ハリーポッターと不死身の預言者【改正中】   作:或売奴千刺

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いまさらながら()内で主人公の心の声を表す場合があります。
2021/10/13 10:16 開心術の説明を追加


『マッドハート』リンネ・ウェインライト

「……相当に魔法に詳しいんだね」

 

しゃがむようにして膝を曲げて目線を合わせて来たアーサー・ウィーズリー(仮)はリンネの頭を我が子のようにくしゃくしゃと撫で回した。

 

(魔法に詳しい?まさか疑われているのか?マグルなのによく魔法についてわかったなと言う意味かもしれないし、それは考えすぎかもしれない。ともかく……)

 

リンネは恥ずかしそうに耳を赤らめてモジモジしながら下を向いた。

 

「そ、そんなこと無いです……僕ちょっとだけしか勉強してないですし」

 

一度も親に褒められたことがないかのような、周りより少し大人っぽい賢い子供であると心掛けてリンネは振る舞う。

アーサー(仮)から目を逸らしたのは、万が一開心術をかけてくる可能性を考えたからだ。

開心術をかける条件は相手と目を合わせること。

開心術をかけられては、演技をしようとも魔法的な防衛が一切できないリンネはたちまち全ての秘密が抜かれてしまうだろう。

開心術とは、目を合わせ相手の心や記憶を覗き見する恐ろしい魔法なのだ。

つまり、やましいことが有ればあるほど、注意しなければいけない魔法なのだ。

開心術には閉心術という反対呪文……つまり、対抗手段があるができるはずもない。

 

あまりにも自然に話しているから忘れがちだが、リンネ・ウェインライトが魔法族を知ったのは"今日"初めてなのだ。

 

まさか怪しいからと言って、突然、子供に開心術をかけてくることはないだろうが、念には念を入れて置いて損はない。

そんなことをするのは闇の魔法使いと、相手が闇の魔法使いだという証拠を掴んでいる時の闇払い(魔法界の警察のような人)だけだろう。

ああ、それから忘れてはいけない。

今世紀最大のもっとも優れた魔法使いとも知られマグルのお菓子が好きなお茶目けのあるお爺さんとして、周りに通しているホグワーツの現校長アルバス・ダンブルドアなら、怪しいと直感で思えば相手が子供でも開心術を平気な顔をしてかけてくるだろう。

 

あからさまに目を逸らせば怪しいこと極まりないが、子供が照れて下を向いて今、開心術から逃れようとしただろうなどと疑うのは"油断大敵"が人生の標語である『マッドアイ』ムーディだけだろう。

 

闇の魔法使いも、闇払いも、アルバス・ダンブルドアも照れて、恥ずかしがって下を向くくとと、開心術から逃れようとしたことを関連付けたりしない。

なんと言ってもまだ誰かに怪しまれるような行動はしていないからだ。

 

……寝巻きに、裸足で草まみれという見た目を除けば。

 

少なくとも、かの男が被害妄想のイカれ男であることは、多くの2次創作小説で登場するムーディ像からも、多くの読者にどう思われているかが明らかだ。

 

 

そして、今のリンネ・ウェインライトそのひとが、目に映る全てを"○○かもしれない、万が一"と用心深く疑うその様子こそ、まさしく『マッドアイ』ムーディーそのものだった。

 

 

「いいや、あー、私も息子が何人もいるんだが糞爆弾とか鼻食いつきティーカップとかまあろくなことをしないからね。もしかしてあんまり褒めてもらえていないのかい」

 

「……その、はじめて」

 

蚊が泣くように小さくなる声。今にも泣きそうな顔をしているというのに、まさか演技とは思わないだろう。

 

「いや、すまなかった。家には家の事情があるよな……ああ、これは失敗しちゃったかぁ?」

 

アーサー(仮)も演技とは見抜けなかったようで、本気で幼い子を追い詰めて泣かしてしまったと後悔していた。ように見えた。

まだ油断はできない。

 

リンネはこの身体になる前、血を飲む機会を逃した深い悲しみを思い出して涙を流し、体が変わっても血を欲する精神を抑えつけるように、プルプルと体を震わせ言葉を紡いだ。

 

