オイ、何で誰も教えてくれなかった!?
そうだよ元人間なんだから人間になろうとしたことねェよ!人間になろうとするのは人間じゃない証拠じゃねぇか!めっちゃ頑張った俺がバカみてぇじゃねぇか!
...おい今バカとか言ったヤツ、メタル系の敵にクリティカルが出ない呪いをかけといてやる。経験値稼げずに苦悩するんだな!フハハハハ
『確認しました。』
『ユニークスキル【
『成功しました。』
いや違うわ!つーか何で俺が渡さなきゃいけねぇんだよ!未だに【自己改造】のスキル持ちは最初のヤツしかみたことないし。
そういえば最近襲ってくるヤツが減ってきたな。
生後10年ほどはずっと襲撃に次ぐ襲撃で疲弊させられてきたのに、余裕を持って倒せるようになってからは誰も来なくなった。ただ視線を向けるだけ。
急になくなると少し寂しいと感じるものの、強者として認定されたと思うと悪い気はしない。
今日も『レッド・ボア』という名前の食えば翼が授けられそうなイノシシを食らう。
【悪食】の補正効果なのかは分からないが、食べられないようなものもギリギリ...本ッ当にギリギリだが食べられる味になっている。
まぁ生肉であるため体が拒絶反応を示すのは堪えるしかない。腹が減っては戦が出来ぬのだから食べるしかないのだけれども。
さっき話した通り、誰も攻撃してこなくなった。逆にいえばこっちから攻撃しなければ行けないのだ。
いつもなら自分から寄ってきてくれるからそいつらを食えば良いが、狩る側になるとその難しさがわかる。
腹が減っているのだから体力はこちらの方がないのは明白だ。だから考えナシで突っ込んでも無駄に体力を消費したまま終わる。割に合わないのだ。
だから空腹というありふれた極限状態であらゆることが要求される。
確実に仕留められる距離まで飛びつかない冷静さ。
気取られないよう気配を絶つ技術。
注意を別に向けさせるための仕掛け。
失敗したときに罠へと向かわせる知能。
いまこうやってイノシシにありつけているのも仕掛けていた罠にかかってくれたからだ。罠で捕らえると奪われる心配があると思うがそれには及ばない。それすらも食えばいいのだ。
...ところで生肉を【火炎吐息】で焼けば良いんじゃ?という疑問に答えたいと思う。
高すぎるのだ、火力が。
直接やったら炭になる。木に燃え移らせようとすると高温すぎて炭になる。遠赤外線みたいにやろうとしてもただの魔素でできた火だからか燃やしたいものしか燃やさない。
だから生肉で食うしかないのだ。
そう言い訳しながら次の肉に手を伸ばし──その手が空振った。
目を向けると3、4びき積んであったレッド・ボアが一匹もいなくなっており、文字通り尻尾を巻いて逃げる『ドッグシーフ』がいた。口にその肉を咥えて。
誰も襲ってこなくなったという言葉は訂正しよう。この犬だけは今までと変わらなかった。
アァ゛?許せねぇ!またやりやがった!
この奪う奪い返すという攻防は何度もやっている。ほとんどが奪われたら奪われたまま取り返せないのが普通ではあるが、それでも諦められない。
(今回こそは逃がすものか!)
ここら辺一帯は平原となっている。当然だ。ヤツと戦うために遮蔽物はハッキリ言って邪魔である。何度も何度も盗みやがって!今日という今日は許さぬ!
