「いいことだらけ」と言うけれど   作:ゲガント

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バイト等で忙しすぎて遅れてしまいました。取り敢えず、今週中にもう一話投稿出来るように頑張ります。早く研究所編に行きたいです。





それでは、どうぞ。


獣の主

「フンッ!」

「ガァッ!!」

 

バキィッ!!

 

エルが振るう拳は獣が振りかぶって来た腕へと吸い込まれるように入り、そのまま辺りに衝撃波を撒き散らしながらぶつかり合う。最初は互いに一歩も引かず、単純な力の押し付け合いとなっていたが、段々と押され始めたエルは迎え撃っていた腕の力を抜き、化け物の腕を受け流す。そこで一瞬出来た隙に懐に入れてあるナイフを化け物の頭目掛けて投げつけた。

 

「ギガァッ!?」

 

エルの手元から消えるような速度で放たれたそれは獣の眉間に突き刺さる。刃渡り15cm程のナイフがほぼ見えないため、相当深く入ったのだろう。思わぬ反撃に獣は仰け反るが、次の瞬間には何事も無かったかのように動き始め、エルを押し潰そうと両腕を振り下ろした。事前に攻撃を予感していたのか難なく避けたエルは顔をしかめていた。

 

「………。」

「どうされました?」

「…………いえ、何でもありませんよ。」

 

いつの間にか隣にいたエノクに話しかけられるも、軽く返事をするだけでまた獣へと向き合った。こちらに狂ったような目を向ける弟子だった獣に対し、エルは鋭く睨み付けた。

 

「グルアッ!!」

 

そうしてまた獣が動き出す。

 

「シッ!」

 

飛びかかりを跳躍し避けたエルは真下を通った獣の手に別のナイフを突き立て、床と縫い合わせる。

 

「グギャッ。」

「喰らいなさい。」

 

そう言って獣の肩に向けて踵落としを決めた後、そのままの勢いで頭に向けて回転蹴りを喰らわせる。獣の体が勢い良く仰け反った事からもその威力がとんでもないということが分かる。すぐさま反撃に出ようとした獣だったが、脳を揺らされた影響かそれとも何度も自分を傷つけられた事に対する怒りか、もしくは人間だった頃の記憶の残り粕の影響か、エルの存在しか捉えられていない。警戒すべき相手がまだいたことに気がついていないのだ。

 

「よいしょー。」

 

メギャゴッ!!

 

そのため、エノクが後ろから殴りかかって来た事にも気づかない。片手で振り回していたローゲリウスの車輪は獣の胴体を抉るように捉える。不意を突かれた獣は横に吹っ飛ばされ、貫通したナイフによって手を大きく損傷したのであった。

 

「グルル「隙を作って下さってありがとうございます」ッ!?」

 

体をくの字に曲げて吹き飛んだ獣が顔立て直す前にエルは肉薄しており獣が顔を上げた頃には眼前に拳が迫っていた。

 

ドチュッ!!

 

抵抗する暇もなく、エルの拳は真っ直ぐ獣の頭に打ち込まれた。その際ナイフの柄を巻き込むように殴った為、より深く刃が入り込む。頭の中を掻き分けながら進むナイフの側からは大量の血が吹き出し、エルの腕を赤く染めた。

 

「アGaッ。」

「…………………。」ガシッ

 

獣の肩に乗り、無言のままナイフの柄を掴むエル。獣は何かを考える頭を貫かれているため、動く事が出来ない。そして、

 

ブチッ

 

 

ドグシャッッ!!

