「嫌アアアアアン!!」
エスカルゴンの悲鳴が城内に響き渡った。
というのも、デデデがエスカルゴンの殻を割ろうとハンマーを振り回しながら追いかけているからである。
「さあ、さあ、さあ、エスカルゴン君。テレビの視聴率アップのために貢献するゾイ!」
「だからってなんでわたくしの裸なんでゲスか?!」
デデデは、右手にハンマー、左手にスマホを持ち、なおもエスカルゴンを追いまわす。
「それは、お前の裸なんぞ誰も撮らない上に需要というものがあるからだゾイ!!」
エスカルゴンは老体に鞭打ちながら己の尊厳のために走り続けた。
「需要って、陛下が見たいだけでゲしょうが!!」
「つべこべ言わず見せるゾイ!」
「誰かー!ここに青色の第二級変態妖怪(とんでもないオヤジ)がいるでゲスよー!!」
「ウシロカラ、割ル」
デデデはニヤニヤしながらハンマーを振り下ろした。
「わお!」
エスカルゴンは間一髪でよけた。
エスカルゴンがいたところの床はかなりへこんでヒビが入った。
〈あんなのが殻に直撃したらひとたまりもないでゲス。〉
エスカルゴンは何とかデデデを撒いた後、一番奥の部屋のドアが開いているのを見つけた。
「おっ、しめしめ・・・扉は開いているけど。」
エスカルゴンは部屋の中で隠れる場所がないか探した。
「あのツボがちょうどよさそうでゲス。」
エスカルゴンが目を付けたそれは、口がキャピィ族の大人一人余裕で入れそうな茶色いツボだった。
エスカルゴンはそのツボに頭から入った。
「んー・・・にゅるッとな!」
「痛い!」
女の声がした。どうやら先客がいたようだ。
「え?だれ?真っ暗で何も・・・。」
「フームよ、その声はエスカルゴンね。」
「お前さんはなんでこんなところにいるでゲスか?」
「実は、ある人たちから逃げているのよ。」
「ある人?」
話によるとどうやらフームは、考古学の発展のための資金がまるで足りずにヤクザな連中から借金をしているようだ。
「なるほど、返済期限を過ぎても払われないからってお前を探しているわけでゲスね。」
フームは猫なで声でエスカルゴンにお願いをした。
「頼むわよ~。エスカルゴン大先生・・・私を助けると思ってお金・・・後で貸してね。」
「あー、フームもここまで落ちぶれたでゲスか・・・。」
「それより、あなたは何から逃げてるの?」
・・・カタツムリ説明中・・・
「やっぱりあのバカ大王なのね。」
今度はエスカルゴンがフームに猫なで声でお願いした。
「頼むでゲスよ~ん、フームたん。私を助けると思って陛下から私を守って・・・でゲス。」
「お安い御用よ!!」
「馬鹿シーッ!」
「あら、ごめんなさい。」
その時、廊下あたりから奇妙な歌を歌うオヤジの声がした。
「で~んで~んむ~しむ~し、エスカルゴ~ン。お前の殻の中見せるゾイー。ここか!?ここか!ここか!?姿見せるゾイ!」
各部屋のドアを開けながらとうとうデデデは、エスカルゴンたちがいる部屋までやってきた。
「クンクン・・・スンスン・・・ここからエスカルゴンのにおいがするゾイッ。」
「・・・変態ここに極まれりでゲスな。」
エスカルゴンは体勢がきつくなったので少し動いた。
するとエスカルゴンの手に柔らかいものが当たった。
「・・・あっん。ちょっと、どっちが変態よ!」
「ハア?ジジイに変なとこ触られて発情している娘に言われたくないよ。全くも~。」
「むかつく・・・。」
フームは怒りに任せてエスカルゴンの頭の部分をつかんでツボの壁に叩きつけた。
「グゲ!!お~いってえ・・・。あ、やばい。今の衝撃で鼻がムズムズ・・・。」
「ん?」
デデデはツボから音がしたので確認のためにハンマーで割ることにした。
「そこかー!!」
ガシャーン!
ツボは見事に割れて中にいたエスカルゴンとフームが見えた。
「いたーっ!」
だが、次の瞬間・・・・。
「ぶえーっくしゅ!」
エスカルゴンのくしゃみで出た粘性の高い鼻水が、デデデの顔面にべちゃりと張り付いた。
「や、やばいでゲス。」
「エスカルゴン!この隙に逃げるのよ。」
エスカルゴンの返事を待たずにフームは彼の手をつかんで窓を開けて堀へダイブした。
デデデは顔に張り付いた鼻水を、顔をぶんぶん振り回して落とした。
「ぶるる・・・クソー!絶対見つけ出して殻を割ってやるゾイ!」