新・星のカービィ   作:小林ミメト

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15話:ニンジャ、ヤミカゲ参上!②

日曜の心地よい昼下がりにカービィは、新市街にある中央公園でブームに乗っかって新設された忍者修行コースで、ホッヘと子供たち三人組(ヌルオ、ワカヨ、タレゾウ)と一緒に手裏剣の練習をしていた。

 

ホッヘは体が大きくなっても服装や麦わら帽子はそのままのようだ。

 

ヌルオはどこにでもいるごく普通のキャピィ族の現代っ子で、つば付きの青い帽子をかぶっている。

 

ワカヨは三人組の紅一点で大きなサイドテールが特徴、性格はややメスガキ気質あり。

 

タレゾウは、長い髪を後ろで束ねており毛先は乱雑に切りそろえられている。

 

服装は和服に刀と侍の様姿をしており、言葉も侍言葉(というより一昔前のオタクっぽい言葉)を使う。

 

「それ!」

 

「えい!」

 

「やあっ!」

 

「ぽよい!」

 

「とりゃ!」

 

5人ともてんでダメで、それほど小さくない的に誰一人として手裏剣が当たらなかった。

 

「ハハハ。子供たち三人はいいとしてホッヘとカービィ、お前らまるで成長していないな。大人として恥ずかしくないのか?」

 

バカにしたように笑うのは、近くのベンチでコーヒー片手にくつろぐブンだ。

 

今は、パトロールの途中で休憩のためここに立ち寄ったのだ。

 

「仕方ないだろ?第一次忍者ブームが起きたのは20年も前だぜ?あれ以来、俺は一回も手裏剣を握ったこともないし、する必要もなかったしな。」

 

「そうなのだ。」

 

「カービィはいいよな。忍者に変身すればいいんだから。」

 

「ホッヘ、フォローしてあげたのにそりゃないよー。」

 

「それよりブン、そんなに言うならお前がやれよ。」

 

「え?!」

 

ブンにとって藪蛇だったようで、明らかに動揺して冷や汗をかいた。

 

「あら、それはいいアイデアね。ホッヘ。」

 

そう言ってフームはブンの隣に座ってきた。

 

「「あ、先生!」」

 

どうやらフームは子供たち三人の先生のようだ。

 

「ね、姉さん。」

 

 フームは、借金返済の一環でプププ高校の歴史の先生をやっているのだ。

 

「ほら、私の生徒たちもあなたがやるところを見たいらしいわ。」

 

「い、いやー・・・俺はいま休憩中だし・・・ヴッ!」

 

だが、自分を期待のまなざしで見る子供たちと大人1人、ピンクボール1体の視線に耐えられなかった。

 

「あー!わかったヨォ!やりますよ!!やればいいんだろ!?」

 

いやいやながらも参加したブンだが、失敗したら恥ずかしいのか、もらった手裏剣で何度も的に向かって投げる動作をした。

 

「意外と真剣なのだ。」

 

「外したら恥ずかしいからね。」

 

わざと集中力を減らすためなのか、ホッヘとカービィはひそひそ話をした。

 

「頼むから集中させてくれ!!・・・行くぞ。」

 

ビュンという風を切る音とともに的の真ん中に手裏剣が命中した。

 

「す、すっげー!」

 

「やるやん。」

 

「ブン!言うだけあってすごいのだ!!」

 

「お前、どこでそんな練習したんだ?!」

 

「小生、感激したでござる。」

 

5人は素直にブンを称賛した。

 

「よかったじゃないブン!これで面子は保たれたわね。」

 

だが、当の本人は嬉しそうではなかった。

 

「い、いや・・・今のは俺じゃない。」

 

「・・・え?」

 

「私の腕は衰えていないようだったな。」

 

皆、驚いて声のした方を振り返ると、彼らの後ろの木の上に黒い忍者服を着た一頭身の男がいた。

 

忍者マスクと黒の頭巾の間から覗く吊り目は、不気味なほど赤く光っていた。

 

そして、子供たち3人以外はその容姿に見覚えがあった。

 

「お、お前は忍者ヤミカゲ!!」

 

「ヤミカゲってなんですかブンさん。」

 

「そうか、子供たち三人は知らないんだっけ。」

 

~ 筋肉署長説明中 ~

 

「20年前にそんなことが・・・。」

 

木から飛び降りたヤミカゲを警戒したブンは、子供たちを守るためにフームに安全な場所に避難させるように指示して、ヤミカゲに銃口を向けた。

 

「お前、何しに来た!?」

 

「安心しろ、子供たちを攫うようなことはしない。私の目的はカービィ、貴様にリベンジマッチを申し込む!」

 

「ぼ、僕に!?」

 

「そしてメタナイト、いつまで貴様はそこで隠れているつもり・・・だっ!」

 

ヤミカゲは、的が括り付けられた木の上に狙いを定めてクナイを投げた。

 

ガキィン!!

 

甲高い金属音がして木陰から彼が投げたクナイが落ちて地面に刺さった。

 

そして、その木陰からメタナイトが颯爽と地面に降り立ちヤミカゲのクナイを拾った。

 

「貴様はカービィと戦いたいと、そう言ったのか?」

 

「ああ、そうだ。それにお前とも戦いたい・・・なんなら、二人同時でも構わんぞ?」

 

「大した自身だな。だが、決闘ならお断りだ。」

 

「フン、年を重ねたせいで日和ったか・・・老いぼれめ。」

 

メタナイトは少し目を赤く光らせたがすぐに元に戻した。

 

「ヤミカゲ、貴様も耄碌(もうろく)したな。」

 

「ナニィ?」

 

「わからないのか?貴様みたいな我々星の戦士と手合わせしたいと思う愚かな連中は宇宙にはごまんといる。貴様一人に決闘を許可すれば、次々とそんなならず者たちが集まってくる。」

 

「そんな奴ら蹴散らせばいい話だ。ナイトメアを一度倒した星の戦士であるお前らならたやすいことだろう?」

 

カービィは首(?)を横に振って話した。

 

「そして、中には僕らを倒すために仲間に危害を加える連中もあらわれる。復讐に燃える奴らが生み出したさらに強力な魔獣だけでも手いっぱいになるのに・・・それだけはごめんなのだ。だから、リベンジマッチは申し訳ないけどお断りなのだ。」

 

ヤミカゲは少し考えるそぶりをした後、クククと体を震わせた。

 

「何が可笑しい?」

 

「私も謝る。一つだけ言い忘れていたことがあったよ。」

 

「何?」

 

ヤミカゲは、マスクから焼け焦げてボロボロになった一頭身の忍者が着られる赤い忍者服を取り出してカービィたちの目の前に投げ捨てた。

 

「このリベンジマッチは、お前たちが俺に復讐するための物でもあることを・・・。」

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