のクローンだからでしょ、私は私だからね」
「知ってるさ。俺の愛しい人の弁慶だろう?」
「…ノアって唐突に恥ずかしいセリフ言うよね?」
「そうかい?なら思いついても言うのを止めておくよ」
「…止めなくていい…」
弁慶の顔が赤くなってるように見えるが気にしないでおこう。
それから数日後
テストの結果が廊下に貼り出された。
自分の結果は3位と弁慶との約束を守れた形となり一安心だ。
弁慶からメールが届き開いてみると
【3位 (*^^*)】
弁慶も無事に3位を取れたようだ。
俺も無事に3位を取れた事を伝えると
【おめー 一緒一緒(*´∀`*)】
喜んでくれたようだ。
テストが終了したら家でご飯を食べたいとリクエストを貰ったので今度の週末に俺の家で食事をする事になった。
……何回も女性を自分の家にあげていいものなのだろうか?
ちなみに弁慶とクリスの勝負は圧倒的大差で弁慶の勝ちだった。
正直、勝負の内容をテストの結果にしてしまったので勝敗は見えている部分があった。
クリスにとって良い刺激になればと思ったが…
悔しそうにしながらも勝負に負けたクリスは渋々ながら弁慶の事を認めていた。
勝ち誇った顔をする弁慶に悔しそうにしながらリベンジを誓っている。
そんなクリスにご褒美として何か欲しい物がないか聞いたら手料理が食べたいと言われたのでクリスの好物を振舞ってあげることにした。
嬉しそうに美味しいと言いながら食べてくれるクリスに癒やされ、そろそろ覚悟を決めるしかないと思いある場所へ連絡した。
『もしもし私だ』
「父さん、ノアです」
『おお、ノアか!急にどうしたんだ?』
「忙しいなら今度にするよ?」
『いや、構わない。それで要件は?』
「見つかったよ」
『というと…そうか…おめでとうノア。心から祝福させてもらうよ』
「ありがとう。まだ将来までは誓い合っていないけどお付き合いはさせてもらっているよ」
『早い方が私には嬉しいが焦る事はないさ』
「そうさせてもらうよ」
『それで?孫はいつ見せてもらえるんだい?』
「今焦る事ないって言ったばかりでしょ?」
『冗談さ、パレードはいつ行えばいい?』
「やらないよ?」
『ふっ、それも冗談だよ』
いや、絶対に本気だっただろ?
まぁそれはいいか
「まぁいいよ、それよりこの前は許可してくれてありがとうね」
『暴走しなかったか?』
「いや、危ない所まで来ていたけど…恋人のおかげで何とか事なきを得たよ」
『ほお…暴走したノアを止めるほどの人か…会ってみたいものだ』
「夏休みという休みのイベントがあるみたいだからその時に帰れたら一度連れて行こうと思ってるよ」
『それは楽しみだな。母さんも喜ぶだろう』
「今回はその報告の電話だよ」
『うむ、良い結果の電話で嬉しい限りだ』
「それと今後について相談したい事もあるけど…それはまた今度で」
『判った。ノアよ、恋人はいいものだろ?』
「あぁ、父さんの言ってた事が何となく判ったよ」
『ふっ、また連絡を待っている。ノアと恋人に会うのを楽しみにしているよ』
「はい。それじゃおやすみ」
ふぅ…これでなんとか父さんへの報告は完了したな…
パレードとか冗談じゃないよ…
止めなかったら絶対にやるだろうな。
っと弁慶とテスト終了の食事会の準備しないと…
とりあえず川神水を準備して腕によりをかけ作りますかね。
明日は諸事情により投稿出来ない可能性が高い
もしくは短い文章での投稿になる予定です。
いつも誤字脱字報告ありがとうございます
感想評価お待ちしております。