 

その腕をナイフごと真上へと振り抜き、獣の脳や体液を撒き散らし大量の血液の噴水を作り出した。エルは獣の血を真正面から受ける前に、床へと着地しその手に持つナイフを握り直しながらそれを見つめていた。

 

「……さぁ、来なさい。」

「………………………。」

 

獣がゆっくりと姿勢を戻し、前足を地面に着ける。その体からは肉がぐちゃぐちゃになるかのような不気味な音が響き続けていた。首を無くし、もう体を動かす指令を出す脳自体が潰された筈だが、その動きには明らかな意志があった。

 

グチャッ  バキュッ     ゴギギャッ

   ドチュッ   ズシャッ

 

未だに血が滴る首から、途切れ途切れに血が吹き出し始めた。のっそりと動く体は不自然に膨張したり、皮膚の下で何かが動き回るような様子が見受けられた。やがてそれが治まると今度は頭を下げるような姿勢を取り始め、唐突に震えだした。それを見た二人は今すぐにでも動けるように体勢を整える。

 

ゴギッ

 

そうして決定的な何かが折れたような音がした後、

 

 

 

「キシャァァァaaaaッッッ!!」

 

 

 

巨大な寄生虫が首の断面を食い破って飛び出した。

 

「何ともまぁ……醜悪な。」

「シンプルに言いましょうよ、気色悪いって。」

「否定はしませんが、少なくともあの体はあの子の物なので………あまりそう言った事は口にしたくないですね。」

「でしたら、こう考えてみては?『大切な人の体を好き勝手されている』って。」

「………成る程。」

 

エノクの言葉を噛み砕くように思考に浸るエルに向かって寄生虫が襲いかかる。その先端にある口は鋭く尖る牙を携えており、獲物の肉を食らいつくそうとその顎を開いた。しかし、その刃は何にも捉える事無く空を切る。寄生虫が認識を更新した時には、既に二人は体をひねり避けていた。目がないからか、視認することは出来ない為寄生虫が気付く事は出来なかったが、既にエルは腕を一切の迷い無く振り下ろしていた。

 

「ならば、早々にこの虫を始末しなくてはなりませんねぇ。」

 

ドチュッ!!

 

エルの手刀は寄生虫の体を捉えるも、切断するには至らなかった。危機を察知し二回目の手刀が来る前に体を引き、頭を下げようとする寄生虫だったが、その直後に傷を負った場所とは別の箇所へ衝撃が走る。

 

「そうですね、まぁ先ずは動きを鈍らせる事から始めましょうか………また獣血の主と戦うことになろうとは。」

 

そこにいたのは担いでいた車輪を自らの力等を乗せて振り下ろしたエノクだった。エルへと声をかけながら放たれたその一撃は寄生虫………獣血の主に取り付かれたフィクサーだったものの胴体に入った。

 

「回れ。」

 

それと同時に車輪の仕掛けが動き出す。エノクの言葉に呼応するように並んでいた二つの車輪のうち片方が獣の肉を巻き込みながら回りだし、禍々しく赤黒い何かを解き放った。

 

「回れ、回れ、回れ。」

 

獣の血を撒き散らしながら車輪を回転させるエノク。禍々しいオーラは凝縮され続け、最終的に車輪が見えない程にまでその存在を濃くしたのだった。その後、一度獣血の主を蹴って離れたエノクは車輪を両手で構えると、今の車輪と似たようなオーラを発する処刑人の手袋を自分の手の位置に直接出現させ、身に纏った。その際、車輪と手袋のオーラが反発するような動きが見えたが、エノクは気にせず口を動かし始めた。

 

「………呪いよ、怨念よ、血を喰らい命を削れ、新たな魂を汝らが同胞へと導け。」

 

ガァァァァァァァァァァ

 

エノクの言葉に呼応するように呪いが吼える

 

「回れ、回れ、回れ、回れ、回れ、回れ、回れ。」

 

一度静止した車輪が独りでに動き出した。その回転は車輪に宿った怨念を巻き込むことで渦となる。

 

「廻れ、廻れ、廻れ、廻れ、廻れ、廻れ、廻れ。」

 

最早ローゲリウスの車輪としての面影は形位であり、そう思わせる程にどす黒いオーラが凝縮されたそれはおおよそ無機物が擦れる際に立つ音とは程遠い何十人もの人間の呻き声のような音を立てて回転し続ける。触れた物全てを削り取るような勢いだ。普通の人間であれば見るだけで気を失い、近くに立つだけでその渦巻く怨念に当てられて発狂してしまうだろう。

 

「くるくる、くるくる、くるくるり。」

 

しかしそんな呪いの塊のような物を手に持つ少年(狩人)は一切怯んだ様子は無く、それどころか回転を加速させてゆく。ぐるぐる等と言う可愛らしい擬音なんて物はとっくの昔に失われていた。そんな危険物を片手に、エノクは天使のような笑みを浮かべ、抉られた部分を押さえる獣血の主に向けて問いかけた。

 

「さぁさぁ汚らわしい虫さん?

