真剣でクリスの兄に恋しなさい!   作:トラックオジサン

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いつもより短めで少し大人よりな内容です。


35話

「相変わらずノアの作る料理は美味そうだね」

 

テストの結果が貼り出されノアと弁慶はお互いに学年3位を取れた事を記念してノアの家で祝杯をする事になった。

ノアはそれなら少しお高めのレストランを予約しようかとも思ったが弁慶の一言により家で食べる事になる。

 

「あー、それよりノアの手料理が食べたいんだよねぇ」

 

その言葉にノアは微笑みながら了承し現在に至る。

 

「しかし本当に良かったのかい?」

「ん?何が?」

「レストランじゃなくて俺の家で食べる事についてだよ」

「うん、それもいいとは思うけど今日はノアので料理で食べたかったんだよね」

 

それは弁慶の紛れもない本心である。

畏まって料理を食べるより気軽に川神水を飲みながらノアの料理を食べる事のほうが弁慶に取っては何よりの褒美であると思っている。

 

「なら料理が冷めてしまう前に食べよう」

「うんうん、それじゃぁテスト終了に乾杯」

「ああ、プロージット」

 

互いのグラスを軽くぶつけ乾杯をすると弁慶は川神水を一気に喉へ通した。

 

「ぷはぁぁっ!テストが終わってから飲む川神水は違うなぁ」

「それまでも飲んでたのだろう?」

「今日はまた違う旨さがあるんだよ」

「そういうものか…ほら、注ぎ足すぞ」

「っとと、悪いねぇ、ほら!ノアも飲んで」

 

お互いにアルコールとノンアルコールを注ぎ足しながら料理を頬張る。

今日はいつもより少し気合を入れて作った料理の出来にノアは満足する。

 

「んー!美味い!相変わらずノアの作る料理は美味いなぁ…そして川神水を………ぶはぁ!」

「ペース早すぎないかい?」

「大丈夫だって、明日は休みなんだしさ」

「それはそうだけど…」

「それに酔い潰れたらノアが介抱してくれるだろ?」

「俺が先に酔い潰れるかもしれないだろ?」

「それはないね、なんせノアだからね」

「どんな理屈なんだそれは…」

 

ノンアルコールとアルコールではアルコールを飲んでいるノアの方が酔いつぶれる可能性はある。

しかし自他共に認めるほどノンベエの弁慶では雰囲気だけで酔えるノンアルコールの川神水といえど先に酔いつぶれてしまう可能性もある。

 

「だから私は安心して川神水を沢山飲めるのさ」

「はぁ…ほどほどにしてくれよ?」

「しかし学年3位の有言実行とはやるじゃないか」

「それは弁慶も同じだろう?」

「本当は5位ぐらいまでにしようと思ってたんだけどね、それじゃ示しがつかないって事で3位になったんだよ」

「随分と謙虚だったんだね」

「ハードルを低くしようとしただけなんだけどね」

 

テストの話をしながらノアの作った料理をクチに運ぶ弁慶

 

「しっかしまあ、本当ノアは料理上手だよね」

「上手いかどうかはともかく今日は気合を入れて作ったからね」

「それは私の為?」

「それ以外ないよ」

「いやー、愛されちゃってるなぁ」

「そうだね、それは否定出来ない事だね。そういえば弁慶の夏休みの予定は?」

「のんびりだらーっと過ごす予定だよ。ノアと九州旅行あるけど後は特に何もないよ」

「ふむ、なら弁慶の都合が良ければの話だけど、一緒にドイツへ行かないか?」

「それってご両親に挨拶?」

「そこまで難しく考えないでいいよ。旅行に行くついでに家によって欲しいだけさ」

「それはもうほとんど挨拶に行くようなもんじゃない?」

「まぁ、父さんと母さんに会って欲しいのは事実だね」

「ふーん…結婚します!とか言っちゃう?」

「弁慶さえ良ければ俺はそうしたいと思ってるよ」

「プロポーズされちゃってる?」

「いや、それはちゃんと別でする予定だよ」

「はぁ…もうされてるようなもんじゃないか…断る気ないけど」

 

ほとんどプロポーズに取れるような言葉を貰った弁慶の機嫌は良くなっていった。

 

「もう父さんには恋人が出来たと報告したからね、母さんにも伝わってるはずさ」

「そっかー…私はもう人妻になるのか」

「その表現はどうだろう…まだ九鬼の弁人間には話していないしな」

「そこら辺は平気じゃない?」

「帝さんは結婚しちゃえみたいな事も言ってたしね」

「ノアとの生活かぁ…楽しみだなぁ」

「まだ先の話だよ。今は今で楽しむとしよう」

「そうだね。まずは九州旅行だね、地酒が楽しみだよ」

「いや、飲ませないからね?」

 

楽しい食事も終わりを迎え片付けをしていると弁慶がレンタルDVDを発見した。

 

「へぇ…ノアもこういうの見るんだね」

 

タイトルを見ると話題になっていたアクション映画とホラー映画が借りられていた。

 

