真剣でクリスの兄に恋しなさい! 作:トラックオジサン
何でこんなキャラにしたんだよ!
川神に到着してから激動の一日だった翌日。
俺とマルギッテは川神学園へと向かっていた。
「なあ…なんで軍服なんだ?」
「川神学園は寄付によっては私服でも良いと言われておりますので」
「せっかくだし制服着てみたらどうだ?きっと似合うぞ」
「御冗談を…それに急な任務もあるかもしれませんので」
うーん…残念だな。
制服姿のマルギッテを写真に収めてリザとフィーネに送ってやろうと思ったのにな。
「お待ちしておりましたヨ。まずは職員室へ行きましょウ」
先日のジャージ男…ルー先生に案内され職員室へ。
「3Sの担任は彼になるヨ。2Sの担任は彼だネ」
それぞれの担当教師を紹介されそのまま教室へと向かう。
「ここまでだな。後ほどクリスに挨拶に行くからそれまでは内緒にしててくれよ?」
「判りました。ではご武運を!」
戦場じゃないんだから武運なんてないだろうに…
教室に向かう途中に担任の男性に色々と話を聞かされた。
Sクラスは成績優秀者のみが在籍するクラスであり、選任意識が強いということ。
逆にFクラスは成績下位の者が多く癖のある人物が多いということ。
軍関係の学校でも似たような物だったし問題ないだろう。
「それじゃ、私が合図したら入ってきてくれ」
担任だけ先に入り俺だけ廊下で待つこととなった。
「あー…こんな時期だが転入生が一人いる。入ってくれ」
早速お呼びが掛かったようだ。
教室の扉を開けると中の人間が全員こちらに注視している。
「あー、自己紹介してくれるか?」
「判りました。ノア・フリードリヒです。ドイツで軍人をしてますが諸事情によりこちらの学園に通う事になりました。短い期間ですが宜しくお願いします」
「すごい簡潔な紹介だが…まぁいいか。席は京極の横が空いてるな。そこに座ってくれ」
京極?と言われても誰の事なんだか判らない…
「こっちだ」
手を挙げ自分が京極だと教えてくれた。
私服でも問題ないとは聞いていたが…彼の服は和服というやつか?
「助かったよ。俺はノア・フリードリヒだ。よろしく頼む」
「名前を言われても判らないと思ってな、京極彦一だ。よろしく頼む」
「それじゃ連絡事項だけ…今週木曜日に人間力測定があるから忘れないように以上だ」
伝えることだけ伝えると担任は教室から出ていってしまった。
「これで終わりなのかい?」
「一応Sクラスだからな。残りの時間は皆勉強に励むのさ」
言われてみれば担任が出て行ってから各々が机に向かい勉強しているな。
「皆、受験が近いから必死なのだよ」
「日本の高校生って逞しいんだね」
「まぁ、学園にいる全ての3年がという訳ではないがな…例えばHR時間に自分の教室から出て隣のクラスに来たりもする」
まさにその時、教室の扉が開けられ一人の女子がSクラスへと入ってきた。
扉が開けられたときこそ全員が入ってきた女子に注目したがすぐに視線を下に戻し、勉強へと戻っていった。
「相変わらず真面目なクラスだなー」
「何をしに来た?武神よ」
なるほど…彼女が武神、川神百代か…
しかし彼女は…このクラスの人間ではないはずだが?
「そう言うなよ京極!噂の転入生を見に来たんだよ」
「休み時間でも良かったのではないか?」
「気になっちゃうだろ?うちの担任もHR短めだしな。それで噂の転入生は…コイツか?」
「あぁ、彼が転入生だ」
こちらをジロジロと見つめる眼は獲物を探しているような鋭さがあった。
「よー!転入生!私は超絶美少女の川神百代だ」
自分で美少女っていうか?
「ご丁寧にどうも。噂の武神がこんな可愛い女性とは驚きですね」
「おっと!ナンパか?悪いがナンパは可愛い姉ちゃんのしか受け付けてないんだよ」
「そういう訳じゃないですけど…失礼。自己紹介がまだでしたね。ノア・フリードリヒと言います」
「フリードリヒ?」
「ええ。妹がお世話になっているそうですね」
「おお!クリの兄貴か!話には聞いてたが…イケメンだな」
「それはどうも」
「で?やれるんだろ?歓迎してやるよ」
何処からか取り出した川神学園のワッペンを机の上に叩きつけた。
「どういうことですか?」
「川神学園には決闘システムというのがある。相手がワッペンを出してこちらもワッペンを重ねれば決闘成立となる」
つまり
「なるほど…拒否してもいいんですね」
「その通りだ。フリードリヒ」
「気軽にノアって呼んでくださいよ京極さん」
「ならばこちらも彦一と呼んでくれ」
「おーい!男二人で友情確かめてないで美少女に絡めよ〜」
「いきなり初日に決闘なんてやりませんよ?」
「えー…クリから兄貴の話を聞いててワクワクしてたのになぁ!」
「どういう風に聞いたのか気になるところですが…というか自分のクラスは?」
「決闘してくれるまで帰らないぞ!」
「勉強の邪魔になると思わないのか?武神よ」
「やだやだやだ!決闘してくれなきゃやだー」
初日から目立つことはしたくなかったんだが…このままでは素直に帰りそうも無いかな?