 

呪いと一緒に流れて消えるか

 

それとも渦の中で千切られるか

 

どっちが良い?」

 

昼食の献立の希望でも聞くかのような穏やかな表情でこの世の地獄を凝縮したような武器を担ぐというほぼ矛盾しているような状態のエノクに対し、獣血の主が選んだのは

 

 

 

「ギシャァァァァァッ!!!!!」

 

 

 

理性の欠片もない特攻であった。支配し、操っている元の肉体が優秀なのか、振るわれた腕の風を切る音は生物が出して良い物ではない。しかしエノクは余裕の笑みを崩さない。

 

「そっかそっか、どっちもがご希望なんだね。獣らしくて、欲張りだね。でもあの人は体の持ち主の遺品が欲しいみたいだから、3/4殺しで赦してあげる。」

 

肩に担がれたまま廻る呪いの車輪の真ん中を掴んだエノクは、それをそのまま上に掲げた。

 

「呪いよ、怨念よ、そこにいるのは怨敵と成り果てた者、憎き虫によって姿を変えられた者、呪いよ、怨念よ、廻れ、廻れ、廻れ、廻れ。」

 

上向きの車輪はさらに加速し、渦巻く呪いは濃度を増す。そして、獣血の主の拳がエノクを捉えようとしたその瞬間に合わせるように回転する車輪の面をぶつけた。

 

 

 

ガチンッ

 

 

 

 

 

開いた車輪が閉じる。

 

 

 

 

 

ドチュッ

 

 

 

 

 

獣の腕は消し飛んだ。そして

 

 

 

 

 

 

 

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

呪いは解き放たれた。鼓膜をつんざく奇声、叫びは辺りを揺らし、周囲の生物に本能的な不快感を与える。エノクによって「命を削れ」と産み出された呪い達は、一番近くにいた生物……獣血の主へと殺到する。振り払う腕を失くしている獣血の主は抵抗する暇も無く大量の呪いの波に飲まれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いてて………久しぶりにやったなぁ…………車輪もガタガタだし、暫くこれは使えないかなぁ。」

「…………申し訳ありません、これは…一体?」

 

獣血の主が大量の呪いに纏わりつかれ、団子状態になっている傍ら、少し顔を歪ませるエノクにエルが呆然としながら話しかける。目線は呪い団子に釘付けである。問いかけられたエノクは答えた。

 

「呪いです。今回の場合は、種類の違う呪いを手袋を介して混ぜて爆発力を高くするようにして、攻撃を受けてそこから呪いが吹き出すようにしてました。」

「呪い……ですか。」

「僕らが使うのはあくまでも借り物ですよ。それに、これは早期決戦を狙う技ですし………ほら。」

 

そう言って差し出されたエノクの肘から先はあらぬ方向へとへし折れ、潰れたように血を吹き出していた。何とかその腕に抱えられたローゲリウスの車輪は罅が入って軋んでおり、固いものにぶつけた瞬間ボロボロに崩れ落ちそうな様子だ。その様子を見たエルは目を見張った。

 

「大丈夫………には見えませんね。」

「えぇ、車輪の修理急がないといけませんね。」

「いえ、貴方の腕の事ですよ。」

「?」

「何故首をかしげるのですか。明らかな重症でしょうに。」

「…………あ、そうですね。まぁ大丈夫ですよ、どうにかなりますから。それよりもあれを。」

 

自分の話題から話を反らすエノクが指を差した方では、呪いが少しばかり収まって獣血の主の姿が見えてきていた。

 

「………カウンター一撃であそこまで相手を追い詰められるものなのですか。」

 

