内気な歌姫   作:アッシュクフォルダー

3 / 31
第三話 一歌の部屋

今日は、一歌ちゃんの家に遊びに行く日。

 

改めて、近くで、一歌ちゃんを見る。

ピュアな子だな…と、

そう考えていたら、一歌ちゃんに案内されて、

彼女の部屋にやって来た。

 

「わぁ!一歌ちゃんの部屋だ!」

 

「そんなに、面白いものは、無いと思うな」

 

「だ、だって、一歌ちゃんの部屋だよ!」

 

「ふふ、なにそれ」

 

一歌ちゃんは、楽しそうに笑い、

私まで、笑った。

 

「あっ、ジュース持ってくるね!」

 

「うんっ!待ってるね!」

 

そう言って、一歌ちゃんは、部屋から出ていった。

 

この部屋には、私一人だけだった。

改めて、部屋を見渡すと、

シンプルな家具や雑貨が、置かれていた。

 

一歌ちゃんらしい、部屋だった。

 

そこで、私は、あるものに気付く。

 

それは、一歌ちゃんのギターだった。

 

青いギターが目に入った。

カッコいいギターだなと、私はそう感じるのだった。

 

 

「カッコいいでしょう?おさがりのギターなんだ」

 

「一歌ちゃん!ご、ごめんなさい!勝手に見ちゃって…」

 

「ううん、大丈夫だよ、ギター見ていたの?」

 

「うん、すごくカッコいい!

私は歌う事しかできないから…」

 

「鈴菜の歌声はすごいよ、私の演奏や歌より、

ずっと、価値があるんだもん」

 

「そ、そんなことないよ!

でも、そう言われると、嬉しい!」

 

顔を上げて、一歌ちゃんの顔を見ると、

控えめな笑顔が、私の瞳に映った。

 

「あ!一歌ちゃん!この前の、CDありがとう!

すっごく、良い曲だったよ!」

 

「ほんと?よかったぁ…」

 

「うん、それでね…ちょっとだけ…ワガママ言っていいかな?」

 

「どうかしたの?」

 

「一歌ちゃんが、貸しててくれた、CD、

すっごく、一歌ちゃんに合った曲だと思うんだ!」

 

「私に?」

 

「そう、落ち着いていて…何て言えばいいのか、

わからないけど…一歌ちゃんみたいな曲だったな…」

 

「そんな、曲あったっけ?私には、わからないや…」

 

「そ、そんなことないよ!

本当に、直感だったから!その…もしよかったらだけど…

私と一緒に歌いませんか?」

 

「一緒に歌うの?」

 

「一歌ちゃんが、ギターを弾きながら、

私と一緒に歌うの!ダメ…かな?」

 

「うん、いいよ、嬉しいな、そんなこと言ってくれるなんて、

音色は変わるけど、私のギターで、伴奏が歌えそう」

 

「ほ、ほんとうに!?

私、一歌ちゃんと一緒に歌えるの?」

 

こうして、一歌は、ギターの準備をする。

チューナーを付けて、音程を合わせて、

軽い音出しをした。

 

「素敵な音色…」

 

「アハハ…ありがとう、鈴菜ちゃん、

じゃあ、歌ってみようか」

 

「うんっ!」

 

一歌がギターを弾きながら、鈴菜と歌い始めて、

とても、居心地のいい、音色が響き渡るのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。