小動物で内気な幼馴染   作:アッシュクフォルダー

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第九話 動物園デート

雅利と千尋と悠里は、動物園に向かって歩いていた。

 

「そういえば、この服見て〜可愛いでしょ」

 

「あ、それ悠里ちゃんが好きなのだね〜」

 

「千尋ちゃん気づいてくれるの嬉しい」

 

「悠里ちゃんに似合ってるよ〜」

 

「千尋ちゃんこそ女の子って感じでかわいい〜」

 

「動物園行くだけなのに…」

 

「雅利くんひどーい、この服かわいいでしょ〜?」

 

「そんなこと言われてもな…」

 

「も〜雅利くんは乙女心分かってないな〜」

 

「乙女心?」

 

「な、なんでもないよっ!」

 

悠里ちゃんは慌てた様子で顔を逸らす

 

「ん?どうした?」

 

「ほ、ほら、着いたよ!」

 

「それは、見たらわかるよ」

 

雅利の言葉で2人は笑いながら動物園へと入っていく

 

「まず入り口から回っていくか」

 

「そうだね〜」

 

「も〜ならどうして聞いたの〜」

 

「どこ見たか分かんなくなっちゃうだろ?」

 

「それもそっか〜♪」

 

「見て、フラミンゴだよ〜」

 

「フラミンゴって本当バランス感覚すごいね♪」

 

「フラミンゴは寒い時期に体を冷やさないために

冷える部分を少なくするために片足で立ち始めたんだ

だからバランス感覚は関係ないらしいよ」

 

「へぇ〜雅利くん相変わらず物知りだね♪」

 

「でも、片足だと足疲れちゃいそうだよね」

 

「両足を1度に使うんじゃなく

片足ずつ使って片足ずつ休ませてるって言う説もあるんだ」

 

「フラミンゴって頭いいね!」

 

「動物は人間より頭がいい生き物が多いんだよ」

 

「わぁ〜、見て見て〜こっちにレッサーパンダいるって♪」

 

「悠里ちゃん、私も見たい〜」

 

二人はレッサーパンダの方へと小走りで向かっていく

雅利は楽しそうに、はしゃぐ2人を見つめていた。

 

 

その後、お昼になり…

 

「お腹すいちゃったね〜♪」

 

「お弁当作ってきたからみんなで食べよう?」

 

「悠里も作ってきたんだあ♪」

 

「俺持ってきてないや」

 

「悠里の食べさせてあげる♪」

 

「私のもあげるよ〜」

 

芝生にシートを引きお弁当を広げる

 

「悠里が作ってきたのはこれ〜♪」

 

「美味しそうだね」

 

「千尋ちゃんのも見たい〜♪」

 

「私のは、これっ、悠里ちゃんみたいにお洒落じゃないけど…」

 

千尋ちゃんはお弁当箱を広げる。

 

「え?!これ千尋ちゃんが作ったの!?」

 

「うん…」

 

 

「え、すっごく美味しそう!

千尋ちゃんお料理上手なの羨ましい〜

少しもらってもいい?♪」

 

「食べて食べて〜」

 

「悠里のサンドイッチも食べてみて♪」

 

「このサンドイッチ美味しい!」

 

「このオムレツも美味しい♪」

 

「ほんと?嬉しいな〜」

 

「千尋ちゃん、今度、お料理教えてほしい♪」

 

「私なんかでいいなら、いつでも〜」

 

「雅利くんも、ほら、あーん♡」

 

「自分で食べれるよ」

 

「いいから、口開けて、あーん♡」

 

 

(な、なんだこの人前で…)

 

雅利は口を開けサンドイッチを食べる。

 

「こっちも、あーん!」

 

(ち、千尋ちゃんまでか…)

 

 

楽しそうにご飯を食べていた。

 

「おなかいっぱいになったからまた動物見に行こ♪」

 

「次は、ゾウの方だな」

 

3人はシートを畳みゾウのエリアへと向かっていた

 

「この坂登るの?!」

 

「キツそうな坂だな」

 

「他の道ないのかな…」

 