寄生していた体は無数の裂傷や抉られたように無くなった肉、そこから溢れだした内臓、消し飛んでいなかったもののエノクの手以上に悲惨にぐちゃぐちゃになっている手足等、目も当てられないような様子になっていた。その上、今も呪いによる体の崩壊は続いている。

 

「あ、そうでした、こちらを。」チャリッ

「はい?」

「一応回収しておいたネックレスです。遺品……という形になるんですかね?」

「………お気遣い、ありがとうございます。もう少し、そちらを持っていて貰えますか?」

 

無事な左手で差し出されたネックレスに悲しそうに微笑んだエルは受け取らずに歩を進める。その先には体がピクリとも動かない獣血の主がいる。その手前で立ち止まったエルはゆっくりと口を開いた。

 

「まだ、生きているのでしょう?」

「…………………………………。」

「いい加減、出てきたらどうですか。最早貴方が勝つ術などありません。」

「…………………………………。」

「……………さっさと出て来るといい。他人を頼ることでしか生きることの出来ない欠陥生物が。」

 

その声に怒りを滲ませながら発した言葉は、体内に引っ込んでいた獣血の主にまで届いていた。そして、その言葉に込められた侮蔑と軽蔑の意味までも。

 

「…………………キシャァァァァァァッッ!!

 

体の持ち主の意識は当の昔に消えており、自分の事であることを自覚した獣血の主は激昂して飛び出した。その様子は、最初にエルへ食らいつこうとした時の再現であるかのようだった。

 

「これで終わりです。」

 

ジャキッ

 

エルの腕が残像を見せて消える。遅れて聞こえて来た斬撃の音と共に、獣血の主はエルの眼前でその動きをビタリと止めた。

 

 

 

 

ザウッ!!!

 

 

 

 

 

次の瞬間、獣血の主は横一文字に真っ二つになった。その際、エルの方にも血は飛んできたが、新たに服が汚れた様子は一切ない。

 

 

ベチャッ

 

 

獣血の主の肉と血が音を立てて床に落ちた。この部屋にいた最後の蟲は駆逐されたのであった。

 

 




カインハーストと処刑隊の装備ってそういえばどちらも呪い関係のやつあったなぁ…と思った結果こうなりました。後、エルさんは手刀で最後の奴をやりました。

エノクはローゲリウスの車輪に宿った怨念をベースに獣血の主の血を媒介にして喚ばれた処刑隊の手袋の怨念を加えてそれをエネルギーとして車輪をぶん回してます。そんでもってその回転を呪術的なエネルギーとして、新たな呪いを産み出すために使い、半永久的に呪いを増やし続ける機関が出来上がります。作中ではエノクは普通に持っていますが、それは呪いを産み出した主であることと、存在自体が呪いよりも上位であるためで、普通の人間であれば触れるどころか近づくだけで呪いに飲まれて呪いの一部となるか体が崩壊します。なお物理的にはノンストップで回転が加速し続けるので、触れられたとしても消し飛びます。止める方法としては呪いを解放・浄化する位しか無いです。代償として、武器の消耗が激しすぎること等が挙げられます。一回使っただけでぶっ壊れるのはざらで、最悪武器自体が消し飛びます。ついでに使用者の腕もぶっ飛びます。

なお、ずっと「廻れ」だとか回転に関する事がでていたのは、呪いを永久機関に例えているからです。最初に加えるエネルギーと操作に関する力を除けば、無限に呪いは増え続けます。まるでヤーナムの街を蝕んだ病のように。いつまでも治まることのない人の恨みのように。傍迷惑な神の愛のように。





エノクくんは戦闘になるととことん自分に無頓着になります。上位者に片足突っ込んだ狩人であるがゆえ自分の体はどうとでもなるのでしたがないとも言えますし、好き好んで怪我をしたい訳では無いのですが、優先順位はリサ、その次に知り合い、その後に自分です。普段は怪我をしないようにしてますが、それは「これ、見たくないだろうなぁ」という相手に対する気遣いによるものです。そのためか、狩人時代ではリサを庇った事が死因となることが多かったそうです。
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