SCP:IRON.SAGA.   作:野生のムジナは語彙力がない

5 / 8
おかえりなさい! 指揮官様!

今回は喫茶店バビロンによく出てくる黒猫(プレゼントを渡すとそれに対応したキャラを連れて来るあの猫ちゃんです!)がもしscpだったら、という報告書となっています。
先に言っておきますと、今回はあんまり出来が良くありません


SCP−025–IS 『黒猫キャルの迷走便』

アイテム番号:SCP−025–IS

『黒猫キャルの迷走便』

オブジェクトクラス:Euclid

 

 

 

特別収容プロトコル:

SCP–025–ISはその性質上、収容は不可能です。

しかし『キャル』はとても大人しいことに加え、餌付けによって十分にコントロールが可能であること、さらにはその異常性が喫茶店バビロン内でのみ発現することから、前足に追跡用発信機を取り付けてさえいれば、他に特別な警戒と収容を必要としていません。

『事案:SCP–025–IS』以降、SCP–025–ISに対して何かを与えるといった行動は、バビロンの従業員と委員会出身者以外には禁止されています。非関係者による前述した行動に対しては、カバーストーリー『餌やり禁止(肥満防止の為)』等が適用されます。

 

 

 

説明:

SCP–025–ISは黒い毛並みと金の瞳を持った雌のイエネコです。喫茶店バビロンで飼育されており、従業員たちから『キャル』と呼ばれ親しまれています。

SCP–025–ISは高度な空間跳躍能力を所持しており、その移動距離は半径100㎞圏内 500㎞圏内 2000㎞圏内 40000㎞圏内 理論上無制限であると思われます。

 

その際、SCP–025–ISに対して何らかの贈り物を持たせると、その直後に『配送イベント』が発生します。(贈り物の種類は本や食べ物、武器などといった実体のあるものから、ムクロなど実体のないものまで様々です)

『配送イベント』が発現すると、SCP–025–ISは持たせた贈り物と共に消失し、その贈り物に因んだ人物(以降、『受取人』と表記)の元へと転移します。その後、SCP–025–ISは贈り物を差し出し、受取人が受領すると、SCP–025–ISは消失。その後、喫茶店バビロンに再出現します。一連のイベントは約数分〜6時間で完了し、稀に受取人をバビロンに連れて来ることがあります。

『配送イベント』の詳細については『実験記録:SCP–025–IS』を参照して下さい。

 

委員会によって異常性が確認されるまで、喫茶店バビロンにて実に███回以上もの『配送イベント』が発生したと推測されます。

なお、SCP–025–ISは委員会の最高責任者である『指揮官』に対して非常に友好的であり、SCP–025–ISは友好の証として前述した能力を用いたプレゼントの配送(主に基地スタッフに向けて)を行なっていたことが明らかになりました。

 

しかし、SCP–025–ISの空間跳躍能力は非常に不安定で正確さに欠けているようであり、多くの場合、受取人と接触することなく持たせた贈り物を紛失した状態でバビロンに帰還することが分かりました。計算の結果、贈り物が指揮官の指定したスタッフに届けられる確率は僅か17パーセント程度しかないようです。

 

 

 

実験記録:SCP–025–IS

以下は、SCP–025–ISに対して贈り物を持たせ、『配送イベント』を発生させた際の実験記録です。尚、実験をスムーズに行うべく、本実験はSCP–025–ISと友好的な関係にある指揮官主導の下で行われました。

 

実験1.

贈り物:ジュース

受取人:シェロン(実験時は基地で待機中)

結果:SCP–025–ISはA.C.E.学園に転移。その後、受取人の姿を捜索するも見つけられず、贈り物を紛失した状態で3時間後にバビロンへと帰還しました。

 

で、あたいのジュースどこよ?

ーシェロンー

 

 

 

実験2.

贈り物:本(仕込みナイフ)

受取人:エリカ(実験時はA.C.E.学園で待機中)

結果:SCP–025–ISは南極大陸に転移。その後、受取人の姿を捜索するも見つけられず、贈り物を紛失した状態で1時間後にバビロンへと帰還しました。

 

さ、寒くなかったの?

ーエリカー

 

 

 

実験3.

