今日は、一歌ちゃんの家に遊びに行く日。
改めて、近くで、一歌ちゃんを見る。
ピュアな子だな…と、
そう考えていたら、一歌ちゃんに案内されて、
彼女の部屋にやって来た。
「わぁ!一歌ちゃんの部屋だ!」
「そんなに、面白いものは、無いと思うな」
「だ、だって、一歌ちゃんの部屋だよ!」
「ふふ、なにそれ」
一歌ちゃんは、楽しそうに笑い、
私まで、笑った。
「あっ、ジュース持ってくるね!」
「うんっ!待ってるね!」
そう言って、一歌ちゃんは、部屋から出ていった。
この部屋には、私一人だけだった。
改めて、部屋を見渡すと、
シンプルな家具や雑貨が、置かれていた。
一歌ちゃんらしい、部屋だった。
そこで、私は、あるものに気付く。
それは、一歌ちゃんのギターだった。
青いギターが目に入った。
カッコいいギターだなと、私はそう感じるのだった。
「カッコいいでしょう?おさがりのギターなんだ」
「一歌ちゃん!ご、ごめんなさい!勝手に見ちゃって…」
「ううん、大丈夫だよ、ギター見ていたの?」
「うん、すごくカッコいい!
私は歌う事しかできないから…」
「鈴菜の歌声はすごいよ、私の演奏や歌より、
ずっと、価値があるんだもん」
「そ、そんなことないよ!
でも、そう言われると、嬉しい!」
顔を上げて、一歌ちゃんの顔を見ると、
控えめな笑顔が、私の瞳に映った。
「あ!一歌ちゃん!この前の、CDありがとう!
すっごく、良い曲だったよ!」
「ほんと?よかったぁ…」
「うん、それでね…ちょっとだけ…ワガママ言っていいかな?」
「どうかしたの?」
「一歌ちゃんが、貸しててくれた、CD、
すっごく、一歌ちゃんに合った曲だと思うんだ!」
「私に?」
「そう、落ち着いていて…何て言えばいいのか、
わからないけど…一歌ちゃんみたいな曲だったな…」
「そんな、曲あったっけ?私には、わからないや…」
「そ、そんなことないよ!
本当に、直感だったから!その…もしよかったらだけど…
私と一緒に歌いませんか?」
「一緒に歌うの?」
「一歌ちゃんが、ギターを弾きながら、
私と一緒に歌うの!ダメ…かな?」
「うん、いいよ、嬉しいな、そんなこと言ってくれるなんて、
音色は変わるけど、私のギターで、伴奏が歌えそう」
「ほ、ほんとうに!?
私、一歌ちゃんと一緒に歌えるの?」
こうして、一歌は、ギターの準備をする。
チューナーを付けて、音程を合わせて、
軽い音出しをした。
「素敵な音色…」
「アハハ…ありがとう、鈴菜ちゃん、
じゃあ、歌ってみようか」
「うんっ!」
一歌がギターを弾きながら、鈴菜と歌い始めて、
とても、居心地のいい、音色が響き渡るのだった。