涙を潤ませながら、身体を震わせて小さくモゴモゴ言った方が、それっぽいからだ。そして大人は子供の涙に弱い。

日本人だった頃、彼が役者だったことなど一度もない。

だが、一人だけ血を吸いたい、人を痛めつけたいなどと人ならざる欲望を持ちながらも友達を作り一般社会に溶け込んで生きて来れたのには、表面上の感情をコントロールする技術があったからだ。

役者がどうしているかは知らないが、彼は嘘泣きをするときは人生でもっとも悔しかった記憶を思い出しながら実際に涙を流すのだ。

 

 

「はじめて褒められたんです、それが嬉しくて。……あの、

 

さっきはっ!ごめん、なさい。

 

その、糞爆弾投げつけるとか言ってごめんなさい」

 

頭をしっかり下げて謝った。

言葉を詰まらせながら謝る。たいして悪いことを言ってなくても子供は凄い罪悪感を持つこともある、というのを人間観察の中で知っていた。

だから、2回もごめんなさいと言いながら、涙を流して謝った。

 

声と態度から子供が罪悪感を感じて謝ったようにしか見えなかったが、彼の心は酷く歪んだ黒い心に満ちていた。

 

具体的にいうと困る大人を見て楽しんでいた。

 

 

「あー、いや!いやいや、いいさ!

 

慣れたものだからね!

 

あっ、そうだっ!よければそこのハブで食べていかないか?今お菓子は無いんだが、その代わりに。

 

あ、えっと、そう。お腹空いていないか?あー、酒は出せんが、バタービールとか好きか?」

 

(バタービールだって?こいつ正気か?……あれ、微小なアルコール入ってるはずだったろ)

 

リンネはリスクをとりたくはなかった。だが、リスク回避とチャンスを天秤にかけるならばチャンスを選ぶ方だ。

漏れ鍋でご飯を奢ってくれるようだが、店の中には多くの魔法使いがいる。

店に入った瞬間、突然集団で杖を抜いて襲い掛かられるかもしれないし、食べ物や飲み物に真実薬をもられるかもしれない。

 

目の前の人物がアーサー・ウィーズリーなら相手がマルフォイ家だとかレストレンジ家だとかはたまた闇の帝王じゃない限りいきなり真実薬なんて盛らないだろうが、警戒しておく必要がある。

そもそも魔法省の役人である、マルフォイ家はともかく、闇の帝王が漏れ鍋で魔法省の役人と仲良くお茶をしているのが想像つかないが。

 

 

"

【アーサー・ウィーズリーとお茶をするヴォルデモート卿】

 

「やあ、今日はよく来てくれたね!トム・リドルさん」

「黙れ!血を裏切るものッ!アーサー・ウィーズリー!」

「おお、こわいこわい。流石、闇の帝王だ、マルフォイとは迫力が違いますな」

「ふん、まあな…マルフォイは純血の中ではいい方ではあるが、俺様のスリザリンと比べると格が劣る」

「それは全くその通りで。ところで先週、マグルを殺したのは貴方ですかな」

「ふん、そうだ、とはいえどれのことだかわからんが。全くご苦労なものだ魔法省の役人が死んだマグルを数えるとは」

……

"

 

……全く、全く想像がつかない。

 

 

ポッターwikiにはこんな記述がある。

真実薬を服用すると相手の質問にどんな秘密でもペラペラ話してしまう恐るべき薬であるが、ほとんど対処法はない。

 

 

2次創作では解毒薬があったりするが、原作にはない。

だからこそ真実薬は魔法界の裁判で使われるのだ。

 

真実薬を勝手に作ったり、許可なくその辺の人に盛るのは違法だし、真実薬の調合だって簡単じゃない。材料も貴重だ。

 

だが抗う方法がない訳でもない。世紀の闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドや闇の帝王ヴォルデモート卿など優れた魔法使いは、見せたくない記憶を閉ざすことで、真実薬に抗うこともできる。

 

魔法の腕がそう高くなくとも忘却術で記憶そのものを消して仕舞えば真実薬でもバレることはないし、舌縛りという呪文で話せなくしてしまえばいくら聞かれても答えられない。

 

