奈落は用意した。あとは突き落とすだけ。
第三、第四陣と絶え間なく続くヤツらの強襲は突如として終わりを迎えた。
蜘蛛の子を散らすように四方八方へと逃げ始めたのだ。
いままでずっと攻撃しておきながら敵の端も見えてない状況で逃げ出した敵達に、思わず「は?」と声を出してしまったのは仕方ないことだと思う。
ここで下手に追撃すると手痛いしっぺ返しを受けることになるだろう。まぁあっても
それにしても何故急に撤退したのだろうか。
さっきの状況で逃げるのはハッキリ言って愚策だと思う。『数の暴力』の利点を生かせないからだ。
『数の暴力』の利点は
①疲弊を無視した波状攻撃
②囮としても有能
なところだろう。
①に関してはそのまんま。相手は疲れる一方でこっちは戦って、下がって、休憩してをローテーションするだけで敵は死ぬ。
②は、質が高いヤツをそこにとどめておけるからだ。その隙に王だの何だのを取ってしまえばいくら強くても関係ない。
これに対して撤退は利点を消すどころかマイナスまで持っていく。
『数の暴力』のデメリットは食糧。
長期戦ではなく短期決戦を行わなければすぐに食糧は底をつき、動けなくなるだろう。
だからこそ攻撃は絶え間なく行われなければ相手が休憩してしまう。目的を達成するまでは攻撃しないと利点が消える。
逆に言えば目的を達成さえすればすぐに撤退すべきだ。意味ないし被害が増えるだけだろうし。
しかしなぁ...拠点を壊された訳でも俺が死んだ訳でもないのに何で撤退なんk「イテッ」。
家(洞窟)に入ろうとしたら足の小指をぶつけた。あ?痛みはないだろって?いや、みんなも痛くもないのに痛いって言っちゃうとき有るだろ。あれだよ。
くっそ、戦ってる最中に元の竜の姿に戻っちまったし...ん?俺、戦ってる時って
ッ、頭が痛ェ...割れそうだ。
結局何でヤツらが帰ったのか分からずじまいだが...取りあえず家に入ろう。なんかもう、いろいろ疲れた...
倒れこむように入り口を抜けると中には犬のようなモンスターがいた。
ガツンと頭が殴られたような衝撃が走った。
そうだ...たしか俺は家族のためにヤツらと戦って殺したはずだ。じゃあ俺の家族って誰だ?
思考にもやがかかったようなものを感じながらぐるぐると考えを巡らせる。
家にいるのは家族。だがこんな犬のモンスターは
そう考えた瞬間、腹の奥から怒りがこみ上がってくる感覚をおぼえた。ヤツを殺す。殺す殺す殺す。
声になっていない慟哭が洞窟内に響き渡り、犬のモンスターがこちらを振り返った。顔に浮かんでいたのは心配の表情。その表情を家族がしていた気がして、怒りが加速し我を失った。
怒りに身を任せ、腕を振るう。
たったそれだけで俺の目の前の命は消える。
犬のモンスターの最後の顔に浮かんだ感情は『憐れみ』。まるで──自分に迫る“
その顔が赦せなくて胴体を【
なんども、なんども、なんども、なんども、なんども、何度も、何度も、何度も、何度も、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモナンドモ──
『──ユニークスキル【
『成功しました。』
脳内に響く『世界の言葉』にようやく正気を取り戻した。
冷静になって周りを見渡すと、床の岩は抉れ、血は飛び散り、家具として作った机などは折れて使い物にならず、壁に深々と突き刺さっていた。
現実逃避するために気になった新スキルを【
【
ナニモナイ 獲得条件:────
それを見た瞬間、ハ、とただ息が漏れた。なぜ、おかしい、こんなことが、ありえない、嘘だうそだウソだ!
考えたくない。肯定したくない。ありえてはいけない。胸が苦しい。息が詰まる。
獲得条件──そのままスキルを獲得する条件である。普通のスキルはそのスキルが出来るようになったら獲得することができる。
もちろん例外があり、魔素量が許容を超える際、魔素を消費してスキルを獲得することも可能だ。
しかし獲得条件が設定されているスキルは別である。一部のスキルにはこれが存在し、その行動さえすれば獲得できるのだ。効果はピンキリだが。
逆に、条件を満たしていなければいけない。
「ぁ...あ、ああぁぁァァaaaaaaaaa!!!」
獲得条件:──自らの手で家族を殺すこと
【
手に触れたものを無に帰すスキル。一部ユニークスキルとアルティメットスキル以外では防ぐ術はなく、精神体、星幽体すらも破壊するので不滅のものすらも破壊する。
その代償は『記憶の消滅』。
使うほどに古い記憶から消えていき、残るのは漠然とした感覚のみ。『かつてとても辛いことがあったはずだ』『あの時の幸せはどこへ消えた』という感覚は持ち主の精神を狂わせ破壊する。
完全に精神が壊れたとき、破壊衝動に従ってあらゆるものを破壊する災害となる。
感想にあった返しを今するとオリ主は【分身体】のスキルを持っていたのに存在を忘れていた。ただ『こういうスキルはある』ということしかおぼえてませんでした。
ちなみに最初使ったときに消えたのは『前世の自分の名前』。だからわざとオリ主の名前は使いませんでした。決して考えてなかったとかそういうことじゃないです。ホントダヨ
ヴェルダナーヴァの一人称って?
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僕(作者はコレ)
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私
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オレ(主人公と分けるため、カタカナ)
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我
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ナーヴァ
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拙僧
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一人称ナシ(作者の負担が増大)