転生したら影の国に流れ着いてしまった件   作:辛味噌の人

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第3話です
後日番外編ということでスカサハとの日常について描写するかも。



プロローグ その3

 

 どうも、転生者の無銘です。たった今目を覚ましました。

 いやぁ魔猪は強敵でしたね(真)。脇腹はどうやらお師匠が治してくれたようで、痛みは無いです。

 

「目を覚ましたようだな」

 

 あっお師匠。

 

「よくやったな。正直私はもっと苦戦すると思っていたのだが…神代の人間でもないのに、よくやるのう」

 

 えぇ…(困惑)。お師匠の予想を上回れたのは嬉しいが、そんな高難易度のやつをいきなりやらせないで頂きたい。これだからケルトは…

 …さて。現実逃避はここら辺にしておこう。いや、出来ればもう少ししていたいのだが、これ以上引き伸ばしては居られない。

 

「あのお師匠。俺の服はどこですか?あと、なんで裸なんですか?」

 

「何を言っている。男と女が裸でやることなどひとつだろうに」

 

 勘弁していただきたい(白目)。俺は今疲労で動けんのだ。特に右腕など無理をした影響で筋肉痛でろくに動かせん。

 いやそんなこと言ってる場合じゃねえやめろください俺まだ10歳だぞショタぞショタってああルーン使って拘束するのやめてああ逃れられないタスケテー!

 

「疲れて動けんのは分かっておるから、私からヤってやる。安心しろ、天井のシミでも数えておれ」

 

「待って!ストップ!俺まだ10歳ですよ!?」

 

「安心しろ、コンラともヤった」

 

 これだからケルトはぁぁ!!

 

 アーーーッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうも、転生者の無銘です(白目)。お師匠に食われました(性的に)。

 どうしてくれるんですかね…俺もうお師匠とどんな顔して会えばいいのかわかんねぇよ…助けて正義の味方…ダメだ、某エミなんとかさんも女難だった。

 

 そんな俺の心情はお師匠にはもちろん関係なく、修行はさらに苛烈になっていく。お師匠曰くラストスパート。

 なんでも、あまり影の国に居すぎると、外の世界に出られなくなるそうだ。お師匠みたいに。それで、ひとまず教えるべきことを全て教えて外の世界に送り出すとの事。

 なるほど、なんだかんだでこの影の国ともお別れの時が近いわけか…なんだか寂しいな。

 ともかく、頑張っていこう。修行を完遂した暁には、ゲイ・ボルクをくれるらしいし。さすがお師匠。俺のモチベのあげ方をよくわかってらっしゃる。

 

 よし、イクゾー!!

 

「甘い!」

 

 グワーッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうも、転生者の無銘です。今日はついに修行の最終日…なんだか感慨深い。

 あっ、あれからもお師匠には定期的に襲われました(白目)。勘弁してくれよ…。

 それで、最終試験らしいので、いつぞやの闘技場にやって来た俺を待って居たのは…

 

「◻️◻️◻️◻️◻️◻️◻️◻️◻️!!」

 

 波涛の獣こと、クリードでした(白目)。

 

「さあ、今までの総決算だ!無事、波涛の獣を討ち果たし、私にその武を魅せるが良い!」

 

 もうね、ここでゴタゴタ言ってもどうにもならないのは知ってます。戦わなくては、生き残れない!大丈夫、コインヘンは倒した!クリードも勝てる勝てる!

 行くぞ!俺の勇気が報われると信じて!

 

「うおおおおぉ!!」

 

「◻️◻️◻️◻️◻️◻️◻️!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よくやったの、合格じゃ。さすがは我が弟子じゃの」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

 よーし!よしよしよし!勝った!勝ったぞ!生きてるって素晴らしい!

 

 「それでは私はこれをゲイ・ボルクに加工してくるからの。ゆっくり体を休めるが良い。」

 

「はい」

 

 そういえばゲイ・ボルクってクリードの外骨格でできてるんだったな。まぁいい。俺は寝る。おやすみなさいー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、準備はできたの?」

 

「はい、今までありがとうございました。このご恩は一生忘れません」

 

 ついに出立の日。うーん、さすがに涙が出てきた。なんだかんだで10年以上お世話になったから、悲しいものは悲しいのだ。

 それに、俺が影の国に流れ着いたのは奇跡のようなもの、もう2度と来ることはできない。そう思うと、涙が出るくらいは許して欲しい。

 

「これ、そう泣くでない。安心しろ、お前はこの影の国と繋がりができた。定期的に夢で稽古をつけてやるから安心せい」

 

 アッハイ。涙も引っ込んだわ。確かにお師匠ならそれくらい出来そうだわ。

 ちなみに、持ち物は現世風の服が1着に、ケルト戦士特有の、自動修復のルーンが刻まれた全身タイツっぽい戦闘服が1着。訓練の際に使っていた愛用の槍に、先程渡されたゲイ・ボルク。以上である。食料とかは気にしてはいけない。どうせお師匠が誰かに拾われるような場所に飛ばしてくれる。ちなみに戦闘服や槍は俺の魂魄と結びついているので、普段は霊体化的な感じで消えている。出す時は念じれば出てくるし、戦闘服は勝手に服と置き換わる。まるで魔法少女みたいだぁ(直喩)

 

「よし、泣き止んだの。…では、行くがよい!」

 

 その声を聞き、俺は目を閉じて影の国の門を通る。これを越えれば、現世のどこかに転移するらしい。

 原作介入するにしても、しないにしても、お師匠に誇れるような生き方をしたい。

 

 そう決意した俺が、再び目を開けたとき、俺が目にしたものは…

 

 

 

 




これにてプロローグは終わりです。
お読み下さりありがとうございました。
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