内気な歌姫   作:アッシュクフォルダー

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第十九話 絆を育てるには

内田鈴菜は小豆沢こはねと青柳冬弥と一緒にお出かけしていた。

 

「今日は買い物日和だな…」

 

「そうだね。青柳くん、買い物に付き合ってくれて、

ありがとう」

 

「大丈夫だ。後、内田さん、初めまして、

青柳冬弥です。小豆沢が世話になっている」

 

「う、内田鈴菜です…よろしくお願いします!」

 

「あぁ、よろしく頼む」

 

そうこうしているうちに、小さな女の子が泣いていた…

 

「…!近くで女の子が泣いている!」

 

「何かあったのかな?」

 

「声を掛けてみよう」

 

と、鈴菜が声を掛ける…

 

「えっと…どうかしたの?」

 

「おかあさんとケンカしちゃったの…」

 

「何か問題がありそうだな…」

 

と、冬弥が深刻そうに考えていた。

 

「何があったのか、詳しく聞かせてくれないかな?

私達でよければ…」

 

どうやら、その女の子は、母子家庭であり、

施設に通いながら母と暮らしている、

小学二年生の7歳の女の子であるそうだ。

 

「それで、お母さんと、

事ある事や、些細なことで喧嘩をすると…

俺がどうにかしないと!」

 

「青柳くん?」

 

「俺もそんなことがよくあった」

 

「えっ?おにいちゃんにも…?」

 

「あぁ、だが、今は和解が出来た。

父とも分かり合えることが出来た」

 

「そうだったんだ…」

 

「お母さんと話し合ってみるのはどうだ?」

 

「それが…おこってばかりだから、なかなか…」

 

「そうか…困ったな…」

 

「俺たちが力になるには…

あっ、俺たちが会いに行くのはどうだ?」

 

「えっ?」

 

「それは、ちょっと…」

 

「でも、このままにする訳にもいかない」

 

「青柳さんの言う通りです。

困っている人を見過ごす訳には、いきません。

今はその時です!」

 

「そ、そうだね!わかった!

もしよかったら、私達でよければだけど…

お母さんに会えるかな?」

 

「わかった。おねーちゃん達、ありがとう!」

 

そして、その女の子の母親が住んでいる、アパートの一室へ…

 

「ここが…」

 

「おかあさん!」

 

「この人たちは?」

 

「…おかあさん!おねえちゃんたちの話を聞いて欲しいの!

どうして、いっつも怒ってばっかりなのって!」

 

「…聞かせてください」

 

「実は…」

 

その子の母親は、家事や仕事に追われて、

娘にキツク当たってしまい、施設に入れてからも、

会う暇が無く、どうして自分は娘を愛せれないのか、

そして、捨てようと考えてしまうのか、

親が子を捨てた事例の動画ばかり観ているせいで、

色々なニュースを、あちらこちらから見ているせいで、

精神状態が悪化しつつあったらしい。

 

「そうだったんですね…」

 

「えぇ、本当はどうしたら、絆が生まれるのか?

そのことを、しばしば考えてしまう…

それに、親として、育てる自信が無くなりそうで…

キツく当たってしまったのは、自信の無さからかもしれない…」

 

「そうだったんだ…」

 

「ごめん…私は母親失格だよ…こんな母親…」

 

「でも!わたしは!おかあさんがいないと…!」

 

「わかっている。ありがとうございます。

もっと、怒らずに、娘と接します。

それと時々で良いので、娘の顔を見に来てください」

 

「わかりました。お役に立てて何よりです」

 

「よかった…」

 

「話せてよかったね…」

 

子どもの為にも、親の為にも、人の役に立ちたいと鈴菜は思うのだった。

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