転生したら影の国に流れ着いてしまった件   作:辛味噌の人

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 staynight編です。
 多分プリズマ☆イリヤも書くと思います
 ちなみにオリ主の見た目は、蘭陵王の髪がやたらとくすんだ黒に近い灰色で目は黒色、目付きがちょっと悪い感じを想像していただければ。
 男の娘…と言うには男らしすぎるかな?
 寝て起きたら色ついててびびった。
 とりあえずどうぞ


Fate/staynight 運命の夜
第1話 月下の誓い


 影の国から送り出された俺が見たものは、空に開いた穴とそこから零れ落ちる黒い泥、そして燃える街だった。

 

 おおう…staynight…まぁいいや、いや良くない。言峰に拾われたら不味い!助けて切嗣!ってアツゥイ!服燃えとる!消えろ!消えろ!

 ふう危ない…うん?近くに人が…男の子か?…ってこの赤毛!士郎!士郎じゃないか!人間エミュロボット(作者談)の衛宮士郎!ってことは…

 

「誰か!誰かいないのか!?」

 

 いたー!衛宮切嗣!作者が英霊除いたら1番好きなキャラの衛宮切嗣じゃないか!(メタ)

 

「こっちです!こっち!」

 

 何かの間違いで気づかれないなんてことにならないように、大声をあげて手を振る。俺が拾われないのはまだしも、士郎が拾われないのは困る。

 

 俺の声が届いたのか、慌ててこちらに駆け寄って来る切嗣。よし…いや大丈夫か?俺だけ拾って士郎が助からないとかだったらヤバい…

 

「よかった!無事か!?生きてるんだね!?」

 

「はい、俺は大丈夫です。それよりこっちに。まだ生きてる人がいます!」

 

 俺が軽いやけどだけで無事なのを確認して膝から崩れ落ちそうになる切嗣を士郎の方に誘導する。割と重傷なのでとっとと早めのアヴァロンしてあげて?

 

「よかった…ありがとう…!生きていてくれてありがとう…!」

 

 いやぁエミヤシロウの原点に立ち会えるとは…転生してみるもんだなぁ…

 

 やがて士郎の治療(アヴァロンぶち込むだけ)を終えた切嗣は士郎を抱えてこちらに向き直る。

 

「君、家族は?」

 

 (家族はい)ないです。あいつら死んだよ。俺が殺した。

 

「そうかい…じゃあ、僕と一緒に来るかい?」

 

 おk。衛宮家の一員になれるならなりたい。でもこんな状況じゃなければ只の不審者発言だよね。唐突すぎるし。まぁ俺は切嗣の素性知ってるからいいけど。

 

 こうして、俺は切嗣に拾われるのだった…

 

 

 

 

 

「そういえば、名前を聞いてなかったね」

 

 あっ……よし、でっち上げよう

 

「宗次です」

 

 転生者の無銘⇒無銘⇒無明⇒無明三段突き⇒沖田総司⇒総司⇒宗次…うん、分かりやすいすい。

 

「僕は衛宮切嗣。宗次君、僕はね…魔法使いなんだ」

 

 うーんこの不審者感。俺じゃなきゃ逃げちゃうね。

 

 

 

 

 

 

 そうして俺は衛宮宗次となった。俺がいることで士郎が拾われないのではないかと少々焦ったが、無事士郎も養子となったので安心した。

 それからというもの、俺は切嗣にも士郎にも己の素性を隠し通して暮らした。何度か切嗣の手助けをすればイリヤが救済できるのではないかとも考えたが、そのまま封印指定にされては士郎にも危険が及ぶ。

 原初のルーンを全て使えるというのは封印指定にするには十分だ。イリヤを助けても士郎が死んでは本末転倒である。今はなんの面識のないイリヤよりも士郎の方が大切です。いや、今でもバゼットくらいならなんとかなると思うけどね?

