「いいことだらけ」と言うけれど   作:ゲガント

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やっぱり話を思った通りに書くのは難しいですね。自分の表現力が乏しいのもありますけど。





それでは、どうぞ。


工房

「外郭の出身?珍しいな、外郭に捨てられる奴は何人も居たが外から都市に移った奴は早々見ないぞ。まぁ外郭に事務所を構える連中も居るには居るが。」

「まぁ物心ついた頃には都市には居なかったもの。そもそも育った所もこの都市から隔絶された場所だったし。」

「隔絶……どういう意味だ?」

「うーん……そうですね、なんと言えば良いか分かりませんけど、取り敢えず今はもう滅んでいるので気にしないで下さい。自分の知る場所が無くなるのはこの都市では良くあることでしょう?」

「……まぁいい、無理に聞くような内容でもない。」

 

狭い路地で遭遇して十数分後、三人は歩きながら言葉を交わしていた。まともな相手には基本的に丁寧に接するエノクと害意の無い相手には割とフレンドリーなリサに毒気を抜かれたのか、カーリーは多少警戒心を解いた様子であった。

 

「それよりも気になってるのはさっきお前らが使ってた武器の事だ。」

「物珍しいって話?」

「それもあるが、一番の問題点は『銃を持っていること』だぞ?」

「「?」」コテッ

 

揃って首をかしげるエノクとリサ。

 

「仲良いなお前ら………頭が課したルールを知らないのか?普通の武器は特に許可が要るわけでもないが、銃器に関しては馬鹿みたいに細かい規制を全て満たした状態じゃないと撃った瞬間即アウトだ。確か、「頭の許可を得ている所から購入したものである」とかそんなんだったな。かかる税金もかなりの物だからな、普通に身体強化の施術をして近接武器を使った方が速いし安く済む。」

「あーだからこの都市で銃を使ってる奴全くって言って良い程居なかったのね。」

「事実だからな……で、だ。私としてはその銃をぶっぱなせる理由が気になるな。その歳でフィクサーとは言え、事務所にも所属していない子供が銃を持てる訳がない。あまり突っ込まんが下手に目をつけられても迷惑だろ?」

「……つまるところ人前で銃を使うなって事ですか?」

「そういうことだな。というかその言い方からして違法なのか、それ。」

 

カーリーが呆れた目線を向ける先にはリサの手によって弄ばれる獣狩りの短銃がある。トリガーガード部分に指を引っ掻けて器用に回し、暫く続けた後上方に投げ、落ちてきたところをグリップの部分を持って受け止めた。そのままコートで隠すようにして虚空へと仕舞った。

 

「まぁ都市の外から持ち込んだ物だし。ルールの適応外だったら楽なんだけど。」

「博打は止めろ、私まで巻き込まれたらどうする。そこらの雑魚に負ける気は無いが、流石に頭の持つ戦力差し向けられたら命があるかどうかわからないぞ。」

「ふーん……何?その頭の持つ戦力って。」

「「爪」だとか「調律者」なんて言われる連中だ。個人個人が中堅フィクサー事務所を壊滅させられるような実力を持ってる。それが数百単位で居る。」

「へぇ、そんなのが居るのね。」

「一回位は戦ってみたいですね。」

「私の話聞いてたか?そいつと戦うってことは頭から抹殺命令が下されているってことだぞ。」

 

都市に住む人間であるならば誰もが警戒する存在の話を聞いて何故そのような答えが返って来るのか疑問に思うカーリーは奇妙なものに向ける目で二人を見ていた。しかし、当の本人達は

 

「どうとでもなるわよ。最悪この都市以外の場所を探せば良いし。」

「どっから出てくるんだその自信は。」

「実体験ですかね?」

「なんだそれ………っとここだな。」

 

会話もそこそこに、目的地の前で足を止めた三人。見上げた先には『木の葉工房』と書かれたポップな看板が掛けてあった。

 

「なんというか、ここらの治安に対して雰囲気の場違い感がありますね。」

「気にするな。実績のある工房の連中に常識を求めても無駄だからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヤエ社長、また修繕依頼が入って来ましたよ。」

