扉を開けるとそこに立っていたのは黒ずくめの三人組だった。
「えっと、君たちは誰なのだ?」
「初めましてやな。星の戦士カービィ殿。わいは魔多蛇尾組の若頭でトラっちゅうもんや。」
「我々はフームという黄色のセミロングのキャピィ族の女を追っているにゃ。」
「この家に駆けこんだのを見ました。こちらへ渡してもらいましょうか?」
「なんだお前ら、次から次へと訳の分かんねえことを・・・。」
「小鳥風情は黙っていろ。食われてえのかアア!?」
トラがすごい剣幕で怒ると、トッコリは慌ててカービィの後ろへ隠れた。
「一体、フームが何をしたというのだ!?返答次第では・・・。」
「借金や。その額ざっと1000万デデン!」
「「い、1000万!?」」
「しかも、期限を一年過ぎても一向に払おうとしないんにゃ。」
カービィの三人に向けた険しい顔がベッドからこっそり顔を出したフームの方へ向く。
「フームさ~ん。」
「は、はい。」
「子供の頃にブンがホッヘのおもちゃを借りパクしたときにこう言って怒ってたよね。」
「あら~、あ、あたしなんて言っていたかしら?」
「借りたものはどんな理由があってもちゃんと返しなさいって・・・。人のこと言えないのだ。」
「ごめんなさい。」
カービィはため息をつくと、謝るべきはこの三人へだと言って彼らにフームに一か月に10万デデンを返済させることを約束した。
「君たちもそれでいいか?」
「ええで、ええで、カービィ殿から言ってもらえるんやったら安心や。」
「コレで、ボスにも報告出来るにゃ。」
「んじゃ、帰りましょうか。」
そう言って三人は家を後にした。
「お前って信用されてんだな。」
「まあね、だからフーム。一か月につき、奴らに10万デデン!振り込まないと僕の信用に泥を塗ることになるからね。」
「・・・いじわる。」
フームはくるまっているシーツから顔を出しながら脹れた。
「僕を利用して奴らを撃退しようとした君が言うセリフか?」
「ば、ばれてたのね。」
ズドーン!!!
突如として地響きが起きた。
「な、何?」
「なんだ、地震か!?」
二人と一匹が外に飛び出すと目に飛び込んできたのは、デデデ城を破壊しながら雄たけびを上げる巨大化したエスカルゴンだった。
まだ、家のそばにいた三人組も戦慄していた。
「たーすけてくれゾーイ!」
エスカルゴンの右手にはデデデがいた。
「カービィ!」
「うん!」
フームとカービィは顔を見合わせて頷いた。
「来て!ワープスター!」
「ワープスター。」
カブーの口からワープスターが飛び出すとカービィの家に向かって飛んでいった。
やがてワープスターがカービィの家の前に着陸するとカービィとフームはそれに乗った。
「トッコリ!留守番頼んだのだ!!」
「あいよ、おいらに任せとけ!」
・・・・・・
カービィはフームになぜついてきたか問いただした。
「これでもあたしは冒険で鍛えているから少しは役に立てるかもよ。」
「わかったのだ。」
エスカルゴンの目の前に来ると、フームはカービィに降ろすように言った。
「いい考えがあるの。カービィはデデデの救出に専念して。」
「うん。」
フームの普段着はポケットがたくさんある探検服だ。
そのたくさんあるポケットの一つからパチンコを取り出してエスカルゴンの手に当てた。
「アデッ!」
あまりの痛さにエスカルゴンはデデデを手放した。
「ウワアアア!!」
真っ逆さまに落ちるデデデだが、そこへすかさずワープスターに乗ったカービィに助けられた。
「た、助かったゾイ。」
ワープスターから降ろしてもらったデデデは、フームにエスカルゴンの目の届かない草むらまで連れていかれて事情の説明を迫られた。
「ワシは何もしておらんゾイ!」
「じゃあ、なんでエスカルゴンはあんな化け物になっちゃったのよ。」
「エスカルゴンに殻を直す薬を飲ませただけゾイ!」
そう言ってデデデは赤い丸薬の入った瓶をフームに渡した。
「なに、これ・・・ナイトメアのロゴが入っているじゃない!」
「ドキッ!」
「それはロイコクローチの卵だ。」
突然上からダンディな声がした。
二人が上を見ると木の枝の上に仮面をかぶった一頭身の騎士が立っていた。
「メタナイト卿。」
「そのロリコンなんとかってなんゾイ?」
「ロイコクローチです陛下。彼らは宇宙の支配を目論むナイトメアによって開発された寄生生物、その赤い丸薬は卵で中には・・・おびただしい数のロイコクローチの子供が入っているのです。」
「イヤー!気持ち悪い~~!!」
フームは顔を青くしてデデデにその瓶を押し付けた。
「デェーイ、こっちに押し付けるな!愚かな人民を導く大王たるワシが寄生されたらどうするゾイ?!」
「私がデデデの代わりになるゾイ!」
「ふざけるでない!貴様はワシの金が目的だろーが!」
「落ち着け二人とも、このロイコクローチは甲殻類の生き物にしか取りつかないのだ。」
「な、なーんだ。」
デデデはそれを聞いてほっとしながらフームから瓶をもらった。
「そ、それなら安心ゾイ。だが、どうやってエスカルゴンをもとに戻せばよいゾイ?」
「それは・・・。」