ウィズワルドを狙った者達の裏話

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フォリィやヴィジヌの過去に関する妄想を書き起こしてみた。


第1話

金もあって頭も良い、しかし、理解者にはどうしても恵まれなかった。絵筆を手にしたとたん、自分が何をどうすればいいのかが本能で理解できた、そして私は最初の芸術作品を描きあげた。私の作品を見た町の連中は皆薄気味悪そうにしていた。

 

 

何が「初心を忘れず、慢心せず」デスカ!?こんな戯れ言をほざく奴が私より強くて優秀などと認める訳にはいきマセン!しかも奴は全然全力を出していなかった…本当に腹立たしい!今日のところはいったん引き下がるとしまショウ…もっと力をつけもっと魔法の研究を進めるのデス!

 

 

近所の子供が私をからかいに来たので殺した。探しに来た子供の親も口封じに殺した。あいつらの死体を見ているとインスピレーションが湧いてきた。凡才もたまには役に立つ。

 

 

まさか今度はエマの方から戦いを挑んで来るとは思いませんデシタ…。女子供をたかが十数人実験台にしたくらいであそこまで怒りを顕わにするとは、あんな女より私のほうが魔法研究に真摯に取り組んでいる、私のほうが優秀ということですネ。そしてそれは私が今こうして生きていることでも実証されてイマス。私は研究の末にハイアンデッド…不死族の王となりエマの最上級魔法の数々にも耐えきって見せたのですカラ!奴はどうせ死だけは克服できないでショウ…しかし私は死を克服した、私こそが最高!私こそが勝者なのデス!

 

 

殺しがバレて牢屋に入れられた。両親も私を早々と見限った。死刑判決が下され、おそらく覆ることは無いだろう。嫌だ、まだ死にたくない、私はまだ最高傑作に辿り着いていない。こんなところで死ぬわけには…。

「可哀想に、近いうちに死刑が執行されるんですってね。」

顔を上げると見たことのない、綺麗な女の人がいた。

「貴女ほど絵の才能のある人間は初めて見るわ。そんな貴女の命があと数日で失われるなんて大きすぎる損失だわ。」

その言葉を聴いたとたん、目から涙がこぼれ落ちた。私の芸術作品がやっと認められた。

「牢屋から出してあげるし、貴女の創作活動の手助けもしてあげるわ。ただし、一つ条件があって…。」

 

 

魔法というものは本当に奥深い…エマが死んで最高の魔法使いとなった私ですが「魔人」のアスタリスクの力でさらに力を高めることができるトハ!軍国ホログラードとエドゥナには感謝しかありませんネ!

しかしエドゥナはなぜアスタリスクをホログラードに渡したのか、そもそもどういう経緯で手に入れたのか…ホログラード以外にもサヴァロンの王族やライムダールの司祭たち、果ては画家の小娘にもミューザ国侵攻を条件に渡したそうデスガ…。

まあ、私としては魔法研究を進めることができれば文句はありません、ミューザで私の研究成果と魔人の力、存分に試させてもらいまショウ!

 

 

「では私たち3人は予定通りこちらから攻めるとしまショウカ。反対側は私の同僚や盗賊、司祭が攻めるという作戦でしタネ。」

「うるせえな、何度も話し合ったしわかってるよ。」

「めんどくさい人ねぇ、本当にすごい学者なのあなた?」

「すごい学者なのあなた?…私はあのエマですら成し遂げられなかった不死族の研究を極めた、そしてエマはもうイナイ!私こそが最高にして勝者であることは一目瞭然でショウ!」

「エマだあ?誰だよそいつは?すごい魔法使いなのかもしれんが、水不足をなんとかしてくれんのなら俺にはどうでもいい奴だな。」

「学者って大して偉くないくせに自分が偉いと思い込んでる人ばっかなのよねえ…どうせ私の絵もそいつにはわからないでしょうね。」

 

 

「俺の国に近寄るんじゃねえぞ、このイカレ女。見かけ次第叩っ切ってやるからな。」

「ライムダールにも近寄ってほしくはないですね、こちらにはこちらの都合がありますので。」

「どいつもこいつも私の芸術を理解しない凡才ばっかり!私はただ、絵を描きたいだけなのに!」

「絵を描く場所を探しているのデスカ?ならば良い場所がありますヨ、ウィズワルド国の片隅に滅多に人の近寄らない洞窟がありマス、貴女の力を使えば姿をくらまして誰にも邪魔されずに創作活動に専念できるでショウ。」

「そんな良い場所があるの!?貴方結構良い所あるのね!教えてくれてありがとう!」

「もう一つ、良い情報を。ウィズワルドは魔法研究が盛んな国、あそこの研究者達を利用すれば絵具作りに役立つはずデス。また、私自身の研究の最中に発見したことなのですが、人間の血液に魔力を込めると色合いが少し変化するのデスヨ。研究者その物も良い素材になるかもしれまセン。」

「赤の絵具は魔法使いの血を、青の絵具は魔法使い達に作らせて、そして黄の絵具はこの土のクリスタルで…こんなにことが上手く運ぶなんて、うひゃひゃひゃひゃ…。」

 

 

ウィズワルドの魔法研究者達は本当に便利だわ!こんなに綺麗な赤、青、黄の絵具が手に入るなんて!研究所の所長の子供を殺して、奴等の心に隙を作ったところに私の絵の暗示とそれぞれの能力に合ったアスタリスクを渡すことで支配下に置く…手間がかかる計画だったけどここまで上手く進むなんてちょっと不安になるくらいだわ!それにしてもアモナだっけ、子供が死んだときのあいつらの顔は傑作だったなー、くくく…。

…でもなんでなのかしら、アモナの葬式を見ていると爽快感よりも怒りがこみ上げてきた。どうして、アモナの死を悲しむ人々を見ていると自分が死刑判決を受けたときの町の連中が野次を飛ばす姿を思い出すのだろう。なんであんな子供がこんなにも死を悲しまれているの?

…何変な物思いに耽っているのかしら、我ながらおかしなことをしてる。最高傑作の完成まであと一歩よ、邪魔する連中を始末して、さっさと描きあげるとしましょう。

 

 

あの時の画家は結局、グローリア王女達に倒されたようですが、彼女がウィズワルドに残した爪跡は浅くなかったようですネ。まさかエマの弟子の一人娘が巻き込まれて死んだトハ!奴の嘆き悲しむ様子が見られなかったのが残念デス。まあ、今回さらった住人達を不死族に改造すればもっと絶望させることができるのでよしとしまショウ。その時についでに画家をけしかけたのは私だと教えるとしましょうカ。

さて、住人達を助けに追って来た者達がいるようデスガ…奴等を倒してもう一度証明するとしまショウ、私こそが勝者であることヲ。




フォリィがなぜウィズワルドを狙ったのか、ヴィジヌが裏で一枚噛んでいると考えると結構納得いくし面白いと思いませんか?

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