転生したら影の国に流れ着いてしまった件   作:辛味噌の人

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 FGOやってて遅れました、申し訳ない。
 イリヤ説得パートです。
 オリ主は誤解を解くことができるのか?
 どうぞ。


第8話 宗次の願い

「わかるさ。わかるとも。俺は─全部知ってる。切嗣の思いも、イリヤの境遇も」

 

 そう言って俺は1歩前に出る。ここからが正念場だ。

 

 正直言って原作知識はほとんど残っていない。当たり前だ、ただでさえ転生して18年たっているというのに、お師匠との修行でほとんど忘れてしまった。それに、残っているのもよく会う人達のものばかり、正直役には立たない。

 まぁそのおかげで英雄王に殺されなかったということもあるし、俺自身この世界を作り物だとかは思えないので別に構わないのだが。

 

 そういうこともあって俺は原作知識を活用したことは無い。

 町中に隠蔽のルーンを刻んだ使い魔を飛ばしたのも安全確認の為。凛が士郎に惚れるように仕向けたのも、俺に万が一のことがあったとき、俺に代わって士郎を支えてくれる奴だと、直接話して判断した為。間桐桜をできるだけ士郎から遠ざけようとしたのも、初めて会ったときに彼女の危険性を見抜くことができた為。アーチャーの正体が士郎だと分かったのも、原作を思い出すまでもなく、細かい動きの癖が士郎と全く同じだった為。

 

 ─そして、切嗣につけた使い魔を通してイリヤのアインツベルンでの扱いを知りながらも助けに行こうとしなかったのは、俺が封印指定にされてしまったときに、士郎に危険が及ぶことを恐れた為。

 

「ッ!分かったようなことを言わないで!あなたもキリツグも、私がどんな酷い目に遭ってきたか知らない癖に!」

 

「いや、知ってる。理解出来るなんて無責任なことは言わないけどな。でも知ってるからこそ、切嗣はお前を何度も迎えに行こうとした。─そして、俺は知っていながら、お前を見捨てた」

 

 息を呑む音が聞こえた。イリヤのものだけでなく、士郎のものも。

 

「嘘だろ…?兄さんが誰かを見捨てるなんてそんな訳ない!」

 

 士郎の悲痛な叫びが聞こえる。いささか俺を盲信し過ぎな気もするが、まぁ仕方ないかもしれない。俺は士郎の前では、弱きを助け強きを挫く、理想の兄にして正義の味方を演じていた。精神年齢の差もあって、士郎なら俺に憧れを抱いていた事だろう。

 

「いいや、本当だとも。俺が封印指定にされてしまったときの士郎の安全と、イリヤ。ふたつを天秤にかけて、俺は士郎を選んだ。イリヤを見捨てたのさ」

 

 俺が正義の味方など、とんでもない話だ。正義の味方ならば、教会の地下で英雄王の魔力タンクにされている子供達を救出するだろう。

 でも俺はしなかった。それをして英雄王と言峰を敵にまわすのを避けるために。

 原作知識など関係無しに助けられたはずの人々も助けなかった。士郎の安全の為と言い訳をして。そんな俺が正義の味方などありえない。

 

「でもなイリヤ。俺は確かにお前を見捨てたが…切嗣はお前を何度も何度も助けに行こうとしていた。それだけは事実だ」

 

 しかし、切嗣が誤解されたままなのはダメだ。それじゃ切嗣が報われない。

 

「俺のことはいくら恨んでくれても構わない。いくらでも殺しに来てもいいさ。でも、切嗣は恨んでくれるな。切嗣は、本気でお前を助けようとしていた。それだけは真実なんだッ!」

 

 頭を下げる。虫のいいことを言っているのはわかっている。しかし、切嗣の誤解を解くことが、俺にできる最後の親孝行だ。

 

 

「…そうやって頭下げられちゃうと、なんか恨んでたのがバカバカしくなっちゃう。もういいわ、キリツグもお兄ちゃんも許してあげる」

 

 

 …?

 

 

「お兄ちゃんにも事情があった訳だし…お兄ちゃんが酷いことした訳じゃ無いんだし、恨むのは筋違いよね」

 

 

 あれ?

 

 

「信じて…くれるのか?」

 

「なぁに?信じて欲しくないの?」

 

「い、いや、そういう訳じゃないが」

 

 こんなに聞き分けがいいとは、想定外にも程がある…

 

「私に許して欲しいなら、助けたかったけど助けられなかったとか言えば良いわけだし、ちゃんと話してくれたんだから、怒るのもおかしいわよ」

 

 もはや俺には口をあんぐり開けることしかできない。イリヤってこんなに賢かったのか…

 

「あー!こんなに賢かったのかって顔してるー!言っとくけど!私の方が年上なんだからねー!」

 

 は?俺の方が年上だが?(約20歳高校三年生)いやそうじゃなくて。

 

「ありがとう、信じてくれて。正直責任取って自害しろとか言われると思ってたが…イリヤは優しいな」

 

「ふふっ。でも、今は聖杯戦争中だから、恨みで殺したりはしないけど…魔術師同士の殺し合いなんだから、お兄ちゃん2人も、そこの赤いのも、私のバーサーカーがぶっ殺してあげるんだから!」

 

 うーんこの鬼畜ロリ。でもそういうことなら…

 

「ハッ、いいぜ、受けて立ってやる。俺は死なねぇし、士郎も俺が守るさ。遠坂はまぁ、アーチャーが守るだろ」

 

「お待ちを、ソウジ。マスターを守るのはサーヴァントの務め、シロウは私が守ります」

 

「あん?今日召喚されたばっかりのぽっと出が何言ってやがる。弟を守るのは兄の務めだ、テメェはすっこんでろ」

 

「何を!?」

 

「あはは!仲がいいのね、お兄ちゃんとセイバー。今晩はもう帰るわね、また会いましょう、お兄ちゃん達。次は容赦しないわ」

 

「おう、いつでも来い。…ありがとな」

 

 

 平和とは言い難いが、誤解は解けたし、良かった良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あれ?」

 

「▫️▫️▫️?」

 

「バーサーカー、1回死んだわよね?」

 

「▫️▫️▫️」(頷く)

 

「…え?お兄ちゃんが殺したのよね…」

 

「▫️▫️▫️」(頷く)

 

「ええええ!?お兄ちゃん何者!?」

 

 

 




 はい。
 ご都合主義が過ぎる気もするけど、ここで和解しないと何処で和解するって話ですし…
 許してくださいm(_ _)m
 お読みいただきありがとうございました。
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