小動物で内気な幼馴染   作:アッシュクフォルダー

13 / 21
第十三話 恋は必然か偶然か

公立七百中学校の校門に、

ある女の子が、俺の顔を見ていた。

 

「悠里ちゃん…」

 

「雅利くん!待っていたよ!」

 

「待っていたって、何でいるんだ?」

 

「学校、抜け出しちゃった!会いたくて!」

 

「抜け出しは、よくないぞ!」

 

と、俺は、少し怒った。

 

「悠里ね、雅利くんに会いたかったんだ」

 

「そんなに、俺に会いたかったのか?」

 

「そうだよ!ねぇねぇ、今日は何して遊ぶ?」

 

「そんな事、急に言われても…」

 

 

すると、しばらくして、石瀬千尋も現れて…

 

「雅利くん、それに、悠里ちゃん?」

 

「あっ、千尋ちゃんだ!

ねぇねぇ、悠里と千尋ちゃん、どっちが好き?」

 

「急にそんなこと言われてもな…」

 

「それじゃあ、どっちを愛している!?」

 

「言い方、ほぼほぼ、一緒じゃん!」

 

「私と悠里ちゃん、付き合うなら?」

 

「…」

 

俺には、小豆沢こはねという、女の子がいるが、

そんなこと、言うと、二人が、悲しむに決まっている…

そして、俺は、こう言い放った。

 

「片思いをずっと続けるなら、

それは、両想いより、幸せだと思わないか?」

 

「それって…」

 

「どういう意味?」

 

「片思いしている人って、大抵、破局する事が多いって、

ウワサだぜ?そして、両想いしている人は、

長続きもせずに、別れてしまう」

 

「じゃあ、結局、同じじゃん!」

 

「そうよ!それで、どっちが好き?」

 

二人とも、俺の顔を、じっと、見つめている。

パーソナルスペースが、明らかに狭かった。

 

「もっと、簡単に言えば、恋は、難しくて、

怖いことなんだよ」

 

「…」

 

「…」

 

「じゃあ、私と悠里ちゃんのこと、

ちゃんと、見ていてよね?」

 

「えっ、わ、わかったよ…」

 

「じゃあ、雅利くんの家に行きたいなー」

 

「悠里も!」

 

「う、うん、わかった、今日は両親がいないから、

大丈夫だと思うよ?」

 

父親と母親は夜遅くまで働ているため、

一人でいることが非常に多い。

同い年の女の子を二人も、

家に招くのは、マズい気がして仕方がない。

 

「ここが、雅利くんの部屋なんだね」

 

「初めて来たけど、キレイにしているね」

 

「こまめに掃除しているからだ、

飲み物、持ってくるから、じゃあね」

 

こうして、俺は彼女たちの為に、

お茶を淹れるのだった。

 

「雅利くんは、悠里のこと、どう思っている?」

 

「私のことも!」

 

「好きで愛しているよね?」

 

「ずっと、大切にするよね?」

 

「えっと…」

 

「悠里のことは?」

 

「あっ!私のことは?」

 

「千尋も悠里も、大切な女の子だ、

それ以上でも、それ以下でもない。

大切な女の子だ」

 

と、俺はそう言い切るのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。