新・星のカービィ   作:小林ミメト

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1話:出た!ピンクの襲撃者①

ある夜、新旧それぞれの市外から少し離れたレン村長が昔、経営していたレン牧場で、放し飼いにされていた羊たちがカービィらしき人物にすべて食べられる(吸い込まれる)事件が発生した。

 

羊たちの悲痛な鳴き声を聞きつけて外へ飛び出した羊飼いが見たものは、骨だけになった哀れな羊たちであった。

 

「ウワアアアア!ぼ、牧場の羊たちがアアア!!」

 

嘆く羊飼いをよそにカービィらしき人物は逃げるように去っていった。

 

~ 数時間後の大統領邸 ~

 

大統領邸とはいっても、デデデ城をそのままパーム大臣改め大統領閣下がデデデとエスカルゴンそれに従者のワドルドゥ隊長、ワドルディたちを引き続き住まわせることを条件に、デデデの言い値で買い取っただけであるが・・・。

 

ちなみになぜパームは大統領になったのかと言うと、彼曰く宇宙中から注目されるようになったので国のあり方があやふやじゃいかんと、宇宙国際機構という宇宙の秩序を守らんとつい最近になって宇宙でも発展している先進国によって結成された組織に言われたらしく、協議の結果、トップがデデデじゃちょっと・・・という住民たちの意見からデデデには内緒で勝手に共和制国家として再出発をすることになったからだ。

 

そして、そんな大統領邸では今、カービィらしき人物の被害にあった国民たち(主にキャピィ族)が大統領一家の部屋にごった返していた。

 

「なんですって!?カービィが?」

 

あり得ないと言わんばかりに叫ぶのは大統領の娘フームだ。

 

子供の頃とは違い少しやせ形になり、肌とほぼ同じ黄色い髪は短く切っていて、毛先を黄緑色に染めていた。

 

服装は風呂に入った後のため、ピンクのネグリジェを着ていた。

 

「はい、大切に育てた羊を全部食べちゃったんです!」

 

羊飼いは涙ぐみながら訴えた。

 

「そんなはずはないわ!だってカービィは、18年前にメタナイトと一緒に魔獣の残党刈りのために宇宙へ旅立って今はこの星にはいないはずよ。それにこの星、いや・・・銀河をナイトメアの脅威から救った英雄よ。」

 

「まあまあ、フームや・・・みんなの意見を聞いてあげなさいな。」

 

フームの父親、パーム大統領が食事を中断して仲裁に入った。

 

「パパ・・・。」

 

パーム大統領は、ここ20年で老化してシワや抜け毛が増えた。

 

そして、昔はなかったシワは顔の至るところに刻まれ、頭のてっぺんの髪はすべてなくなっている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

フームが人々に話を聞くと、カービィの被害者を名乗る人たちが被害の状況を伝えた。

 

まとめると、飲食店での無銭飲食、畑の作物の半分、あるいはすべてを食べつくす、子供たちのお菓子を横取りすると言った具合だ。

 

「それは間違いなくカービィの仕業ゾイ!」

 

フームたちが部屋の入口の方を見ると、そこにはデデデとエスカルゴンが立っていた。

 

デデデは、腹巻の下にベージュ色の服を着ていること以外は20年前と変わらないが、エスカルゴンは、シワが母親と同じ位置に刻まれ、髭も白くなっていた。

 

「証拠はあるの?」

 

「デーハッハッハ!ワシの頭の中にあるゾイ。」

 

「それは証拠とは言わないわ。」

 

呆れるフームをよそにデデデは話を続けた。

 

「ワシの推測によると、カービィはサプライズのためにみんなに内緒で帰ってきたんだゾイ。だが、お腹が空きすぎたために数多くの犯罪に手を染めたのだゾイ。」

 

「いかにもカービィがやりそうなことでゲスな。」

 

デデデとエスカルゴンはケラケラと笑った。

 

「これじゃ埒(らち)が明かないわ!カブーに相談しましょう!!」

 

フームの提案にみんなは賛成した。

 

~ 数時間後、カブーの谷 ~

 

カブーの谷に鎮座するカブーは、未来を予知してププビレッジの住民に助言する偉大なる賢者の岩である。

 

そんなカブーはみんなが見ている中で荘厳な口調でしゃべりだした。

 

「ププビレッジの住民たちよ、何の用かね?」

 

パーム大統領は、みんなが沈黙する中ゆっくりと口を開いた。

 

「偉大なる賢者カブー殿、わが国民は重大な危機に直面しております。みんなの声の代表としてこの羊飼いの話を聞いてやってください。」

 

そう言って前に出された羊飼いは、緊張の面持ちでカブーに自分たちがカービィの被害に悩まされていることを訴えた。

 

「なるほど、だがその人物はカービィであってカービィではない。」

 

当然、みんな困惑のあまりざわめき始めた。

 

「それはどういうことゾイ?」

 

「ちゃんと説明するでゲス!」

 

「そのままの意味なのだ!」

 

皆が驚いて振り返ると、そこには見慣れたピンクボールが不気味な笑みを浮かべていた。

 




挿絵を変更しました。

これから挿絵を入れる時はしばらく手書きの直撮りにする予定です。
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