「あー、今こっち忙しいから新入りの子に手伝わせながら作業に取りかかっといて~。」

 

金属を叩く音や削る音、スチームパンク風の制服を身に纏う従業員達の話し声が響く室内。客の姿もちらほらと見え、なかなかに繁盛しているようだ。その対応カウンターの一角にてシルクハットを被り、機械じみた被り物をした人物が大きめのジュラルミンケースに様々な道具や武器を詰めていた。社長と呼ばれた体つきから女性とわかる人物……ヤエは新しく扉が開く音に反応して入り口の方へと振り向く。

 

「いらっしゃいませ~。本日はどのような御用事で?新しい武器の購入?修繕?それとも武器の特許の買い取りについてでしょうか?」

「違う、依頼で来たフィクサーだ。ここの工房長に繋いでくれ。」

「必要無いよ~。」

 

入ってきたカーリーは対応する従業員に用事を伝える。そうして依頼主を呼び出そうとするがそれよりも早く、カウンターにのせたジュラルミンケースを閉めてカーリーへと近づいて来た。

 

「やぁやぁやぁ!この度は依頼を受けてくれてありがとう!私は木の葉工房の社長をやってるヤエだよ。」

「カーリーだ。早速依頼の話をしてくれ。」

「勿論だとも!取り敢えず腰を据えて話し合おうか。お茶位なら出すからさ!おっと?」

 

おどけたように話しかけたヤエだったが、ふとカーリーの後ろから店の中を覗き込む二人に気がついた。

 

「そっちの子供達は?」

「私の連れだ、まぁ戦力として数えてもらったら良い。そこらのチンピラ位なら軽く捻れる。」

「よろしくお願いします。」

「よろしく。」

「よろしくね!……んぉ?」

 

二人も招き入れ、そのまま振り返ろうとするヤエであったが、その際にエノクの方向を見て声を漏らしながら固まる。その後、何やら興奮した様子でエノクに詰めよった。

 

「ねぇねぇねぇねぇ!そこの君!ちょいとばかしそれを見せてはくれないかい!?」

「ちょっと、いきなり何よ。エノクに何する気?」

 

奇行に走るヤエはそのままエノクに詰め寄ろうとするがその前にリサによって阻まれる。尚、カーリーは面倒な事になるのを察知して横に避けてその様子を傍観していた。

 

「君とお似合いの彼氏くんが後ろに提げてる武器の事が気になるんだ!見たところ刀だろう?存在自体は知ってるし、シ協会が使ってるのを見たことはあるけども製造方法が明かされてないもんでさぁ、もしよかったら売ってくれないかなぁ?」

 

その言葉にエノクは困ったような笑みを浮かべる。

 

「すいませんがお断りさせていただきます。」

「おや、君の言う価格で良いけど?それとも誰かの形見?」

「そういうことではなくて……呪われてますから、解体して解析しようとすると最悪死にますよ?」

「おっと厄ネタ~、そんなの使って大丈夫なのかい?」

 

軽いノリで聞いてくるヤエに対し、エノクはニッコリと笑みを浮かべながら刀の柄に手を掛け、そして少しばかり引き抜いて刃を覗かせる。

 

「問題無いですよ、従えてますから。」

 

ズオッ!

 

瞬間、光を反射していた刃は一瞬で血のように赤黒く染まりおぞましいオーラを発し始めた。

 

キンッ!

 

「ご理解いただけました?」

「……オーケーオーケー、それが普通じゃないってことはわかった。取り敢えず今回は諦めることにするよ。」

「他の刀も大抵こんな感じなのできっちり諦めてくださいな。ほら、それよりも依頼の話をするのでしょう?」

「おっとそうだった!さ、入って入って!」

「………何の茶番だったんだ?」

 

一連のやり取りを眉をひそめながら見ていたカーリーだったが、やがて諦めたかのように肩を落としウキウキと歩くヤエの後に続いた。

 

「じゃあ僕らも行こうかリサ………リサ?」

「お似合いだなんて……まぁ勿論その通りだし?これはもう自他共に夫婦って事ね、間違いないわ。取り敢えず狩人の夢に流れ着いた本で見た結婚式の準備をしとかないといかないわね、神に録な奴がいないからそこら辺はどうでもいいけどウェディングドレス姿でエノクとうふふふふふふふ………。」