「川神さん。クラスの迷惑になりますから戻りませんか?後日ゆっくり話を聞きますので」
「おいおい…こんな美少女が誘ってるのに断るのかよー楽しみだったのになあー」
埒が明かないな…
何人かはこちらを見て手が止まってしまっている。
彼等の勉強時間を邪魔するのは良くないだろう。
「仕方ないですね…決闘じゃなくて訓練…ということでよければ受けますよ」
「それでいいぞ!それじゃあ自分のワッペンを重ねてくれ!」
俺は自分のワッペンを武神のワッペンへと重ねた。
「よーし!決闘成立だな」
「ならば先生を呼んでこよう」
「その必要はないヨ」
ルー先生?いつの間に?
「総代の言ってた通りになってしまったヨ」
「まさかHR中にまで乗り込むとは…思いもせんかったが…万が一に備えて正解じゃったわい」
「なんだよジジイ!止める気か?」
「いーや、ワッペンによる双方合意の決闘が成立した以上口出しはせんよ。HR中に他のクラスに来た事乗り込んだ事は説教じゃがの!ルーよ、審判を頼むぞ」
「判りましタ。二人共、校庭に降りるヨ」
ルー先生に連れられ校庭出ると校舎全体から視線を感じる。
チラッと校舎に目を向けるとクリスがこちらを見ているのを発見した。
元気そうで何よりだ。
「それでハこれより決闘を始めるヨ!とは言ってモ、これは組手だからネ!二人共熱くなりすぎないようニ!いいネ?」
「ああ!」「はい!」
「それじゃ…ハジメェ!!」
「先手は譲りますよ。川神さん」
「お?いいのか?私の一撃は痛いぞ?」
「ヨーロッパにはレディーファーストという言葉があるんですよ。それに俺は同じ学年とはいえ年上ですから」
「あれ?もしかして、私舐められてる?」
「いえいえ、さっきの言葉通りなので舐めてませんよ」
彼女の出方をまずは伺いたいってのもある。
それと武神と言う名前が噂通りなのか確かめたいという気持ちもあった。
「ふふっ!それじゃ行くぞー!川神流!無双正拳突き!」
彼女から拳が放たれる。
ただの突き…じゃないな。
あれに当たると色々とヤバそうだ。
百代が放つ突きを掌で受け止める。
「ほぉ…私の拳を止めるか…大体はこれで勝負が決まるんだがな…」
「冗談はよしてくださいね?本気じゃないでしょ?」
「ふふっ、冗談でもないんだが…楽しませてくれそうだな!」
「次はこっちの攻撃ですよ?」
百代の拳を握ったまま右足のハイキックを顔面に目掛けて放つが左手でガードされてしまった。
「おいおい、美少女の顔を狙うなんて紳士じゃないな!」
「残念ながら本業は軍人ですので」
「いいぞ!お前凄くいいぞ!」
「訓練ですからね?」
「判ってる…よっ!」
百代が拳の連打を繰り出せば腕を使い向かってくる拳を弾き避けていく。
お返しと言わんばかりにこちらも拳の連打を浴びせるが難なく回避されてしまう。
「あぁ!いいっ!最高だな!」
「期待に応えられたようで何よりですよ」
「もっとだ…!もっともっとこいよっ!」
あー…マルギッテタイプだったか…
武神って名前が付くぐらいだしな。
そりゃそうか。
二人の攻防は徐々に激しくなっていく。
百代が拳を繰り出せばノア全てを捌き
ノアが仕掛ければ百代が防御する。
百代にしてみれば九鬼揚羽以来の強敵に心を踊らせ
ノアにしてみても久方ぶりの強敵に笑みが零れてしまう。
「ふふっ」
「どうした?戦いの最中に笑って…」
「いや…久しぶりの強者につい…そういう君も笑っているじゃないか」
「ああっ…私も久々に強い奴と戦えて嬉しいんだっ!」
「そうか…ふふっ…ならばまだまだ上げていくぞ!付いてこれるよな?」
「誰に言ってるんだ?私は武神!川神百代だぞ!」
二人の攻防が更に激化していく。
互いの攻撃は当たらず、時には拳と拳が…蹴りと蹴りがぶつかり合う。
その度に激しく大地が揺れるように感じられるほど激しくぶつかり合う。
見ている者達は二人の戦いに魅了されている。
「…姉さんと互角に戦えるなんて…」
小学生の頃から舎弟関係を結び、姉の戦いを見てきた大和は絶句するしかなかった。
