「いいことだらけ」と言うけれど   作:ゲガント

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書きたい事が多すぎる……。
はい、ゲガントです。戦闘描写がこれでいいのか未だに分かりません。




それでは、どうぞ。


路地裏の肉塊

「kcpo3lo35y2crh45mdax!!」

「えい。」バンッ!!

 

咆哮をあげる化け物にリサは容赦無く散弾銃を放つ。広がるようにばらまかれた弾の半分位をモロに食らった化け物は思わず怯み、後ずさる。しかしその様子を気にする事無くリサは右手に持った曲剣で切りつけようと肉薄した。

 

「5kdqroda85yfciksfa@wmgc!」

 

バシャッ!

 

「っち!器用な事するわね!」

 

しかし化け物もただされるがまま殺される訳にはいかないと言わんばかりに抵抗する。体についた口から発射された液体に嫌な予感がしたリサは踏みとどまり、横にステップを踏んで回避する。着弾した場所からは煙があがっており、少しへこんでいることから当たった物を溶解させている事が分かる。

 

「けど、無敵って訳じゃないのね。」ザシュッ!!

「ljapdwpbouk5pbuzi7b!?」

「避けないでよ、ちゃんと殺せないじゃない。」バンッ!!

 

リサは一度見ただけですぐに攻撃を見切ったのか、続けざまに放たれた溶解液を軽く回避し、そのまま右手に持った刃で切りつける。体をひねり、回避しようとする化け物だったが、予想以上に早く迫る刃に対応しきれず、腹の辺りに深く傷を負った。少しばかり苦悶の表情を浮かべる化け物だったが、続けざまに頭に重い一撃を受けた。

 

「………リサ、早く仕留めるよ。」

「何よエノク、珍しく険しい顔して。」

「さっき吹き出した血の匂いがここに広がってる物と同じなんだ。おそらく、弔うべき相手(・・・・・・)みたいだよ。獣の病にかかった訳じゃなそうだけど、望んでこの姿になった訳でもなさそうだ。」

「…………そう、じゃあ苦痛を感じ続けさせる訳にはいかないわね。」

 

痛みにのたうち回る化け物を前に武器をしまうエノク。それを横目にリサが虚空から取り出したのは折り畳まれた長く、湾曲した棒だった。

 

「あの人みたいに介錯したら良いかしら?」

「うん、僕が抑えとくからとどめはお願い。」

 

エノクは走り出しながら虚空に両手を突っ込む。右手には骨の欠片、左手には液体が入った丸底フラスコが握られていた。

 

「3pea64n2j!e27a7jkbk33abh!?」ズァッ!!

「当たらないよ。」

 

どこか怯えも見える化け物の一撃が来る前に骨の欠片を割り霧を身に纏ったエノクは姿を消した。そのため化け物の爪はエノクに当たる事はなく地面を叩き割った。その破片は震えながら武器を握って構えていたイサドラの頬をかする。

 

「っぶない!」

「貴方は二人を守りながら下がってなさい。」

「っ!なめないで!私だってフィクサーなのよ!多少なりとも戦えるわ!」

「………言い方を変えるわね、巻き込まれたくなかったらさがってろつってんのよ。」

「はぁ!?どういう「退いてなさい。」っ!?」

 

ガキンッ!!

 

イサドラが問い詰めようとしたところでリサは右手に持った曲剣と散弾銃の代わりに取り出した棒を振り回しながら結合させる。音を立てて合体したその武器はリサの身の丈を軽く越える鎌へと変貌した。鎌……葬送の刃を振り回し、調子を確かめるリサは一度握り混むと息を吐いた。

 

「はぁ………エノク、殺るわよ!」

「了解、さぁさぁ僕はこっち、こちらを向いて?」

 

リサの吠えるような呼び掛けに軽く答えたエノクは化け物を挑発しながら前に躍り出る。それに反応した化け物はエノクを捕らえようと腕を振るう。しかしそう簡単に狩人が捕まる筈もなく、難なくエノクはその拘束から逃れる。