「ここから行くしかないね〜あ、そうだ♪

雅利くん、手繋ご♡」

 

「手?なんで、?」

 

「3人で手繋いでたら登れそうでしょ?♪」

 

「なんだその理屈は」

 

「いいからいいから♪」

 

悠里ちゃんは雅利の手を握り

反対側で千尋ちゃんも雅利の手を握る。

 

「これで登れるね♪」

 

(なんだこの状況は…)

 

「登れたあ♪」

 

「手繋いでたらなんだか登りやすかったね〜」

 

「逆に腕振った方が登りやすいと思うけど…」

 

「登れたんだから細かいこと気にしないの♪」

 

「ほら、雅利くん行こう〜?」

 

「そんなに急がなくても動物は逃げないよ」

 

雅利は2人に手を引かれながら動物を見て回っていた

 

「わぁ、みてみて〜♪プリクラ機だよ♪」

 

「ほんとだね〜」

 

「雅利くん、2人で一緒にプリクラ撮ろ♡」

 

「2人で?3人でならいいけど」

 

「雅利くんと2人で撮りたいの〜♪」

 

「でも、千尋ちゃんが」

 

「私も雅利くんと2人で撮りたい」

 

「ち、千尋ちゃんまで、、」

 

「千尋ちゃんならそう言うと思ってたもん♪

ほらほら、雅利くん、撮ろうよ〜」

 

「俺、写真はちょっと…」

 

「だめ?」

 

千尋ちゃんは上目遣いで雅利を見つめる

 

「お願い!」

 

悠里ちゃんは雅利の腕に腕を絡め無自覚で、

胸を当てながら雅利を見つめる

 

「人が見てるからやめて…」

 

「撮ってくれる?」

 

「撮る、2人と2回撮ればいいんだよな?」

 

千尋・悠里「やった〜♡」

 

 

 

2人は入れ替わりで雅利とプリクラを撮る。

 

「せっかくだから3人でも撮ろ♪」

 

「それ私も思ってた♪」

 

「ほら雅利くん、行くよ♪」

 

雅利は手を引かれ結局、楽しくプリクラを撮っていた。

 

(女の子はこういう生き物なのか、写真が好きなのか)

 

「もう暗くなってきたから、そろそろ帰ろうか〜♪」

 

「あっという間だったね〜」

 

「楽しかったな〜」

 

「ほんっとに楽しかった〜♪」

 

「またみんなで遊びに行こうな」

 

「ねえ、雅利くん」

 

「どうした?」

 

「っ…」

 

悠里ちゃんは背伸びをして雅利の頬に手を当て唇を重ねる

 

(ど、どういうことだよ、友達同士でキス…?)

 

「ふふっ、それが悠里の気持ち♡」

 

(気持ち?どういうことだ、楽しかったから、キス…?

いやいや、そんなわけない、キスは好きな人とするもの、じゃないのか?)

俺は困惑し思わずしゃがみこんでいた

 

「ま、雅利くん、」

 

(待ってくれ、理解が追いついていないから、話しかけられても…)

 

「っ…」

 

千尋ちゃんはしゃがみこみ雅利と唇を重ねた。

 

「ん!?」

 

(なんだこの状況は、最近の女子は楽しかったらキスをするのか!?

それとも、キスが挨拶に?!)

 

「私の気持ち…」

 

千尋ちゃんと悠里ちゃんは顔を赤くしながら

また楽しそうに会話をしながら歩き出している

 

「雅利くん〜こっちこっち〜♪」

 

「雅利くん、帰るよ〜?」

 

2人は振り向き雅利に笑顔を見せる

 

(な、なんなんだ…理解が追いつかない…)

 

千尋ちゃんと悠里ちゃんは乙女な顔をしながら

笑顔を見せていた

 

(だめだ、全然意味わかんない。

まあでも、2人とも楽しそうだしいっか)

 

「また今度3人で遊ぼうね♪」

 

「楽しみだね!」

 

「あぁ、そうだな」

 

動物園を楽しみ満喫していた、

石瀬千尋も、天宮悠里も、心の奥底から、

高木雅利が好きだ。

 


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