ブンは突進してきたカービィパトカーを寸でのところでよけた。
カービィパトカーは、勢い余ってブンの後ろのゴミ置き場に突っ込んで、身動きが一時的に取れなくなった。
「く、クソー!」
「この隙に作戦を練るために一時撤退だ!」
「「了解!!」」
ブンは、隊員たちとともにすぐさまパトカーに乗り込んで発進させた。
「逃がさん!!」
何とかゴミ置き場から抜け出したカービィパトカーはアクセル全開で追いかけた。
・・・・・・
「署長、これからどうするんです?」
「パトカーが乗っ取られた時の対処法で行くぞ!」
そう言ってブンは無線を取り、スイッチを押した。
「こちら第一警ら隊!聞こえるか!?」
すると、どこかのパトカーが無線を傍受したようで応答があった。
『こちら第二警ら隊。どうした?』
偽カービィは、パトカーになっているのでこの無線のやり取りは当然聞いていた。
「ふっふっふ・・・丸聞こえなのだ。」
「我、アクアシトル・・・オーバー。」
『りょ、了解!・・・オーバー。』
「アクアシトル・・・どういう意味なのだ?」
カービィパトカーとブンたちの追いかけっこは数十分続いた。
そして、ブンたちのパトカーは建設途中の道路橋の手前で停止した。
「フフフ・・・さあ、追い詰めたのだ!」
「・・・。」
ブンは無言でパトカーから降りてレーザーガンを構えた。
「死にたいようだな・・・なら、望み通りにしてやるのだ!」
だが、カービィパトカーが十字路に差し掛かった時、横からパトカーが突進してきた。
「グホア!!」
そのまま、カービィパトカーは宙を舞い地面に激突した後、勢いで横方向に何回転もしてようやく止まった。
「ぐ、げ・・・オエー!!」
ボコボコになったカービィパトカーは徐々に元の姿に戻り、パトカーの残骸を吐き出した。
残骸はそのまま爆発炎上した。
荒い息を吐いている偽カービィにブンは手錠をかけた。
「これまでだ。偽物め!!」
・・・・
いまだに偽カービィを探しているフームたちに連絡が入ったのは、それからしばらくたってからだ。
フームの携帯が突然鳴り出した。
フームは連絡先を確認した後、電話に出た。
「もしもし・・・ブン?え、カービィを捕まえた!?」
四人の顔が明るくなった。
「おお!ついに見つけたのかゾイ!?」
「大手柄でゲスな!」
「・・・わかったわ!今、そっちに向かう。」
フームは携帯をしまうと、エスカルゴンに警察署に行くように指示した。
「了解でゲス!」
・・・・・・・・
警察署に着いたフームたちは、受付に許可を取って取調室へ向かった。
取調室の前には、ブンが腕を組んでガラスの向こうにいる偽カービィを睨んでいた。
「・・・・ブン!」
「あ、姉さん。」
ブンは表情を柔らかくしながらこちらを向いた。
「で、カービィは本物なのかゾイ?」
「いや、偽物だ。」
それを聞いて皆は安堵した。
「カービィが悪意を持って悪事を働くなんてことはしないものね。」
「だとしたら・・・あの偽物は何者でゲスか?」
「今、それに関して取り調べをしている最中だ。」
部屋の中には取り調べ警察官と補助者、そして被疑者として偽カービィの三人がいた。
取り調べ警察官は驚いた表情で席を立ちあがり、ドアを開けてブンのところへやってきた。
「どうだった?」
「ハイ・・・彼の後ろ盾の件ですが、彼が自分自身の口から署長に話したいと・・・。」
「わかった。」
「気を付けてブン!」
ブンは頷くと取調室に入っていった。
「・・・で、俺に話したいとはどういうことだ?」
偽カービィはにやりと笑った。
「僕のご主人様は、君が一番よく知っている奴だからね。」
「・・・・誰だ。」
「ナイトメア様だよ。僕はナイトメア様によって生み出された魔獣ネーマーなのだ!」
その名を聞いてブンは戦慄した。
「な、ナイトメアだと!?」
「あーあ、どうしよう。これで僕死んじゃうのかな~。」
「何が言いたい!?」
「お前ならわかるだろ?ヘマした魔獣の最後を・・・。僕の体にもそのチップが埋め込まれているのだ!ナイトメア様は常に我々の行動を監視しておられるのだ。だから・・・。」
すると、偽カービィの体が突然燃え始めた。
「ほーら、やっぱりね!ヒャハハハーハハハハーハァ!!」
何かを察したブンは、補助者を連れて取調室から飛び出した。
「何?何が起きたの!?」
「逃げろ!偽カービィが自爆するぞ!!」
「ええー!?」
皆は訳が分からなかった。だが、ブンの必死さから逃げないとやばいと察して出入口に向かって走り出した。
誰もいなくなった取調室で偽カービィは燃えながらケラケラと笑った。
「ハハァヒヒヒフフへヘヘホーッホッホー!ナイトメア様の復讐は始まったばかりなのだ。泣け、わめけ!絶望し、そして抗え!星の戦士たちよー!!」
その言葉を最後に偽カービィは爆発した。
ちょうどその頃、警察署の近くの港に一隻の宇宙戦艦が停泊していた。