 

「amjdagwtaq2lcqecqksyct………!」

「………その声が苛つきなのか苦しみなのかはわからないけど、取り敢えずこれでも吸ってて?」パリンッ

「koc2pod!?」

 

次の瞬間、エノクは手に持っていたフラスコを化け物の顔面で砕き割り、中の液体を散布させた。霧状になった薬品……感覚麻痺の霧を至近距離で食らった化け物はその効果によりその場でふらつき始めた。どうやら急激な感覚の変化に思考が着いていってないようだ。その隙を逃さず、エノクは即座に取り出したガラシャの拳で顎をかち上げる。

 

「ほいっと。」

 

ドゴッ!

 

「52ohbbc75f6xk5srvu!?」

 

脳らしき場所を揺らされた化け物は大きくのけぞった。

 

「リサ。」

「分かってるわよ。」

 

エノクはいつの間にかすぐ近くまで肉薄していたリサと入れ替わるように後ろに跳び、リサは化け物の懐に入り込んだ所で葬送の刃を体を捻りながら構える。その目は凪いでおり、目の前の化け物を捕捉し、そのまま溜めた力を解放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「時間よ、さっさと起きなさい(眠りなさい)。」

 

 

リィン……

 

 

辺りに鈴のような音が響き渡った後、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザシュッ!!!

 

化け物の首と胴体に一本ずつ線が走り、そこからずれた体が瞬間、大量の血が吹き出し始めた。化け物は断末魔を上げる事なく静かに息を引き取った。全身の器官も既に動く気配は完全に無い。狩装束が半分ほど血に染まったリサは葬送の刃に付いた血を払い落とすと、即座に分解し虚空に仕舞った。比較的近くにいたエノクは自分の狩装束が血に汚れるのも構わずに化け物の遺体の側へ膝を着くと、そのまま遺体の顔に当たる部分の目と口を閉じさせる。

 

「…………ざっと考えて最低でも4人、多くても7人………意識があったのは?」

「感じ取れたのは3人位、どれもまともな精神状態じゃなかったけど。」

「そっか…………。」

 

そう言ってエノクが立ち上がった所で呆然と目の前の光景を見ていた三人が二人の元へ近づいてきた。それに気がついたエノクはいつもの笑みを浮かべ、話しかける。

 

「お怪我はありませんか?」

「え?あ、うん………。」

「私達は大丈夫よ。」

「そうですか、それは良かった。」

 

臆病な性格のサンはスプラッタな惨状を前にして顔をこれでもかと言うぐらい青くしており、精神的にかなりギリギリなのが分かる。ジュリアとイサドラも先程よりも顔色が悪い。

 

「…………ねぇ。」

「何よ。」

「こいつ、何だったの?」

 

そう言ってイサドラは息絶えた化け物を指差す。

 

「こいつが行方不明者ができてた原因なのよね?」

「成る程、この化け物に食われたから………。」

「違うわよ?」

「「「は?」」」

「この惨状の結果生まれたのがこれであって決して原因じゃない………というか、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつが行方不明者なのよ(・・・・・・・・・・・・)

 

リサの告げた一言で三人が息を飲んで黙り込む。

 

「………どうして、そう思ったの。」

「こいつを切った時に吹き出した血がここを染めてる血痕と同じ匂いだったから。行方不明者が食われて死んでるなら、少なくとも肉片の一つは残ってないとおかしいし、丸のみにされてるなら血痕自体残らない。」

「じゃあ、今までの行方不明者も全員………。」

「十中八九この化け物になってますね。」

 

その答えに納得出来ないのか、イサドラは声を荒げながら二人に問い詰める。

 

「それじゃおかしい!依頼書には現場に血痕が残ってるなんて報告は無かったわよ!」

「こうした犯人が掃除したんじゃないでしょうか。今回はおそらく化け物に成ったばかりの時に僕らが突っ込んで来た形になるので、片付ける暇が無かったのかと。それだとこの化け物が襲って来た理由も分かりますし。」

