そもそもの話だが、コイツらはどこから生まれたのだろうか。
しかしこの世界に人間はいない。いや、『ゴ・リラ』という集団で行動して衣食住を作る人間に近いものはいるが、それでも原始人と呼ばれる程度のものだ。
しかもコイツらは生きていると同時に死んでいる存在だ。そんなものは見たことも聞いたこともない。可能性としては『スキルによって産み出された』か、『元からそうだったか』だな。
ならば何故生まれたか。
そういうスキル持ちが生まれたとしても、キメラという種族が生まれたとしても、そこには理由がある。某運命の時計塔のロード二世も『
まずモンスターが生まれるには魔素が必要だ。あれだけの数、質、相当な魔素だまりがないと生まれないだろう。それこそ、5桁のモンスターが一気に死ぬような...
そのとき俺は思い出した。
囲むように襲いくるモンスター。
俺の攻撃を耐えるだけの団結力。
それらを全て殺したスキルによる水素爆発。
あの後、ユニークの『ウォーラット』を殺した後すぐに進化したため死体が未処理のままだった。あれは5桁を超えていたのではないか?
もしそうだとしたらそれは──
──
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キメラ達は勝利を確信した。
二発同時に放たれる弾丸。呆然と立ち尽くす敵。命中すれば明らかにクリーンヒット。避けられない位置と速度。一つ目を弾けても二つ目が迫る。防御無視の弾。
すでにダメージが入ることは判明済み。
対して自分たちは未だ誰も死なず...正確には死んだが生き返ったの方が近いが、誰一匹として欠けていない。
我等が母に生け贄として捧げるため、強いモンスターを襲ったのは良いが想像以上の脅威であったため捕獲から排除へと移行したのは間違いではなかった。
そんな思考の途中で黒い鱗を持つ竜が手で防御しようとしているのが分かった。
その行動をキメラ達は嗤う。
『防御無視』というのは鎧や盾を貫くといった生ぬるいものではない。相殺を目的とした
しかし予想とは裏腹に弾丸が手に触れた瞬間、音も立てることなく消滅した。
ユニークスキル【
その効果は手に触れたモノの破壊。この効果を相殺、または防御することは一部ユニークスキルを除いて叶わない。だが、注目するべきはその真髄。
普通、モンスターが死に至る場合、魔素に還元される。もちろんロスは存在するが、それでも微々たるものであり、そのロスによってゆっくりと世界は死んでいく。
生物が死に、魔素から生まれ、成長してまた死へとむかう。【破壊者】とはその
死ではなく無。殺害ではなく消滅。
魔素すら生み出さずに無へと帰すこのスキルはやがて星の崩壊へとつながる。
「ようやく覚悟が決まったぜ...」
必殺の一撃を破壊した竜が言う。
「ちょっと考えりゃ分かることだったな。」
【肉体改造】により人獣化した
「簡単じゃねぇか。俺が死ねばどっちにしろ俺の家でスヤスヤ眠ってるアイツらが殺されちまう。だったらよォ──」
雄叫びをあげた一匹のキメラが向かい、その腕にて上半身を消し去られた。いままでどんなにやられてもしていた再生は...しない。
「──リスクなんざに迷ってる暇ねぇよなァ!」
その言葉を皮切りにキメラ達が次々と飛び出す。同時で、時間差で、フェイントを交えて、知性を感じる行動でありながらも攻撃方法は噛みつきや殴打程度。これまで数の暴力で経験など積まなかったのが仇となった。
対して俺が行うのは『触れるだけ』というシングルアクション。もちろん腕や足といった直接的に致命傷でない限り【自己再生】によって回復されるが普通の人間には存在しない尻尾で跳ね上げ、破壊する。
それでも問答無用とばかりに襲いかかる残りの第一波を地面を揺らして足止め。さらに【肉体改造】によって腕のみを肥大化、足を軸に独楽のように腕を振り回し、凪払う。
「ぐぅおッ─!」
その大振りの攻撃を回避したキメラが俺の腹にしがみついてきた。すぐに元の大きさに戻した腕で頭を消滅させるも、隙が出来たことには変わりない。
取り囲んだ第二波によって腕の動きを阻害され、足も掴まれたことで身動きがとれなくなる。
まだ攻撃は終わらず、【
『ガンズスコルプ』の尻尾を投げようとするキメラは力を込めているように見える。そういう系のスキルなのかは分からないが、剃らすことも不可能だろう。
周りにくっつくモノを【
弾丸が通ったところから包囲を抜け出し、また同じことの繰り返し。
触れて破壊、蹴って距離をとって破壊、掴んで破壊、凪払って破壊。
キメラを何匹も殺し、逆に傷一つない体ではあるが追い詰められているのは俺の方だった。
原因は無尽蔵なほどの数。殺しても殺しても湧いて出てくるキメラに膨大とも言える魔素が削られ、体力も使わされる。何より終わらない攻撃は精神を磨耗させる。
だからといって遊撃に出ると守れなくなる。?何か違和感を感じたが気のせいだろう。
遂に第三陣目にして
他にもまとまりになって俺の攻撃を止めようとしているが、逆に倒しやすくなってる。
二、三回やれば無駄だと気づいたのか、今度は散開して距離をとってきた。それを一歩踏み込むことでさっきと同じように破壊していく。
...確実に考えて行動しているのはもう突っ込まないでおこう。
出きるだけ攻撃をくらわないように紙一重で回避しながらカウンターを放つ。
竜の形態より小回りが効く分、敵を手数で攻められる人間型は良い。もちろん竜の形態だと処理しきれないところが必ず出てくるからな。
伏線を作った次の話で回収するっていうのあったんだけど伏線っていうのかっていう議論を友達と交わした。
最終的に『やっぱカレーは飲み物』ってことになったからよろしく。
ヴェルダナーヴァの一人称って?
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僕(作者はコレ)
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私
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オレ(主人公と分けるため、カタカナ)
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我
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ナーヴァ
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拙僧
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一人称ナシ(作者の負担が増大)