なら手でかけという話になるかもしれないが。

 

もしも、彼らがパフォーマンス的な嘘の魔法使いではなく、本物の魔法使いであれば今、アーサー・ウィーズリー(仮)について行くのは高リスクな選択だ。

 

だからといってこの機会を逃すわけにはいかなかった。

 

ハンカチを取り出して……取り出そうとして寝巻きのまま家を飛び出したことを思い出し涙を拭くの裾で拭った。

 

「バタービール、飲んでみたいです!周りがみんな飲んでいて美味しそうだって思って」

 

泣き顔からいっぺん。

 

ワクワクしたような顔を、子供の笑みを張り付けて、リンネ・ウェインライトは、赤毛の男アーサー・ウィーズリー(仮)とともに漏れ鍋の入り口を潜った。

 

 

 

 

 

 




序章や次の章である1章はホグワーツ入学前の話になりそうです。
ちなみにタグと伏線とアンケート結果は回収し反映するもよう。

アンケートの詳細

オリ主を妨害する(決別ルート)
▷ ふぉふぉふぉ、いかんのう。
[目に見えてわかる二番煎じルートです。トム・リドルにダンブルドアが行ったように監視し噂や人伝、自ら近づきあらゆる手で邪魔をしオリ主をイラつかせます。当然ダンブルドアと仲良くできるはずがありません。行き着く先はヴォルデモート卿と同じでしょう]

オリ主を怪しみ監視対象に(??ルート)
▷わしは不安なのじゃ。過去の過ちが。わしはトムを救うことが出来んかったのじゃ。
今ならあやつを救うことができる。
だから彼を"見守って"いてくれないかの……?
[なんか監視されている?気のせい?もしかしてダンブルドアの策略か?とレベルでお互い接触せずに距離を取りながら警戒し合うルートです。ダンブルドアと和解や協力することも状況によっては考えられます]

オリ主を知るが放置(??ルート)
▷今年はハリーポッターが入学する。それだけじゃ、あああとクィリナス・クィレルにはヴォルデモート卿が張り付いていたようじゃがまあいいじゃろう。
こら逃げるでないクィリナス。トロールはホグワーツに入学出来んのじゃ。
[ダンブルドアが忙しくて、どうでもいいと判断したり、子供より明確に怪しいスリザリン生を監視するのに精いっぱいで主人公の悪巧みの他、様々な悪事が放置されることにより他のルートよりも主人公が邪悪度が増します。ただ一度ダンブルドアの耳に入っているので主人公がホグワーツやハリーポッターの友好関係で何か禁句に触れると目をつけられ、時には悪事を暴かれてしまうでしょう]

そもそもオリ主を知らない(??ルート)
▷ リンネ・ウェインライト?知らんのう。
[ダンブルドアに認識されないため、邪悪な道に進みますが全く警戒されない為、力への欲望が下がっていき、ホグワーツを卒業しても邪悪な魔法使いにはなりにくいでしょう。逆にいえば明確な目的ができた場合、ヴォルデモート卿のような道をたどりいつのまにか闇の帝王2世が誕生することも考えられます]

「ほれ、アバダケダブラじゃ」(Gルート)
▷ふぉふぉふぉ、いかんのう。
アバダケダブラ!!
大いなる善の為にじゃよ。"For the Greater Good"すなわちGルートじゃよ、疑わしきは"罰せよ"じゃよスネイプ。
[ダンブルドアがオリ主を警戒するがあまりヴォルデモート卿に姿を重ね、大いなる善の為に、悪に堕ちる前に殺してしまおうと考える。まさかの主人公死亡ルート]

アンケートの結果次第で内容が変わります。【分岐 序-1】ホグワーツ入学前から不穏な動きをするオリ主の行動をダンブルドアが察知するかどうか、ダンブルドアの行動次第でルートが分岐します

  • オリ主を妨害する(決別ルート)
  • オリ主を怪しみ監視対象に(??ルート)
  • オリ主を知るが放置(??ルート)
  • そもそもオリ主を知らない(??ルート)
  • 「ほれ、アバダケダブラじゃ」(??ルート
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