「大和くんにオススメを教えてもらって借りてみたんだよ。まだ見ていないんだよね」

「それ終わったら一緒に見ようよ。私も見てみたいし」

「時間は大丈夫かい?」

「明日は休みだからまだ平気だって、んじゃセットしとくよ」

 

半ば強引に押し切られ弁慶と共にリビングでDVDを見る事になった。

 

最初はホラー映画から見ることになるのだが…

 

「この手の物は見たことが無かったから楽しみだよ」

「そうなんだ?なら色々と楽しみにして見るといいよ」

 

弁慶は体半分をノアに密着させ首だけテレビの方を向け映画を見ていた。

ノアは弁慶の腰に腕を回し片手にはビールを持ち映画を見ていた。

弁慶に密着される事に慣れてしまったのか心情的には余裕が伺えるが、柔らかい体が密着している事により色々と大変な事になっているのは仕方がない事である。

 

約2時間のホラー映画もエンディングロールが流れ始める。

 

「面白かった?」

「素直に言うと現実離れし過ぎていて何とも言えないが創作物としては面白かったんじゃないかな」

「ノアだったらこういう状況になったらどうする?」

「まずは武器と拠点の確保かな、噛まれてゾンビになってしまうなら遠距離攻撃が有効だしゆっくりと休める拠点が必要になるね」

「軍人目線だねぇ」

「それは仕方がないよ。本職は軍人なんだからね」

 

そろそろ夜もいい時間帯となってきた。

ノアは弁慶をそろそろ帰さないといけないと考えている。

あまりに遅くなりすぎると金髪のジェノサイド執事が襲ってくるのではないかと思っている。

 

「そろそろいい時間だね。家まで送ろう」

「あ、大丈夫だよ。今日は泊まるって伝えてあるから」

「……すまない。耳がおかしくなったみたいだよ。泊まると聞こえたんだが…」

「ならノアの耳は正常だね」

「さすがに宿泊はまずいんじゃないか?」

「なんで?前にも一回泊まってるし平気でしょ」

 

前…この前の決闘の後の事か

 

「あれは看病の為だろう?」

「そうだね、でも泊まったのは事実だからね」

「あれは俺が意識なかったからね?」

「なぁに?ノアは私と一緒に寝るのが嬉しくないの?」

「いや、嬉しいに決まってるだろ」

「はい、じゃぁ決定!ほら、映画もう一本見よう」

 

半ば強引にそのまま次の映画を見ることになってしまったが内申ノアは嬉しい反面困惑もしている。

ノアは世間を知らない訳ではない。

男女が、それも恋人同士が同じ屋根の下で一緒に寝るとなればそれなりの事はあるのではないかと考えてしまった。

恋人同士であれば何も問題はないはずなのだが一度考えてしまうと否応なしに弁慶という女性を意識してしまう。

誰から見ても美人であり、スタイル抜群と外見は絵に描いたような…モデルに負けず劣らずの人物である。

意識するなと言うのが難しい話である。

 

案の定というべきかノアは映画の内容がまったく頭に入っていない。

映画に集中しようとしてもつい弁慶に目がいってしまう。

そんな弁慶はノアの気も知らずにべったりとノアに密着しながら映画を見ている。

 

映画はラストに向けて進んでいく中映画はとあるシーンに入る。

映画の主役である男とヒロインの女が抱き合い激しいキスを交わした後、ヒロインの服を脱がせていく主役の男

このシーンになった瞬間ノアの動きがピタリと止まった。

弁慶を意識し過ぎてしまっている中でこのシーンはあまりにも直接的すぎてしまう。

チラリと弁慶の方に目をやれば、さきほど変わらない様子で画面を見つめているように見える。

心なしか密着度が上がったように感じるが気の所為だろうと思うことにする。

 

やがて映画もラストシーンとなりエンディングを迎える。

先程のようにどちらからか喋りだす訳でもなく静かな時が訪れる。

ビールを口に入れようとするがいつの間にか空になっており喉を潤すことはできなかった。

 

弁慶の密着度も最高潮を迎えておりほとんど正面から抱きついている状態となっている。

ここまでされてしまってはノアも男として我慢できない物がある。

それを察したのか弁慶が体を少し離し顔を近づけ唇を重ねる。

今までのキスと違いお互いの舌がぎこちなく求め合っている。

顔を離すと弁慶の顔が紅潮しているのが判るほど赤くなっている。

これ以上はいくらノアでも我慢ができるはずも無く…

弁慶をお姫様抱っこの形で持ち上げ自分のベッドへと運んでいく。

 

「……初めてだから…優しくしてね…」

「判った…俺も初めてだから…上手くできなかったらすまない…」

 

ベッドの上に弁慶を寝かせるとその上に覆いかぶさり二人の体が重なった。




これからの更新頻度を毎日から少し下げたいと思います。
2.3日に一投稿をベースに更新していきます。
毎日楽しみにしていただいていたかと思いますがご了承いまだければと思います。
連続で出せそうな時は連日投稿させていただきます。
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