新・星のカービィ   作:小林ミメト

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9話:はだかのエスカルゴンR④

エスカルゴンはデデデから逃れるために、フームは借金取りから逃れるためにタクシーに乗ってカービィの家を目指していた。

 

「そう言えば、なぜカービィの家なんでゲスか?」

 

「カービィは私が困っていると分かれば味方してくれると思ったから。」

 

「あわよくば、彼らを退治してくれるなんて思っちゃっているんじゃないでゲしょうね。」

 

フームの目が泳いだ。

 

「やっぱり・・・それは一時しのぎに過ぎないでゲしょうし、むしろ事態を悪化させるかもしれないでゲスよ。」

 

「うう・・・。」

 

その時、後ろから勢いよく追突された。

 

「チッ!」

 

運転手は舌打ちをしながら車から降りて追突した車の運転手に抗議した。

 

「オイゴラァ!降りろ!免許持ってんn・・・・。」

 

運転手の顔は怒りの赤から徐々に何かにおびえた青に変わった。

 

それもそのはず、黒塗りのネコミミカーから降りてきた黒ずくめの三人組が、全員険しい顔でタクシー運転手をにらみつけていたのだから。

 

「ヒイッ!」

 

一回り大きな顔にキズのある猫獣人はドスの利いた声でしゃべった。

 

「オッサン、うちらは魔多蛇尾組のもんや。うちらは後に乗っている奴らに用がある。明け渡してもらおうか?」

 

「さもなくば、貴様を無理やり事務所に連れていって喰い殺してやるにゃ!」

 

シャーと銀髪の女性猫獣人が恐ろしい形相で威嚇した。

 

「ヒイー!わかりました。わかりました・・・ほら、早くでなさい!!」

 

エスカルゴンとフームは仕方なくタクシーから降りた。

 

「あ、あのーお金は?」

 

フームが運転手の方を振り向くと、すでにタクシーに乗り込んで走り去っていった。

 

「結構でーっす!!!」

 

けたたましいスキール音を響かせながらタクシーは走り去っていった。

 

万事休すと思ったその時、後ろの方から聞きなれた声がした。

 

「エースカルゴーン!!」

 

「さらにやべー奴が来たあああ!」

 

デデデはボンネットから、収納式のマジックハンドを出現させると、車を走らせながらフームとエスカルゴンを捕まえた。

 

「二兎を追って二兎を得たゾイ。ガハハハ!」

 

デデデは乱暴に二人を後部座席に乗せると、スピードを上げてその場から走り去った。

 

「あのヤロー。」

 

糸目で口数が少ない三毛猫の獣人は目を少し開いてデデデをにらんだ。

 

「捕まえてフォアグラにしてやるにゃ!ナゴ、運転頼むにゃ。」

 

「はいよ。」

 

黒塗りの車が追いついてきたが、デデデは慌てるぞぶりは見せずニヤニヤしながらボタンを押した。

 

「エスカルゴンの裸は儂が独占取材する故、貴様らには邪魔をさせんゾイ!」

 

デデデカーの後ろから出てきたのはオイルだった。

 

「オイルにゃ!よけろー!!」

 

「無茶言わんで下さいよーケケの姉貴!」

 

「グワアアアア!」

 

避けようとしたが間に合わずスリップした三人の車は電柱に衝突して止まった。

 

「デェハハハハ!ざまあ見ろ、ワシを見殺しにするからだゾイ!」

 

怒りが頂点に達したケケはショックで気絶した大柄の猫獣人をどかしてロケットランチャーを取り出した。

 

「もーゆるさん!あの車を木っ端みじんにするにゃ。」

 

「オイ、やりすぎだ!フームを殺したら俺たちもボスに殺されるぞ!」

 

だが、ケケはナゴの忠告を聞かずにトリガーを引いた。

 

バシュー!!

 

ロケットはデデデカーめがけて突っ込んでいった。

 

「ん?デデェ!?」

 

デデデは音に気付いて後ろを向くとロケットがすぐそこまで迫ってきた。

 

ドカーン!

 

勿論、対応できるはずもなくデデデとフーム、エスカルゴンは爆風でボロボロに成りながら吹き飛ばされた。

 

「どぅわあああああ!」

 

「イヤー!」

 

「お空を飛んでるでゲス~。」

 

デデデとフームは街路樹に引っかかり、エスカルゴンはその木の根元にぶつかって助かった。

 

「オー痛ってぇ。」

 

デデデはチャンスと見たのか木に引っかかったガウンを脱ぎ捨てて、エスカルゴンの殻めがけてハンマーを振り下ろした。

 

「隙アリィイイイ!」

 

バキャーン!!

 

「くぁwせdrftgyふじこlpーーーー!!!」

 

エスカルゴンは殻から伝わる嫌な衝撃に耐え切れず魂の叫び声を上げた。

 

「デデデ!・・・あっ、嫌アアアアア!!」

 

バキバキバキ・・・ぼよん。

 

フームは、デデデがクッションになったのでこれ以上怪我をしなくて済んだ。

 

「痛たた・・・。」

 

「コラー!大王たるワシに乗るでないゾイ!」

 

「無茶言わないで!不可抗力よ。」

 

「へ、陛下!今のは卑怯でゲスよ!!」

 

殻をさすりながらエスカルゴンはデデデに抗議した。

 

だが、デデデは従者に罵られてもどこ吹く風と言った感じだった。

 

「デュフフ、ワシは悪の大王。卑怯は誉め言葉ゾイッ!」

 

「まてー!」

 

その時、黒ずくめの三人組が追いかけてきた。

 

「うぬー、奴らめもう追いついてきたゾイ!」

 

その時、前方からサイレンの音がしてパトカーが数台こちらにやってきた。

 

「チッ、サツか・・・。おみゃーら!ここはいったん引くで。」

 

「はいにゃ!」

 

「仕方ねえ。」

 

三人は悪態をつきながらパトカーから逃げるように去っていった。

 

「助かったでゲス。」

 

「お、エスカルゴン。」

 

「何?」

 

デデデはエスカルゴンの殻を指さした。

 

「殻にひびが入っているゾイ。」

 

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