「理由?」

「ええ、憶測に過ぎませんけど。」

 

化け物を目を細めながら見やるエノクは話を続ける。そこには憐れみの感情が少しだけ浮かんでいた。

 

「この人達、まだ意識が残ってたんですよ。体をぐっちゃぐちゃに組み換えられて、自分が何なのかわからない状態でも。そこに来た僕らを自分をこうした犯人の仲間だと思っても仕方がないですよ。」

「あぁ、そういえば理性無さそうな見た目してるのに最初っから私達に怯えてたわねこいつ。」

「そ、そうなんだ…………。」

 

それっきり口を閉じてしまったサンをよそに、エノクとリサは死体を見て色々と話し合い始めた。

 

「…ヤーナムの死体で出来た狼擬きとは少し違うかな?」

「あっちはまだ人の原型留めてたでしょ。こっちは………継ぎはぎって言った方が正しいわね。」

「一回バラバラにした結果がこの血痕か………あの処刑場の村といい、中々愉快な事をするものだね。」

「でも目的が今一パッとしないのよね………。」

「うーん…………。」

 

頭を捻るエノクとリサだったが、埒が明かないと思ったのか肩をすくめて後ろの三人に話しかける。

 

「で、あんた達はさっさと報告しなくて大丈夫なの?」

「へ?」

「私達は手伝いみたいな形で来ただけだから、報告義務はあんた達にしかないのよ。というかそもそもこの依頼あんた達の上の組織が出した奴だし、これ、早くどうにかしないと被害広がるわよ?」

「あ、そ、そうね!私ちょっと行ってくる!」ダッ

「私も着いてくわ。」ダッ

「えっ!?」

 

リサの言葉でハッとしたジュリアはそのまま入って来た小道へと走り去り、イサドラもその後を追う。取り残されたサンも慌てて走り出そうとしたが、ちらりとその場に立ってこちらを見つめている二人の方を見る。

 

「あ、どうぞ行ってもらって良いですよ。」

「少し調べたいことあるから残っとくわ、さっさと戻って来なさい。」

「うん………気をつけて。」

 

そう言ってサンはジュリアとイサドラの後を追って小道へと走り去って行った。エノクはその後ろ姿を軽く手を振りながら見送っている。しばらくして、完全にサンが見えなくなった所で、二人は虚空から投げナイフを取り出し、とある方向に顔を剥ける。

 

「さて、さっきからこちらを見ている誰かさん、何かご用ですか?」

「……………………。」

「そこですよね?」シュッ!

 

そのままエノクはナイフを投げる。投擲されたナイフは異常なまでの速さで飛び、二人から見えない影になっている場所のすぐ横に音を立てて突き刺さった。

 

ガインッ

「ヒッ!?」

「はい、動かないで下さい。」ガシッ

 

それに怯えたのか物陰にいた人物は小さな悲鳴をあげる。その隙を突いて、エノクはヤーナムステップで近づきそのまま相手の肩を掴む。振り払おうとする相手だったが、エノクの手は放すどころか微動だにしていない。

 

「こんにちは、狩人です。」

「……………………ッ。」

「そんな怯えた顔をしないで下さい。まだ貴方を殺すと決めた訳では無いんですから。」

 

優しい笑みを浮かべている筈なのにどこか圧を感じるエノクに隠れていた人物は息を飲んで固まる。

 

「お名前は?」

「……………ヤン、ヤン・ヴィスモクです。」

「そうですか、僕はエノクと申します。お話、聞かせて貰えますか?」

 

自分より少し背が高く、白髪をサイドテールにした少年…ヤンに対して、エノクは首をかしげながらそう尋ねた。




化け物については次回にもっと詳しく掘り下げます。1つ言うならば、この件には上位者は関係してません。

はい、15歳のヤンくんです。原作では大分強くなってやさぐれてましたが、この頃はまだよわよわです。というかほぼ一般人ですね。
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