ドッグシーフは読まれにくいようにしているが、基本森への最短距離で走っている。実際、図体がデカイ俺みたいなのは森が一番追いづらい。
そもそも速さでいったらドッグシーフのほうが速いのだ。
これから当たり前の話をするが、二足歩行より四足歩行のほうが走るスピードは速い。当たり前だな。二倍の力をこめることができるのだから。
四本脚のドッグシーフと三本脚の俺。簡単だな。
ならばどうやって追いつくか。これもまた簡単だ。逃げる以上のスピードで追えばいい。
後ろ足がメキメキという音を立てて膨張する。以前、スライムから取った【限界突破】のスキルと【自己再生】の複合技である。
某ドラゴンの依頼系RPGでは最弱のモンスターとしているがこの世界では別だった。
エクストラスキルである【超速再生】にさっき言った【限界突破】。さらには2体目の特有個体である証のユニークスキル【
最初にそこに訪れた時は何もない荒野でただ大きいスライムが居ただけだった。しかしその荒野を作り出したのがスライムで星のエネルギーすらも食らおうとしてるのを看破し、【悪食】と【
...今更ながらよく腹から突き破られなかったな。
問題だったのは【限界突破】でこれをすると体が傷つけられる代わりに文字通り格が違くなるのだ。それプラス【超速再生】【痛覚無効】も持っていたためもう少し遅れただけで星は破壊されていただろう。
イメージとしては某運命のキングプロテアちゃんを想像すると分かりやすいだろう。
これを今、自分に使っている【痛覚無効】ではなく【痛覚耐性】だからめちゃくちゃ痛いが、問題ない。
よし最適化完了。目標ドッグシーフ。ア●ロ行きまーす!
地面を踏みしめ、進行方向に突っ込む。ドンと空気の壁を貫き、すれ違いざまに肉を奪い取る。一部の肉を持ってかれたが許容範囲だ。
よし、あと一つ──と思って力をこめたが視界の端に見えた3匹ほど子供につい力が抜けた。その間に取り囲まれてしまったがこれぐらい楽に突破できる。
やつらも分かっているはずだ。分かってるはずなのだ。しかし、やつらがとった行動は逃亡ではなく、撃退であった。
その全員が全員、俺の一挙手一投足に注意を向けつつ子供を守るように立ち回り、反対の方向にいるヤツが注意を引き付ける。誰もが協力して俺という強敵から子供を守ろうとする。
とてもイイ。実に俺好みな展開だ。
だから肉をその場に置いた。元はといえばコイツらを捕まえることが目的だったのだ。肉を取られるのが頭に来ただけでコイツらを殺そうとしてる訳じゃない。
そこまで言い訳してその場を立ち去った。
チラッと見えたドッグシーフの目には驚愕が浮かんでいたが、ただの気まぐれなので期待してほしくないところである。
近くで混乱に乗じて子供を殺そうと飛びかかった【ヘビ・ジャ・スネーク】を魔力弾で損傷が少ないように仕留めた。せっかく見逃したヤツが襲われるのは不愉快だ。
ドッグシーフにエサを取られたことがあり、徒党を組んでいたモンスターを皆殺しにして半分食べて、残りの半分はドッグシーフのところに置いてきた。
健やかに育てよ
俺はそう、星へと願った。
原作ではリムルが【超速再生】でハクロウに切られた腕を直してたけどあれは不定形のスライムは欠損という概念がないと考えてます。よって定型である主は【自己再生】で欠損を直すことが不可能でした。
あとモンスターは基本オリジナルです。
レッド・ボア
罠にはまっても進み続けるヤベー奴。設置した8割の罠を踏ませてようやく止まった。速度がのった時でトカリプトルの3割の速さを出せる。倒したモンスターの中でも一番美味しかったモノ。
ドッグシーフ
めっちゃ盗む。めっちゃ避ける。めっちゃ逃げ足が速い。どこぞのアサシンか、と思うほど隠蔽系のスキルを持つ。わざと姿を見せることでオリ主の反応を楽しんでることがある。
スライム
スライムである。2体目のユニークモンスター。
星すらも食らおうとするトカリプトルを抜いて一番の化け物。その大きさと体重から動きは鈍重である。もし星を食べてたら捕食者が暴食之王に進化してた。
限界突破と超速再生、暴食之王により別世界にも手を出す前にオリ主に食われた。
ヴェルダナーヴァの一人称って?
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僕(作者はコレ)
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私
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オレ(主人公と分けるため、カタカナ)
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我
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ナーヴァ
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拙僧
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一人称ナシ(作者の負担が増大)