「…………えい。」ムギュッ

「むひゅっ………ふぁひふんほほ(何すんのよ)。」

「トリップしてたから呼び戻しただけ。僕らも話を聞いておかないとね?」パッ

「………あぁ、忘れてたわ。」

「ほら、行こう。」

 

そう言ってエノクはリサの手を掴んで歩き始めたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで依頼にあった通り、取引相手は中指でいいんだな?」

 

応接間にてソファに座るカーリーは机を挟んで向かい合うヤエに向けて口を開く。その問いかけに対し、ヤエは明るい口調とテンションのまま返答した。

 

「その通りさ!しかも近々抗争があるらしくてね、今回はその武器の売り込みだよ!」

「……下手すればほかの指に狙われるぞ。」

「それも承知の上なんだ。だから君を雇ったし、向こうに高い金を吹っ掛けられる。」

 

依頼主と契約者が会話を進めていく途中、カーリーの座るソファの背もたれから顔を覗かせたリサは口を開いた。

 

「ねぇ、中指って?」

「裏路地を牛耳る組織である指の一つだ。お前らも一度位は指に関する話は聞いたことがあるだろ?」

「人差し指についてなら。」

「どの程度だ?」

「「指令」が絶対でしたっけ。それをこなす限りその組織の恩恵を受けられるとかなんとか………あと、「指令」を達成しなかった者は殺されると。」

「親指も上の命令が絶対な点では似たようなもんだな。まぁ面倒臭さはダントツだが。」

「ハナ協会から出されてる「最も絡みたくない組織ランキング」堂々の一位だしね。」

「フィクサー調べ?」

「そんなところさ。」

 

カーリーは話を続ける。

 

「それで、中指はその二つとは別の指だ。親指と人差し指の戦力には流石に及ばないが、協会位の人員はある。組織の人間同士を兄弟って呼び合うイカれた奴らだ。和を乱せば即座に原因を殺すがな。」

「ふーん……で?そいつらに武器を売りに行くってことで良いのよね?」

「指同士の抗争なんて珍しいもんでもないからな。一つ問題があるとすれば……。」

「武器を売る私達も狙われるって事位だね!何なら売る相手から狙われることもあるし!」

 

アッハッハ、と笑うヤエを指しながらカーリーは後ろで待機していたエノクとリサに向けて口を開く。その表情には呆れがにじみ出ていた。

 

「こいつは軽く言ってるが、指といざこざを起こせば確実に厄介な事になるから平穏に生きたいなら気を付けろ。」

「成る程、向こうが諦めるまで返り討ちにしろと。」

「話聞いてたか?」

「相手は一度死ねば終わる人間でしょう?例え一度抹殺対象にされたとしてもこちらから手出しせず向かってきた方を殺せばそのうち止まりますよ。そもそも僕らは敵対していない方を無意味に殺す趣味など無いですし。」

「もう、エノクってば。バレないように殺ればいいだけの話じゃない。」

「………本当に、どっから来るんだ、お前らのその自信は。」

「アッハハハハハ!面白い子達だね!」

 

ひとしきり笑ったヤエはソファから立ち上がるとカーリーへと手を差し出した。

 

「取り敢えず、護衛よろしくね。こっちの人員も何人か動かすけど、君が一番強いだろうから。」

「……依頼を受けた以上、仕事はする。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、言わなくて良いの?」

「何の話だ。」

「私の持ってた銃の事よ。」

「あぁ……あいつに話してみろ、絶対に一日は拘束されるだろうよ。刀だけであれだったんだぞ?私の利にもならない事をする気はない。」

「成る程?」




油断するとカーリーの部分をゲブラーと書きそうになってます。

はい、希望が来ていた木の葉工房です。ガッツリ話に組み込んで見ました。LibraryofRuinaのmodの情報を元に書いてるのでおかしな所があるかもしれませんが、そこら辺はご理解下さい。


そろそろ激しい戦闘が書きたいです。
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