 

 そうして暮らしているうちに、士郎が魔術を習い始めたようだ。頑張って俺に隠そうとしているのが面白い。

 俺は聖杯戦争が始まるまでは魔術に関わりのない人間として過ごそうと思っている。別に筋トレは隠れてするが、魔術は夢に毎日のようにお師匠が出てくるので、槍の扱い方と共に学ぶことにしている。ちょっとマーリンみたいで嫌だけど仕方ない。

 だって一般人だと思っていた兄が実は自分より遥かに強いと知った時の士郎の顔が気になる…気にならない?

 

 ちなみに俺は士郎の兄になりました。精神年齢的に考えて残当。どちらも実際の年齢も誕生日も不明だからね。同い年の兄弟ということになった。おそらく俺の方が少し年上だと思うが。あんまり身長に差がないし仕方ないね。

 家事?2人で分担してるよ?士郎に押し付けるほど俺は酷くない。俺は切嗣とは違うのだ。

 

 

 

 

 それからしばらくたって、切嗣もそろそろ限界のご様子。うーん、やはり悲しいな。転生してからできた初めての父親だったから、お別れの時は涙は許して欲しい。

 それと、俺は士郎が正義の味方という(呪い)を背負うのを止めるつもりはない。おそらく言って止まる類のものではないだろうし、士郎にとってはそれが1番の生きる意味になるだろうから。

 

 

 

 

 

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「僕はね、士郎。子供の頃、正義の味方に憧れていた」

 

 月が照らす縁側に、1人の男と1人の少年が並んで座っていた。

 

「憧れてたって…諦めたのかよ?」

 

 男の諦観を含んだ呟きに、少年は年相応の反発心を込めて問う。

 

「ああ、ヒーローは期間限定で、大人になると名乗るのが難しくなるんだ。」

 

 と男は苦笑しながら、答えた。

 

 その言葉に、少年は、なんでもないかのように、しかし重い覚悟を孕んだ声音で答える。

 

「そうか…なら、俺が代わりになってやるよ」

 

 男は、その言葉を聞いて驚いたようだった。

 

 少年は揺るぎない、純粋で真っ直ぐな瞳で宣言する。

 

「任せろって。爺さんの夢は、俺が…

 必ず形にしてやるから

 

 男はその言葉を聞いて、ひとつ大きく息を呑んだ。そして、一拍おいてから、万感の思いを込めて呟いた。

 

「ああ…安心した…」

 

 微笑む男と笑う少年を、月が優しく照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「士郎、いつまで起きてるんだ?歯磨きして寝る準備しなさい」

 

「わかったよ、宗次兄さん」

 

「…もう、長くないか」

 

「そうだね…もうもたないと思う」

 

「…癌、だっけ?まだ若いのにな」

 

「仕方ないよ…仕方ないんだ」

 

「…さっきの話だが」

 

「聞いてたのかい?」

 

「最初からな。…士郎は、1度決めたことは貫くタイプの人間だ。きっと、切嗣から受け継いだ夢を生涯抱き続ける」

 

「そう、だろうね」

 

「だから俺が支えてやるんだ。いつか、折れてしまう時が来るかもしれない。そのとき、続けるにしても辞めるにしても、その隣に誰かがいてやらなくちゃ、あいつはきっと腐っちまう」

 

「そうだね…士郎を、頼むよ。宗次は、もしかしなくても僕よりもしっかりしているからね」

 

「任せろって。それが、俺が切嗣にできる唯一の恩返しで、兄としての義務だからな。…俺を拾ってくれたこと、本当に感謝してる。あの時切嗣がいなかったら、今の俺はいなかった」

 

「切嗣は正義の味方になれなかったって言うけど、確かにあの時、切嗣は俺にとって、多分士郎にとっても、正義の味方…ヒーローだった。俺は、士郎は、あんたに救われたんだ。ありがとう、切嗣。この恩は、一生忘れない」

 

 

 

 

 

 

「…そうか、僕は…救えたんだな…」

 

 

 

 

 




 うーん駆け足
 書きたいとこだけかく悪癖が出てしまった…これは駄文ですね
 衛宮家での日常も番外編にて描写予定です。
 次回、聖杯戦争開始…予定
 お読みいただき、ありがとうございました。
 感想、評価、誤字報告お待ちしております。

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