夜の静寂を切り裂くほどのサイレン音を鳴り響かせながら、ブン率いる第一警ら隊はカービィの捜索にあたっていた。
第一警ら隊に与えられた乗り物は、パトカー35台、軽装甲機動車10台、装甲車5台、重装甲車5台で、とても警察組織とは思えないほどの重装備がそろっている。
だが、今回は犯人を生かして捕らえるのが目的なので、パトカー3台で向かっていた。
彼らが裏路地に差し掛かった時、そこに見覚えのある丸い影が見えた。
パトカーのヘッドライトをハイビームにしてみると、そこに立っていたのはメタナイトだった。
「白をベースにした光る青線の入ったデザインのパトカーか・・・プププランドも文明化が進んだものだな。」
「メタナイトか、久しぶりだな!俺だ、ブンだ。覚えているか?」
ブンは部下の制止を聞かずにパトカーを降りた。
ブンはそこで妙な違和感を覚えた。
「あれ?お前、ギャラクシアはどうした?」
「ギャラクシア?何のことだ。」
「お前・・・メタナイトじゃないな!!」
偽メタナイトはブンに向かって剣を振り下ろした。
そこから出た波動は、一台のパトカーを真っ二つに切り裂いた。
「バレたか・・・ならば!」
偽メタナイトは、目にもとまらぬ速さでブンに斬りかかろうと距離を詰めた。
「署長さん!あぶない!!」
女性隊員は両手で顔を覆った。
「署長!!」
だが、剣を持った暴漢の対処に慣れているブンは、偽メタナイトの素早い動きに合わせて彼を組み伏せて無力化した。
「観念しろ!この偽物め!!」
「ぐむう・・・。」
「お前ら!何ぼーっとしている!早く落ちた剣を拾え!!」
「「ハイ!!」」
隊員の一人が剣を拾い上げたその時、カービィが前方から歩いてきた。
「カービィ!」
カービィは、突然剣を持っている隊員に向かって走り出し呆気に取られているスキに不敵な笑みを浮かべながら猫だましをした。
驚いた隊員から剣を取り返した。
「しまった。」
隙をついてブンから逃げ出したメタナイトに剣をあたえて彼にとんでもない提案をした。
「貴様に市民への虐殺を命じる。」
「御意。」
メタナイトは頷いた後、闇夜の中に消えていった。
「あ!待てコラ!!・・・おい!カービィ、なぜこんなことをする!?」
「我々、星の戦士に感謝もせずにのうのうと生きている奴らに生きる価値などないからだ!」
「何~?」
カービィはニヤニヤしながら両手を広げた。
「さあ、君たちが捕まえたい極悪人はここにいるのだ!」
「・・・全員射撃よーい!だが、絶対に殺すな!生かして捕らえるぞ!!」
激昂したブンは射撃命令を出した。
「てっ!!」
ブンと隊員たちは、素早くパトカーの影に隠れて威力を抑えたレーザーガンをカービィに向けて撃った。
カービィは高笑いしながらそれを驚異的なスピードでよけていった。
「何!?」
「無駄だ!そんな玩具で僕を止められるとでも思ったか!?」
カービィはブン隊長のところまで肉薄した後、思いっきり口を開けた。
「・・・!吸い込みが来るぞ、何かにつかまれ!!」
ゴオオオオという音ともにカービィの口に向かって強烈な風が吹いた。
風の強さに耐え切れなかった残骸と化したパトカーが吸い込まれた。
「カービィの吸い込み・・・始めてみた。」
「フッフッフ・・・。」
カービィはパトカーを飲み込んだ後、不気味な笑い声を上げながら闇のオーラのような物を纏った後にパトカーに変身した。
「カービィって闇を纏いながら変身するの?」
女性隊員の言葉にブンは首を振った。
「いや、昔はもっと違う変身の仕方をしていたはず・・・やはり貴様は偽物だったか。」
「今更気づいたのか脳筋ボーイ・・・。」
ピンク色のパトカーが喋った。いや、正確に言うとパトカーに変身したカービィが喋ったのだ。
「だがパトカーに変身したところで何ができる?」
「ひき殺すことぐらいはできるのだ!!」
そう言ってカービィパトカーはブンに向かって突進してきた。