転生したら最凶最悪の邪竜だった件   作:カルカルパッチョ

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作者の身勝手で一度消して再投稿しました。すみません。

理由は終わり方が気に入らなかったからです。といっても最後のシーンに少し追加しただけなので一度読んだ人も途中までは飛ばして読んでいただければ幸いです。



24話 戦いのなかでの覚醒は主人公なのだから第二形態を残している魔王も実質主人公。(過言)

 

背後でしたバボン!という密閉空間で爆発した音のようなものを聞き成功を確信する。打撃は蜘蛛の糸に吸収されろくなダメージは入らないが、目的はブレスによる内部破壊だから問題ない。

 

ようやく一発。

 

そう思いつつ、殴った反動を利用して再び空へと向かう。

 

蜘蛛は口を閉じられたことでブレスが逆流して体内が傷だらけのはずだ。俺がするのは徹底したヒット&アウェイ。どんな手札があるか分からないのだからカードを切らせなければいい。

 

そうして翼をはためかせ、加速しようとした時に──ガクン、と急に引っ張られたように体に負荷がかかった。

 

後ろを振り返れば右足に白く粘着質で、太い蜘蛛の糸が絡まっていた。

 

糸の先にはもちろんあの蜘蛛。さらにその口にはすでに阻止したと思っていた竜巻を霧散させた原因であるブレスのエネルギー。

 

たしかに竜の目論見通り、ブレスは体内を逆流し、蜘蛛に大ダメージを与えていた。

 

しかし、蜘蛛は殴られる直前に口を起点として集まっているエネルギーにある指向性を与えた。()()()()()()()()()()というものを。

 

その結果、本来なら頭で暴発しそのまま地に沈んでいた威力を体全体に分散させ、頭へのダメージを軽減することですぐに立ち直ることを可能としていた。

 

その後は復帰したところで尻からだした糸を操り、右足に巻きつけて拘束。再度ブレスを溜めたのである。

 

といってもブレスは溜めている最中であったため竜巻を霧散させたほどの威力はないのだが...それも気休め程度にしかならないだろう。

 

(まずい、どうする、避ける?防御?何ができる、離れなければ、糸を切らないと、あと何秒残っている、動けない、耐えられない、無理だ、何か手は、死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない─────死にたくない!)

 

ブレスが迫る。それにどうすることも出来ず竜は飲み込まれ...

 

「グウゥゥ...!」

 

──なかった。

 

当たる直前、右足を切り落としたのだ。そのおかげで迫る『死』を回避することに成功していた。

 

しかしこの事に驚いたのは蜘蛛だけでなく、竜もまた痛みに耐えながらも驚いていた。理由は蜘蛛のブレスを避けられると思っていなかったからだ。

 

(どういうことだ?敵のスキル?いや、それならヤツが驚いてるのが分からないし、何よりそうするメリットもない。俺が足を切り落としてなかったら確実に死んでた。)

 

ブレスが放たれる直前、竜は想定以上に入らなかった攻撃とブレスの威力を知っていたが故の焦りで確実に冷静ではなかった。

 

にも関わらず、足を切り落とすことで迫る“死”を回避するというあの状況において最善とまではいかなくても良い判断と言える行動ができていた。

 

(俺を生かすように動くなんて...待て、一つだけあった。)

 

『生』と『死』という明確な始まりと終わりの始まりを象徴するユニークスキル【生存者(イキルモノ)】。

 

いままでずっとエクストラスキルの【超速再生】ぐらいの感覚でしか使ってこなかったが...ユニークとエクストラには隔絶した差がある。他になにか能力が付属していたとしても不思議ではない。

 

そう、たとえば己の意思と関係なく生き(生存し)ようとする...とか。

 

(いや、考えるのは一旦中止にしよう。体が無理矢理にでも避けようとする。それだけ覚えておけばいい。)

 

そうして思考を中断する。目の前にいるのは自分を殺しうる敵。そのために使えるものなら使わねば食卓に乗るのは自分の方だ。そう考え、敵の観察に戻る。

 

先ほどは牽制で放たれた蜘蛛糸を人化して間を通ることで不意を突けたが、次からは警戒して二度も同じ手は通じないだろう。

 

そして体内破壊を狙った攻撃もダメージは小さい。

 

ならばまずは足場を崩す。

 

思考を再起動させた蜘蛛が不意打ちに警戒しつつもう一度動きを封じるために『粘糸』を切り刻み、空中に浮遊させる。

 

さらに次こそはとブレスで確実に仕留めるため、自分と繋げたままの糸で竜を捕らえるために空中に伸ばしていく。

 

それを竜はあえて大袈裟に動き、作られた風を使って吹き飛ばす。加速するために空気抵抗を減らそうとしていた動きでは出来なかった対策だ。

 

さらに水中毒からの連想で【猛毒生成】を使うことで水球を生み出し、飛び回りながら顔面に向かって打ち出していく。

 

蜘蛛を守る【魔力妨害】の壁は魔力を使う過程を妨害するものであり、結果を妨害は出来ない。

 

燃えている最中の炎を減衰できても、すでに作られた水は減衰できないのだ。

 

とはいえダメージを与えるほどの勢いは出ず、ただ蜘蛛の苛立ちを加速させるだけである。

 

水ゆえに糸で切り裂くことはかなわず、ブレスで蹴散らすにも以前のことが頭にちらつく。

 

「ギッ...ヂヂヂヂヂヂ!!!」

 

しびれを切らした蜘蛛が怒りの声を上げる。

 

その意識を竜から反らした一瞬を見逃さず、高速で飛行し───

 

 

「ギィッ──グガッ!?」

 

 

その横から凄まじい速度で飛んできた岩に衝突した。

 

何が起きたか分からず、しかし理解する隙を蜘蛛が与えるはずもなく追撃に四方から岩が次々と飛び出し竜の体を捕らえた。

 

この岩は蜘蛛のスキルである【統一者】の能力、『結合』によって作られたもの。

 

つまり蜘蛛が放った糸は捕らえるためのものではなかった。糸を警戒させることでその後の行動から目をそらさせ、竜が攻撃にうつった瞬間に糸の先端に砂の結合で作った岩で封じ込めたのだ。

 

「まさかッ──!」

 

竜がようやく理解し、蜘蛛がブレスを溜めていることに気づくもすでに遅い。

 

もがけばもがくほど岩が崩れ、砂が入り込むことでさらに動きを阻害する。

 

その間に時間切れとなり、

 

 

 

──一筋の光が放たれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここまでうまく行くとは思ってなかったぜ。」

 

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