雅利と千尋と悠里は、動物園に向かって歩いていた。
「そういえば、この服見て〜可愛いでしょ」
「あ、それ悠里ちゃんが好きなのだね〜」
「千尋ちゃん気づいてくれるの嬉しい」
「悠里ちゃんに似合ってるよ〜」
「千尋ちゃんこそ女の子って感じでかわいい〜」
「動物園行くだけなのに…」
「雅利くんひどーい、この服かわいいでしょ〜?」
「そんなこと言われてもな…」
「も〜雅利くんは乙女心分かってないな〜」
「乙女心?」
「な、なんでもないよっ!」
悠里ちゃんは慌てた様子で顔を逸らす
「ん?どうした?」
「ほ、ほら、着いたよ!」
「それは、見たらわかるよ」
雅利の言葉で2人は笑いながら動物園へと入っていく
「まず入り口から回っていくか」
「そうだね〜」
「も〜ならどうして聞いたの〜」
「どこ見たか分かんなくなっちゃうだろ?」
「それもそっか〜♪」
「見て、フラミンゴだよ〜」
「フラミンゴって本当バランス感覚すごいね♪」
「フラミンゴは寒い時期に体を冷やさないために
冷える部分を少なくするために片足で立ち始めたんだ
だからバランス感覚は関係ないらしいよ」
「へぇ〜雅利くん相変わらず物知りだね♪」
「でも、片足だと足疲れちゃいそうだよね」
「両足を1度に使うんじゃなく
片足ずつ使って片足ずつ休ませてるって言う説もあるんだ」
「フラミンゴって頭いいね!」
「動物は人間より頭がいい生き物が多いんだよ」
「わぁ〜、見て見て〜こっちにレッサーパンダいるって♪」
「悠里ちゃん、私も見たい〜」
二人はレッサーパンダの方へと小走りで向かっていく
雅利は楽しそうに、はしゃぐ2人を見つめていた。
その後、お昼になり…
「お腹すいちゃったね〜♪」
「お弁当作ってきたからみんなで食べよう?」
「悠里も作ってきたんだあ♪」
「俺持ってきてないや」
「悠里の食べさせてあげる♪」
「私のもあげるよ〜」
芝生にシートを引きお弁当を広げる
「悠里が作ってきたのはこれ〜♪」
「美味しそうだね」
「千尋ちゃんのも見たい〜♪」
「私のは、これっ、悠里ちゃんみたいにお洒落じゃないけど…」
千尋ちゃんはお弁当箱を広げる。
「え?!これ千尋ちゃんが作ったの!?」
「うん…」
「え、すっごく美味しそう!
千尋ちゃんお料理上手なの羨ましい〜
少しもらってもいい?♪」
「食べて食べて〜」
「悠里のサンドイッチも食べてみて♪」
「このサンドイッチ美味しい!」
「このオムレツも美味しい♪」
「ほんと?嬉しいな〜」
「千尋ちゃん、今度、お料理教えてほしい♪」
「私なんかでいいなら、いつでも〜」
「雅利くんも、ほら、あーん♡」
「自分で食べれるよ」
「いいから、口開けて、あーん♡」
(な、なんだこの人前で…)
雅利は口を開けサンドイッチを食べる。
「こっちも、あーん!」
(ち、千尋ちゃんまでか…)
楽しそうにご飯を食べていた。
「おなかいっぱいになったからまた動物見に行こ♪」
「次は、ゾウの方だな」
3人はシートを畳みゾウのエリアへと向かっていた
「この坂登るの?!」
「キツそうな坂だな」
「他の道ないのかな…」
「ここから行くしかないね〜あ、そうだ♪
雅利くん、手繋ご♡」
「手?なんで、?」
「3人で手繋いでたら登れそうでしょ?♪」
「なんだその理屈は」
「いいからいいから♪」
悠里ちゃんは雅利の手を握り
反対側で千尋ちゃんも雅利の手を握る。
「これで登れるね♪」
(なんだこの状況は…)
「登れたあ♪」
「手繋いでたらなんだか登りやすかったね〜」
「逆に腕振った方が登りやすいと思うけど…」
「登れたんだから細かいこと気にしないの♪」
「ほら、雅利くん行こう〜?」
「そんなに急がなくても動物は逃げないよ」
雅利は2人に手を引かれながら動物を見て回っていた
「わぁ、みてみて〜♪プリクラ機だよ♪」
「ほんとだね〜」
「雅利くん、2人で一緒にプリクラ撮ろ♡」
「2人で?3人でならいいけど」
「雅利くんと2人で撮りたいの〜♪」
「でも、千尋ちゃんが」
「私も雅利くんと2人で撮りたい」
「ち、千尋ちゃんまで、、」
「千尋ちゃんならそう言うと思ってたもん♪
ほらほら、雅利くん、撮ろうよ〜」
「俺、写真はちょっと…」
「だめ?」
千尋ちゃんは上目遣いで雅利を見つめる
「お願い!」
悠里ちゃんは雅利の腕に腕を絡め無自覚で、
胸を当てながら雅利を見つめる
「人が見てるからやめて…」
「撮ってくれる?」
「撮る、2人と2回撮ればいいんだよな?」
千尋・悠里「やった〜♡」
2人は入れ替わりで雅利とプリクラを撮る。
「せっかくだから3人でも撮ろ♪」
「それ私も思ってた♪」
「ほら雅利くん、行くよ♪」
雅利は手を引かれ結局、楽しくプリクラを撮っていた。
(女の子はこういう生き物なのか、写真が好きなのか)
「もう暗くなってきたから、そろそろ帰ろうか〜♪」
「あっという間だったね〜」
「楽しかったな〜」
「ほんっとに楽しかった〜♪」
「またみんなで遊びに行こうな」
「ねえ、雅利くん」
「どうした?」
「っ…」
悠里ちゃんは背伸びをして雅利の頬に手を当て唇を重ねる
(ど、どういうことだよ、友達同士でキス…?)
「ふふっ、それが悠里の気持ち♡」
(気持ち?どういうことだ、楽しかったから、キス…?
いやいや、そんなわけない、キスは好きな人とするもの、じゃないのか?)
俺は困惑し思わずしゃがみこんでいた
「ま、雅利くん、」
(待ってくれ、理解が追いついていないから、話しかけられても…)
「っ…」
千尋ちゃんはしゃがみこみ雅利と唇を重ねた。
「ん!?」
(なんだこの状況は、最近の女子は楽しかったらキスをするのか!?
それとも、キスが挨拶に?!)
「私の気持ち…」
千尋ちゃんと悠里ちゃんは顔を赤くしながら
また楽しそうに会話をしながら歩き出している
「雅利くん〜こっちこっち〜♪」
「雅利くん、帰るよ〜?」
2人は振り向き雅利に笑顔を見せる
(な、なんなんだ…理解が追いつかない…)
千尋ちゃんと悠里ちゃんは乙女な顔をしながら
笑顔を見せていた
(だめだ、全然意味わかんない。
まあでも、2人とも楽しそうだしいっか)
「また今度3人で遊ぼうね♪」
「楽しみだね!」
「あぁ、そうだな」
動物園を楽しみ満喫していた、
石瀬千尋も、天宮悠里も、心の奥底から、
高木雅利が好きだ。