11月に入り、その月のある日の出来事だった。
七百中学校で文化祭が始まっていた。
第46回。七百中学校。文化祭。
各三学年、各クラスは、遊戯系の催しを必ずやり、
合唱コンクールも行われる。
高木雅利と石瀬千尋などが所属する2年2組は…
「俺らのクラスは、輪投げコーナーをするみたいだな」
「わなげやボール救い、的当て、ダーツ、ビリヤード、
オセロやチェスとかあったね」
「後、スーパーボールすくいも」
「色々な遊戯系の模擬店をするんだね」
「あぁ。俺は店番をしておくよ」
「あっ!高木君!私も手伝うよ?」
「ありがと」
と、俺は石瀬と一緒に店番をすることになった。
輪投げコーナー。1回100円。
どのクラスも全て遊戯系の店で一回につき100円と定められている。
「雅利くーん」
「どーした?千尋?」
「私、雅利君が好き」
「いきなり、何言いだすの?」
「だって、事実じゃん」
「…」
「雅利君は、こはねちゃんがいるでしょう?」
「…」
「私や悠里ちゃんより、こはねちゃんが好きなの?」
「う、うん…」
「私は諦めないよ」
「…」
俺は複雑な思いでいっぱいだった。
「あっ!雅利くん!千尋ちゃん!」
「悠里ちゃん!」
「悠里」
「ねぇねぇ、今の話、聞いていたよ?
悠里も雅利くんが好き。でも、どうして、
雅利くんは、こはねちゃんなの?」
「…理由なんて…」
「年上が魅力に感じたの?同い年より」
「うぅ…」
「悠里も諦めないから」
「おい、雅利」
「土門」
「お前はモテモテだなー
異性ばっかり寄って来て、いいなー」
「…嫌味かよ…」
高木雅利は、異性ばかり寄って来て、
男子と絡んだことは、ほぼ無しだった。
「雅利くんは、カワイイ女の子にモテモテだね~」
「顔も良いし、頭も良いし、運動もある程度、出来るし!」
「向かうところ、欠点が無いね!」
「がり勉でもスポーツマンでもあるまいし…」
「文系と理系、どっちが出来る?」
「どっちも、優れているからね~雅利くんは!」
「将来が保証されているからな~将来の夢は?」
「親父からは、医者になれって、一応言われているけど…」
「雅利くんとしては?」
「そりゃ…手に職を付けたり、可能性を広げる意味としてなら、
医者を目指すのも、悪い事では無いけど…」
「東都大学の医学部に行くの?」
「話が飛びすぎ。俺はそこまで頭良くねぇし、
いくら、学年で2位の成績の俺でも、難しいよ…」
「期待しているんだから!もちろん!私を選ぶよね?」
「千尋ちゃんより、悠里を選んで欲しいなー」
「お熱いですな~モテモテですなー!」
「土門、邪魔だ」
「はーい」
雅利の気持ちは、さらに複雑になっていった。