新・星のカービィ   作:小林ミメト

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5話:出た!ピンクの襲撃者⑤

港に停泊する宇宙戦艦の名はハルバード2だ。

 

初号機はナイトメアとの戦いの最中に要塞内での戦いで撃沈されたが、設計図はデデデ城の地下に保管されていたため、約2年の歳月を経て設計図を基に一部を改良した2号機を完成させた。

 

その後、カービィとメタナイトはハルバード2に乗ってナイトメアの残党刈りのために、一度この星を去ったのだ。

 

その宇宙戦艦の甲板から、カービィとメタナイトがちょうど爆発炎上するビルを発見した。

 

「なんか、やばいことが起きているのだ。」

 

「ああ、ププビレッジも物騒になったものだな。」

 

「助けに行こう!」

 

メタナイトは頷いた。

 

「来い!ワープスター!!」

 

その声に呼応するかのようにカブーは口を開き、『ワープスター!』と叫びながら口からワープスターを飛ばした。

 

飛んできたワープスターにカービィとメタナイトは乗り込み、燃え上がるビルへと向かった。

 

「カービィ、自力でワープスターを呼べたな。」

 

「うん、初めてだからうまくいくか不安だったけどね。」

 

・・・・・・・

 

一方こちらは爆発炎上している警察署内。

 

「放せ、姉さん!!俺の部下たちが!」

 

「命あっての物種でしょ!?今は私たちの命が優先なのよ!!」

 

ブンは、上の階に取り残されている自分の部下のことが気がかりで、入り口近くの階段に登ろうとしていた。

 

皆は、火災報知器のスプリンクラーでずぶ濡れになっていた。

 

その時、ミシミシという嫌な音が奥の方から聞こえてきた。

 

そして、壁に横一文字の亀裂が入り始めた。

 

「まずい、ビルが崩れるわ!!」

 

「早く逃げるゾイ!」

 

何とか命からがら抜け出したフームたちは、呆然と警察署を見ているしかなかった。

 

「すまん!お前ら・・・本当にすまん!」

 

涙ぐみながら何度も謝罪をするブンに聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「みんな!久しぶりなのだー!」

 

「「カービィ!!」」

 

「メタナイトまでいるぞ!」

 

ワープスターから降り立った二人はみんなから事情を聴いた。

 

「なんて奴らだ!」

 

メタナイトは何も言わなかったが、目の色が怒りを示す赤色に一瞬だけ変色した。

 

カービィは何かないか探していると、風船売りのキャピィ族が目に留まった。

 

「すいません!その風船ください!!」

 

風船売りは、いきなり伝説の星の戦士に出会えて興奮した。

 

「カービィさま!?は、ハイ!喜んで!!」

 

「ありがとうなのだ!」

 

カービィは風船をもらうとそれを口に入れた。

 

そして、驚く皆をよそにカービィはジャンプしながら縦回転してポーズを決めると、どこからともなく赤い風船が次々とカービィに吸収されカービィはそのたびに赤く大きく変色していった。

 

そして、パンと破裂したあとにカービィは大きなピンク色の風船に変身した。

 

「バルーンカービィ!!」

 

「バルーンカービィ?」

 

「カービィの新しいコピー能力だ。だが、何に使うつもりだ?」

 

すると、カービィは下についている紐を分裂させて、屋上の手すりに絡みつけた。

 

そして、1階部分から崩壊しかけていた警察署のビルをふわりと飛んで持ち上げた。

 

その瞬間みんなが歓声を上げた。

 

「スゴイ!すごいわカービィ!!」

 

「ほう、やるじゃないかカービィ。」

 

メタナイトの目の色が自惚れや喜びを表すピンク色に変色した。

 

だが、それをあざ笑うかのように偽メタナイトが隣の高いビルから飛び降りて、カービィを切りつけようとした。

 

「フハハハハハ!カービィ、貴様も私の刀の錆にしてくれるわ!!」

 

「カービィ!危ない!!」

 

「安心しろ、パワーアップしたのはカービィだけじゃないぞ。」

 

メタナイトは、ギャラクシアを抜いて剣を縦に構えた。

 

「光の種族フォトロンよ・・・そして宝剣ギャラクシアよ!我に力をあたえ、我の名をかたる悪しき魔物を聖なる炎で清め給え!」

 

すると、ギャラクシアの渦を巻く強い風が吹き徐々に炎を纏い始めた。

 

そして、メタナイトはギャラクシアを思いっきり振り下ろした。

 

「ギャラクシア・ファイアートルネード!」

 

火炎竜巻は剣を離れて巨大化し、偽メタナイトに直撃した。

 

「す、すっげー!」

 

ブンは久しぶりに子供のような笑顔を見せた。

 

「グワアアアア!あ、熱い!痛い!助けてくれーーーー!!」

 

火炎竜巻をもろに食らった偽メタナイトは、凄まじい音ともに爆発した。

 

爆発とともに火炎竜巻も消えた。

 

そして、カービィは無事にビルを安全なところへ下した。

 

少しの静寂の後に割れんばかりの拍手と大きな歓声が沸き起こった。

 

カービィは、疲れた表情で地面に降り立って元の姿に戻った。

 

「カービィ!」

 

「フーム!」

 

「あなた・・・しゃべれるようになったのね。」

 

「うん、18年間メタナイトに言葉の勉強を教えてもらったからね。」

 

受け答えは、偽物とほとんど同じだったが、邪悪な笑みではなく清らかな微笑みを浮かべるカービィを見て、フームはこみあげてくる感情を必死で抑えながら近寄ると思いっきり抱きしめた。

 

「おかえりなさい。カービィ・・・。」

 

「ただいまなのだ。フーム・・・。」

 

周りからは歓声とカービィをたたえる声が上がった。

 

「メタナイトもお帰り。」

 

「立派になったなブン。」

 

「いやー、ハハハ。」

 

デデデとエスカルゴンはその様子を車に乗りながら遠くで見ていた。

 

「あーあ、結局美味しいところは全部あの二人に持っていかれちゃったでゲスな。」

 

「実に詰まらんゾイ。」

 

その様子を、一台の監視カメラがとらえていた。

 

~ ネオ・ナイトメア要塞 ~

 

以前よりも、より強固なセキュリティと警備を整えた巨大要塞の中枢を担う部屋に、2体の黒い影があった。

 

一体は、髪が紫色の横分けで、サングラスに紫色のスーツをしており、もう一体は背が高く大きなマントに大きなツノを生やしていた。

 

「申し訳ありません。失敗しました・・・やはり出来損ないの偽物2体では・・・。」

 

「まあ、よい・・・今後も星の戦士のデータ収集のために、また魔獣を逐次投入すればよいのだからな。」

 

「寛大なお言葉、感謝いたします。」

 

「一度滅ぼされた恨み、何倍にして返してやるぞプププランドの住民たちよ・・・。」

 

不気味な笑い声が、要塞の中枢にこだました。

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