そこらへんの不良はもちろん、各国から来た挑戦者相手でも一撃で倒してきた姉が互角の戦いをしている事に。
「でも…お姉様はまだ本気じゃないわ」
「そうみたい…けどクリスのお兄さんも本気じゃないよね?」
ワン子は姉がまだ本気じゃない事を伝えると京がノアも本気では無いことを悟る。
「でもよぉ、モモ先輩が一撃当てたら終わりそうだよな?」
「なんでさぁ?」
「見るからに細いだろ?俺様みたいに鍛えててもモモ先輩には手加減されても一撃でやられるんだぜ?」
「あー…言われてみればそうかもね」
「クリスの兄ちゃんすげぇな!モモ先輩の攻撃避けててよ!スリルありそうだぜ!」
「普通スリルより恐怖が勝りそうだけどね」
ガクト、モロ、キャップはそれぞれの思った事を語る。
「やはり…やはりノア兄様は凄い!」
クリスは兄の強さに感動していた。
いつか自分もあの高みへと近づくんだと決心を新たにした。
そろそろ時間かな?決着をつけたいけどこのままじゃ無理だな…
「これは躱せるか?川神流致死蛍!」
百代から闘気の連弾を放った。
「ちっ!」
連弾を全て弾き飛ばそうと拳を繰り出し弾き返すノア。
一瞬だがノアの気配が致死蛍を回避する事に意識を逸らされてしまった。
そのスキを百代が見逃すはずがなかった。
「貰ったぞ!川神流!無双正拳突き!!」
「うぐっ…!」
百代の拳がノアの胸に当たり、ノアの体が後ろへと吹き飛ばされそうになる。
しかし、体が後ろへ吹き飛ぶ事はなく地面をえぐりながら後退するだけに留まったのだ。
「げぇ!モモ先輩の攻撃当たっちまった…ぞ?」
「嘘…」
「あんなに細いのに!なんで!?」
全力ではない攻撃とはいえ川神百代の攻撃は大体喰らえば一撃で吹き飛んでいく物であった。
その攻撃を喰らっても吹き飛ばされず耐えていた。
「げほっ…げほっ…さすがに…喰らうと痛いね…」
「おいおい…私の拳を喰らってその程度か?全力じゃなくてもそれなりのはずなんだが…」
「ふぅ…いや、痛いからね?その程度って言っても痛いのは変わり無いからね?」
「くくくっ!はぁーハッハッハッ!クリの兄貴だから出来るとは思っていたが、まさかここまでやるとはな!ほんっとーに最高だよ!ノア!」
「満足してもらったようで何よりだよ百代!」
「どうやって耐えたのか判らないがこれならどうだ?かーわー…」
百代の手に闘気が貯まっていくのを感じると直ぐに臨戦態勢を取る。
直感的に危険を感じるほどあの攻撃はヤバいな!
「かーみー…「そこまでじゃ!(ゴチンッ!!)」っっっっいっったぁっ!何すんだジジイ!!」
「バカモンが!それは組手の域を超えておるぞ!さっきの致死蛍もじゃ!」
「盛り上がってんだから仕方ないだろう!」
「もうHRの時間は終わりじゃ!それとクラスを勝手に抜け出したのも問題じゃ!精神修行時間を増やすからな!」
「えっ!?」
「という訳でこの勝負は引き分けと言う事でよいかのぉ?」
不完全燃焼と言われれば不完全燃焼ではあるがそこで我儘を言うような年齢ではない。
「俺としても残念ではありますが仕方ないですね」
「すまんのぉ。ほれ!モモはとっとと教室に戻らんかっ!」
「くそぉ!覚えてろよジジイ!ノア!またやるぞ!」
「あぁ、機会があればな百代」
校舎に引きずられる百代を見送る。
俺も行かないとまずいよな?
「すまないネ。百代があそこまでやってしまうとハ」
「気にしてませんよ?まだまだ本気じゃなかったでしょうしね」
(百とあそこまで戦う事が出来るとハ…この青年強いゾ)
川神学園に新たな話題を作ってしまったノアは百代の後を追うように校舎の中へと消えていった。
バトルシーンは難しいですね。
アンケート終了しました。
予想通りといいますか我らが弁慶がヒロインになります。
最初は猟犬部隊のハーレムも考えていたのですがハーレムは面倒くさかったので一人に絞らせていただきました。
史文恭にも表が入ってたのがビックリです。
感想、評価、誤字、脱字お待ちしています。
決して燕ちゃんのシーンをパクったわけでなくリスペクトした訳です!