新・星のカービィ   作:小林ミメト

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11話:はだかのエスカルゴンR⑥

デデデは、カスタマーに殻の注文を終えた後、スマホを起動してエスカルゴンが映っている動画を見始めた。

 

「フフン、こんなこともあろうかと用意していたゾイ。さあ、ワシにありのままの姿見せるゾイ!」

 

実は、エスカルゴンの部屋には隠しカメラが置いてあって、デデデはこれでエスカルゴンを監視していたのだ。

 

だが、そこはどこか抜けているデデデ。

 

カメラが動いていないときは、天井に収まっているのだが、起動すると任意の場所からにゅっとカメラが出る仕組みになっていた。

 

そこをエスカルゴンに見つかってしまったのだ。

 

「ん?な、なんだこりゃ!きっと陛下の仕業でゲスね。」

 

エスカルゴンは、脚立を取り出すとカメラの真下に設置して、部屋の隅に置いてあった箒を持ってカメラを壊そうとした。

 

バシ、ガシャ、グシャ!

 

「わー!や、やめるゾイ!!」

 

ガシャーン!

 

「あー、また壊された!報道の自由を貫くマスメディアの権利を踏みにじられたゾイ!」

 

「やった!ついに壊れたでゲス!!・・・ってあらっ、あららら!」

 

カメラを壊したは良いものの、脚立から足を踏み外して戸棚のある前方向に倒れた。

 

「ひえええーーー!!!」

 

ドガシャーン!!

 

プリンは自分の部屋に行こうとしていると大きな物音がした。

 

「何?」

 

彼女は駆け足で音がした部屋の前まで来た。

 

「ここね。」

 

プリンがそーっと扉を開けるとそこに居たのは、割れた殻が散乱する部屋で一生懸命裸を破片で隠そうとするエスカルゴンの姿だった。

 

「あ・・・ちょっとだけよー。」

 

「キャー!ナメクジお化け!!」

 

プリンは顔を真っ赤にして持っていた鞄をエスカルゴンに投げた。

 

「アゲー!!!」

 

・・・・・

 

「アーひどい目にあったでゲス。」

 

エスカルゴンは、満身創痍になりながらもなんとか殻を接着液で元通りにして謁見の間へ向かった。

 

「陛下。」

 

「おー、エスカルゴン!ちょうどお前の殻をもとに戻す薬が届いたゾイ。」

 

デデデは、エスカルゴンに赤い粒が入ったナイトメア社のロゴ入りの瓶を渡した。

 

「ほ、ホーリーナイトメア社の薬じゃないでゲスか!?また魔獣になるのは嫌でゲスよ!」

 

「だまされたと思って飲んでみるゾイ。」

 

エスカルゴンは、その粒を口に入れて飲んだ。

 

「どうゾイ?」

 

「いや、どうと言われてもカラは自分では見えないでゲスよ。」

 

「おー!エスカルゴン、背中を見るゾイ!!」

 

「イヤ、だから見えないっつってんだよ!このー!」

 

「そんなことより、殻のヒビが消えていくゾイ!」

 

デデデの言う通り、エスカルゴンの殻の傷は見る見るうちにふさがっていった。

 

「ほ、ホントでゲスか!これで・・・。」

 

「何度でも殻を割れるゾイ!」

 

デデデはその場でくるくる回って喜びを表現した。

 

「違うでゲショー!何でそう言う発想になるかな。」

 

「ガハハハ!褒められたゾイ。」

 

「褒めてな・・・ヴッ。」

 

エスカルゴンは目に違和感を覚えて目を抑えながらうずくまった。

 

あまりの苦しみ方にデデデの表情は曇った。

 

「ど、どうした?何泣いているゾイ。」

 

「ち、チガウでゲス・・・目が、め、が・・・。」

 

「目?」

 

エスカルゴンは目を覆っていた手をどけた。

 

「陛下・・・タスケテ。」

 

エスカルゴンの目は緑、黒、赤、黄色の輪っかが何層にも重なった気味の悪い目をしていた。

 

「ギャアアアア!!!」

 

あまりの恐ろしさにデデデは悲鳴を上げた。

 

・・・・・・

 

一方、カービィはトッコリと一緒に自分の家でおすそ分けしてもらった果物や野菜を調理していた。

 

ちなみにカービィの家は、18年間不在だったときにトッコリがずっと管理していたので、すぐに住めるようになっていた。

 

「意外だな。」

 

「なにが?」

 

「昔のお前ならスイカやリンゴを丸呑みしていたのによ。」

 

「今もそれはできるけどメタナイトが・・・戦士たるもの料理の一つや二つは作れるようになるべきだとか言って・・・。」

 

カービィは今、増設したオーブンや台所を使っておやつのアップルパイを作っていた。

 

その時、フームがカービィの家に転がり込んで来た。

 

「のわーっ!な、なんだぁ!?」

 

「あ、フームなのだ。どしたの?」

 

「カービィ!トッコリ!とにかく私を匿ってちょうだい!!」

 

そう言ってフームはベッドの下に潜り込んだ。

 

カービィはベッドの下を覗き込んだ。

 

「フーム、困っているなら力になるのだ!」

 

「お前、何に追われてるんだ?」

 

「じ、実は・・・。」

 

その時、扉を叩く音がした。

 

「ハーイ、今行くのだ。」

 

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