贈り物:プリン詰め合わせ

受取人:スロカイ(実験時は機械教廷で活動中)

結果:SCP−025–ISは機械教廷に転移。受取人であるスロカイと接触し、贈り物を届けることに成功。その3分後、スロカイと共にバビロンへと帰還しました。

 

贈り物の数が多ければ多いほど『配送イベント』の成功率が上がるようだ。

ーイシュメール博士ー

 

 

 

<実験4〜10は省略>

新たな発見が得られなかったため。

 

 

 

ところで紛失した贈り物はどこへ行くのだろうか? 紛失する前提で、次の実験では贈り物に追跡装置やカメラをつけた状態で行ってみようと思う。

ーイシュメール博士ー

 

 

 

実験11.

贈り物:1本のペン(イシュメール博士の私物)

受取人:イシュメール博士(バビロンの外で待機)

結果:SCP–025–ISは崑崙研究所に転移。その後、受取人であるイシュメール博士を捜索した後、1時間後にバビロンへと帰還しました。ペンについた追跡装置は帰還直前にシグナルロスト、崑崙研究所で博士のペンは発見されなかったことから、恐らく、帰還のための転移時に紛失したものと思われます。

 

 

 

実験12.13.

<データ削除済み>

 

うん、気を取り直して次に行こうか

ーイシュメール博士ー

 

 

 

実験14.

贈り物:定期入れ

受取人:新条アカネ(基底現実に存在していない)

結果:SCP–025–ISは贈り物の配送を拒否しました。

 

流石に、次元を超えることは出来ないようだ

ーイシュメール博士ー

 

 

 

実験15.

贈り物:星図

受取人:ヘルヤ(実験時、所在不明)

結果:転移後、SCP–025–ISの追跡装置が突如として機能停止する。技術スタッフが原因を調査していると、突如として追跡装置の機能が回復。その数分後、SCP–025–ISは受取人であるヘルヤと共にバビロンへと帰還しました。

 

インタビューの結果、実験当時ヘルヤは月周回軌道上の母船にて待機中、突然目の前にSCP−025–ISが現れ、いつのまにかここに連れてこられたと非常に混乱した様子で証言しました。

 

なるほど。受取人が基底現実世界にいるのであれば、その距離に関係なくアイテムを届けることができるというわけか……最も、僅か17パーセントの確率で黒猫が迷うことなくたどり着けたならの話だが

ーイシュメール博士ー

 

 

 

 

補遺:

委員会が異常性を確認するきっかけとなった『事案:SCP–025–IS』以降、異常性の秘匿・保護の為にSCP–025–ISとの交流はバビロン従業員と委員会出身者たちに限定されることになりました。実験参加者たちには『配送イベント』が17パーセントという低い確率でのみ成功するということに留意して下さい。

 

SCP–025–ISは賢く、ある程度の人語を理解していると思われます。『事案:SCP–025–IS』は配送イベントを連続で失敗し、泥酔した一般客から酷い悪口を言われたことによって発生しました。

 

そのため、SCP–025–ISを用いた実験や交流を希望する委員会出身者は、配送イベントに失敗して贈り物を紛失してしまったからと言って、SCP–025–ISに対してクソ猫などと陰口を叩くのは止めましょう。−彼女は酷く悲しみます。




余談
黒猫の名前を何にするかって考えて、店名がバビロンであることを踏まえました。バビロンを首都とするバビロニア王国は古代メソポタミア文明の一部なので、メソポタミア神話に登場する女神であるキシャル(地を司る神)を猫の名前に使おうと思いました。(女神ティアマトは狙いすぎ、他の女神は猫っぽくないという理由で不採用)
ですがマダムならもっと可愛い名前にするかなと思ったので、キシャルを少し省略して今の『キャル』に落ち着きました。
某プリコネにもキャルちゃんいるし
あっちもちょうど黒猫だし
(さらに言えばどっちもポンコツだし、多少はね)

余談2
実を言うと、第1稿だとキャルちゃんことあの黒猫が実はアイサガの闇に繋がっているというオチにしようと思っていたのですが、SCP.IRのベースが『小さな財団』であることを思い出し、より危険でより変な設定を盛り込むことはやめておこうと考え、この形となりました。実験12.13.はその名残です。

それでは、また……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。