個人的に好きな作品であるLobotomy Corporation、Library of Ruinaとblood borneを合わせてみました。
どれか一つがいいと感じる方は静かに検索画面に戻って頂けたら幸いです。
それでも構わない方はご覧ください。
パラ
周りを本に囲まれたソファで、一人の青年がどこか物憂げに微笑みながら本のページを一枚一枚捲る。
パラ
パラ
また一枚、もう一枚と暫く読んでいると、疲れたのか一旦本を閉じて一息つき始めた。目を閉じ、手を組んで伸びをする。座りっぱなしで凝った肩を回してほぐしながら立ち上がり、ソファの隣に備え付けられたテーブルに読んでいた本を置いた。
「ん………と。」
「ちょっと!もうそろそろ仕事が始まるわよ!」
青年がもう一度伸びをしてとだらんと脱力すると、誰かが青年に対して呼び掛ける。ふと青年が声が聞こえた方向を見ると明らかに「怒ってます」と言わんばかりの表情の美少女が近づいてきた。少女に気がついた青年はふんわりと笑いながら答える。
「あ、ごめんねすぐに行くよ。」
「全くもう、しっかりしてよね。」
「あはは……。」
ジト目の少女にスレスレにまで迫られた状態で叱られる青年は、照れ臭そうに頭をかく。しばらくそのまま見つめあっていた二人だったが、やがて少女のポケットから着信音が鳴り響く。それに反応した青年は間髪入れず少女のポケットから連絡用の端末を取り出すと電話に応答した。
「はい、もしもし。」
『あら、彼女に連絡したつもりだったのだけど。』
「目の前にいますから。」
『…まぁいいわ、そろそろそちらの階層に三人送るから、「接待」を頼んだわ。』
「了解しました、館長……………そういえば、父さん達は今どうされてますか?」
『今日も研究に明け暮れてるわよ。この招待状の有効な使い方もね。そんなことはいいから、早く持ち場に着きなさい。』
「そうですか、あ、ちょっt「切るわよ!」」
青年から端末を奪い取った少女は怒鳴るように端末のマイクに話すとそのまま通話を切った。そのまま端末をポケットに仕舞うと頬を膨らませた少女が青年の手を握る。そっぽを向いたまま走り出す少女に手を引かれた青年も少しつまづきそうになりながらついて行っている。
「怒鳴らなくて良かったんじゃないかな。」
「………。」プクー
「おっとっと……どうすれば機嫌直してくれる?」
「…………………………一緒に寝て。」
「いいよ。」
顔を赤くした少女に優しく頷いた青年は少し走るスピードを上げながら少女を抱き上げる。姫抱きされた少女は驚いたような表情をして、先程よりも顔が赤くなっている。
「ちょっ、別に私を抱き上げる必要はないでしょ!?」
「僕がしたかったからなんだけど………ダメだった?」
「んぐっ…………ダメじゃない。」
青年と少女……………ティファレトが去った後、机に置かれた本は静かに存在していた。よくよく見ると、周りに置かれた本よりも少しばかり禍々しい気配を感じる。その本の表紙には一つのタイトルが書かれていた。
『狩人の記憶~Bloodborne~』
タイトルの下に少し歪な形の鉈が描かれた赤黒いそれはただそこにあるだけで見たものを狂わせそうな気配がある。だが、周りに知性を持った存在はおらずただ怪しい空気を纏わせるだけであった。しばらくの間静かな空間が続いていたが、そこに一つの足音が聞こえてきた。その足音の主は本の元まで歩くとその表紙を指でなぞるように触れる。人間サイズのビスクドールのような見た目の女性は優しい声で祈るように呟く。
「………………狩人様方、御二人の生きる道が有意なものでありますように………………………おや。」
わずかに口角を上げている女性……"人形"が本を見つめているとその隣からおどろおどろしい小人が数人テーブルから生えるように出てきた。彼らは皆外套のようなものを羽織っている。どうやら今の流行りのようだ。
「ふふ、貴方達の主の衣装の真似ですか。とても似合っていますよ。」
「!、!」ワタワタ バサバサ
"人形"の言葉に喜ぶように身を動かす小人……使者達は、纏った外套をバサバサとはためかせていた。
色々と探していますがティファレト(リサとエノク)がメインの話をほとんど見掛けないので思わず書いてしまいました。Lobotomy Corporationのセフィラの中でもかなり好きなキャラクターです。もちろん他のセフィラも好きですが。あのゲーム魅力が沢山詰まりすぎだと思うのですが、いかがでしょうか。はたけしめじさんのように職員を愛でるのもいいですし、ストーリーを深く考察する動画も大好きです。
Bloodborneは友人達が熱く語っているのを聞いていたらいつの間にかある程度詳しくなっていました。まぁダクソで「折れた直剣」を最大強化して使っており、Bloodborneでも変態的な事してましたけど。
更新はゆっくりですので、読みたい方は気長にお待ち頂けたら嬉しいです。